室外機に鳩の巣があるときどうする?卵・ヒナ・エアコン運転の注意点

エアコンの室外機の上や裏、配管との隙間に鳩が枝を運び込み、いつの間にか巣ができていることがあります。

室外機はベランダの壁や床との間に死角ができやすく、鳩にとって外から見えにくい場所になりやすいためです。

室外機に鳩の巣を見つけたときは、いきなり巣を取り除くのではなく、最初に卵・ヒナがいるかを確認してください。

対応は大きく4つに分かれます。

  • 巣材だけ・卵もヒナもいない
  • 卵がある
  • ヒナがいる
  • 巣材が室外機の吸込口・吹出口などへ干渉している

鳩の巣では鳥獣保護管理法の問題と、エアコンという機械設備の問題を分けて判断することが重要です。

目次

室外機の周りは鳩が巣を作りやすい

鳩は、人や外敵から見えにくく、雨風を避けられる場所を営巣場所として利用します。

新宿区は、鳩は三方が囲まれた場所を好み、エアコン室外機や洗濯機などによってできる隙間へ巣を作ることがあると案内しています。

例えば、

  • 室外機と壁の間
  • 室外機の裏
  • 室外機の上と天井・庇の間
  • 冷媒配管の周辺
  • 室外機脇の狭いスペース

などが営巣場所になることがあります。

最初に卵・ヒナの有無を確認する

室外機周辺に枝や巣材がある場合は、安全な距離から巣の中を確認します。

分岐は次のとおりです。

状態 基本的な対応
巣材だけ・空の巣 管理権限と安全を確認できれば撤去可能
卵あり 許可なく卵を採取・損傷しない
ヒナあり 許可なく捕獲・移動・殺傷しない
設備へ干渉 法令対応と室外機の安全確認を並行する

卵もヒナもいない巣だけなら撤去できる

卵やヒナがいない巣そのものを撤去することについては、鳥獣捕獲の許可は必要ありません。

東京都、横浜市、川崎市なども、卵・ヒナがいない巣のみであれば撤去できると案内しています。

まだ鳩が枝を数本運び始めた程度であれば、卵を産まれる前に巣材を取り除き、再び巣を作りにくい環境に変える方が対応しやすくなります。

卵がある巣を勝手に撤去しない

野生鳥獣と鳥類の卵については、鳥獣保護管理法により、許可なく捕獲・殺傷・採取することが原則禁止されています。

そのため、巣の中に鳩の卵がある状態で、

  • 卵ごと巣を捨てる
  • 卵を別の場所へ移す
  • 卵を割る

といった対応を自己判断で行わないでください。

生活環境被害などの事情からどうしても巣立ちまで待てない場合は、自治体の鳥獣捕獲許可を担当する窓口へ相談します。

ヒナがいる場合も巣立ち前に移動しない

ヒナも野生鳥獣として保護の対象になります。

ヒナを箱へ入れて別の場所へ移したり、巣ごと移動したりすることは自己判断では行いません。

東京都では、ベランダのドバトについて、ヒナが巣立つのを待ってから巣を撤去するよう案内しており、巣立ちまでは約1か月を一つの目安としています。

親鳥が一時的にいないだけで育児放棄とは限りません。

卵・ヒナがいるが、室外機に問題が起きそうな場合

室外機の巣では、野鳥の保護だけではなく機械設備の安全も確認する必要があります。

例えば、

  • 巣材が室外機の吸込口を塞いでいる
  • 枝が吹出口・ファン付近へ入り込んでいる
  • 羽毛や巣材が内部へ大量に入っている
  • 室外機から普段と違う音がする
  • 運転すると巣やヒナへ直接強い風が当たる位置にある

といった状態です。

この場合、「卵があるから何もできない」と考えて無条件で運転を続けるのではなく、管理会社、エアコン施工業者、メーカー、鳥獣担当窓口などへ状況を伝えて対応を確認します。

鳩の巣があってもエアコンは使える?

室外機の上や周囲に巣があるだけで、エアコンが必ず故障するとは限りません。

一方、室外機は周囲の空気を吸い込み、熱を外へ排出するため、吸込口・吹出口周辺の風通しが重要です。

エアコンメーカー各社も、室外機の吸込口・吹出口を物で塞がないよう案内しています。

そのため、運転前に外から確認できる範囲で、

  • 吹出口が枝で塞がれていないか
  • 背面・側面の吸込口へ巣材が密着していないか
  • ファンの近くへ枝が入り込んでいないか
  • 糞・羽毛・巣材が大量に堆積していないか

を確認します。

巣材が吹出口・吸込口を塞いでいる場合

室外機の空気の通り道を塞ぐ物があると、冷暖房能力の低下や運転効率の悪化につながります。

メーカーによっては、吸込口・吹出口の閉塞を能力低下や故障の原因として注意しています。

巣材が明らかに風路へ入り込んでいる場合や、異音・異常振動がある場合は、無理に運転を続けず確認を依頼してください。

特に、卵やヒナがいるため自分で巣材を動かせない場合は、鳥獣保護管理法上の対応と設備対応を同時に相談する必要があります。

室外機のファンへ手を入れない

巣材を取り除こうとして、室外機の吹出口から手・棒・掃除道具を入れないでください。

室外機内部にはファンや熱交換器があります。

自分でカバーを外したり分解したりするのではなく、内部へ枝・羽毛などが入り込んでいる場合はエアコンの施工業者やメーカーへ相談します。

室外機の上に巣があるだけならどうする?

室外機の天面に巣が載っていて、吸込口・吹出口から離れている場合でも、まず卵・ヒナの有無を確認します。

卵もヒナもいない巣なら、管理上問題がなければ早めに撤去して再営巣を防ぎます。

卵やヒナがいる場合は、無許可で巣を撤去しないでください。

また、室外機の上に巣や物を載せた状態を恒常化することは、メーカーが想定する使用環境とも異なるため、巣立ち後は室外機周辺を元の状態へ戻します。

室外機の裏に巣がある場合

室外機の裏は、壁との間に隙間があり外側から見えにくいため、鳩に利用されることがあります。

ただし、室外機背面は吸込口になっている機種が多く、巣や大量の枝で塞がれると空気の流れに影響します。

奥まで手を入れて巣を探すのではなく、鏡やスマートフォンなどで外から確認できる範囲に留めてください。

配管周りに鳩が巣を作っている場合

冷媒配管やドレンホースが壁へ入る周辺には、構造によって死角ができます。

鳩がその周囲へ枝を集めている場合も、卵・ヒナがいなければ巣作りの初期段階で巣材を取り除きます。

ただし、配管や保温材を引っ張ったり、ドレンホースを折り曲げたりしないでください。

設備そのものを動かす必要がある場合は専門業者へ相談します。

賃貸住宅なら管理会社・大家へ連絡する

賃貸マンション・アパートでは、室外機そのものが入居者の設備でも、ベランダや外壁は建物管理と関係します。

また、

  • 防鳥ネットを固定する
  • 外壁へ器具を取り付ける
  • 室外機を移動する
  • 巣の撤去業者を入れる

といった対応が必要になる場合があります。

そのため、卵・ヒナの有無を確認した後、管理会社や大家へ状況を伝えてください。

分譲マンションでも管理規約を確認する

マンションでは、ベランダ・バルコニーが「専用使用権のある共用部分」として扱われるケースがあります。

実際の区分はマンションごとの管理規約によって異なります。

防鳥ネットを外壁や天井へ固定する、アンカー・ビスを打つなどの工事を行う前に、管理会社・管理組合へ確認してください。

避難ハッチ・隔て板・避難経路を防鳥ネットで塞がないことも重要です。

防鳥ネットは卵・ヒナがいる状態で閉じ込めない

鳩が現在巣を利用している状態で、出入口をネットで完全に塞ぐことは避けます。

親鳥が巣へ戻れなくなったり、鳩をベランダ内部へ閉じ込めたりする可能性があります。

防鳥ネットは、

  1. 巣立ちまたは適法な撤去
  2. 鳩が残っていないことの確認
  3. 清掃
  4. ネット等による再侵入防止

という順番で設置します。

防鳥ネットで室外機の風路を塞がない

ネットを設置する場合も、室外機へ密着させて吸込口・吹出口を塞がないようにします。

エアコンメーカーは、室外機の周囲に十分な空気の流れを確保するよう案内しています。

防鳥対策とエアコンの設置条件を両立できる位置へ施工することが必要です。

巣立ち後は巣と糞を清掃する

ヒナが巣立った後は、空になった巣を撤去できます。

巣材だけでなく、周囲に、

  • 糞
  • 羽毛
  • 枝
  • 餌の残骸

などが残っていないか確認します。

東京都や大田区では、野鳥の巣を清掃する際には使い捨て手袋・マスクを着用し、糞へ直接触れないよう案内しています。

鳩の糞の清掃方法そのものは別記事で詳しく扱いますが、素手で巣材や糞を処理しないことが基本です。

清掃時に室外機へ大量の水をかけない

鳩の糞を落とすために室外機本体へ大量の水や薬剤を直接かけることは避けます。

メーカーの取扱説明書や安全案内では、室外機内部へ水をかけたり、吸込口・熱交換器等へ不用意に触れたりしないよう注意されています。

室外機内部まで汚れている場合は、エアコン清掃・施工業者へ相談してください。

巣を撤去しただけでは鳩が戻ることがある

鳩は安全と認識した場所を繰り返し利用することがあります。

新宿区も、巣だけ撤去して再発防止を行わないと、再び同じ場所へ棲みつく可能性が高いと案内しています。

巣立ち・撤去後には、室外機周辺を鳩が利用しにくくします。

室外機周りの再営巣防止

  • 室外機周辺へ物を置きすぎない
  • 室外機と壁の間の死角を減らす
  • 不要な段ボール・植木鉢等を置かない
  • 糞を放置しない
  • 管理規約の範囲で防鳥ネットを設置する
  • 手すりへのワイヤー等を検討する

ただし、室外機の吸込口・吹出口を塞ぐような隙間対策は行わないでください。

「隙間を塞ぐ」と「室外機を囲う」は別

東京都や新宿区は、室外機などによってできる鳩の営巣スペースを減らすことを勧めています。

これは、室外機そのものを板・ネット・荷物で密閉するという意味ではありません。

室外機の空気流路は確保したうえで、鳩が入り込む死角だけをなくす必要があります。

鳩が戻ってくる場合

巣を撤去した後も、

  • 毎日室外機へ鳩が来る
  • 再び枝を運んでくる
  • 室外機周辺へ糞が増える

場合は、その場所を営巣候補として認識している可能性があります。

卵を産む前の段階で、鳩が居着きにくい状態へ変えることが重要です。

専門業者へ相談した方がよいケース

  • 卵・ヒナがいて生活上どうしても巣立ちまで待てない
  • 巣材が室外機内部へ入り込んでいる
  • ファン付近に枝がある
  • 室外機から異音・異常振動がする
  • 高所で自分では安全に確認できない
  • 大量の糞が室外機周辺に堆積している
  • 防鳥ネットを高所へ施工する必要がある
  • 鳩が何度も同じ場所へ再営巣する

卵・ヒナのいる巣を撤去する必要がある場合は、単に「害鳥駆除業者」であるだけでなく、必要な捕獲許可等に対応できるかを確認してください。

業者へ依頼する場合の費用は害獣・害虫駆除の費用・相場、依頼先を比較するときは駆除業者の選び方を確認できます。

よくある質問

室外機に鳩の巣があったら自分で撤去できますか?

卵・ヒナがいない巣だけであれば、管理権限と安全を確認したうえで撤去できます。卵やヒナがいる場合は、許可なく卵を採取したりヒナを移動したりしないでください。

鳩の卵が室外機の裏にあります。移動してもよいですか?

自己判断で移動しないでください。鳥類の卵の採取等は鳥獣保護管理法で原則禁止されています。巣立ちを待てない事情がある場合は自治体の許可窓口へ相談してください。

ヒナがいる室外機でもエアコンは使えますか?

「ヒナがいるから必ず運転禁止」「問題なく使える」と一律には判断できません。巣材が吸込口・吹出口やファンへ干渉していないか確認し、設備へ影響する位置なら運転を控えて管理会社・メーカー・施工業者へ相談してください。

室外機の上に巣があります。故障しますか?

巣があるだけで直ちに故障すると断定はできません。ただし、巣材や糞が吸込口・吹出口を塞ぐ、内部へ入るなどすれば運転効率や機器に影響する可能性があります。

室外機の裏の巣を取るため室外機を動かしてよいですか?

自分で室外機を動かすことは勧めません。冷媒配管やドレン配管につながっているため、必要ならエアコン施工業者へ相談してください。

鳩は巣立つまでどれくらいかかりますか?

東京都は、ベランダのドバトについて、ヒナが巣立つまで約1か月を一つの目安として案内しています。

巣立った後ならすぐ防鳥ネットを張ってよいですか?

鳩・ヒナが残っていないことを確認して巣・糞を清掃した後に行います。マンション・賃貸では管理規約を確認し、避難経路や室外機の吸込口・吹出口を塞がないよう施工してください。

マンションのベランダは自分の場所なので自由にネットを張れますか?

マンションではバルコニーが共用部分として扱われ、居住者に専用使用権が設定されている場合があります。実際の扱いは管理規約で確認し、外壁への固定やネット設置は管理会社・管理組合へ相談してください。

室外機の周りにまた鳩が来ます

巣を撤去するだけでなく、糞や巣材を清掃し、室外機・壁・物品によってできる営巣しやすい死角を減らします。必要に応じて管理規約の範囲で防鳥ネット等を検討してください。

室外機の鳩の巣は「卵・ヒナ」と「エアコンの風路」を別々に確認する

室外機周辺に鳩の巣を見つけたときは、

  • 卵があるか
  • ヒナがいるか
  • 巣材が吸込口・吹出口を塞いでいないか
  • 枝や羽毛がファン周辺へ入り込んでいないか
  • 賃貸・マンションの管理規約上問題がないか

を確認します。

卵・ヒナがいない空の巣なら、安全な範囲で早めに撤去できます。

卵やヒナがいる場合は、許可なく巣ごと撤去することは避け、原則として巣立ちを待ちます。

一方、室外機の吸込口・吹出口が巣材で塞がれている、内部へ枝が入り込んでいる、異音がするといった状態では設備上の確認も必要です。

法令上巣を動かせない場合でも、危険な状態のままエアコンを使い続けるのではなく、自治体・管理会社・エアコン施工業者等へ相談してください。

巣立ち後は巣材と糞を清掃し、鳩が再び室外機の裏や周囲へ巣を作らないよう環境を整えます。

まだ鳩か別の鳥か分からない場合は症状・痕跡から探すページ、住宅の場所から原因を確認する場合は住宅の場所から探すページ、害鳥全般は住宅に侵入する害獣・害鳥の総合ページから確認できます。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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