ネズミ捕獲器の使い方|置き場所・餌・捕まらないときの見直し方

ネズミ捕獲器を置くときは、部屋の中央へ適当に1個置くよりも、ネズミが実際に通っている場所を特定し、その通路へ合った捕獲器を設置することが重要です。

家の中で使われる代表的な捕獲器には、粘着シート、捕そカゴ、バネ式などがあります。それぞれ仕組みが異なり、餌の使い方も同じではありません。

また、捕獲器は「家へ入れなくする道具」ではありません。捕まえても侵入口や餌になるものが残っていれば、別のネズミが入ってくる可能性があります。

まだネズミかどうか確信がない場合は、先に症状・痕跡から原因を調べるか、住宅に侵入する害獣の基礎情報から候補を確認してください。

目次

捕獲器を置く前にネズミの通り道を探す

捕獲器の効果を左右しやすいのが設置場所です。

ネズミは開けた場所を一直線に横切るより、壁、家具、配管などに沿って移動することがあります。自治体のネズミ対策でも、壁際やコーナー、糞や黒い擦れ跡などのラットサインがある場所への設置が案内されています。

捕獲器を置く候補になるのは、次のような場所です。

  • 糞が繰り返し落ちている壁際
  • 壁や柱に黒い擦れ跡がある場所
  • 食品の袋や段ボールにかじり跡がある周辺
  • 流し台や収納の奥
  • 冷蔵庫など大型家電の裏
  • 配管が壁や床を貫通している周辺
  • 侵入口と思われる隙間から室内へ続く経路

ネズミを見かけた位置と、普段の通り道が同じとは限りません。見た場所だけでなく、糞、足跡、擦れ跡、かじり跡を合わせて考えます。

ネズミ捕獲器には主に3つのタイプがある

タイプ 特徴 使うときの注意
粘着シート 通過したネズミを粘着面で捕らえる 壁際や通り道へ複数設置する。水・油・ほこりで粘着力が低下することがある
捕そカゴ 中の餌に触れると入口が閉じるタイプが一般的 餌が必要。捕獲後の個体を自分で直接扱えるかを設置前に考える
バネ式・スナップ式 餌に触れたネズミを作動部で捕獲する 強いバネを使う製品があるため、子ども・ペットが触れない場所で説明書どおりに使う

日本の自治体では粘着シートや捕そカゴを家庭向け対策として案内している例があります。

一方、米国CDCは感染曝露を減らす観点から、家庭ではスナップトラップを推奨し、粘着式や生け捕り式については、捕まったネズミが尿を排出する可能性などを理由に推奨していません。

これは各国の公的案内でも考え方が完全に同じではない例です。「どの捕獲器が絶対に正しい」と考えるのではなく、使用する製品の説明書と設置環境、安全な回収ができるかまで含めて選びます。

粘着シートの基本的な使い方

国内の複数の自治体では、粘着シートを壁際やネズミの通り道へ複数枚設置する方法を案内しています。

設置枚数が少ないと、ネズミが避けたり飛び越えたりすることがあります。

粘着シートは壁際へ寄せる

部屋の中央へ1枚だけ置くより、糞やラットサインがある壁際、家具の裏、コーナーなどへ配置します。

船橋市では、ネズミの通路になっている壁際や天井裏などへできるだけ多く設置し、最低3日以上は場所を変えないよう案内しています。

大阪市東成区も、設置位置を変えると警戒されることがあるため、捕れなくても4〜5日は動かさないよう案内しています。

通常の粘着シートには餌を置かない

自治体の家庭向け案内では、通常の粘着シート上へ食品を置くと、ネズミが手前で警戒して止まり、かえって捕獲しにくくなる場合があるとされています。

ただし、市販品には最初から専用の誘引餌を組み合わせるよう設計された製品もあります。その場合は自己流で食品を追加せず、商品の使用方法に従ってください。

水や油の多い場所では捕れにくくなることがある

ネズミの足や粘着面へ水分、油、ほこりなどが付着すると、粘着力が低下することがあります。

流し台周辺などに置く場合は、ネズミの通路であることに加え、粘着面を正常に保てる場所かも確認します。

捕そカゴの使い方

捕そカゴは、中に入ったネズミが餌に触れると入口が閉まる構造の製品が一般的です。

大阪市東成区では、粘着シートと同じように壁際へ置き、4〜5日は位置を頻繁に変えないよう案内しています。

カゴに入れる餌は何がよい?

最初に候補にしたいのは、実際に家の中でネズミに食べられた食品です。

何を食べているか分からない場合について、大阪市ではサツマイモ、ソーセージなどを例として挙げています。

重要なのは、カゴの餌だけを工夫することではありません。周囲に食べ物、生ごみ、ペットフードなどが大量に残っていれば、ネズミがわざわざ捕獲器の餌を選ぶ必要がなくなります。

食品を密閉し、生ごみを片付け、ペットフードを出したままにしないなど、餌になるものの管理と一緒に行います。

捕そカゴを使うなら捕獲後まで考えておく

カゴ式では生きた状態で捕獲されることがあります。

捕獲後にネズミへ直接触れると、かまれたり、尿・糞へ接触したりする可能性があります。生きたネズミを自分で安全に扱う準備がない場合は、捕そカゴを設置する前に自治体や専門業者へ処理方法を確認してください。

捕獲した個体を素手で持ったり、むやみに別の場所へ運んだりしないようにします。

バネ式・スナップ式捕獲器を使う場合

バネ式は、餌に触れたときに作動するタイプの捕獲器です。

米国CDCは家庭内のネズミ対策としてスナップトラップを推奨しており、ネズミが壁沿いを移動する性質を利用して、餌のある側を壁側へ向け、壁とT字になるように置く方法を案内しています。

ただし、製品ごとに作動方法や安全装置が異なります。強いバネを使う製品もあるため、商品の説明書を優先してください。

  • 子どもが触れる場所へ置かない
  • 犬や猫などのペットが届かない場所へ置く
  • 手を入れにくい家具の裏などでも、回収できない場所へ無理に設置しない
  • 製品に適合した対象サイズを確認する
  • 設置後は毎日確認する

捕獲器は何日置けばよい?

設置した翌日に捕れなかったからといって、すぐ場所を変える必要はありません。

ネズミ、特に大型の個体は新しく置かれた物を警戒することがあります。

国内自治体の案内では、粘着シートや捕そカゴについて最低3日程度から4〜5日程度、むやみに位置を変えないよう示している例があります。

一方、捕獲器は放置せず、捕獲されていないか毎日確認します。

4〜7日程度経過しても捕獲できず、新しい糞などの活動痕跡が続いている場合は、同じ場所へ延々と置き続けるより、通り道の読み違いを疑います。

捕獲器にネズミがかからないときの見直し方

1.捕獲器が通り道から外れていないか

最初に見直したいのは製品ではなく設置場所です。

新しい糞、擦れ跡、かじり跡がどこにあるかをもう一度確認します。

2.粘着シートの枚数が少なすぎないか

1枚だけを点のように置くと、その横を通ったり飛び越えたりする可能性があります。

国内自治体でも、通路へ複数枚をまとめて配置する方法が案内されています。

3.毎日のように場所を変えていないか

ネズミは環境の変化を警戒することがあります。

捕れないからと毎晩場所を変えると、新しい物が繰り返し出現する状態になります。まず数日間は同じ通路で様子を見ます。

4.周囲にもっと食べやすい餌が残っていないか

生ごみ、開封済み食品、ペットフード、仏壇のお供えなどが残っていると、捕獲器へ近づかなくても食べ物を得られます。

捕獲器の餌を変え続ける前に、住宅内の餌になるものを減らします。

5.活動場所が天井裏など別の場所ではないか

室内に糞がないのに天井裏から音だけがする場合、捕獲器を台所へ置き続けても通路と一致しないことがあります。

ただし、狭い天井裏、高所、電気配線周辺へ無理に入って捕獲器を置くのは避けてください。

被害場所から原因を整理するときは、家の場所別の害獣・害虫トラブルも参考にしてください。

捕まえたネズミは素手で触らない

捕獲後は、ネズミそのものだけでなく周囲の尿や糞にも注意します。

米国CDCは、死んだネズミや巣を処理するときにゴム製またはプラスチック製の手袋を使用し、ネズミと周囲を消毒剤で十分に湿らせてから処理するよう案内しています。

家庭で処理するときも、少なくとも次の点を守ります。

  • 素手でネズミや糞尿へ触らない
  • ゴム・プラスチック製などの手袋を使う
  • 捕獲個体周辺の糞を乾いたまま掃いたり、家庭用掃除機で直接吸ったりしない
  • 消毒剤は製品表示どおりに使用する
  • 処理後は手袋を外し、石けんと流水で手を洗う
  • 廃棄方法は居住地の自治体ルールを確認する

練馬区では、捕獲したネズミを処理した後、新聞紙などに包み、ビニール袋へ入れて可燃ごみとして廃棄する方法を案内しています。ただし、ごみの区分は自治体ごとに異なるため、自分の居住地のルールを優先してください。

ネズミを捕まえた後も糞や物音が続く場合

1匹捕まえたことと、住宅内からネズミがいなくなったことは同じではありません。

捕獲後も確認したいのは、次のような新しい痕跡です。

  • 新しい糞が増える
  • 夜間の物音が続く
  • 食品が再びかじられる
  • 捕獲器の餌だけがなくなる
  • 新しい擦れ跡ができる

活動が続いている場合は、捕獲器の配置を見直すだけでなく、生息数が多い可能性や別の侵入口がないかも確認します。

捕獲器だけではネズミの再侵入は防げない

練馬区は、粘着板や殺そ剤には侵入予防効果がなく、環境面の対策が重要だと案内しています。

日本ペストコントロール協会も、ネズミ対策では餌を与えないこと、隠れ家を作らせないこと、侵入路を塞ぐことを予防対策として挙げています。

そのため、捕獲器を使う場合も次の対策を並行して考えます。

  1. 食品・生ごみ・ペットフードを管理する
  2. 段ボールなど巣材になりやすい物を整理する
  3. 糞や擦れ跡から通り道を確認する
  4. 捕獲器を適切な場所へ設置する
  5. 捕獲状況と新しい痕跡を確認する
  6. 侵入口を確認し、再侵入できない状態へ修繕する

配電盤、分電盤、配線周辺などの穴を自己判断で塞ぐと設備に影響する可能性があります。住宅部材や電気設備に関係する侵入口は、無理にDIYしない方が安全です。

家ネズミの捕獲に鳥獣捕獲許可は必要?

住宅で問題になりやすいドブネズミ、クマネズミ、ハツカネズミは、環境省が鳥獣保護管理法の対象外としている家ネズミです。

そのため、これら3種の家ネズミを住宅で捕獲するために、鳥獣保護管理法上の捕獲許可を取る必要はありません。

ただし、日本にいるすべてのネズミ類が対象外という意味ではありません。捕獲された動物が一般的な家ネズミと明らかに違う場合は、別の野生動物を自己判断で処理せず、自治体などへ確認してください。

自分で捕獲を続けるより業者へ相談した方がよいケース

  • 複数の捕獲器を使っても新しい糞や物音が続く
  • 何匹も続けて捕獲される
  • 天井裏・床下など手が届かない場所が主な活動場所
  • 侵入口が分からない
  • 配線や断熱材がかじられている
  • 糞尿や巣材が広範囲にある
  • 強い臭いが残っている
  • 子どもやペットがいて安全な設置場所を確保できない
  • 捕獲したネズミを自分で処理できない

業者へ依頼する場合は、捕獲だけの料金なのか、侵入口調査・封鎖、糞尿清掃、消毒、修繕まで含むのかを確認します。

費用の内訳は害獣・害虫駆除の費用と見積もりの見方、依頼先の比較は害獣・害虫駆除業者の選び方も参考にしてください。

よくある質問

ネズミ捕獲器は部屋のどこに置けばよいですか?

糞、擦れ跡、かじり跡などがある壁際やコーナーを優先します。部屋の中央に適当に置くより、実際の通り道を探すことが重要です。

捕そカゴには何を餌にすればよいですか?

家の中で実際にネズミに食べられた食品があれば候補になります。分からない場合について、大阪市ではサツマイモやソーセージなどを例示しています。

粘着シートにも餌を置いた方がよいですか?

一般的な粘着シートについては、複数の自治体が直接食品を置かないよう案内しています。餌付きとして設計された市販製品は、製品の使用方法に従ってください。

捕獲器は毎日場所を変えた方がよいですか?

頻繁に場所を変えると警戒されることがあります。自治体の案内では、3日以上、または4〜5日程度位置を動かさない例があります。ただし、捕獲されていないかの確認は毎日行います。

1匹捕まえたら駆除完了ですか?

判断できません。新しい糞、物音、かじり跡などが続いていないか確認します。捕獲器には侵入予防効果がないため、餌・巣材の管理と侵入口対策も必要です。

捕まえたネズミは素手で触っても大丈夫ですか?

素手では触らないでください。手袋を使用し、周囲の尿・糞にも注意します。廃棄方法は居住地の自治体ルールを確認してください。

捕獲器は「置けば終わり」ではない

ネズミ捕獲器を使うときは、捕獲器の種類よりも、ネズミが実際に通る位置へ置けているかが重要です。

壁際やラットサイン周辺へ設置し、数日は位置を頻繁に変えず、毎日捕獲状況を確認します。捕まらない場合は、餌や製品を次々に買い替える前に、通り道や設置位置を見直します。

捕獲後は素手で触らず安全に処理し、その後も新しい糞や物音がないか確認してください。

そして、捕獲器は再侵入を防ぐ道具ではありません。食品管理、巣材の整理、侵入口の確認まで行って、はじめて再発防止につながります。

参考にした公的・一次情報

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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