ネズミ駆除に助成金はある?自治体の補助・無料支援・捕獲器貸出を確認

ネズミ駆除の費用を調べていると、「自治体から助成金が出るのでは」「市役所に頼めば無料で駆除してもらえるのでは」と考えることがあります。

しかし、ネズミ対策に対する自治体の支援内容は全国一律ではありません。

自治体によって、

  • 個人宅への助成金はない
  • 一定条件の世帯だけ無料で侵入防止対策を行う
  • 捕獲器を無料で貸し出す
  • 殺そ剤を配布する
  • 専門相談だけ行う
  • 町会・自治会・商店街など地域団体へ補助する

など、大きく異なります。

そのため、「ネズミ駆除には助成金があるか」という二択ではなく、自分の自治体にどの種類の支援があるかを確認することが重要です。

自治体へ確認する支援の種類
  • 個人宅の駆除費への助成金・補助金
  • 高齢者・非課税世帯等への無料施工
  • ネズミ捕獲器の無料貸出
  • 殺そ剤・粘着シート等の配布
  • 専門員による無料相談・現地助言
  • 駆除業者の紹介
  • 町会・自治会・商店街向けの地域対策補助
目次

ネズミ駆除には全国共通の助成金がある?

ネズミ駆除については、全国どこでも同じ条件で個人が利用できる助成制度として考えない方がよいでしょう。

実際には自治体ごとに支援内容が異なり、個人宅の専門業者への駆除費を補助しない自治体も多くあります。

一方で、対象世帯を限定した無料支援や、地域団体への補助、捕獲器の貸出などを行う自治体もあります。

検索するときは、

  • 「市区町村名 ネズミ 助成金」
  • 「市区町村名 ネズミ 補助金」
  • 「市区町村名 ネズミ 支援」
  • 「市区町村名 ネズミ 捕獲器 貸出」
  • 「市区町村名 ネズミ 保健所」

などで、自治体の公式ページを確認します。

自治体のネズミ支援は6種類に分けて考える

支援の種類 内容
現金補助 駆除・環境改善等にかかった費用の一部を補助
無料施工 自治体が専門業者を派遣し、簡易な侵入防止等を行う
器具貸出 捕そカゴなどを一定期間無料で貸し出す
薬剤・資材配布 殺そ剤、粘着シート、対策物資等を配布
相談・業者紹介 防除方法の助言や専門業者の紹介のみ
地域団体支援 町会・自治会・商店街等による面的な対策を支援

「無料」という言葉があっても、専門業者による家全体の完全駆除が無料という意味とは限りません。

武蔵野市|条件を満たす世帯へ無料の侵入防止支援

武蔵野市では、一定の条件を満たす家庭を対象として、専門業者によるネズミ防除の指導や簡易な侵入防止対策を無料で実施しています。

2026年7月時点の主な対象条件は、

  • 実際にネズミの侵入被害を受けている
  • 武蔵野市内の住宅に居住している
  • 市民税非課税世帯または生活保護世帯
  • 原則として65歳以上の単身世帯または65歳以上のみの世帯

などです。

生活保護世帯については年齢制限が異なる扱いがあります。

重要なのは、これは単純に現金を支給する「駆除費助成金」ではなく、専門業者による指導と簡易な侵入防止対策を市が無料で実施する制度だという点です。

また、市も家屋の状況によって完全な侵入防止ができない場合があると案内しています。

中央区|町会・自治会・商店街などへの地域補助

東京都中央区には「地域ねずみ防除促進事業」があります。

ただし、一般の個人宅が自分で契約した駆除業者の請求書を出して補助を受ける制度ではありません。

対象は、

  • 町会
  • 自治会
  • 商店街
  • 地域団体

などが地域一体となって実施するネズミ対策です。

環境改善実行委員会を設置し、計画書・報告書の作成や、ごみ管理などの環境改善を行う取組では、補助率は3分の2です。

構成員数 補助上限
100以下 20万円
101〜200 40万円
201〜300 60万円
301〜400 80万円
401以上 100万円

補助対象には、毒餌による一斉駆除や、ふた付きごみ箱の購入などが含まれます。

一方、簡略化した取組に対する別枠では補助率2分の1・1団体1回など条件が異なります。

個人宅で「中央区には100万円のネズミ駆除補助がある」と理解しないよう注意してください。

品川区|地域へ専門業者を派遣するが「駆除」はしない

品川区には、町会・自治会・商店街を対象とした「地域のねずみ対策支援事業」があります。

専門業者を派遣し、

  • 侵入口の探し方
  • 塞ぎ方の助言
  • 代表的な場所の簡易封鎖
  • 対策物資の配布

などを行います。

ただし、品川区はこの事業について「ねずみの駆除は行いません」と明示しています。

「専門業者が無料で来る=家のネズミをすべて駆除してくれる」とは限らない典型例です。

渋谷区|商店会向けに相談会・資材支援

渋谷区では、ネズミ被害のある商店会を対象に、2026年度も地域ネズミ防除相談会などを実施しています。

専門相談員が被害状況を確認し、防除方法を助言するほか、殺そ剤や粘着シートの試供品を配布する事業があります。

これも一般住宅1軒ごとの専門駆除費を補助する制度ではなく、地域・商店会を対象とした支援です。

練馬区|個人宅の駆除費助成はなし

練馬区は2026年2月更新の案内で、個人でのネズミ対策が難しい場合には専門業者への依頼を紹介しています。

一方で、区では駆除費用の助成等は行っていないと明記しています。

つまり、区から紹介された業者を利用したとしても、駆除費が区負担になるわけではありません。

中野区|区の駆除事業・駆除費助成はなし

中野区も、専門業者の紹介窓口として東京都ペストコントロール協会を案内していますが、

  • 区の事業としてネズミ駆除は行わない
  • 駆除費用の助成も行わない

と明記しています。

業者へ依頼する場合は自己負担です。

横浜市|助成金ではなく捕獲カゴの貸出

横浜市では、各区の福祉保健センターでネズミの相談に対応し、ネズミ捕獲用のカゴを貸し出しています。

これは、業者への駆除費を補助する制度とは別です。

自分で捕獲対策を行う人にとって、器具を購入せずに済む支援と考えると分かりやすいでしょう。

捕獲カゴを借りても、

  • 侵入口の特定
  • 侵入口封鎖
  • 糞尿清掃
  • 断熱材等の汚染対応
  • 再発確認

まで自治体が施工するわけではありません。

墨田区|殺そ剤を配布

墨田区では、生活衛生課で殺そ剤を配布しています。

これも駆除業者費の助成金ではありません。

薬剤を使う場合は、子どもやペットによる誤食、ネズミが天井裏・壁内などで死亡して腐敗する可能性なども考える必要があります。

殺そ剤を無料でもらえるからといって、住宅全体の対策が無料になるわけではありません。

北区|捕獲器は貸出、薬剤サンプル配布は終了

東京都北区では、保健所でネズミ防除方法の助言を行い、必要に応じて捕獲器を貸し出しています。

一方、殺そ剤や粘着板のサンプル配布は2021年3月末で終了しています。

このように、一度あった制度でも終了・変更されることがあります。

古いブログや比較サイトだけではなく、必ず自治体の現在の公式ページを確認してください。

大阪市|相談はできるが薬剤配布・駆除はしない

大阪市では、各区の保健福祉センターでネズミや衛生害虫の相談を受け付けています。

一方、2026年3月の公式案内では、

  • 駆除は土地所有者・管理者が自らの責任で行う
  • 大阪市は薬剤配布を行わない
  • 大阪市は駆除を行わない

としています。

ただし、一部の区では捕そカゴを貸し出している例があります。

同じ市内でも「市として行わないサービス」と「区窓口で行う貸出」を区別して確認する必要があります。

自治体制度の例をまとめると

自治体例 支援内容 個人の業者駆除費助成か
武蔵野市 条件を満たす世帯へ専門業者による簡易侵入防止を無料実施 現金助成ではない
中央区 町会・自治会・商店街等の地域対策へ補助 個人宅向けではない
品川区 地域団体へ専門業者派遣・対策物資 駆除そのものは実施しない
渋谷区 商店会向け相談・試供品 個人宅向けではない
練馬区 相談・業者紹介 駆除費助成なし
中野区 相談・業者紹介 駆除費助成なし
横浜市 相談・捕獲カゴ貸出 助成金ではない
墨田区 殺そ剤配布 助成金ではない
北区 相談・必要に応じ捕獲器貸出 助成金ではない
大阪市 相談。市として薬剤配布・駆除は行わない 駆除費助成ではない

制度は年度や予算、自治体の方針によって変更されるため、実際に利用するときは最新情報を再確認してください。

「助成金」と「無料見積もり」は別物

検索すると、「ネズミ駆除 無料」という表現が多く出てきます。

しかし、

  • 自治体の助成・支援
  • 自治体の無料相談
  • 民間業者の無料現地調査
  • 民間業者の無料見積もり

はまったく別です。

民間業者が「見積もり無料」としていても、実際の駆除施工が無料になるわけではありません。

反対に、自治体に助成金がなくても捕獲器を無料で借りられる場合があります。

助成制度があれば、業者と契約してから申請すればよい?

先に自治体へ確認してください。

補助・助成制度では、一般に事前相談・事前申請・交付決定などの手続きを条件とするものがあります。

制度を確認せずに先に業者へ依頼し、工事や駆除を完了してしまうと、対象にならない可能性があります。

確認するのは、

  • 申請は契約前か
  • 施工前の申請が必要か
  • 自治体指定業者に限られるか
  • 対象経費は駆除だけか
  • 侵入口封鎖も対象か
  • 清掃・消毒は対象か
  • 上限額はいくらか
  • 予算上限に達したら終了するか

です。

個人宅でも対象になりやすいのは高齢・低所得世帯など

武蔵野市の例のように、一般世帯すべてではなく、

  • 高齢者のみの世帯
  • 市民税非課税世帯
  • 生活保護世帯

などを対象に支援するケースがあります。

ネズミ被害があり、自分で侵入口を確認・封鎖することが難しい世帯では、所在地の自治体に福祉・環境・生活衛生の支援制度がないか確認してみる価値があります。

町会・自治会・商店街なら個人とは別制度がある場合も

都市部のネズミ対策では、一軒だけを駆除しても、周囲に餌・巣・侵入経路が残っていると再び流入することがあります。

このため、中央区・品川区・渋谷区のように、

  • 町会
  • 自治会
  • 商店街
  • 地域団体

による面的なネズミ対策を支援する自治体があります。

飲食店が多い地域、商店街、ごみ集積所を中心に被害が広がっている場合は、個人宅の補助だけを探すより、地域団体向け制度がないか確認する方が適していることもあります。

賃貸住宅なら助成金より先に管理会社へ連絡する

賃貸マンション・アパートでは、自分で高額なネズミ駆除を契約する前に管理会社・大家へ連絡します。

侵入口が、

  • 外壁
  • 共用配管
  • 屋根
  • 共用廊下
  • 建物全体の構造部分

にある場合、入居者だけで施工できないことがあります。

また、貸主・借主どちらが費用を負担するかは、建物の状態や侵入原因、契約内容によって変わります。

自治体助成の有無と、賃貸借契約上の費用負担は別に確認してください。

捕獲器を無料で借りられれば業者は不要?

必ずしもそうではありません。

捕獲器は、ネズミ対策の一部です。

住宅内のネズミ問題では、

生息調査 → 捕獲・駆除 → 活動停止確認 → 侵入口封鎖 → 糞尿・巣材清掃 → 再発確認

まで必要になるケースがあります。

捕獲できても侵入口が残っていれば、別のネズミが再び入る可能性があります。

特に、

  • 天井裏
  • 屋根
  • 高所
  • 壁内
  • 複数の侵入口
  • 広範囲の糞尿汚染

がある場合は、器具の貸出だけでは解決しないことがあります。

殺そ剤を無料でもらえる場合の注意

殺そ剤を配布している自治体もありますが、薬剤だけで住宅全体の対策が完了するとは限りません。

特に注意したいのは、

  • 子どもによる誤食
  • ペットによる誤食
  • 食品周辺への不適切な設置
  • 天井裏・壁内などで死亡することによる腐敗臭
  • 死骸の回収ができない場所での使用

です。

自治体から受け取った薬剤であっても、使用方法・注意事項を確認してください。

助成金がなかった場合に費用を抑える方法

自治体へ確認しても補助制度がない場合は、駆除の質を落とすのではなく、見積もり方法を工夫します。

  1. まず自治体の無料相談・貸出制度を確認する
  2. 自分で安全に確認できる被害状況を写真に残す
  3. 2〜3社へ現地調査・見積もりを依頼する
  4. 侵入口封鎖が含まれるか確認する
  5. 捕獲・薬剤だけの料金と住宅全体施工を分けて見る
  6. 清掃・消毒・再点検・保証も比較する
  7. 追加料金が発生する条件を確認する

最低料金だけで比較すると、施工後に侵入口封鎖や清掃が追加され、総額が大きくなる場合があります。

ネズミ駆除全体の料金は害獣・害虫駆除の費用・相場、業者を比較する場合は業者選びを参考にしてください。

自治体へ電話するときに聞くこと

保健所・生活衛生課・環境衛生担当などへ問い合わせる場合は、次の内容を確認すると話が早くなります。

確認項目 質問例
助成金 個人宅のネズミ駆除費に使える助成制度はありますか?
対象者 所得・年齢・世帯条件はありますか?
無料施工 専門業者の派遣や侵入口封鎖支援はありますか?
器具貸出 捕獲器を借りられますか?期間は?
薬剤 殺そ剤・粘着板等の配布はありますか?
業者紹介 自治体から紹介できる専門団体はありますか?
事前申請 業者契約前に申請が必要ですか?
対象経費 駆除・封鎖・清掃のどこまで対象ですか?

検索で制度が見つからなくても電話確認する価値はある

自治体サイトでは「ネズミ 助成金」という名称では掲載されていない場合があります。

たとえば、

  • 生活衛生
  • 環境衛生
  • 高齢者支援
  • 住環境支援
  • 害虫・害獣相談
  • 地域環境改善

など別の名称で事業が設けられていることがあります。

公式サイトで見つからない場合も、所在地の保健所・生活衛生担当へ問い合わせると、貸出制度や相談制度だけ利用できる可能性があります。

「自治体が紹介する業者」でも無料とは限らない

自治体によっては、ペストコントロール協会や地域の専門業者団体を紹介しています。

しかし、自治体から紹介を受けたからといって、料金が自治体負担になるとは限りません。

相談先の紹介と、費用の助成は別です。

紹介された業者へ依頼するときも、

  • 現地調査費
  • 見積もり費
  • 駆除料金
  • 侵入口封鎖料金
  • 糞清掃
  • 再点検
  • 保証

を確認してください。

自治体制度は毎年確認する

ネズミ対策制度は、

  • 予算
  • 年度
  • 対象者
  • 事業委託先
  • 薬剤・器具の在庫

などによって変更されることがあります。

北区のように以前行っていた薬剤・粘着板サンプル配布を終了している例もあります。

数年前の記事に「無料でもらえる」と書かれていても、現在は終了している可能性があります。

業者との契約直前に、その年度の自治体公式情報を確認してください。

よくある質問

ネズミ駆除には助成金がありますか?

自治体によります。個人宅の業者駆除費を助成しない自治体もあります。一方で、条件付き世帯への無料侵入防止、地域団体への補助、捕獲器貸出、薬剤配布などを行う自治体があります。

市役所に電話すれば無料でネズミを駆除してくれますか?

必ずではありません。相談のみ、器具貸出のみ、業者紹介のみという自治体も多くあります。実際の駆除は所有者・管理者の負担とする自治体もあります。

高齢者なら無料になりますか?

自治体によります。武蔵野市のように、高齢者のみの非課税世帯など一定条件を満たす場合に無料の侵入防止支援を行う例がありますが、全国共通ではありません。

捕獲器を無料で借りられますか?

横浜市や東京都北区など、捕獲器を貸し出している自治体があります。一方、貸出を行っていない自治体もあります。

殺そ剤は無料でもらえますか?

墨田区のように配布している自治体がありますが、大阪市のように薬剤配布を行っていない自治体もあります。過去には配布していたが終了した自治体もあります。

業者に頼んだ後でも助成金を申請できますか?

制度によります。事前相談・事前申請が必要な制度もあるため、業者との契約・施工前に自治体へ確認してください。

町会向けの補助金を個人宅でも使えますか?

通常は別制度です。中央区の地域ねずみ防除促進事業のように、町会・自治会・商店街等が地域で取り組むことを条件としている制度を、個人住宅1軒の駆除費へそのまま使えるとは限りません。

自治体に助成制度がなかったらどうすればよいですか?

無料相談・捕獲器貸出等がないか確認したうえで、専門施工が必要なら複数の業者へ見積もりを依頼します。最低料金ではなく、侵入口封鎖・清掃・再点検・保証まで同じ条件で比較してください。

まとめ

ネズミ駆除の自治体支援は、「助成金があるか・ないか」だけでは判断できません。

  • 個人の駆除費助成を行わない自治体もある
  • 条件付き世帯へ無料施工する自治体がある
  • 町会・自治会・商店街へ補助する自治体がある
  • 捕獲器だけを貸し出す自治体がある
  • 殺そ剤等を配布する自治体がある
  • 無料相談・業者紹介だけの場合もある
  • 制度は年度ごとに変わる可能性がある
  • 助成を使う場合は業者契約前に申請条件を確認する

ネズミ被害が出たら、専門業者を探す前に一度、所在地自治体の保健所・生活衛生担当へ「個人向け助成」「無料施工」「器具貸出」「薬剤配布」の4つを確認すると、利用できる支援を見落としにくくなります。

自治体制度が利用できない場合は、害獣・害虫駆除の費用・相場と業者選びを確認し、侵入口封鎖まで含む施工総額で比較してください。

参考にした自治体公式情報

※助成金・無料施工・貸出・薬剤配布等の制度は、年度・予算・対象条件によって変更または終了することがあります。業者との契約や施工前に、所在地自治体の当年度の公式情報を確認してください。確認日:2026年9月20日。

この記事を共有する
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

目次