ハクビシンのため糞とは?同じ場所に糞尿がたまる理由・被害と対処

屋根裏やベランダ、庭の同じ場所に糞がまとまり、掃除してもまた同じ場所へ増えている。

このような状態では、ハクビシンの「ため糞」を疑うことがあります。

ため糞とは、決まった場所を繰り返し排泄場所として利用し、糞が一か所へ堆積していく状態です。

横浜市も、ハクビシンの特徴として「同じ場所で繰り返し糞をする習性(ため糞)」を挙げています。

ただし、ため糞があるだけでハクビシンと確定することはできません。

タヌキなどにもため糞の習性があるため、

  • ため糞がある場所
  • 糞の形・大きさ
  • 高い場所を利用しているか
  • 足跡
  • 果実の食害
  • 夜間の足音

などを合わせて判断します。

目次

ハクビシンの「ため糞」とは

ハクビシンは、毎回別々の場所へ少量ずつ糞をするだけでなく、ねぐらなど一定の場所へ繰り返し排泄することがあります。

その結果、時間の経過とともに同じ場所へ糞尿が積み重なっていきます。

農林水産省の中型獣対策マニュアルでは、ハクビシンについて、

  • 典型的な糞は棒状
  • ねぐらなどにため糞をする
  • よく使う通路上の側溝や溜まり水の中にも糞をする

と整理されています。

そのため、単に「糞が1個あった」という状態より、同じ地点へ何度も追加されていることが、ため糞を考える重要なポイントです。

ため糞はどこにできる?

ハクビシンのため糞は、屋外だけとは限りません。

住宅へ侵入している場合には、

  • 屋根裏
  • 天井裏
  • 二重壁の内部
  • 物置
  • ベランダ
  • 雨どい周辺
  • 庭の決まった場所
  • よく利用する通路上

などで見つかることがあります。

東京都も、ハクビシン等が侵入している可能性を示すサインとして、雨どいやベランダの一角にまとまった糞がある状態を挙げています。

屋根裏のため糞は特に注意する

ハクビシンは木登りが得意で、屋根周辺から住宅の天井裏へ侵入することがあります。

屋根裏をねぐらとして使い、そこでため糞を始めると、居住者から見えない場所で糞尿の量が増え続ける場合があります。

東京都は、アライグマ・ハクビシンによる生活環境被害の中でも、家屋侵入による糞尿汚損、とくに天井裏の被害を大きな問題として挙げています。

天井のシミはため糞・尿の可能性もある

天井裏へ糞尿が繰り返し蓄積すると、尿などの水分が天井材や断熱材へ染み込むことがあります。

その結果、室内側から、

  • 茶色っぽい天井のシミ
  • 異臭
  • 天井材の変色

として気づく場合があります。

酒田市も、ハクビシンが天井裏でため糞をすると、天井板が変色してシミになり、放置すれば腐食して張り替えが必要になる場合があると案内しています。

天井のシミをすべてハクビシンと考えることはできませんが、夜間の大きな足音や糞臭などが同時にあるなら、雨漏り以外の原因も確認します。

糞だけでなく尿も同じ場所へたまる

「ため糞」という名前から糞だけを想像しやすいですが、住宅被害では尿も問題になります。

尿が繰り返し同じ場所へ浸透すると、

  • 断熱材の汚染
  • 木材への臭いの染み付き
  • 天井材のシミ
  • 室内まで届く悪臭

につながることがあります。

そのため、大量のため糞では「糞だけ拾えば終了」とはならない場合があります。

ため糞があるとハクビシンが住み着いている?

大量のため糞が屋根裏などに形成されている場合、単に一度通過しただけより、継続的にその場所を利用している可能性を考えます。

ただし、古いため糞だけが残っていて現在は使われていない場合もあります。

判断するときは、

  • 最近追加されたような糞がある
  • 清掃後に再び増える
  • 夜間に足音がする
  • 天井裏で物が動く音がする
  • 果実が繰り返し食べられる
  • 侵入口らしい隙間がある

といった現在の活動サインも確認します。

掃除したのに同じ場所へまた糞をされる理由

ため糞は、その場所を排泄場所として繰り返し利用する行動です。

そのため、糞だけを取り除いても、ハクビシンが住宅内へ出入りし続けていれば、再び同じ場所へ排泄することがあります。

清掃と同時に、

  • 現在も個体がいるか
  • どこから侵入しているか
  • 住宅内をねぐらにしているか

を確認する必要があります。

ハクビシンのため糞とタヌキのため糞の違い

ため糞はハクビシンだけの行動ではありません。

タヌキも一定の場所へ繰り返し糞をします。

農林水産省の中型獣対策マニュアルでは、

動物 ため糞の特徴
ハクビシン ねぐらなどにため糞。よく使う通路の側溝・溜まり水などにも排泄
タヌキ 屋外の畑・竹林・庭などに比較的大きなため糞
アライグマ 同マニュアルでは「ため糞はしない」と整理
アナグマ 小規模なため糞をする

したがって、庭の地面に大きな糞だまりがあるだけなら、タヌキなども候補に残ります。

屋根裏・高所ならハクビシンの可能性が上がる

ハクビシンは木登りが非常に得意で、雨どい、塀、電線、木の枝などを利用して高い場所へ移動します。

そのため、

  • 2階の屋根付近
  • 天井裏
  • 雨どい
  • 高いベランダ

にため糞がある場合は、地上中心に活動するタヌキよりハクビシンを考えやすくなります。

ただし場所だけでも確定はできません。

果実の種が入っていればハクビシン?

ハクビシンは果実を好むため、糞の中に果実の種子が混じることがあります。

しかし、ため糞の記事では「種があるか」だけを決め手にはしません。

食べた物や季節によって糞の内容は変わります。

種子がないからハクビシンではない、種子があるから必ずハクビシン、とは判断できません。

糞そのものの大きさ・形・内容物から詳しく比較する場合は、ハクビシンの糞の識別記事と役割を分けて確認します。

アライグマとの違い

アライグマも屋根裏など住宅へ侵入するため、ハクビシンと混同されることがあります。

ただし農林水産省の中型獣対策マニュアルでは、アライグマの糞は食べた物によって泥状から固形状まで変化し、「ため糞はしない」と整理されています。

さらにアライグマでは、

  • 尾に縞模様がある
  • 長い5本指の足跡
  • 物をつかむような前足
  • 建材を壊して侵入する場合がある

といった別の特徴も確認材料になります。

ため糞だけで動物を断定しない

農林水産省も、糞の形状は食べた物や時期によって変化するため、糞だけでの識別は難しいと注意しています。

ため糞があった場合も、

  • 場所
  • 足跡
  • 食害
  • 体の目撃情報
  • 夜間の音
  • 侵入口

を合わせて確認します。

ハクビシンを疑う追加サイン

ため糞と同時に、次の特徴があるほどハクビシンの可能性は高まります。

  • 夜間に天井裏で中型動物らしい大きな足音がする
  • 屋根や電線の上を細長い動物が歩いている
  • 鼻から額に白い筋のある動物を見た
  • 尾が体に対して長い
  • 5本指の足跡がある
  • 柿・ビワ・ブドウなど果実が食べられている
  • 天井裏に糞尿臭がある

ため糞を見つけたら素手で触らない

野生動物の排泄物を、種類確認のために素手で触ったり、割ったりする必要はありません。

また、乾燥した糞を、

  • ほうきで勢いよく掃く
  • そのまま掃除機で吸う
  • 手で砕く

といった方法も避けます。

乾いた排泄物や周囲のほこりを舞い上げないように扱ってください。

少量で安全に届く場所なら清掃できる場合もある

庭やベランダなど、安全に手が届く場所に少量だけある場合は、

  • 使い捨て手袋
  • マスク
  • 袋
  • ペーパー等

を準備し、粉じんを立てないよう静かに回収します。

回収後は周囲の汚れも清掃します。

ただし、清掃後も新しい糞が繰り返し増えるなら、排泄場所の清掃だけではなく侵入対策が必要です。

大量のため糞は専門清掃を検討する

東京都ペストコントロール協会は、ハクビシン等が長期間屋根裏に定着した場合、糞の除去や消毒などが必要となり、個人では対応が難しい場合があると説明しています。

特に、

  • 屋根裏一面に大量の糞がある
  • 尿が断熱材へ染み込んでいる
  • 天井裏へ安全に入れない
  • 強い悪臭が室内まで届く
  • 糞尿で天井材にシミがある
  • ノミ・ダニ等の発生も疑われる

状態では、表面の糞だけを回収して終了するのは難しくなります。

ため糞を掃除した後に確認すること

清掃後は、「きれいになったか」だけでなく、再び利用されていないかを確認します。

数日間、

  • 新しい糞が増えていないか
  • 夜間に足音がしないか
  • 新しい天井シミがないか
  • 侵入口周辺に毛・足跡等がないか

を確認します。

再び同じ場所へ糞が追加されるなら、現在も侵入している可能性が高まります。

糞を掃除してすぐ侵入口を全部塞がない

ハクビシンが屋根裏内部に残っている状態で侵入口を完全に塞ぐと、住宅内へ閉じ込める可能性があります。

また、繁殖時期には子どもが残っている可能性も考える必要があります。

侵入口を塞ぐ場合は、

  1. 現在の個体の在不在を確認する
  2. 必要な追い出し・捕獲等を適法に行う
  3. 内部に動物が残っていないことを確認する
  4. その後に侵入口を塞ぐ

という順序で考えます。

自分で箱わなを置いて捕まえてよい?

ハクビシンは野生鳥獣です。

鳥獣保護管理法では、野生鳥獣の捕獲・殺傷は原則禁止されており、被害防止等の目的で捕獲する場合も、許可や自治体の防除制度などを確認する必要があります。

「自宅に入った動物だから自由に捕まえてよい」とは考えないでください。

東京都では区市町と連携してアライグマ・ハクビシンの捕獲事業を行っています。

被害がある場合は、まず自治体の環境担当窓口に制度がないか確認する方法があります。

清掃だけでなく侵入原因もなくす

東京都は、ハクビシン対策として、

  • 庭木の果実を放置しない
  • ペットの残り餌を屋外に置かない
  • 生ごみを放置しない
  • 屋根への移動経路になる枝を切る
  • 家屋の破損部分・侵入口を塞ぐ

といった環境管理を勧めています。

ため糞ができている住宅では、糞の撤去だけでなく、餌・ねぐら・侵入口を一緒に確認する必要があります。

ため糞が庭にある場合

庭の一角にまとまった糞がある場合は、ハクビシン以外にタヌキなども候補です。

庭では、

  • 糞の大きさ・形
  • 周囲の足跡
  • 果樹被害
  • 塀や屋根への移動
  • 防犯カメラの映像

などを合わせて確認します。

庭だからハクビシンではない、あるいは庭のため糞ならハクビシン、とも言い切れません。

ため糞がベランダにある場合

高い階や屋根に近いベランダの同じ場所へ糞が増えている場合は、木登りや高所移動が得意なハクビシンを候補にできます。

東京都も、ベランダの一角にまとまった糞がある状態を侵入の注意サインとして挙げています。

ベランダ周囲の、

  • 雨どい
  • 屋根
  • 塀
  • 建物に接した樹木

が移動経路になっていないか確認します。

ため糞が側溝・水のある場所にある場合

農林水産省のマニュアルでは、ハクビシンがよく使う通路上の側溝や溜まり水の中へ糞をすることもあるとされています。

屋根裏だけを探すのではなく、住宅周辺で同じルートを繰り返し使っていないかも確認します。

専門業者へ相談した方がよい状態

  • 屋根裏に大量のため糞がある
  • 清掃しても同じ場所に糞が増える
  • 天井にシミが広がっている
  • 強い糞尿臭がする
  • 断熱材まで汚染されている
  • 夜間に天井裏で大きな足音がする
  • 高所・屋根裏奥で自分では安全に確認できない
  • 侵入口が分からない
  • 子どもの個体がいる可能性がある
  • 捕獲が必要になりそう

依頼する場合は、単に「糞を掃除する業者」ではなく、

  • 現在の動物の確認
  • 追い出し・適法な捕獲
  • 糞尿清掃
  • 汚染部分の処理
  • 侵入口対策
  • 再発確認

までどこを担当するのか確認します。

費用を確認する場合は害獣・害虫駆除の費用・相場、依頼先を比較する場合は駆除業者の選び方から確認できます。

よくある質問

ハクビシンのため糞とは何ですか?

同じ場所を繰り返し排泄場所として利用し、糞が一か所へ堆積していく習性です。ハクビシンではねぐらなどにため糞をすることがあります。

ハクビシンは毎日同じ場所に糞をしますか?

同じ排泄場所を繰り返し利用することがあります。ただし毎日必ず同じ場所へ排泄するという意味ではありません。複数のねぐら・行動場所を利用することもあります。

ため糞があればハクビシンで確定ですか?

確定ではありません。タヌキやアナグマにもため糞の習性があります。場所、糞の形、足跡、高所利用、果実被害、夜間音などを合わせて判断します。

タヌキのため糞との違いは?

農林水産省のマニュアルでは、タヌキは屋外の畑・竹林・庭などに比較的大きなため糞を作る一方、ハクビシンはねぐらや通路上でもため糞をするとされています。屋根裏や高所ならハクビシンを考えやすくなります。

アライグマもため糞をしますか?

農林水産省の中型獣対策マニュアルでは、アライグマについて「ため糞はしない」と整理されています。ただし糞だけで種を断定せず、足跡や体の特徴等も確認してください。

掃除したのにまた糞が増えました

ハクビシン等がまだ同じ場所へ出入りしている可能性があります。清掃だけでなく、現在の個体の在不在と侵入口を確認してください。

屋根裏のため糞を自分で掃除できますか?

大量堆積、断熱材への尿の浸透、狭い屋根裏、高所などでは専門対応を検討してください。長期間の汚染では糞を拾うだけでは処理が終わらない場合があります。

乾いた糞を掃除機で吸ってよいですか?

乾燥した野生動物の糞をそのまま掃除機で吸ったり、ほうきで舞い上げたりすることは避けます。手袋・マスクを使い、粉じんを立てないよう処理します。

ため糞を片付ければハクビシンは来なくなりますか?

清掃だけでは再発する場合があります。餌、ねぐら、侵入口が残っていれば再び利用される可能性があるため、侵入原因まで確認します。

自分で捕獲してから掃除すればよいですか?

ハクビシンの捕獲は鳥獣保護管理法等の確認が必要です。自治体の捕獲事業や許可制度を確認し、自己判断で箱わなを設置しないでください。

ハクビシンのため糞は「掃除して終わり」にしない

ハクビシンのため糞で重要なのは、糞の形だけではありません。

確認したいのは、

  • 同じ場所へ繰り返し糞が増えているか
  • 屋根裏・高所などハクビシンが利用しやすい場所か
  • 夜間の足音や果実被害等があるか
  • 天井シミ・悪臭など糞尿被害が進んでいないか
  • 現在も個体が住宅内へ出入りしていないか

です。

ため糞はタヌキなどでも見られるため、行動だけでハクビシンと決めつけることはできません。

一方、屋根裏で同じ場所へ大量の糞尿が繰り返し蓄積し、夜間の足音や果実被害などもあるなら、ハクビシンが住宅を継続利用している可能性を考えます。

少量の糞なら安全な範囲で清掃できる場合もありますが、個体が残っていれば再びため糞が形成されます。

清掃と同時に現在の在不在・侵入経路を確認し、必要な追い出し・捕獲等を適法に行った後、再侵入対策まで進めることが重要です。

まだ動物の種類が分からない場合は症状・痕跡から探すページ、害獣全般を比較する場合は住宅に侵入する害獣・害鳥の総合ページ、発生場所から探す場合は住宅の場所から探すページから確認できます。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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