夜になると壁の中からカリカリ、ガリガリと何かを削るような音がする。しばらくすると場所を移動し、カサカサ、ゴソゴソという音に変わる。
こうした音が壁の内部から繰り返し聞こえる場合、住宅ではネズミが原因候補の一つになります。
府中市は、クマネズミの主な生息場所として天井裏や壁の中を挙げ、暖かく人目につきにくい壁内などへ紙・布・ビニールを集めて巣を作ることがあると案内しています。
ただし、「カリカリ音がする=ネズミ」と音だけで断定することはできません。
壁の中では、
- 給排水管の伸縮
- 建材の温度変化
- 換気・空調設備の振動
- 水滴
- 昆虫など別の生き物
でも似た音が聞こえることがあります。
原因を絞るときは、音だけではなく、時間帯、移動の仕方、糞、かじり跡、臭い、設備の使用状況などを組み合わせます。
このページでは、壁の中から聞こえるカリカリ・ガリガリ・カサカサ音について、ネズミを中心とした原因候補、安全な確認方法、放置せず調べた方がよい状態まで整理します。
壁以外の天井裏・床下などからも正体不明の音がする場合は、症状・痕跡から害獣・害虫を探すも利用してください。
壁の中からカリカリ音がする主な原因
| 原因候補 | 音の傾向 | 一緒に確認したいこと |
|---|---|---|
| ネズミ | カリカリ、ガリガリ、カサカサ、トコトコ | 糞、かじり跡、黒い擦れ跡、夜間の活動 |
| コウモリなど | カサカサ、パタパタ | 夕方の出入り、軒下・外壁付近の黒い糞 |
| 昆虫 | 小さなカサカサ、コツコツ | 虫の死骸、木部の穴、発生時期 |
| 給排水管 | パキッ、カン、コツ | 水やお湯を使った直後に鳴るか |
| 建材の伸縮 | パキッ、ピキッ、コツッ | 気温変化や暖房・冷房との連動 |
| 水滴・結露 | ポタポタ、ピチャッ | 雨天、配管、湿気、壁のシミ |
特に「カリカリ」「ガリガリ」と何かをかじるような音が夜間に繰り返される場合は、ネズミを優先して確認します。
カリカリ・ガリガリ音ではネズミが有力候補
ネズミには物をかじる習性があります。
住宅内では、木材、食品包装、家具だけでなく、配線などをかじることもあります。
横浜市は、ネズミによる物理的・経済的被害として、家具や食品への被害のほか、電線やガス管をかじることで停電や火災の原因になることがあると案内しています。
壁の内部で、
- 硬いものを削るような音
- 少し場所を移動してまた音がする
- カリカリ音のあとにカサカサ走る音がする
- 主に夜間に聞こえる
という状態なら、ネズミを疑う材料になります。
ただし、音だけで確定せず、壁の外側に残る痕跡も確認します。
クマネズミは壁の中を利用することがある
住宅内部で特に確認したいのがクマネズミです。
府中市は、クマネズミについて、
- 運動能力が高い
- 電線を伝う
- 粗い壁面を登る
- 天井裏や壁の中を利用する
と案内しています。
また、壁の中、天井、家具の裏、押入れ、電気製品の裏など、人目につきにくい場所へ紙・布・ビニールなどを集めて巣を作ることがあります。
壁内のカリカリ音と一緒にネズミの痕跡がある場合は、ネズミ対策の総合ページで侵入サイン・糞・かじり跡・侵入経路を確認してください。
カサカサ・トコトコという移動音が混ざる場合
ネズミが壁の中を移動すると、かじる音だけでなく、カサカサ、トコトコといった軽い移動音として聞こえることがあります。
特に、
- 音の位置が上下に動く
- 壁から天井方向へ移動する
- 深夜に何度も往復する
場合は、壁内部を通り道として利用している可能性があります。
一方、毎回完全に同じ位置から単発で「パキッ」と鳴るだけなら、設備・建材も候補に残します。
夜だけ音がするならネズミなのか
ネズミは人の活動が少なくなる夜間に動きが目立ちやすいため、「昼間は静かなのに夜になると壁から音がする」という状態はネズミと矛盾しません。
ただし、夜は住宅自体が静かになるため、昼間なら聞こえない配管音や建材音に気付くこともあります。
「夜に聞こえる」という一点だけでネズミとは判断せず、他の痕跡も確認します。
ネズミがいるときに壁の外で確認しやすい痕跡
壁を開けなくても、住宅内にネズミがいる場合は別の場所に痕跡が出ることがあります。
黒い小さな糞
壁際、収納、キッチン、家具の裏などに小さな黒い糞が見つかることがあります。
正体不明の糞がある場合は、害獣の糞の見分け方も確認してください。
かじり跡
食品袋、段ボール、木材、樹脂、配線周辺などに削られた跡がある場合があります。
黒い擦れ跡
ネズミが同じ通路を繰り返し使うと、体の汚れによって壁際などへ黒っぽい擦れ跡が残ることがあります。
府中市は、音、かじり跡、糞、足跡、体の擦れ跡などを「ラットサイン」として、侵入経路を探す手掛かりに挙げています。
尿や獣のような臭い
生息数が増えたり、同じ場所を長期間利用されたりすると、臭いが出る場合があります。
壁を叩くと音が止まるならネズミ?
壁を叩いた瞬間に音が止まると、「やはり動物がいる」と感じるかもしれません。
ネズミなどの動物が振動に反応して一時的に動きを止める可能性はあります。
一方で、振動によって、
- 配管
- ケーブル
- 断熱材
- 壁内部の部材
の接触状態が変わり、しばらく音が止まる場合も考えられます。
「叩くと止まった」という一点だけでは判別できません。
原因確認のために何度も強く壁を叩いたり、壁へ穴を開けたりする必要もありません。
壁の中の音がネズミではないケース
給湯・給水配管
水やお湯を使った直後に、毎回ほぼ同じ位置から「パキッ」「カン」という音がする場合は、配管が温度変化によって伸縮したり、固定部分と接触したりしている可能性があります。
確認するときは、
- シャワーを使った後だけ鳴る
- 食洗機や洗濯機の使用時に鳴る
- 給湯を止めると音も止まる
といった規則性を見ると切り分けやすくなります。
建材の温度変化
木材や金属は温度変化によってわずかに伸縮します。
朝晩の気温差、暖房・冷房の使用などと連動して、パキッ、ピキッという単発音が出ることがあります。
水滴・結露
ポタポタ、ピチャッという音がある場合は、水滴も候補です。
壁の変色、湿気、カビ臭さなどがある場合は、害獣より水漏れ・結露・雨漏りの確認を優先する必要があります。
換気・空調設備
換気扇、エアコン、ダクトなどの運転開始・停止に合わせて音が変化するなら、設備振動が関係している可能性があります。
昆虫など
非常に小さなカサカサ音では、昆虫なども候補になります。
ただし、壁内部の音だけから虫の種類を特定するのは難しいため、室内に出てきた虫、木部の穴、粉状のものなど他の痕跡を確認します。
コウモリが壁の隙間を利用する場合もある
建物の外壁や屋根付近の小さな隙間を、コウモリがねぐらとして利用することがあります。
コウモリの場合は「カリカリ」というより、カサカサ、パタパタ、バサバサといった音が混ざることがあります。
また、
- 夕方になると音が増える
- 外壁の隙間から飛び出す姿を見る
- 隙間の直下に小さな黒い糞が増える
場合はコウモリも候補です。
この場合はコウモリ対策の総合ページで、糞・侵入口・追い出し時期・法律を確認してください。
壁の中からドタドタという大きな音がする場合
「カリカリ」という軽い音ではなく、重量感のあるドタドタ、ゴソゴソという音がする場合は、ネズミ以外の動物も考えます。
特に天井裏まで音が続き、
- 強い糞尿臭
- 天井のシミ
- 断熱材の荒れ
- 大きめの糞
がある場合は、ハクビシン、アライグマ、イタチなどの可能性もあります。
この場合は「壁の中のカリカリ音」より、症状・痕跡から害獣・害虫を探すから他の痕跡を組み合わせて候補を絞る方が適しています。
今夜からできる安全な確認方法
壁の中で音がするからといって、壁を壊して内部を確認する必要はありません。
音の時刻を記録する
- 何時ごろ始まるか
- 何分くらい続くか
- 毎日か
- 昼にも聞こえるか
音の種類を記録する
- カリカリ
- ガリガリ
- カサカサ
- ゴソゴソ
- パキッ
- ポタポタ
可能であればスマートフォンで録音します。
設備との関係を見る
給湯、水道、洗濯機、エアコン、換気扇などを使用した時間と音が一致するか確認します。
壁の外側の痕跡を探す
安全に確認できる範囲で、
- 糞
- かじり跡
- 黒い擦れ跡
- 食品被害
- 臭い
を確認します。
建物の外から侵入口候補を見る
府中市は、ネズミの侵入経路として排水口、通気口、配管の隙間、エアコン配管導入部などを挙げています。
地上から安全に見える範囲だけ確認してください。
住宅のどの部分を確認すればよいか分からない場合は、住宅の場所から害獣・害虫を探すも利用できます。
壁を開けて確認するDIYは勧めない
音源が壁の中だからといって、石膏ボードなどを自分で切り開くのは避けた方がよいでしょう。
壁内部には、
- 電気配線
- 給排水管
- ガス配管
- 断熱材
- 構造材
などが通っている場合があります。
位置を把握せず工具を入れると、害獣被害とは別の設備事故につながります。
焦げ臭い・煙・ブレーカー異常があるなら害獣確認より電気設備を優先
ネズミは電線をかじることがあり、横浜市も停電や火災の原因を作る場合があると案内しています。
そのため、壁内の異音に加えて、
- 焦げ臭い
- 煙が出ている
- ブレーカーが繰り返し落ちる
- 照明が異常に点滅する
- コンセントや壁が異常に熱い
といった状態がある場合は、「ネズミかどうか」を調べ続けるより、電気設備の安全確認を優先してください。
自分で壁や配線を触らず、必要に応じて電気の専門事業者へ相談します。
ガス臭がする場合も原因調査より安全確保を優先する
横浜市は、ネズミがガス管をかじることも物理的被害として挙げています。
実際のガス設備の材質や構造は住宅によって異なりますが、壁の音と同時に明らかなガス臭を感じる場合は、害獣の種類を調べる前にガス設備の安全対応を優先してください。
火気や電気スイッチを不用意に操作せず、契約しているガス事業者などの緊急窓口へ連絡します。
侵入口を見つけてもすぐ全部塞がない
ネズミが原因だと思い、外壁の隙間を見つけたとしても、活動中の個体が住宅内部にいる状態で侵入口を無計画にすべて塞ぐと、別の場所へ移動する場合があります。
また原因がコウモリなど別の野生動物だった場合は、内部に個体を閉じ込める可能性もあります。
正体と利用状況を確認してから侵入口対策を行う方が安全です。
ネズミなら自分で対策できる場合もある
住宅で問題になるクマネズミ、ドブネズミ、ハツカネズミについては、自治体も環境整備、粘着シート、捕獲器などによる家庭での対策を案内しています。
ただし、壁内にいる個体へ直接器具を設置することは難しいため、実際には、
- 餌をなくす
- 巣材を減らす
- 通り道を把握する
- 室内側や天井裏など設置可能な場所で対策する
- 侵入口を確認する
ことになります。
ネズミが強く疑われる場合は、ネズミ対策で具体的なサインと対策を確認してください。
正体不明の動物を自己判断で捕獲しない
壁内の原因がネズミではなく、コウモリなど野生鳥獣の場合は、捕獲に法律上の制限があります。
そのため、正体が分からない状態で壁を開け、出てきた動物を自己判断で捕まえる方法は勧めません。
まず種類を確認し、それぞれに適した方法を選びます。
一度だけ音がしたなら経過を見られる場合もある
次のような場合は、すぐ壁を壊したり大掛かりな駆除を依頼したりする必要がないこともあります。
- 一度だけ音がした
- その後数日聞こえない
- 糞やかじり跡がない
- 設備を使った直後だけ聞こえた
- 強風・雨の日だけ聞こえる
まず発生条件を記録して経過を確認できます。
早めに原因を調べた方がよい状態
- 毎晩のようにカリカリ・ガリガリ音がする
- 音の位置が壁から天井へ移動する
- ネズミの糞がある
- 食品や袋にかじり跡がある
- 壁際に黒い擦れ跡がある
- 尿や獣の臭いがする
- 配線付近から音がする
- 自分で対策しても数週間続く
音以外の痕跡が重なっている場合は、壁内をネズミなどが継続利用していないか確認する意味があります。
業者へ相談するときに伝える内容
- 音が始まった時期
- 音がする時間
- カリカリ・ガリガリなど音の種類
- 壁のどの位置から聞こえるか
- 音が移動するか
- 糞の有無
- かじり跡の有無
- 臭いの有無
- 水道や空調との連動
- 録音・写真
「壁から音がする」というだけでネズミと断定せず、設備側も含めて切り分けられる業者か確認するとよいでしょう。
業者へ依頼するときに確認したいこと
- 何の生き物かどう確認するか
- 壁内以外の侵入経路も調べるか
- ネズミの場合の通り道を確認するか
- 侵入口封鎖を行うか
- 駆除後の確認方法
- 壁を開ける必要がある場合の工事範囲
- 追加料金が発生する条件
- 再発保証の条件
駆除料金の考え方は害獣・害虫駆除の費用と相場、業者比較は害獣・害虫駆除業者の選び方も確認してください。
壁のカリカリ音は「音+痕跡+発生条件」で判断する
壁の中からカリカリ・ガリガリと聞こえる場合、住宅ではネズミが有力候補になります。
ただし、音だけでは確定できません。
確認するときは、
- 音がする時間帯を記録する
- カリカリか、パキッか、ポタポタかを分ける
- 水道・給湯・空調との連動を見る
- 糞・かじり跡・黒い擦れ跡を確認する
- 安全な場所から侵入口候補を見る
- ネズミが疑わしければ専用ページで確認する
- 継続する場合は設備・害獣の両面から調査する
という順序で考えると、壁を壊して確認するより安全に原因を絞れます。
ネズミの痕跡がある場合はネズミ対策の総合ページ、まだ原因が分からない場合は症状・痕跡から害獣・害虫を探すへ進んでください。
住宅のどの場所から侵入しているか確認する場合は住宅の場所から害獣・害虫を探すも利用できます。
参考にした主な情報
自治体情報は2026年9月13日時点で確認しています。壁内の音は、建物構造・配管・空調設備など動物以外の原因でも発生します。焦げ臭い、煙、ガス臭、ブレーカー異常などがある場合は害獣の判別より設備の安全確認を優先してください。
