ベランダの鳥の巣は何の鳥?鳩・スズメ・ムクドリなどの見分け方と撤去の注意

ベランダや軒下、室外機の周辺に鳥の巣を見つけても、鳩なのかスズメなのか、別の鳥なのか分からないことがあります。

鳥の種類を見分けるときは、巣だけを見て断定するより、

  • どこに巣があるか
  • 何を材料にしているか
  • 親鳥がどこから出入りしているか
  • 親鳥の大きさ・色
  • 鳴き声

を組み合わせる方が判断しやすくなります。

さらに、巣を撤去してよいかどうかを判断するときは、鳥の種類より先に卵やヒナがいるかを確認することが重要です。

野鳥や鳥の卵は鳥獣保護管理法の対象となるため、卵・ヒナがいる巣を自己判断で撤去することは避けてください。

目次

ベランダの鳥の巣を見つけたら最初に確認すること

確認する順番は次のようにすると分かりやすくなります。

  1. 卵・ヒナがいるか
  2. 親鳥が出入りしているか
  3. 巣がどこにあるか
  4. 巣材は何か
  5. 親鳥の姿・鳴き声はどうか

鳥の種類を調べることより、最初に卵・ヒナの有無を確認する理由は、撤去できるかどうかに直接関係するためです。

卵・ヒナがいない空の巣なら撤去できる

横浜市は、野鳥の捕獲・殺傷や卵の採取は原則禁止されている一方、卵やヒナがいない巣のみを撤去する場合には許可は不要と案内しています。

そのため、

  • 枝を運び始めたばかり
  • 完成した巣だが卵がない
  • すでに巣立って空になっている

状態で、かつ自分に管理権限があり、安全に手が届く場所なら撤去できます。

卵がある巣は勝手に撤去しない

野鳥の卵は、鳥獣保護管理法により許可なく採取・損傷することが原則禁止されています。

そのため、

  • 卵ごと巣を捨てる
  • 卵を別の場所へ移す
  • 卵を割る
  • 巣を動かして卵を落とす

といった対応は自己判断で行いません。

生活環境上どうしても撤去が必要な事情がある場合は、自治体の鳥獣担当窓口へ捕獲許可等について相談します。

ヒナがいる巣も巣立ち前に動かさない

ヒナも野生鳥獣として保護対象になります。

ヒナを箱へ移したり、巣ごと別の場所へ移動したりすることも避けてください。

東京都は、ベランダのドバトについて、ヒナが巣立つまで約1か月を目安として待ち、その後に巣を撤去するよう案内しています。

親鳥がいないから空の巣とは限らない

巣を確認した瞬間に親鳥がいなくても、使用していない巣とは限りません。

親鳥は、

  • 餌を取りに行く
  • 人が近づいたため離れる
  • 周辺で様子を見る

ことがあります。

すぐに巣へ手を伸ばさず、少し離れた場所から出入りがないか確認します。

ベランダの巣で考えやすい鳥

都市部の住宅周辺では、主に次のような鳥が候補になります。

鳥 巣を作りやすい場所 巣・巣材の特徴
鳩 ベランダ、室外機周辺、建物の棚状部分 枝などを使った比較的簡素な巣
スズメ 屋根・壁の小さな隙間 隙間内部へ巣を作る
ムクドリ 屋根の隙間、戸袋、穴状の場所 枯草・樹皮など
ツバメ 軒下、建物の壁面 泥と枯草を固めた巣
カラス 大きな木、鉄塔など高所 枝などを使った大きな皿状の巣

これは候補を絞る目安です。

巣だけで種類を確定せず、親鳥の姿と出入りも確認してください。

鳩の巣を疑うケース

ベランダそのものや、

  • 室外機の裏
  • 室外機の上
  • 植木鉢の間
  • 物陰
  • 建物の棚状の部分

へ巣を作っている場合は、鳩が有力候補になります。

東京都やJKK東京も、ベランダやエアコン室外機周辺での鳩の営巣を住宅トラブルとして案内しています。

鳩は都市部で通年繁殖することがあり、春だけに限定できません。

鳩なら親鳥を確認しやすい

ドバトなら、灰色を基調とした体で、首まわりに光沢が見える個体が多く、ベランダへ繰り返し飛来します。

親鳥が、

  • ベランダの手すりで待っている
  • 同じ場所へ枝を運ぶ
  • 巣へ座り込む

様子があれば、巣だけより判断しやすくなります。

スズメを疑うケース

東京都建設局は、スズメについて、繁殖期には人家の屋根や壁の隙間などで営巣すると説明しています。

そのため、ベランダ中央に大きな巣があるというより、

  • 屋根と外壁の隙間
  • 軒の穴
  • 壁の小さな開口部
  • ベランダ上部の構造物の隙間

へ小型の鳥が出入りしている場合に候補になります。

スズメは巣そのものが見えない場合もある

スズメは建物の隙間内部へ巣を作るため、外から巣全体が見えないことがあります。

小さな穴へ、

  • 茶色系の小型鳥が繰り返し入る
  • 「チュンチュン」という声がする
  • 細かな巣材を運んでいる

場合はスズメを候補にします。

ムクドリを疑うケース

東京都建設局はムクドリについて、繁殖期に、

  • 樹洞
  • 人家の屋根の隙間
  • 戸袋
  • 巣箱

などで営巣するとしています。

巣の中には枯れ草や樹皮などを敷きます。

スズメより大きめの鳥が、屋根の隙間・雨戸の戸袋などへ頻繁に出入りしている場合は、ムクドリを候補にできます。

ムクドリの見た目

ムクドリはスズメより大きく、全体に灰褐色〜黒褐色に見え、くちばし・脚が黄色〜橙色に見えることがあります。

繁殖期が終わると群れで行動するため、駅前や街路樹に大量に集まる姿でも知られていますが、繁殖期にはつがいで建物の隙間を利用します。

ツバメを疑うケース

ツバメは巣の形が比較的特徴的です。

東京都建設局は、

  • 商店
  • 住宅の軒先
  • 牛小屋
  • 歩道橋
  • 駅
  • ガレージ

など人工構造物へ営巣し、泥と枯れ草を材料に巣を作るとしています。

そのため、壁や軒の下面に泥を固めたお椀状の巣が付いているなら、ツバメが有力候補です。

「泥の巣」ならツバメを強く疑える

鳩・スズメ・ムクドリは、泥を壁へ積み重ねた典型的なツバメ型の巣とは異なります。

ベランダ上部や玄関軒下などに、

  • 泥の粒が積み重なっている
  • 枯草が混じっている
  • 上部が開いたお椀状

の巣がある場合は、ツバメを第一候補にできます。

カラスの巣がベランダにある可能性は?

一般的な集合住宅のベランダで最初に疑う鳥ではありません。

カラスは、大きな樹木、鉄塔など比較的高い場所へ大きな皿状の巣を作ることが多く、枝だけでなく針金ハンガー等を使うこともあります。

練馬区は、カラスが繁殖期に巣やヒナを守るため人へ威嚇・攻撃する場合があると注意しています。

大きな巣で親鳥がカラスの場合は、自分で近づいて確認する必要はありません。

親鳥の姿を確認するのが一番分かりやすい

巣材の種類だけでは、完全に種を判定できない場合があります。

可能であれば、室内や十分離れた場所から、

  • 親鳥の大きさ
  • 体色
  • くちばし
  • 尾
  • 鳴き声
  • 巣への出入り

を記録します。

スマートフォンでズーム撮影しておけば、自治体や専門業者へ相談するときにも役立ちます。

卵の色だけで種類を判断しない

鳥種によって卵の色・模様には違いがありますが、卵を確認するために巣へ顔や手を近づける必要はありません。

また、光の当たり方や汚れによって見え方も変わります。

卵の種類を特定することより、卵があるなら巣を動かさないことを優先してください。

ヒナがベランダの床にいる場合

巣から出たヒナが床にいても、すぐに「巣から落ちて助けが必要」とは限りません。

東京都は、巣立ったばかりのヒナは飛ぶのが上手ではなく、一時的に地面へ降りることがあるものの、多くは親鳥が近くで世話をしているため拾わないよう案内しています。

人が近くにいると、親鳥が戻れなくなる場合もあります。

巣立ったヒナを室内へ入れない

ケガが明らかでない巣立ちビナは、基本的にそのまま見守ります。

ペットや車など差し迫った危険がある場合など、状況判断が必要なときは自治体の野生鳥獣担当窓口へ相談してください。

巣の近くに大量の糞がある場合

巣の周辺では糞・羽毛・巣材が蓄積する場合があります。

ただし、卵やヒナがいる状態で清掃のため巣を動かすことは避けます。

清掃できる範囲であっても、

  • 使い捨て手袋
  • マスク
  • 糞へ直接触れない

といった衛生対策を行います。

空巣を撤去するときの基本

卵・ヒナがいないことを確認できたら、

  1. 巣全体の写真を撮る
  2. 手袋・マスクを着用する
  3. 巣材を袋へ入れる
  4. 周囲の糞・羽毛を清掃する
  5. 鳥が戻らないか確認する
  6. 営巣しやすい隙間を対策する

という流れで対応できます。

高所や設備内部の場合は無理に自分で行わないでください。

卵・ヒナがいるが、どうしても待てない場合

生活環境に重大な支障があるなど、巣立ちまで待つことが難しい場合は自治体へ相談します。

横浜市は、生活環境被害等の防止を目的とする場合、鳥獣保護管理法に基づく捕獲許可を得て捕獲等を行える制度を案内しています。

練馬区も、卵・ヒナがいる巣を巣立ち前に撤去する必要がある場合には、捕獲許可を持つ専門業者への依頼を案内しています。

賃貸住宅なら管理会社へ連絡する

賃貸住宅では、

  • ベランダ
  • 外壁
  • 軒
  • 戸袋
  • 室外機周辺

など建物設備や共用部分に関係する場所へ巣が作られる場合があります。

巣の撤去だけでなく、防鳥ネット・隙間封鎖などの施工が必要になることもあるため、管理会社・大家へ連絡してください。

マンションでは管理規約も確認する

国土交通省は、マンションの専有部分・共用部分の区分は、それぞれのマンションの管理規約を確認するよう案内しています。

ベランダであっても、

  • 防鳥ネットを固定する
  • 外壁へビスを打つ
  • 戸袋を加工する
  • 建物の隙間を塞ぐ

などの作業は、管理会社・管理組合への確認が必要になる場合があります。

卵を産む前なら早めに営巣を止める

鳥が巣材を運び始めただけで、まだ卵がない状態なら、早めに巣材を取り除くことが再営巣防止につながります。

特に鳩について東京都は、巣を作り始めた時点で取り除くか、巣を作らせないことが重要としています。

卵が産まれてからでは法的な制約が増えるためです。

巣立ち後の再発防止

巣を撤去した後は、鳥が同じ場所を再び利用しにくくします。

  • ベランダを整理する
  • 植木鉢や箱で死角を作らない
  • 室外機周辺を整理する
  • 使用していない隙間を適切に塞ぐ
  • 必要に応じて防鳥ネットを検討する
  • 糞・巣材を放置しない

ただし、鳥が内部に残っている状態で隙間を塞がないでください。

専門業者へ相談した方がよいケース

  • 卵・ヒナがいて巣立ちまで待てない
  • 何の鳥か分からず対応を決められない
  • 高所に巣がある
  • 外壁・戸袋・屋根内部に巣がある
  • 親鳥が威嚇・攻撃する
  • 大量の糞が堆積している
  • 何度撤去しても再営巣する
  • マンション全体への防鳥施工が必要

業者へ依頼する場合は、卵・ヒナがいる巣について必要な許可に対応できるかも確認してください。

費用については害獣・害虫駆除の費用・相場、依頼先については駆除業者の選び方を確認できます。

よくある質問

ベランダの鳥の巣は何の鳥が多いですか?

ベランダそのものや室外機周辺なら鳩が候補になりやすく、屋根・壁の小さな隙間ならスズメ、戸袋や屋根の隙間ならムクドリ、泥でできた軒下の巣ならツバメが候補になります。親鳥の姿・出入りも確認してください。

鳥がいない巣ならすぐ撤去できますか?

親鳥が一時的に離れているだけの場合があるため、卵・ヒナが本当にいないことを確認してください。卵・ヒナのない巣のみなら、鳥獣捕獲の許可は不要です。

卵が1個だけあります。捨ててもよいですか?

自己判断では捨てないでください。鳥類の卵の採取・損傷は鳥獣保護管理法で原則禁止されています。

ヒナだけ残されています。親鳥に捨てられたのですか?

親鳥が餌を取りに行っている場合や、人を警戒して離れている場合があります。また巣立ち直後のヒナは巣の外で親から餌をもらうこともあります。すぐに保護せず、離れて様子を確認してください。

壁の穴からスズメのような鳥が出入りしています

スズメは人家の屋根・壁の隙間で営巣します。ムクドリ等も建物の隙間を使うため、親鳥の大きさ・色を確認してください。卵・ヒナがいる可能性がある時期に穴を塞がないでください。

戸袋の中から鳥の声がします

ムクドリは戸袋を営巣場所として利用することがあります。スズメや他の鳥の可能性もあるため、外から出入りする鳥を確認します。使用中の巣をそのまま塞ぐことは避けてください。

泥でできた巣は何の鳥ですか?

住宅の軒先などに泥と枯草で作られたお椀状の巣なら、ツバメが有力候補です。

賃貸マンションなら自分で巣を撤去できますか?

卵・ヒナがいない巣の撤去自体に鳥獣捕獲許可は不要ですが、ベランダや外壁の管理区分、ネット設置等の問題があるため、管理会社・大家へ確認することを勧めます。

鳥の巣を見つけたら防鳥ネットをすぐ張ってよいですか?

現在使用中の巣があり、親鳥やヒナが内部にいる可能性がある状態では完全に塞がないでください。巣立ち・撤去後に不在を確認してから設置します。

ベランダの鳥の巣は「親鳥+場所+巣材」で候補を絞る

ベランダで鳥の巣を見つけたときは、巣の形だけで種類を決めません。

確認するのは、

  • 親鳥の姿・出入り
  • 巣が作られている場所
  • 枝・枯草・樹皮・泥などの巣材
  • 鳴き声
  • 卵・ヒナの有無

です。

住宅で候補になりやすい例として、

  • 鳩:ベランダ・室外機周辺など
  • スズメ:屋根・壁の小さな隙間
  • ムクドリ:屋根の隙間・戸袋
  • ツバメ:軒先の泥と枯草の巣

があります。

鳥の種類が分からなくても、卵・ヒナがいない空の巣なら撤去可能、卵・ヒナがいる場合は無許可で撤去しない、という基本的な分岐は同じです。

高所、設備内部、親鳥の威嚇がある場合、生活環境上どうしても巣立ちを待てない場合は、自分で無理に処理せず自治体や専門業者へ相談してください。

まだ巣以外の症状から原因を調べたい場合は症状・痕跡から探すページ、住宅の場所から探す場合は住宅の場所から探すページ、害鳥を含む住宅被害全般は住宅に侵入する害獣・害鳥の総合ページから確認できます。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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