家にスズメの巣ができたら?屋根・軒下の場所と卵・ヒナがいる場合の対処

家の屋根や軒のあたりから「チュンチュン」と鳴き声が聞こえ、同じ隙間へスズメが何度も出入りしている。

屋根瓦の下や換気口の近くから、枯草のようなものが見えている。

このような状態なら、スズメが家の一部を営巣場所として利用している可能性があります。

スズメは木の枝に大きな巣を作るだけの鳥ではありません。人の生活圏との結びつきが強く、住宅の屋根・壁・換気口などにある小さな隙間を利用して巣を作ります。

ただし、家に巣を作られたからといって、すぐ隙間を塞いだり、巣材を引き出したりしてよいとは限りません。

卵やヒナがいる巣では、野鳥や卵を許可なく捕獲・採取することは原則できないため、巣の使用状況を先に確認する必要があります。

目次

スズメは家のどこに巣を作る?

スズメは、雨風をある程度避けられる小さな空間をよく利用します。

住宅では、

  • 屋根瓦の下
  • 軒の隙間
  • 屋根と外壁の境目
  • 屋根と柱の間
  • 換気口・排気口周辺
  • 壁の穴や隙間
  • 配線を通した穴
  • 雨戸・戸袋周辺

などが候補になります。

東京都建設局も、スズメは繁殖期に人家の屋根や壁の隙間などで営巣すると説明しています。

屋根瓦の下は代表的な営巣場所

瓦屋根では、瓦と下地・軒先などの間にできた空間へスズメが入り込むことがあります。

外から巣全体が見えず、

  • 同じ瓦の隙間へ何度も出入りする
  • 枯草をくわえて入っていく
  • 餌をくわえた親鳥が頻繁に戻る
  • 内部からヒナの声が聞こえる

といった行動から巣に気づくことがあります。

換気口・排気口にも巣を作る

日本野鳥の会は、スズメが屋根だけでなく排気口などの隙間も営巣場所として利用すると紹介しています。

ただし、換気口の内部へ巣材が入ると設備の機能へ影響する場合があります。

換気設備を分解したり、活動中の巣を押し込んだりせず、卵・ヒナの有無と設備管理者への確認を先に行います。

スズメの巣か確認するポイント

住宅の隙間に巣がある場合、巣全体を見られないことも珍しくありません。

そのため「巣の形」だけでなく、次の情報を組み合わせます。

  • 同じ小さな隙間へスズメが反復して出入りする
  • 枯草・細い草・植物繊維などを運んでいる
  • 餌をくわえた親鳥が戻ってくる
  • 隙間の中からヒナの声が聞こえる
  • 入口周辺に小鳥の糞が増えている

巣材は枯草が一つの手がかり

京都市動物園は、スズメが住宅のさまざまな隙間を利用し、巣材として枯草を使うことを紹介しています。

屋根の隙間から、

  • 乾いた草
  • 細い植物片
  • 繊維状の巣材

が出ている場合は、スズメなど小鳥の営巣を考える材料になります。

ただし巣材だけで鳥種を確定することはできません。

親鳥が餌を何度も運んでいればヒナがいる可能性が高い

巣の入り口へ親鳥が虫などの餌をくわえて何度も往復している場合は、すでにヒナを育てている可能性があります。

この状態では巣材を取り出したり、入口を塞いだりしないでください。

親鳥が巣へ戻れなくなると、内部にいるヒナが取り残されることがあります。

中からヒナの声が聞こえることもある

日本野鳥の会によると、子育て中のスズメの巣付近ではヒナの声が聞こえることがあります。

外から巣の中が見えなくても、

  • 親鳥が餌を運んでいる
  • 入口付近で立ち止まる
  • 中から小さな鳴き声が続く

なら、使用中の巣として扱います。

ツバメの巣との違い

ツバメは、軒先などの外から見える場所に、泥と枯草を使って半円・お椀状の巣を作ることが多い鳥です。

一方、スズメでは、

  • 屋根
  • 壁
  • 換気口
  • 瓦

などの内部の隙間へ巣材を運び込むことが多く、巣本体が外から見えない場合があります。

鳩の巣との違い

鳩はベランダ・室外機周辺・建物の棚状部分などへ、比較的粗い枝を組んだ簡素な巣を作ることがあります。

スズメは鳩よりかなり小型で、狭い穴や隙間へ入り込んで営巣するのが特徴です。

床や室外機上へ粗い枝の巣が露出しているなら、スズメ以外も確認します。

ムクドリとの違い

ムクドリも住宅の屋根や戸袋などを利用するため、営巣場所だけではスズメと区別しにくい場合があります。

ムクドリはスズメより体が大きいため、

  • 出入口が比較的大きい
  • 親鳥そのものが大きい
  • 鳴き声もスズメの「チュンチュン」と異なる

といった点を合わせて確認します。

スズメの巣を見つけたら最初に「卵・ヒナ」を確認する

撤去できるかどうかで最も重要なのは、巣を使用している鳥の種類よりも、現在卵やヒナがいるかです。

鳥獣保護管理法では、野生鳥獣の捕獲・殺傷や、鳥類の卵の採取は原則禁止されています。

したがって、スズメの巣だから自由に撤去できるというわけではありません。

卵・ヒナがいる巣は勝手に撤去しない

横浜市は2026年9月の案内で、野鳥の捕獲・殺傷や卵の採取は原則禁止されており、卵やヒナがいる場合は許可制度の対象になると案内しています。

卵やヒナが確認できる場合は、基本的には巣立ちまで待ちます。

どうしても生活環境上の被害があり、巣立ち前に撤去する必要がある場合は、自治体の鳥獣担当窓口や、許可を扱える専門業者へ確認してください。

卵・ヒナがいない空巣なら撤去に許可は不要

横浜市は、卵・ヒナがいない巣を撤去する場合は許可不要と明記しています。

札幌市も、空の巣については許可なく撤去できると案内しています。

ただし、

  • 本当に使用されていないか
  • 巣の奥にヒナが残っていないか
  • 別の出入口がないか

を確認してください。

巣作り途中でまだ卵がない場合

親鳥が巣材を運び始めたばかりで、まだ卵やヒナがいないことを安全に確認できる場合は、巣材を撤去して再営巣防止を行える場合があります。

ただし屋根・瓦下・高所では、卵の有無を確認するために自分で登る方が危険です。

地上から確認できない場合は、屋根業者や鳥害対策業者等へ相談します。

スズメの卵はどのくらいでヒナになる?

札幌市円山動物園は、スズメやセキレイなどの小鳥について、13日前後でふ化し、その後2週間ほどで巣立つと案内しています。

すでに抱卵している状態なら、永遠に待つ必要があるわけではありません。

ただし、現在が、

  • 産卵前
  • 抱卵中
  • ふ化直後
  • 巣立ち直前

のどこなのかで残り期間は変わります。

「巣を見つけて約1か月待てば必ず空になる」とは限らない

日本野鳥の会によると、スズメは年に2〜3回子育てすることがあります。

そのため、一度ヒナが巣立った後に、同じ場所が再び使われる場合があります。

巣立ちしたと思っても、入口へ親鳥が出入りしていないか確認してから撤去・封鎖してください。

春だけでなく夏にも巣があることがある

日本野鳥の会では、スズメは3月頃から巣作りを始め、9月頃まで子育て中の個体が見られるとしています。

「6月を過ぎたからもう空巣だろう」と季節だけで判断しないことが重要です。

巣立った後の撤去方法

卵・ヒナがおらず、現在も親鳥が利用していないことを確認できたら、巣を撤去できます。

作業時は、

  • 使い捨て手袋
  • マスク
  • 袋

などを準備し、巣材・糞へ直接触れないようにします。

乾燥した糞や巣材を勢いよく舞い上げる清掃は避けます。

高所・瓦下なら自分で撤去しない

スズメの巣がある場所は、

  • 2階屋根
  • 軒先
  • 瓦の内部
  • 高い換気口

など、高所になることがあります。

巣そのものより、脚立・はしご・屋根からの転落リスクの方が大きくなる場合があります。

地上から安全に届かない場所は専門業者へ依頼してください。

巣立ち後は再侵入できる隙間を塞ぐ

巣だけ撤去して隙間をそのまま残すと、同じ場所が再び利用される可能性があります。

空になったことを確認した後で、

  • 瓦周辺の不要な隙間
  • 外壁の穴
  • 換気口の破損
  • 配線周辺の隙間

を点検します。

必要に応じて防鳥材・金網・専用部材などで侵入を防ぎます。

換気口を完全に塞いではいけない

換気口の場合、鳥が入れないようにすることと、換気機能を失わせることは別です。

本来空気を通す必要がある設備を板やシーリング材で完全に塞ぐのではなく、設備用途に合った防鳥網・ベントキャップ等を使用します。

設備の構造が分からない場合は施工業者へ確認してください。

瓦の隙間を自己判断で埋めない

瓦屋根では、隙間の中に巣があるからといって、外側から大量の充填材で埋めればよいとは限りません。

屋根には排水・換気など建築上必要な構造があります。

巣立ち後の再営巣防止を行う場合は、屋根材に適した工法か確認してください。

巣立つ前に隙間を塞ぐのは避ける

親鳥だけが外へ出ているタイミングで入口を塞ぐと、巣の内部に卵やヒナを残す可能性があります。

逆に親鳥が内部にいる状態で塞げば、鳥そのものを閉じ込めることになります。

したがって、現在使われている巣では「追い払ってすぐ塞ぐ」という方法にはしません。

鳴き声がうるさい場合もすぐ撤去できるとは限らない

育雛期には親鳥の出入りやヒナの声が増えるため、早朝から鳴き声が聞こえることがあります。

騒音が気になる場合でも、卵・ヒナがいる巣を許可なく撤去することはできません。

まず営巣状況を確認し、短期間で巣立ちが見込めるなら見守る方法を検討します。

糞が落ちて困る場合

巣の入口の下には、糞や巣材が落ちる場合があります。

巣立ちまで待つ間は、鳥や巣へ触れない範囲で、地面側の清掃や汚れ防止を行います。

玄関・通路・車などへ落下する場合は、巣そのものを動かさず、下側で養生できるか検討します。

ダニ・虫が気になる場合

鳥の巣には昆虫・ダニ類などが関係する場合があります。

特に巣立ち後、巣が空になった後に周囲で虫が増えた場合は、巣材の撤去と周囲の清掃を行います。

虫が室内へ広がっている場合は、虫の種類を確認したうえで害虫対策を検討してください。

賃貸住宅でスズメの巣を見つけたら

賃貸住宅の、

  • 屋根
  • 外壁
  • 軒
  • 換気口
  • 共用廊下

などへ巣がある場合、自分で建物へ加工を加える前に管理会社・大家へ連絡します。

巣の撤去だけでなく、屋根材の取り外しや防鳥工事が必要になることもあるためです。

マンションでは管理会社・管理組合へ確認する

マンションの屋根、外壁、共用設備などは、入居者が自由に施工できる場所とは限りません。

防鳥網、金網、隙間封鎖などを行う場合も、固定方法によって建物へ加工が必要になります。

管理規約と管理会社・管理組合の指示を確認してください。

落ちたスズメのヒナを見つけた場合

巣の近くにヒナが落ちていることがあります。

札幌市は、野鳥のヒナを見つけた場合、近くに親鳥がいる可能性が高いため、基本的にはそっと見守るよう案内しています。

人が近くに居続けると親鳥が近づけない場合があります。

野鳥を持ち帰って飼育するのではなく、自治体・野生鳥獣救護窓口等の案内を確認してください。

巣が設備内部にある場合

次の場所では、自分で分解して撤去することは避けます。

  • 換気扇内部
  • ダクト
  • 電気設備
  • 屋根裏の奥
  • 壁内部
  • 太陽光設備周辺

鳥獣保護管理法だけでなく、設備破損・感電・火災・高所作業など別のリスクがあります。

専門業者へ相談した方がよいケース

  • 屋根・2階軒先など高所にある
  • 瓦を外さないと巣へ届かない
  • 換気口・設備内部にある
  • 巣の奥が見えず卵・ヒナの有無を確認できない
  • 巣立ち後も繰り返し営巣される
  • 大量の糞・巣材の清掃が必要
  • 防鳥工事や屋根補修も必要
  • 生活被害が大きく、巣立ち前の撤去を検討している

巣立ち前に対応する場合は、鳥獣の捕獲等に必要な許可について自治体へ確認します。

業者へ依頼する場合は駆除業者の選び方、費用を比較するときは害獣・害虫駆除の費用・相場から確認できます。

スズメの巣を作らせにくくする方法

巣が空になった後は、同じ場所へ再び入れないようにします。

住宅の構造に応じて、

  • 破損した換気カバーを直す
  • 不要な穴へ防鳥材を取り付ける
  • 屋根材の浮き・破損を補修する
  • 配管・配線周辺の不要な隙間を適切に処理する

といった対策を検討します。

ただし、鳥が現在利用していないことを確認してから行います。

屋根周辺を定期的に見る

春頃から、地上から安全に見える範囲で、

  • 枯草を運ぶ鳥がいないか
  • 同じ屋根の隙間へ何度も入っていないか
  • 換気口周辺に巣材が出ていないか

を確認すると、卵を産む前の段階で気づける可能性があります。

よくある質問

スズメは家のどこに巣を作りますか?

屋根瓦の下、屋根や壁の隙間、換気口、屋根と柱の間、配線穴など、人家にある小さな空間を利用します。

屋根から毎日スズメが出入りしています。巣がありますか?

同じ隙間へ繰り返し出入りし、枯草を運ぶ、餌をくわえて戻る、内部からヒナ声が聞こえる場合は、巣がある可能性が高まります。

スズメの巣は勝手に撤去できますか?

卵・ヒナがいない空巣なら許可なく撤去できます。卵やヒナがいる場合は、許可なく撤去・採取・移動しないでください。

卵がある巣はいつ撤去できますか?

基本的にはヒナが巣立ち、巣が空になってからです。札幌市はスズメ等について13日前後でふ化し、その後約2週間で巣立つと案内しています。

ヒナが巣立ったらすぐ穴を塞いでよいですか?

親鳥や別のヒナがまだ内部にいないか確認してから行います。スズメは年に複数回繁殖することがあるため、親鳥が引き続き出入りしていないかも確認してください。

スズメは毎年同じ巣を使いますか?

同じ場所や利用しやすい隙間が再び使われる可能性があります。巣立ち後、再営巣を防ぎたい場合は隙間対策を行います。

換気口に巣があります。網で塞いでよいですか?

鳥が内部にいないことを確認した後なら防鳥対策を検討できます。ただし換気機能を塞がない専用部材を使用し、設備構造が分からない場合は施工業者へ相談してください。

屋根のスズメの巣を自分で取れますか?

法的に撤去可能な空巣であっても、高所・瓦下なら転落や屋根破損の危険があります。屋根へ上る必要がある場合は専門業者を検討してください。

賃貸住宅に巣を作られました

屋根・外壁・換気口等の建物部分は、管理会社や大家の管理範囲である場合があります。自分で穴を塞いだり屋根材を外したりする前に連絡してください。

スズメのヒナが落ちています。拾って飼ってもよいですか?

野鳥は持ち帰って飼育するのではなく、まず親鳥が近くにいないか離れて見守ります。必要な場合は地域の野生鳥獣担当窓口へ相談してください。

スズメの巣は「使用中か」を確認してから対処する

スズメは、人家の屋根や壁、換気口などの小さな隙間を営巣場所として利用します。

家に巣があるか確認するときは、

  • 同じ隙間への反復出入り
  • 枯草などの巣材
  • 餌を運ぶ親鳥
  • ヒナの声

を安全な距離から確認します。

卵・ヒナがいる巣は、許可なく撤去しないでください。

スズメは比較的短期間でふ化・巣立ちしますので、生活上大きな支障がなければ巣立ちまで見守り、その後に空巣であることを確認して撤去する方法が基本です。

撤去後は、現在鳥が内部に残っていないことを確認してから、換気や屋根機能を損なわない方法で隙間を塞ぎます。

まだスズメか別の鳥か分からない場合は症状・痕跡から探すページ、害鳥全般を確認する場合は住宅に侵入・営巣する害獣・害鳥の総合ページ、発生場所から調べる場合は住宅の場所から探すページから確認できます。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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