ネズミ対策

天井裏から夜に走るような音がする、キッチンに小さな黒い糞がある、食品の袋がかじられている。

こうした痕跡がある場合、住宅内にネズミが入り込んでいる可能性があります。

ネズミの問題は「姿を見たかどうか」だけでは判断できません。人目につかない天井裏や壁の中を移動することがあり、糞、物音、かじり跡、黒いこすれ跡などの痕跡だけが先に見つかることもあります。

一方、天井や壁の物音がすべてネズミとは限らず、糞に見えるものが別の動物や昆虫由来という場合もあります。

このページでは、ネズミの存在を疑うサインから、健康・衛生面の問題、住宅への被害、侵入経路、駆除費用、自分でできる範囲、専門業者へ相談する目安までをまとめています。

原因となる生き物自体が分からない場合は、先に症状・痕跡から害獣・害虫を探すも確認してください。

目次

家の中で問題になる主なネズミ

日本の住宅や建物内で問題になる代表的な「いえねずみ」は、クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミの3種類です。

種類 主な特徴 住宅で見つかりやすい場所
クマネズミ 運動能力が高く、壁や電線などを利用して高い場所へ移動する 天井裏、壁の中、建物上部
ドブネズミ 比較的大型で、水場や低い場所を利用しやすい 床下、下水周辺、庭、低層部
ハツカネズミ 小型で、わずかな空間も利用する 物置、住宅周辺、農地に近い住宅など

東京都府中市も、クマネズミの生息場所として天井裏や壁の中、ビル内部の高い場所を挙げています。

住宅で「夜になると天井や壁の中から音がする」というケースでは、特にクマネズミが候補になることがあります。

ネズミが家にいるときに残る主なサイン

ネズミは姿を見せなくても、生活している場所にさまざまな痕跡を残します。

代表的なものは次のとおりです。

  • 黒〜褐色の小さな糞
  • 夜間の天井裏や壁内の物音
  • 食品包装や木材などのかじり跡
  • 壁際や柱に付く黒っぽいこすれ跡
  • ほこりの上の足跡
  • 紙や布などを集めた巣材
  • 糞尿による臭い

こうした痕跡は「ラットサイン」と呼ばれます。

1つのサインだけで断定するより、同じ場所の周辺で複数の痕跡が見つかるかを見ることが重要です。

例えば、夜に天井裏から物音がするだけなら、建材や設備による音の可能性もあります。

そこに新しい糞、かじり跡、食品被害などが重なれば、ネズミを疑う理由が強くなります。

ネズミを放置すると起こり得る被害

ネズミの問題は「気持ち悪い」「音がうるさい」だけではありません。

継続して住宅内を利用する状態になると、衛生、食品、住宅設備のそれぞれで問題が生じることがあります。

糞尿による食品・衛生上の問題

横浜市は、ネズミの排泄物中に含まれるサルモネラ菌などが食中毒の原因になることがあると案内しています。

食品そのものが直接かじられていなくても、食品庫、調理台、食器周辺などをネズミが移動している場合には、糞尿などによる汚染を考える必要があります。

そのため、ネズミの活動が疑われるキッチンでは、開封済み食品だけでなく、紙袋や薄い袋に入った食品についても保管状態を確認します。

イエダニなどによる被害

横浜市は、ネズミに寄生するイエダニに人が刺され、かゆみを起こすことがあるとしています。

原因となっているネズミだけがいなくなっても、周辺環境にダニなどが残っていれば別の問題が続くことがあります。

大量の糞や巣材がある場合には、単に個体を捕まえるだけでなく、汚染部分や巣の状態まで確認する意味があります。

感染症を媒介する可能性

横浜市港北区は、ネズミがサルモネラなどの食中毒菌のほか、レプトスピラ症などの感染症を媒介することがあると案内しています。

これは「ネズミを見つけたら必ず病気になる」という意味ではありません。

ただし、糞尿へ素手で触れる、食品が汚染される、大量の排泄物を長期間放置するといった状況は避けた方がよいでしょう。

食品や生活用品がかじられる

ネズミは食品だけでなく、さまざまなものをかじります。

  • 米や乾麺などの食品袋
  • 菓子やペットフード
  • 段ボール
  • 紙
  • 布
  • 木材
  • 断熱材や巣材になり得るもの

食品被害が確認できる場合は、その食品を食べるかどうかだけではなく、同じ収納場所にある他の食品も確認します。

電線をかじることで火災につながることがある

住宅被害の中で特に軽視しにくいのが電気配線です。

横浜市や練馬区は、ネズミが電線をかじり、停電や火災の原因をつくることがあると案内しています。

次のような状態がある場合は、ネズミの駆除だけではなく電気設備の安全確認を優先してください。

  • 配線に新しいかじり跡がある
  • コンセント付近から焦げたような臭いがする
  • ブレーカーが繰り返し落ちる
  • 照明や家電の動作が不安定になった
  • 煙や異常な発熱がある

電気設備の内部を自分で開けて確認する必要はありません。

ガス管などをかじる可能性もある

横浜市は、ネズミが電線だけでなくガス管をかじる被害についても案内しています。

ガス臭などの異常がある場合は、ネズミの原因調査より先にガス会社など適切な連絡先へ相談してください。

「すぐ確認した方がよい状態」と「少し経過を見られる状態」

ネズミらしい痕跡を一つ見つけたからといって、すべての住宅で緊急駆除が必要というわけではありません。

状況によって優先度を分けて考えます。

早めに原因調査をした方がよいケース

  • 新しい糞が毎日のように増える
  • 食品をかじられた
  • 夜間の物音が何日も続いている
  • 糞、物音、かじり跡など複数のサインがある
  • 天井裏や壁内で活動している可能性が高い
  • 電線やケーブルに損傷がある
  • 強い尿臭や獣臭がある
  • 大量の糞や巣材が確認できる
  • 自分で対策しても繰り返し出る

すぐネズミと断定せず確認してもよいケース

  • 黒い粒を1個だけ見つけたが正体が分からない
  • 一度だけ物音がして、その後まったく再発していない
  • 糞・かじり跡・食品被害など他のサインがない

この場合は、発見場所を記録して、新しい痕跡が増えるかを確認する方法があります。

ネズミはどこから家に入る?

ネズミは、人が気づきにくい小さな隙間を利用します。

目黒区は、子ネズミでは幅約1.5cm、大人でも約2.5cm程度の隙間があれば侵入できると案内しています。

住宅で侵入口になり得る場所には、次のようなものがあります。

  • 配管が壁や床を貫通する部分
  • 基礎周辺の隙間
  • 換気口周辺
  • 屋根と外壁の取り合い
  • 軒下
  • 戸袋やシャッター周辺
  • 劣化した外壁や床下周辺

また、住宅の壁内、床下、天井裏などは構造上つながっている部分があります。

目黒区も、いったん建物内部に侵入すると、柱組みや配管スペースなどを利用して壁内や天井裏を移動できると説明しています。

住宅のどの部分から侵入しているかを考えたい場合は、住宅の場所から害獣・害虫を探すも利用してください。

自分でできるネズミ対策

自宅で行える対策として最も基本になるのは、ネズミが生活しにくい環境を作ることです。

食品を出したままにしない

食品は密閉できる容器や冷蔵庫などへ保管します。

特に注意したいのは、次のようなものです。

  • 米
  • 乾麺
  • パン
  • 菓子
  • ペットフード
  • 生ごみ
  • 仏壇への供え物

府中市や練馬区も、ネズミ対策では餌となる食品を放置しないことを基本として案内しています。

巣材になりそうなものを整理する

紙、布、ビニールなどが長期間放置されている場所は、巣材として利用される場合があります。

押入れ、物置、家具の裏など、普段見ない場所も整理しておきます。

痕跡を記録する

糞やかじり跡を見つけた場合は、清掃する前に写真を残しておくと活動場所を把握しやすくなります。

  • 発見した日時
  • 場所
  • 糞の量
  • 物音がした時間
  • 食品被害
  • かじり跡

専門業者へ相談する場合にも役立ちます。

自分で無理に行わない方がよい作業

ネズミ対策の中には、自分で行うことで別の事故につながるものがあります。

特に次のような作業は慎重に判断してください。

  • 高い屋根や不安定な脚立で侵入口を探す
  • 分電盤や電気配線周辺を開ける
  • ガス設備周辺を分解する
  • 狭い天井裏や床下の奥まで入る
  • 大量の乾燥した糞を素手で処理する
  • 建物の構造を確認せず大きな穴を塞ぐ

特に電気・ガス・高所が絡む場合は、ネズミ駆除以前に作業そのものの安全性を優先してください。

ネズミを捕獲する場合の法律

野生の鳥類・哺乳類は原則として鳥獣保護管理法の対象になりますが、一般的に住宅で問題になる「いえねずみ類3種」は扱いが異なります。

環境省は、クマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミのいえねずみ類3種について、鳥獣保護管理法の対象外としています。

そのため、ハクビシンやコウモリなどの野生動物とは法律上の扱いが異なります。

ただし、殺そ剤や捕獲器を使用する場合には、製品の使用方法や安全上の注意を守る必要があります。

また、住宅内にいる動物が本当にネズミなのか分からない場合には、種類を確認しないまま捕獲するのではなく、先に原因を特定します。

ネズミ駆除はいくらかかる?2026年の公式料金例

ネズミ駆除では、「3,000円〜」「5,000円〜」などの最低価格だけを見ても、住宅全体の費用は判断できません。

ネズミ対策には複数の工程があります。

  • 現地調査
  • 捕獲・駆除
  • 侵入口の確認
  • 侵入口閉鎖
  • 糞や巣材の清掃
  • 必要に応じた衛生処理
  • 複数回の点検
  • 再発時の保証

2026年9月13日時点で確認できる公式料金例は次のとおりです。

事業者 公式掲載例 主な条件・内容
ダスキン 165,440円(税込) 戸建て・対象100㎡の例。基本料金66,000円、捕獲58,300円、侵入口閉鎖等41,140円。糞のバキューミング20㎡を含む例
三共消毒 120,000円〜 50㎡まで、3か月契約・5回訪問
三共消毒 200,000円〜 50㎡まで、6か月契約・8回訪問
三共消毒 260,000円〜 50㎡まで、12か月契約・14回訪問

施工内容や契約期間が違うため、この金額をそのまま「相場」として単純比較することはできません。

ただ、住宅全体について捕獲・駆除だけでなく侵入口閉鎖や複数回の管理まで含めると、10万円を超える公式料金例も珍しくないことは確認できます。

一方、部分的な処置だけなら数万円から提示している事業者もあります。

重要なのは金額の安さだけでなく、どこまでが料金に含まれているかです。

安い「○円〜」と総額を混同しない

ネズミ駆除の広告では非常に低い最低価格が表示されることがあります。

しかし、その価格が意味しているものは事業者によって異なります。

  • 捕獲器を1か所設置する料金
  • 毒餌を置くだけの料金
  • 基本出張料金
  • 1か所だけ穴を塞ぐ料金
  • 初回作業だけの料金

これと、住宅全体について侵入経路を調べ、複数か所を閉鎖し、糞を清掃し、再発確認まで行う施工は同じサービスではありません。

見積もりでは「総額」だけでなく、作業内容を確認してください。

現在の費用全体については害獣・害虫駆除の費用と相場でも整理しています。

費用が高くなりやすい条件

次のような場合は作業範囲が広がり、費用も増えやすくなります。

  • 一戸建て全体に痕跡がある
  • 侵入口が複数ある
  • 2階や屋根など高所施工が必要
  • 天井裏や床下の作業範囲が広い
  • 糞尿が大量にたまっている
  • 断熱材などが汚染されている
  • 複数回の捕獲・点検が必要
  • 配線・天井材など別の修繕が必要

特に、駆除費と建物の修繕費は別に考える必要があります。

ネズミによって電気配線、断熱材、天井材などが傷んでいる場合には、その修理費が別途必要になる可能性があります。

「捕まえたら終わり」ではない

住宅のネズミ対策では、目の前の1匹を捕獲できたことと、問題が解決したことは同じではありません。

屋外との侵入経路が残っていれば、新しい個体が再び入ってくる可能性があります。

そのため、本格的な対策では次の流れを確認します。

  1. どこで活動しているか調べる
  2. 侵入経路を特定する
  3. 建物内部の個体へ対応する
  4. 再侵入経路を閉鎖する
  5. 糞・巣材など必要な清掃を行う
  6. 一定期間、再発がないか確認する

ダスキンなどの専門サービスでも、捕獲・駆除だけでなく侵入経路遮断を施工工程に含めています。

ネズミ駆除業者を選ぶときに確認すること

見積もりを取る場合は、価格だけで比較しない方がよいでしょう。

最低限、次の内容を確認します。

  • 現地調査を行うか
  • ネズミの種類・活動範囲を確認するか
  • 侵入口を調べるか
  • 侵入口閉鎖が料金に含まれるか
  • 糞や巣材の清掃範囲
  • 何回訪問する契約なのか
  • 追加料金が発生する条件
  • 保証の対象と期間
  • 建物修繕が必要な場合の扱い

「駆除一式」とだけ書かれた見積書では、施工範囲を比較しにくくなります。

依頼先を比較するときは害獣・害虫駆除業者の選び方も確認してください。

賃貸住宅でネズミが出た場合

賃貸住宅では、自分で外壁や共用部を加工する前に管理会社や大家へ連絡します。

特に集合住宅では、侵入口が自室だけにあるとは限りません。

壁の中、配管スペース、共用部などを経由している場合には、建物側での対応が必要になることがあります。

連絡するときは「ネズミがいる」と断定するより、確認できた事実を整理して伝えるとよいでしょう。

  • いつから物音がするか
  • どこで糞を見つけたか
  • 食品被害があるか
  • 写真や録音があるか
  • 何日続いているか

ネズミかどうか分からない場合

住宅内の音や糞だけでは、別の動物と区別できない場合があります。

例えば天井裏では、ハクビシン、アライグマ、イタチなども原因候補になります。

ベランダの黒い糞であれば、コウモリ、鳥、ヤモリなどの可能性もあります。

原因そのものが不明な場合は、ネズミ対策を始める前に症状・痕跡から探すまたは害獣対策の総合ページから候補を確認してください。

ネズミ対策で重要なのは「存在確認・被害範囲・侵入口」の3つ

ネズミ対策では、単にネズミを見つけることだけが目的ではありません。

確認したいのは、

  • 現在もネズミが活動しているのか
  • 住宅のどこまで被害が広がっているのか
  • どこから侵入しているのか

の3点です。

糞が1個だけ、物音が1回だけという場合は、すぐに高額な駆除を依頼する必要がないこともあります。

一方、毎日新しい糞が出る、夜間の物音が続く、食品や配線に被害がある、複数の場所で痕跡が見つかる場合には、早めに活動範囲と侵入口を確認する合理性があります。

被害が広がるほど、捕獲だけではなく清掃、封鎖、修繕など必要な作業が増える可能性があるからです。

費用を確認したい場合は害獣・害虫駆除の費用と相場、依頼先を選ぶ場合は害獣・害虫駆除業者の選び方へ進んでください。

参考にした公的情報・公式料金

料金情報は2026年9月13日に各社公式ページで確認しています。実際の料金は建物の広さ、被害状況、作業範囲、地域等によって異なります。

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