ネズミが電線をかじると火災になる?配線の損傷・焦げ臭さへの対処と修理先

ネズミが電線をかじると、被覆が傷つき、ショートや異常発熱によって火災につながるおそれがあります。

横浜市や練馬区も、住宅に侵入したネズミが電気配線をかじり、火災の原因をつくる危険性を案内しています。

ただし、ネズミがいる住宅で必ず電気火災が起こるわけではありません。また、ブレーカーが落ちたり焦げ臭さを感じたりしても、原因がネズミとは限りません。

大切なのは、電気設備の異常を先に確認し、危険な状態で使用を続けないことです。

この記事では、電線をかじられた際の火災リスク、危険な兆候、損傷した場所ごとの相談先、ネズミの再侵入防止までを整理します。

目次

ネズミが電線をかじると火災になる理由

ネズミは、伸び続ける前歯を削るために、さまざまなものをかじります。木材や食品包装だけでなく、電気コードや住宅内の配線も対象になります。

電線の外側には、電気を通さないための被覆があります。この被覆が破れたり、内部の導体が傷ついたりすると、次のような問題につながる可能性があります。

  • 絶縁が失われ、異なる導体同士が接触して短絡(ショート)する
  • 導体の一部が切れ、接続状態の悪化によって局所的に発熱する
  • 損傷部分から火花やアークが発生する
  • 周囲のほこりや可燃物に着火する
  • 漏電や停電、家電製品の故障につながる

東京都の消費生活情報でも、電源コードの短絡や半断線が電気火災の原因になることが示されています。

ただし、これらは電気配線が損傷した場合の一般的な危険性です。電気火災全体の発生件数を、そのままネズミによる火災件数と考えることはできません。

ネズミのかじり跡があることと、火災の原因がネズミだったと証明できることも別です。実際の原因判断には電気設備や火災状況の専門的な調査が必要です。

火災を疑う症状がある場合は安全確保を優先する

ネズミを捕まえることより先に、電気設備が危険な状態になっていないかを判断します。

見つかった状態必要な対応
煙・炎・火花が出ているその場を離れ、119番へ通報する
焦げた臭い、異常な熱、焦げ跡がある使用を中止し、出火が疑われる場合は119番へ。安全な状態で電気設備の専門業者へ相談する
電源コードの被覆が破れている安全に電源を切れる場合は使用を停止し、修理・交換まで使用しない
ブレーカーが繰り返し落ちるむやみに復旧を繰り返さず、電気工事業者に点検を依頼する
天井裏や壁内の配線に傷が疑われる触らず、電気工事業者に確認を依頼する
ネズミの物音だけがする糞・かじり跡・電気設備の異常など、別の痕跡も確認する

煙や炎がある場合、無理に分電盤へ近づいたり、電源プラグを抜こうとしたりしないでください。避難と119番通報を優先します。

火が見えなくても、コンセントや電源コードに焦げ跡がある場合は出火の可能性があります。東京消防庁も電気設備の小さな焦げ跡について注意喚起しています。

ネズミにかじられた電気コードは使い続けてもよい?

電源コードにネズミの歯形や被覆の破れがある場合は、使用を続けないでください。

芯線が見えていなくても、内部に損傷がある可能性を外観だけでは否定できません。

家電製品の電源コード

冷蔵庫、テレビ、電子レンジなどの電源コードをかじられた場合、製品の使用を中止し、メーカーや販売店に点検・修理を相談します。

電源を安全に遮断できる状態であれば、プラグ本体を持って抜きます。ただし、破損部分やプラグ周辺に異常発熱・焦げ・火花がある場合は、素手で触ったり無理に抜いたりしないでください。

電源コードを自分で切ってつなぎ直す、ビニールテープを巻いて使い続ける、といった補修は避けます。

NITE(製品評価技術基盤機構)も、ねじり接続やビニールテープによる電源コードの自己修理を行わないよう注意喚起しています。

延長コード・電源タップ

延長コードや電源タップのコードにかじり跡や破損がある場合は使用をやめ、適切な新品への交換を基本とします。

被覆が破れた箇所をテープで覆っても、内部の導体が元どおりになるわけではありません。

壁の中・天井裏・床下の配線

住宅に固定された屋内配線の損傷が疑われる場合は、電気工事業者へ点検を依頼します。

一般家庭の屋内配線などの電気工事には、原則として電気工事士の資格が必要です。

天井を開けて自分で電線をつなぐ、接続部分をテープで巻く、分電盤内部を調べるといった行為は避けてください。

かじり跡が見つかった部分だけでなく、同じ経路の見えない配線にも損傷がないか、専門業者に確認してもらう必要があります。

電線が傷んだ場合は誰に連絡する?

ネズミによる被害でも、すべてを害獣駆除業者が修理できるわけではありません。

損傷した場所主な相談先
冷蔵庫・テレビなどの電源コードメーカー・販売店
延長コード・電源タップ使用中止・交換
壁内・天井裏の屋内配線電気工事業者
コンセント・分電盤電気工事業者
電柱から住宅へ入る引込線電力会社・設備管理者
ネズミの侵入経路・捕獲・再発防止害獣駆除業者
賃貸住宅の建物設備管理会社・大家

引込線に損傷や火花がある場合は、電線に近づかず、電力会社へ連絡してください。火災が疑われる場合は119番通報を優先します。

害獣駆除業者が電気工事に対応すると案内している場合も、必要な資格を持つ担当者が施工するか確認することが重要です。

ブレーカーが落ちるのはネズミが原因?

住宅内にネズミがいて、ブレーカーが繰り返し落ちる場合、配線の損傷が一つの候補になります。

ただし、ブレーカーが落ちる原因には、電気の使い過ぎ、家電製品の故障、漏電、配線不良など複数の可能性があります。

ネズミが原因だと決めつけることはできません。

確認したいのは、異常がいつから起きたか、特定の家電を使用したときだけか、焦げ臭さやかじり跡が伴っているかなどです。

ブレーカーが落ちないから配線は安全、という判断もできません。損傷の種類によっては、異常があっても保護装置がすぐに作動しない場合があります。

繰り返しブレーカーを入れ直して様子を見るのではなく、電気工事業者へ状況を伝えてください。

天井裏でネズミが電線をかじっているか確認する方法

天井裏からカリカリ、ガリガリという音がしても、それだけで電線をかじっているとは判断できません。

木材、断熱材、樹脂製品などをかじっている可能性や、別の動物・建物設備の音という可能性もあります。

安全に確認できる範囲では、次の情報を記録します。

  • 音が聞こえる部屋と時間帯
  • 家電や照明に異常があるか
  • 焦げ臭さや異常な熱がないか
  • 目に見える場所に新しいかじり跡がないか
  • ネズミの糞や黒いこすれ跡があるか
  • いつからブレーカーの異常が起きているか

無理に天井裏へ入り、配線を動かして確認する必要はありません。電気設備の異常が疑われる場合は、点検口の奥へ入ることも避けてください。

ネズミがいるかどうかの判断については、ネズミが家にいるサインと痕跡の見分け方で詳しく説明しています。

電線の修理とネズミ駆除は別々に考える

ネズミを捕獲しても、すでに傷ついた電線が修復されるわけではありません。

一方、電線を交換しても、ネズミが建物内を移動できる状態なら、再び配線をかじられる可能性があります。

対応する内容は大きく分けて次の3つです。

  1. 電気設備の危険を確認し、必要な使用停止・点検・修理を行う
  2. ネズミの生息状況や侵入口を調べ、必要な駆除・追い出しを行う
  3. 再侵入を防ぐ封鎖や環境改善を行う

実際の施工順序は、電気設備の危険性や建物の構造、ネズミの活動状況によって調整します。

例えば、電気設備が危険な状態なら、害獣調査を待たずに電気の安全確保が必要です。

ネズミ駆除の作業内容については、ネズミ駆除の流れ|調査・捕獲・封鎖・清掃をご覧ください。

ネズミによる電線被害を再発させないために

配線被害の再発を防ぐには、コードだけを守るのではなく、ネズミが住宅に侵入する原因を取り除く必要があります。

食品と巣材を管理する

食品やペットフードは密閉容器で管理し、生ごみを放置しないようにします。

段ボール、紙、布などの巣材になりやすいものも整理します。

冷蔵庫や収納家具の裏など、普段掃除しにくい場所にネズミの活動痕がないか、安全に確認できる範囲で点検します。

侵入口を調査する

ネズミは建物にある小さな隙間から侵入します。

  • 配管が外壁を貫通している部分
  • 通気口や換気口
  • 屋根と外壁の接合部
  • 床下・基礎の隙間
  • エアコンの配管周辺
  • 戸袋やシャッター周辺

などが調査対象になります。

ただし、電気配線や分電盤周辺の隙間を自分で塞ぐ行為は危険です。感電や火災のおそれがあるため、適切な専門業者へ相談してください。

侵入口の封鎖は、ネズミの活動状況も考慮して進めます。建物内にネズミを閉じ込めることで、別の場所で死骸や悪臭が発生する場合があるためです。

配線の保護方法は専門業者へ相談する

電源コードの取り回しを見直したり、家具の下敷きにならないようにしたりすることも、一般的な電気火災対策として役立ちます。

ただし、市販のコードカバーを取り付ければ、ネズミによる損傷を必ず防げるわけではありません。

天井裏や壁内の配線を保護管に収める工事などは、電気設備の施工条件を確認したうえで専門業者に相談してください。

賃貸住宅で電線をかじられた場合

賃貸マンションやアパートで配線の損傷が疑われる場合は、まず危険な電気設備の使用を避け、管理会社・大家へ連絡します。

煙や火災の兆候があれば、管理会社への連絡より避難と119番通報が優先です。

報告する際には、次のような情報が役立ちます。

  • 異常を発見した日時
  • どの部屋・どの家電で問題が起きたか
  • かじり跡・糞・物音などの有無
  • ブレーカーや電気機器の異常
  • 安全な位置から撮影した写真

配線の修理費やネズミ駆除費の負担者は、損傷した設備の所有・管理区分、原因、賃貸借契約などによって異なります。

緊急時の安全確保を除き、入居者の判断だけで大規模な配線工事や駆除工事を契約する前に、管理会社と修理手配・費用負担を確認してください。

よくある質問

Q. ネズミに電線をかじられたら必ず火事になりますか?

必ず火災になるわけではありません。ただし、被覆や導体の損傷によってショート、発熱、漏電などが起きる可能性があります。かじり跡を見つけた場合は、火災になっていなくても安全確認が必要です。

Q. 電源コードに歯形があるだけなら使えますか?

外観だけで内部の損傷を判断することはできません。電源コードに歯形や被覆の異常がある場合は、使用を中止し、メーカー等に相談してください。

Q. ブレーカーを切れば配線の修理は自分でできますか?

いいえ。一般家庭の屋内配線などの電気工事には、原則として電気工事士の資格が必要です。ブレーカーを切ることだけで、資格を必要とする作業を自分で行ってよいことにはなりません。

Q. ネズミ駆除業者に電線の修理も依頼できますか?

駆除業者によって対応範囲は異なります。屋内配線の点検・修理は、必要な資格を持つ電気工事担当者が行う必要があります。駆除見積もりに配線修理が含まれる場合は、施工担当者や工事範囲を確認してください。

Q. 火災が起きていなくても業者を呼ぶ必要がありますか?

電線の損傷が疑われる場合は、火災が発生していなくても電気設備の点検を検討してください。ネズミによる損傷が確認された場合は、再発を防ぐための侵入口調査・駆除も必要になります。

電線の異常がある場合は、ネズミ対策より安全確認を優先する

ネズミによる電線被害では、電気設備の危険とネズミの再侵入を分けて対応することが大切です。

煙・火花・火災の兆候がある場合は避難と119番通報を優先します。損傷した電気コードや屋内配線は、適切な点検・修理を終えるまで無理に使用しないでください。

電気設備の安全を確認した後は、ネズミが再び配線をかじらないよう、侵入口調査と再発防止を行います。

被害の全体像や相談先の選び方はネズミ対策の総合ガイド、駆除の見積もりはネズミ駆除の費用と料金比較でも確認できます。

参考資料

※本記事は2026年10月19日時点の公的情報をもとに作成しています。電気設備の損傷原因や修理の必要範囲は、個別の現場調査によって判断されます。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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