軒下に蜂の巣ができたら?アシナガバチ・スズメバチの見分け方と対処

軒下を見ると、小さな蜂の巣ができている。ベランダの上には六角形の穴が並んだ巣がある。軒天の小さな穴には蜂が何匹も出入りしているのに、巣そのものは見えない。

こうした場合は、まず蜂の種類と、巣が「外から見えているのか」「軒天・天井裏など建物内部にあるのか」を分けて考えます。

住宅の軒下で特に見つかりやすいのは、

  • アシナガバチ
  • スズメバチ

です。

アシナガバチは六角形の巣房がむき出しになった巣を軒下へ作ることが多く、スズメバチでは初期のとっくり型や、外皮で覆われたボール状の巣が見られます。

さらに、スズメバチの種類によっては、外から巣が見えず、軒天・通気口・壁の隙間から出入りして天井裏や壁内に巣を作ることがあります。

そのため、「軒下に蜂がいる=見えている巣だけを落とせばよい」ではありません。

軒下という場所から、巣の形、蜂の出入り、巣の高さ、人が近づく頻度を確認していきます。

蜂の巣全般の形を比較したい場合は、蜂の巣の見分け方も確認してください。

目次

軒下の蜂の巣は形から種類を絞る

確認項目 アシナガバチ スズメバチ
巣の形 お椀・シャワーヘッド・ハスの実状 初期はとっくり型、成長するとボール状
六角形の巣穴 外からたくさん見える 外皮で覆われ、基本的に見えない
外皮 なし あり
出入口 各巣房が露出 成熟巣では出入口が1か所
軒下 非常に一般的 種類によって営巣する
建物内部 比較的少ない 天井裏・壁内に巣を作る種類がある

遠くから見える巣の形だけでも、かなり候補を絞れます。

六角形の穴がむき出しならアシナガバチが候補

軒下で最も見つけやすいのがアシナガバチの巣です。

横浜市・練馬区は、アシナガバチの巣について、

  • 六角形の巣穴がたくさん見える
  • 外側を覆う殻がない
  • お椀・シャワーヘッドのような形
  • 灰色〜茶色系

といった特徴を案内しています。

巣の下側から六角形の穴が直接見えるなら、アシナガバチをまず確認してください。

アシナガバチは軒下に巣を作りやすい

アシナガバチは、雨風を避けやすい住宅周辺へ巣を作ります。

代表的なのは、

  • 軒下
  • ひさしの裏
  • ベランダ
  • 外壁
  • エアコン室外機周辺
  • 庭木・生垣

です。

特に軒下は、雨を直接受けにくく、巣を固定しやすいため営巣場所になりやすい場所です。

とっくり型の小さい巣ならスズメバチの初期巣を確認

春から初夏の軒下に、小さなとっくり・一輪挿しを逆さにしたような巣がある場合は、スズメバチの初期巣が候補です。

この段階では女王蜂が単独で巣を作っていることがあります。

その後、働きバチが羽化すると、巣の形は次第に変わり、丸い外皮に覆われた巣へ成長します。

小さい巣について詳しくは小さい蜂の巣の見分け方を確認してください。

ボール型・マーブル模様ならスズメバチを疑う

軒下に、

  • 丸いボール状
  • 外側が紙・木目のようなマーブル模様
  • 六角形の巣房が外から見えない
  • 出入口が1か所

という巣がある場合は、スズメバチを疑います。

大田区は、スズメバチをアシナガバチより攻撃性が高い種類として扱い、特に晩夏から秋は注意するよう案内しています。

スズメバチ疑いの場合は、軒下だからといって自分で落とそうとせず、自治体または専門業者への相談を検討してください。

「軒下に蜂が出入りするのに巣が見えない」は別扱い

軒下で蜂を見かけても、巣そのものが外から見えない場合があります。

たとえば、

  • 軒天の小さな穴
  • 通気口
  • 外壁と軒天の隙間
  • 屋根材の継ぎ目

へ蜂が何度も出入りしているケースです。

練馬区は、スズメバチが天井裏の通気孔など小さな穴から出入りし、内部に巣を作る場合があると案内しています。

このケースでは、見えている蜂だけを駆除したり、外側の穴をその場で塞いだりしないでください。

軒天の穴を蜂が使っていても、すぐ塞がない

活動中のスズメバチ巣が天井裏・壁内にある状態で出入口を塞ぐと、内部にいる蜂が別の出口を探す可能性があります。

住宅内部側へ蜂が出てくる状況も考えられるため、

「蜂の穴を見つけた=コーキングですぐ塞ぐ」

という対応は避けた方がよいでしょう。

巣の位置と活動状況を確認してから、駆除・撤去後に再侵入防止を行います。

軒下の巣が高い場合は脚立で近づかない

2階の軒下などに巣があると、「脚立があれば届きそう」と感じる場合があります。

しかし蜂の巣駆除では、刺傷リスクに加えて高所からの転落リスクがあります。

大田区の2026年の案内でも、高所など危険な場所では専門業者による撤去であっても対応できない場合があるとされています。

特に、

  • 脚立が必要
  • 2階以上
  • 屋根へ上る必要がある
  • 蜂から逃げると足場を失う可能性がある

場所はDIY向きではありません。

高所のアシナガバチ巣は「危険だから必ず撤去」とも限らない

一方で、高い場所にあるアシナガバチ巣だから必ず撤去しなければならないわけでもありません。

横浜市は、

  • 人がほとんど近づかない
  • 隣家と近接していない
  • 開け閉めしない窓の近くではない

ような高所のアシナガバチ巣は、必ずしも駆除が必要ではないと案内しています。

つまり判断したいのは、高さそのものより「人が巣へ近づく可能性」です。

玄関・通路・物干し場の軒下なら早めに対応を検討

同じアシナガバチの巣でも、場所によって刺されるリスクは大きく変わります。

特に、

  • 玄関の真上
  • 勝手口
  • 毎日通る通路
  • ベランダの物干し場
  • 駐車場
  • 子どもが遊ぶ場所
  • 庭木の剪定時に近づく場所

では、人が知らずに巣へ接近する可能性があります。

横浜市も、通路や出入口付近など生活に支障がある場所は早めの駆除を勧めています。

2階の使わない窓付近ならアシナガバチは様子を見る選択もある

反対に、

  • 人がほとんど行かない
  • 窓を開閉しない
  • 隣家からも十分離れている
  • アシナガバチと確認できている

なら、自治体が見守る選択を案内しているケースがあります。

アシナガバチは毛虫などを捕食する益虫としての側面もあります。

「蜂の巣=すべて即撤去」とはせず、人との距離で判断します。

スズメバチでは「人が近づかないから放置」を安易に選ばない

スズメバチはアシナガバチより巣の防衛性が強く、種類や季節によって危険度も変わります。

大田区では、スズメバチは巣へ近づくだけで威嚇し、離れなければ攻撃することがあるとしています。

巣がスズメバチと考えられる場合は、住宅所有者だけで放置判断をせず、自治体・専門業者へ相談する方が安全です。

蜂が軒下を飛んでいるだけなら巣があるとは限らない

軒下付近に蜂が1匹飛んできただけなら、必ずしも営巣しているとは限りません。

蜂は、

  • 餌を探している
  • 巣材を集めている
  • 営巣場所を探している
  • 単に通過している

こともあります。

巣を疑いやすいのは、同じ一点へ何度も蜂が入っていく状態です。

同じ穴へ複数の蜂が繰り返し出入りするなら巣を疑う

10〜30分程度、安全な場所から観察し、

  • 蜂が同じ隙間へ入る
  • 別の蜂が同じ場所から出る
  • 一定間隔で出入りが続く

場合は、その内部に巣がある可能性が高まります。

ただし、写真や確認のために穴の近くへ顔を近づける必要はありません。

安全な距離から写真を撮る

種類が分からない場合は、自治体・業者へ相談するときに巣の写真が役立ちます。

横浜市港北区も、蜂を刺激しない距離から巣を撮影し、画像から種類を判断する相談を行っています。

撮影するときは、

  • スマートフォンのズームを使う
  • 巣へ近づかない
  • 巣の真下へ入らない
  • 蜂の進行方向をふさがない

ようにしてください。

遠すぎて写真が撮れない場合は、写真のために近づく必要はありません。

巣の真下に立たない

軒下の巣は上にあるため、つい真下から見上げたくなります。

しかし、巣を刺激した場合に蜂が下へ落ちたり飛び出したりすることがあります。

横浜市も、駆除時には巣の真下へ入らないよう注意しています。

種類確認の段階でも、真下へ長時間立たず、横方向から安全な距離で確認してください。

棒・ホウキで軒下の巣を落とさない

小さい巣なら棒で簡単に取れそうに見える場合があります。

しかし巣へ振動を与える行為は蜂を刺激します。

特に軒下では、落とした巣と蜂が自分の真上から降ってくることがあります。

巣を落とすだけのDIYは避けてください。

水をかけて落とす方法も避ける

ホースの水などで巣を落とそうとすると、巣を強く刺激するうえ、蜂を完全に処理できません。

巣が壊れて蜂が周囲へ散る可能性もあるため、種類確認や駆除方法として勧められません。

火で巣を燃やさない

軒下は建物に接している場所です。

横浜市も、蜂の巣を火で燃やして駆除する方法は火災の恐れがあるため行わないよう案内しています。

蜂の巣駆除に火を使用しないでください。

小さい軒下の巣なら春の初期巣か確認する

4〜6月頃の小さな巣であれば、女王蜂1匹で作っている初期段階の可能性があります。

スズメバチではとっくり型、アシナガバチでは数cm程度の六角形の巣房が露出した巣から始まります。

春の巣作りについては春に蜂の巣ができる時期も確認してください。

夏〜秋は巣が大きく蜂の数も増える

春に始まった巣は、働きバチが羽化した後に成長します。

特に7〜9月頃は、巣も蜂の数も増えていることがあります。

横浜市は、毎年7〜10月に蜂の巣相談が増え、その頃には巣が大きくなって専門業者が必要になるケースが多いと案内しています。

同じ軒下の巣でも、春の数cmの初期巣と、夏〜秋の多数の働きバチがいる巣では危険度が違います。

秋の終わりのアシナガバチ巣は状況が異なる

アシナガバチの巣は1年限りです。

横浜市泉区では、10月中旬以降に発見したアシナガバチ巣は、まもなく蜂がいなくなるため、人がほとんど近づかない場所なら必ずしも駆除が必要ではないと案内しています。

ただし、玄関上など日常的に接近する場所では時期だけで放置を決めないでください。

前年の空巣なら翌年そのまま再利用するわけではない

スズメバチ・アシナガバチは基本的に前年の巣を翌年そのまま使いません。

蜂の出入りがなく、前年から残っている空巣であれば、現在活動中の巣とは状況が異なります。

ただし、その軒下が営巣条件に適していれば、新しい女王蜂が別の場所へ新しい巣を作ることはあります。

ミツバチの塊を蜂の巣と間違うこともある

春に軒下や庭木へ、数千匹の蜂が塊になってぶら下がっていることがあります。

これはミツバチの「分蜂」で、巣そのものではない場合があります。

練馬区では、3月末〜5月中旬頃、分蜂したミツバチが軒下や庭木へ20〜30cmほどの塊を作り、数時間〜数日で移動する場合があると案内しています。

六角形の巣が見えず、蜂そのものが巨大な塊になっている場合は、アシナガバチ・スズメバチ巣とは別に考えてください。

軒下に蜂の巣ができるのを完全に防ぐことは難しい

軒下は雨風を避けやすく、蜂にとって巣を作りやすい場所です。

完全に営巣を防ぐ方法はありませんが、春のうちに定期的に確認すれば、小さい段階で見つけやすくなります。

確認しやすい場所は、

  • 軒下
  • ひさし裏
  • 軒天の通気口
  • 雨戸・戸袋
  • ベランダ
  • 室外機周辺

です。

通気口や軒天の隙間は「蜂がいない時期」に建物側を点検する

活動中の蜂が出入りしている穴をその場で塞ぐのは避けます。

一方、蜂がいない時期に、

  • 破損した防虫網
  • 外れた軒天材
  • 不要な隙間

があれば、住宅の通気機能を損なわない方法で修繕することは再発予防になります。

換気口そのものを完全にふさぐのではなく、必要な通気を残した施工にします。

自治体によって蜂の巣への対応は違う

蜂の巣駆除を自治体が直接行うかどうかは地域によって異なります。

大田区では2026年、生活に支障がある場所のスズメバチ巣について専門業者による撤去制度を設けていますが、アシナガバチ等は対象外です。

横浜市では、区役所が直接巣を駆除するのではなく、相談・駆除業者案内・防護服や器具の貸し出し等を行う地域があります。

軒下の巣を見つけたら、

「自治体名 蜂の巣」

で現在の公式制度を確認してください。

専門業者へ依頼した方がよいケース

  • スズメバチの可能性がある
  • 種類を判断できない
  • 2階以上の高所にある
  • 脚立・屋根作業が必要
  • 軒天・天井裏・壁内へ蜂が出入りしている
  • 巣本体が見えない
  • 多数の蜂が出入りしている
  • 玄関や通路の真上にある
  • 隣家との距離が近い
  • 蜂毒アレルギーに不安がある

費用を確認する場合は蜂の巣駆除の費用、依頼先を比較する場合は蜂の巣駆除業者の比較へ進んでください。

業者へ依頼するときに伝えること

問い合わせ時には、

  • 軒下・軒天のどこにあるか
  • 地上からのおおよその高さ
  • 巣が外から見えるか
  • 巣の大きさ
  • 巣の形
  • 蜂が何匹程度出入りしているか
  • 玄関・通路・隣家との距離

を伝えると、見積もりや必要な装備を判断しやすくなります。

安全な距離から撮影できるなら、写真も用意しておくとよいでしょう。

軒下の蜂の巣についてよくある疑問

軒下の六角形の巣は何蜂ですか?

六角形の巣房がむき出しで、お椀・シャワーヘッドのような形ならアシナガバチが有力です。

軒下に丸い蜂の巣があります

外皮に覆われたボール状で、マーブル模様と1か所の出入口があるならスズメバチを疑います。近づかず相談を検討してください。

小さいとっくり型の巣があります

春〜初夏のスズメバチ初期巣が候補です。小さくても種類確認のために手で触れたり棒で落としたりしないでください。

軒下から蜂が出入りしていますが巣が見えません

軒天・天井裏・壁内へ巣を作っている可能性があります。特に同じ小穴へ複数の蜂が継続的に出入りするなら、穴を塞がず専門相談を検討してください。

2階の軒下の巣を脚立で取ってもいいですか?

脚立上で蜂に驚くと転落する危険があります。高所の巣はDIYを避ける方が安全です。

アシナガバチなら放置してもいいですか?

人がほとんど近づかない高所などでは、自治体も見守る選択を案内しています。ただし玄関・通路・物干し場など生活動線付近なら早めの対応を検討してください。

スズメバチでも高いところなら放置できますか?

アシナガバチと同じ基準では考えません。スズメバチは巣防衛性が高いため、種類・場所・時期を含め自治体または専門業者へ相談してください。

軒下に蜂が1匹だけいます

巣があるとは限りません。同じ場所へ何度も戻る、軒天の穴へ出入りするなど継続的な行動があるか安全な距離から確認してください。

巣の穴をコーキングで塞げば蜂はいなくなりますか?

巣が軒天内部・壁内にある状態で活動中の出入口を塞ぐのは避けます。内部の蜂が別の出口を探す可能性があるため、駆除後に適切な再侵入防止を行います。

去年の軒下の巣を今年も使いますか?

スズメバチ・アシナガバチは基本的に前年の巣を翌年再利用しません。ただし同じ軒下が営巣しやすければ、別の場所へ新しい巣ができることはあります。

軒下の蜂の巣は「形・高さ・人との距離・内部営巣」で判断する

軒下に蜂の巣を見つけたときは、次の順番で確認すると判断しやすくなります。

  1. 安全な距離から巣の形を見る
    六角形が露出していればアシナガバチ、とっくり・ボール型ならスズメバチを確認します。
  2. 巣が外から見えているか確認する
    軒天の穴へ出入りするだけなら内部営巣も疑います。
  3. 高さを見る
    脚立や屋根作業が必要ならDIYを避けます。
  4. 人との距離を見る
    玄関・通路・ベランダ等なら対応優先度が上がります。
  5. 蜂の数と季節を見る
    春の初期巣と夏〜秋の成熟巣では状況が違います。
  6. スズメバチ・種類不明・内部営巣なら相談する

巣の形を詳しく比較する場合は蜂の巣の見分け方、小さい巣なら初期の蜂の巣、春の巣作りは春の蜂の巣へ進んでください。

実際に撤去するか判断する場合は家に蜂の巣があるときの対応、費用は蜂の巣駆除の費用、依頼先は蜂の巣駆除業者の比較で整理しています。


主な参考情報(2026年9月15日確認)

  • 横浜市「ハチについて」
  • 横浜市「アシナガバチの駆除について」
  • 横浜市港北区「ハチの巣を見つけたら」
  • 横浜市泉区「アシナガバチの駆除方法」
  • 大田区「スズメバチとアシナガバチ」
  • 大田区「ハチの巣に関する相談専用電話」
  • 練馬区「スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの習性と見分け方」
  • 練馬区「スズメバチの巣を発見したら」

※軒下の蜂の巣は、種類・巣の高さ・蜂の数・生活動線との距離によって危険度が変わります。スズメバチ疑い、高所、軒天・天井裏・壁内で巣本体が見えない場合は、巣へ近づいたり活動中の出入口を塞いだりせず、自治体または専門業者へ相談してください。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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