住宅で見つかる虫のすべてが、同じ種類の被害を起こすわけではありません。
木材など建物そのものへ被害を与える虫、人を刺したり吸血したりする虫、食品や生活環境の衛生面で問題になる虫など、それぞれ確認するポイントや対応方法が異なります。
このページでは、住宅で継続的な被害につながりやすく、状況によって専門的な防除が必要になる害虫を中心に整理しています。
虫の種類がまだ分からない場合は、発生場所、数、見つけた時間帯、刺されたか、木材への異常があるかなどを確認してください。
住宅で主に扱う害虫
当サイトでは、シロアリ、蜂、ゴキブリ、トコジラミ、ダニを中心に扱います。
単に家の中へ偶然入ってきた虫を網羅するのではなく、住宅被害、健康・衛生上の問題、継続的な発生など、実際に対策や業者依頼につながる可能性があるケースを対象とします。
シロアリ
シロアリは、住宅の木材を食害することで問題になる害虫です。
東京都保健医療局では、住宅で問題となる主な種類としてヤマトシロアリ、イエシロアリ、アメリカカンザイシロアリなどを挙げています。種類によって生息環境や羽アリが現れやすい時期、痕跡が異なります。
住宅で気づくきっかけとしては、羽アリがまとまって出る、床や窓際に多数の羽が落ちている、基礎や床下付近に蟻道のようなものがある、木材に異常が見つかる、といったケースがあります。
羽アリを見つけた場合
羽アリが一匹いたことだけで、住宅がシロアリ被害を受けていると断定することはできません。
一方、住宅内部や床下付近から多数発生している場合や、近くに大量の羽が落ちている場合などは、周辺にシロアリが生息していないか確認するきっかけになります。
また、通常のアリにも羽アリがいるため、羽アリを見つけた場合は種類の確認が必要です。
木材に異常がある場合
床、柱、窓枠、床下などの木材に異常がある場合も、すべてがシロアリによるものとは限りません。
腐朽、湿気、別の木材害虫なども候補になるため、表面の見た目だけで原因を決めず、被害範囲を確認する必要があります。
住宅構造に関係する可能性があるため、無理に木材を壊して内部を調査することは避けます。
蜂
住宅では、軒下、庭木、ベランダ、換気口周辺などに蜂が巣を作ることがあります。
蜂が一匹飛んでいるだけの場合と、同じ場所へ何度も出入りしている場合、すでに巣ができている場合では対応が異なります。
特にスズメバチ類は巣を守る行動が強く、巣へむやみに近づいたり刺激したりすると危険です。
蜂が同じ場所へ出入りしている
軒下や外壁の隙間などへ蜂が繰り返し出入りしている場合は、周辺に巣がある可能性を考えます。
確認のために顔を近づけたり、棒などで隙間を刺激したりする必要はありません。安全な距離から出入りする位置を確認する程度にします。
蜂の巣を見つけた
巣の種類、大きさ、場所によって対応難易度は異なります。
高所、人の通路付近、壁内など作業しにくい場所にある場合や、多数の蜂が活動している場合は、自力駆除を前提にしない方が安全です。
自治体によって蜂の巣駆除、相談、用具貸出、費用補助などへの対応が異なるため、地域ごとの制度も確認します。
ゴキブリ
ゴキブリは、住宅内だけでなく、建物周辺、排水設備、ゴミ置き場などさまざまな場所に生息します。
一匹見つけたことだけで住宅内に多数繁殖しているとは断定できませんが、同じ場所で繰り返し見つかる場合や、幼虫を含めて複数見つかる場合には、潜伏場所や侵入経路を確認します。
対策は駆除だけではありません
ゴキブリ対策では、目に見える個体だけを駆除するのではなく、餌になるものを減らす、清掃する、潜みやすい場所を減らす、必要に応じてトラップや適切な防除方法を組み合わせることが重要です。
集合住宅では、専有部分だけでなく建物設備や共用部分から侵入する可能性もあります。
トコジラミ
トコジラミは寝具や家具の隙間などに潜み、人を吸血する害虫です。
刺された跡だけでは、ダニや蚊など別の原因との区別が難しいことがあります。
寝具周辺の虫そのもの、黒っぽい点状の痕跡、脱皮殻など、複数の手がかりを合わせて確認します。
被害を疑ったら拡大させない
トコジラミは、荷物、衣類、家具などを通じて別の場所へ移動する可能性があります。
被害が疑われる家具や寝具を確認せず別室へ移動させると、かえって発生場所を広げる可能性があるため注意します。
厚生労働省も早期発見・早期対処を重視しており、被害が広がると自力での完全な防除が難しくなる場合があります。
ダニ
住宅内には複数種類のダニが存在し、人を刺すものだけではありません。
「かゆいからダニ」と症状だけで断定することは避けます。ほかの虫、皮膚症状、寝具以外の原因なども考えられます。
ダニへの対策を考える場合は、発生している場所、湿度、寝具やカーペットの状態など、住環境も確認します。
虫を見つけたら何を確認するか
種類が分からないときは、無理に素手で捕まえる必要はありません。
安全にできる場合は、虫の大きさ、色、形、見つけた場所、数、発生した時間帯、飛ぶか歩くか、周囲に巣や糞などがあるかを記録します。写真を撮影できれば、後から種類を確認する際の材料になります。
一匹だけか、繰り返し出ているか
住宅内で虫を見つけた場合、「一匹いた」という事実と、「住宅内で発生・繁殖している」という状態は分けて考える必要があります。
屋外から偶然侵入しただけの場合もあります。
一方、同じ場所で毎日見つかる、幼虫や成虫が複数見つかる、巣・糞・脱皮殻など別の痕跡がある場合には、住宅内や周辺に発生源がある可能性を考えます。
自分で対応しやすいケースと業者を検討するケース
発生原因が明確で、清掃や環境改善によって対応しやすい軽度のケースもあります。
一方、住宅構造内部のシロアリ被害、規模の大きな蜂の巣、広範囲に発生したトコジラミなどは、一般家庭で原因箇所を特定し、十分な防除を行うことが難しい場合があります。
市販薬剤を大量に使用することや、異なる薬剤を自己判断で組み合わせることを前提にはしません。製品を使用する場合は、対象害虫、使用場所、使用方法、注意事項を確認してください。
賃貸住宅で害虫が発生した場合
賃貸住宅では、対策前に管理会社や大家へ連絡した方がよい場合があります。
建物構造、共用設備、ほかの住戸などが発生原因に関係している場合、入居者の部屋だけを処理しても解決しない可能性があります。
特に建物への施工が必要になる場合は、自己判断で穴を開けたり薬剤を施工したりする前に管理者へ確認します。
健康被害がある場合
虫に刺された、強いかゆみや腫れがある、呼吸苦などの症状が出ている場合は、害虫の特定や駆除とは別に医療上の対応が必要になることがあります。
特に蜂に刺された後に、全身のじんましん、めまい、吐き気、息苦しさなどがある場合は、害虫サイトで対処法を探し続けるのではなく、速やかに医療機関へ相談してください。
自治体で相談できることもあります
害虫への対応は自治体によって異なります。
保健所などが生態や防除方法について相談を受け付けている地域もあれば、実際の駆除は民間事業者への依頼となる地域もあります。
蜂についても、自治体によって駆除、補助、用具貸出、相談のみなど対応が異なるため、地域の公式情報を確認してください。
シロアリと蜂は専用ページで詳しく扱います
シロアリは住宅そのものへの被害と駆除費用、蜂は刺傷リスクと緊急対応というように、ほかの害虫とは検索時の問題が大きく異なります。
そのため当サイトでは、害虫全体の情報に加えて、シロアリと蜂については専用の情報ハブを設け、症状、見分け方、費用、業者選びなどを詳しく整理します。
原因がまだ分からない場合
虫そのものを確認できておらず、「木くずがある」「刺された」「羽だけ落ちている」といった状況であれば、先に症状・痕跡から探すから確認してください。
生物を自己判断で決めつけるより、症状、場所、発生頻度などを組み合わせて原因を整理した方が、必要な対応を判断しやすくなります。
参考情報
住宅害虫に関する公的情報については、以下も参考にしています。
