鳩駆除の流れは?現地調査・巣の確認・清掃・防鳥施工までの作業工程

鳩駆除業者へ依頼すると、「鳩を捕まえて終わり」と思われることがあります。

しかし、住宅の鳩対策では、鳩そのものを捕獲・殺傷するのではなく、飛来場所・巣・糞の状況を調べ、法令を確認し、清掃したうえで、防鳥ネット・ワイヤー・剣山などを使って再び利用できない状態にすることが中心です。

特に、巣に卵やヒナがいるかどうかで対応が変わります。卵やヒナがいない空巣なら撤去できますが、卵やヒナがいる状態で無許可のまま撤去することはできません。

鳩被害で業者へ依頼するときは、次のような流れで進むのが一般的です。

鳩対策を業者へ依頼した場合の基本的な流れ
  1. 被害状況を伝えて相談する
  2. 現地調査で飛来場所・糞・巣・侵入経路を確認する
  3. 巣に卵・ヒナがいるか確認する
  4. 必要な許可・管理者の承諾を確認する
  5. 施工内容と見積もりを確認する
  6. 鳩を退出させ、空巣・糞・巣材を清掃する
  7. 防鳥ネット・ワイヤー・剣山等を施工する
  8. ネットの隙間・設備への干渉などを最終確認する
  9. 施工後に再飛来がないか確認する
目次

1.問い合わせ時に鳩被害の状況を伝える

最初の問い合わせでは、分かる範囲で現在の状況を整理します。

たとえば、

  • どこに鳩が来るか
  • ベランダ・屋根・庇・室外機など場所
  • 何羽くらい来るか
  • 毎日来るのか、ときどき来るのか
  • 糞がどの程度たまっているか
  • 巣や巣材があるか
  • 卵・ヒナが見えるか
  • 戸建て・賃貸・分譲マンションのどれか
  • 高所作業が必要そうか

を伝えます。

写真を安全な場所から撮影できる場合は、現場写真があると状況を伝えやすくなります。

ただし、屋根や庇の巣を撮影するためにはしごへ上ったり、ベランダから身を乗り出したりする必要はありません。

2.現地調査で「鳩がその場所をどう使っているか」を確認する

業者の現地調査では、鳩が来る場所だけを見るのではなく、建物全体の利用状況を確認します。

鳩被害には段階があります。

状態 見られやすい状況
一時的な飛来 手すりなどに短時間止まり、糞は少ない
待機・休憩場所 同じ場所へ繰り返し止まる
ねぐら化 早朝・夜間も滞在し、糞が増える
営巣 枝などの巣材、卵、ヒナがある

板橋区も鳩被害を、飛来・待機場所・ねぐら・営巣と段階的に整理しています。

被害段階によって、防鳥ワイヤー程度で対応できるのか、空間全体を防鳥ネットで遮断する必要があるのかが変わります。

3.現地調査ではどこを見る?

主な確認場所は次のとおりです。

  • ベランダの手すり
  • 室外機の上・裏
  • 庇
  • 屋根の端部
  • 軒下
  • 雨どい周辺
  • 給湯器・配管周辺
  • 看板
  • 外階段
  • 太陽光パネル下

さらに、糞の量や分布を見ることで、「どこに止まっているか」「どの場所で長時間過ごしているか」を判断する材料にします。

ベランダの一部だけを対策しても、隣の庇や室外機上へ移動することがあるため、施工対象だけでなく周辺の止まり場も確認します。

4.巣・卵・ヒナの有無を確認する

鳩対策で最も重要な確認の一つです。

巣に、

  • 何も入っていない
  • 卵がある
  • ヒナがいる

のどれかによって、その後の工程が変わります。

空の巣

卵やヒナがいない巣そのものを撤去することについては、特別な捕獲許可は必要ありません。

ただし、巣材や糞には直接触れず、手袋・マスク等を着用して処理します。

卵がある巣

鳥類の卵を無許可で採取・損傷することはできません。

自宅のベランダにある巣であっても、卵ごとゴミ袋へ入れて処分する方法は行いません。

ヒナがいる巣

ヒナも野生鳥獣として鳥獣保護管理法の対象です。

基本的には巣立ちを待ってから巣を撤去します。

生活環境被害などの事情から巣立ち前の対応が必要な場合は、捕獲等の許可が必要になる可能性があるため、自治体や許可制度を確認します。

5.「業者なら卵・ヒナがいても自由に撤去できる」わけではない

害鳥対策業者だから鳥獣保護管理法の対象外になるわけではありません。

卵やヒナを含む巣を撤去する場合は、

  • 誰が許可を取得するのか
  • その現場が許可の対象になっているか
  • 捕獲・卵の採取を伴うのか
  • 捕獲後の扱いはどうなるか

を確認します。

業者から「巣ごとすぐ処分できます」と説明された場合は、卵・ヒナの有無と、必要な許可への対応を聞いてください。

6.賃貸・マンションでは施工前に管理会社へ確認する

集合住宅では、ベランダが専用使用できる場所であっても、建物としては共用部分に位置付けられている場合があります。

そのため、

  • 壁や天井へ固定具を付ける
  • 防鳥ネットを常設する
  • 避難ハッチ周辺を施工する
  • 外壁へ穴をあける

場合は、管理会社・管理組合へ事前確認します。

特に防鳥ネットは、非常時の避難経路や消防設備を妨げない施工が必要です。

7.現地調査後に施工内容と見積もりを確認する

鳩対策は、被害場所によって施工内容が大きく変わります。

見積もりでは、

  • 糞清掃
  • 巣材撤去
  • 消毒・洗浄等
  • 防鳥ネット
  • 防鳥ワイヤー
  • 剣山・防鳥ピン
  • 高所作業
  • 足場・高所作業車
  • 既存ネット撤去
  • 再点検
  • 保証

のどこまで含まれているか確認します。

「鳩駆除一式」とだけ書かれている場合は、清掃だけなのか、再飛来防止施工まで含むのかを確認してください。

8.鳩を捕まえるより「その場所から退出させる」

一般住宅の鳩対策では、鳩を捕獲して処分することを基本工程にはしません。

鳩がいないタイミングを確認したうえで清掃・施工を行い、その場所へ戻れない環境を作ります。

つまり「駆除」という言葉が使われていても、実際の施工内容は、

退出・清掃・物理的な飛来防止

が中心です。

9.糞や巣材を清掃する

防鳥ネットなどを取り付ける前に、施工場所の糞・巣材等を処理します。

東京都や大田区は、野鳥の糞や巣を扱うときには、使い捨ての手袋やマスクを着用し、直接触れないよう注意するよう案内しています。

少量の糞であっても、素手で触らないようにします。

次のような場合はDIYでの清掃を避け、専門対応を検討してください。

  • 糞が大量に堆積している
  • 屋根・庇など高所にある
  • 室外機や設備内部まで汚れている
  • 巣材と糞が広範囲にたまっている
  • 死骸がある
  • 狭い場所へ無理に入り込む必要がある

10.清掃だけで終わらせない

鳩糞をきれいに掃除しても、鳩が再び止まれる状態なら、また同じ場所へ戻ってくる可能性があります。

そのため専門施工では、清掃の後に再飛来防止を行います。

どの方法を使うかは、その場所を鳩がどう利用しているかで変わります。

11.手すり・狭い止まり場にはワイヤーや剣山を検討する

鳩が「止まり場」として利用している細い場所には、

  • 防鳥ワイヤー
  • テグス
  • 剣山型器具
  • 防鳥ピン

などの物理的な着地防止を使用することがあります。

横浜市も、鳩が止まりやすい場所にはテグスやとげ状器具を設置する方法を案内しています。

ただし、鳩が手すりだけでなくベランダ内部まで入り込んでいる状態では、部分的な剣山だけで解決しないことがあります。

12.ねぐら化・ベランダ侵入には防鳥ネットを検討する

鳩がベランダの内部へ繰り返し入り込んでいる場合や、ねぐらとして利用している場合は、防鳥ネットによって空間そのものへの侵入を防ぐ方法があります。

横浜市は、ベランダ等には防鳥ネットを隙間なく張る方法が効果的と案内しています。

板橋区も、鳩がねぐらとして長時間利用している段階では防鳥ネットを推奨し、壁とネットに隙間があると効果が低下する可能性があるため、専門業者による設置を勧めています。

防鳥ネットは、

  • 上部
  • 側面
  • 配管まわり
  • 手すり付近
  • 建物との接合部分

に隙間が残っていないかが重要です。

13.屋根や庇ではベランダと同じ施工とは限らない

屋根・庇・看板・太陽光パネル周辺は、ベランダ以上に施工条件が複雑です。

高所作業になるだけでなく、

  • 屋根材を傷つけないこと
  • 雨仕舞を損なわないこと
  • 太陽光設備を傷つけないこと
  • 落下物を出さないこと
  • ネット等が風で外れないこと

を考える必要があります。

屋根へ上ってネットや剣山を自分で取り付ける方法は、転落事故の危険があるため勧めません。

14.ネット施工後は「隙間」を確認する

防鳥ネットを張っただけでは終わりません。

施工後には、

  • ネットと壁の間に隙間がないか
  • 配管周辺から侵入できないか
  • ネットにたるみがないか
  • 固定部分が弱くないか
  • 鳩が絡まりやすい状態になっていないか
  • 避難設備を塞いでいないか
  • 設備の吸排気を妨げていないか

を確認します。

室外機・給湯器等の周囲では、機器の吸込口・吹出口を防鳥施工で塞がないことも重要です。

15.施工対象外の場所へ鳩が移動していないかを見る

鳩は、一つの場所へ入れなくなると、近くの別の場所を使うことがあります。

たとえば、ベランダへの侵入を止めた後に、

  • 隣の庇
  • 屋根
  • 室外機の上
  • 給湯器
  • 太陽光パネル下

へ利用場所を変えるケースです。

施工後は、「元の場所に来なくなったか」だけでなく、建物周辺の別の止まり場も確認します。

16.鳩駆除は1日で終わる?

現場によって異なります。

ベランダ1か所の清掃と防鳥ネット施工など、比較的単純な施工であれば、1回の訪問で作業できる場合があります。

一方、

  • 卵・ヒナがいる
  • 許可確認が必要
  • 巣立ちを待つ
  • 屋根・高所作業が必要
  • 足場や高所作業車が必要
  • 施工範囲が広い
  • 大量の糞清掃がある
  • 太陽光パネル下へ営巣している

場合は、調査と施工が別日になることがあります。

「必ず即日」「30分で完全駆除」など、現場を確認する前から完了時間を断定する説明だけで判断しない方がよいでしょう。

17.見積もり時に確認したい項目

確認項目 聞く内容
被害調査 どこまで現地確認するか
巣 卵・ヒナの有無をどう確認するか
法令対応 許可が必要な場合、誰が申請・対応するか
清掃 糞・巣材の撤去が料金に含まれるか
防鳥施工 ネット・ワイヤー・剣山のどれを使うか
施工範囲 何㎡・何m・何か所を施工するか
高所作業 足場や高所作業車の追加費用
再点検 施工後の確認があるか
保証 期間・対象場所・再施工条件
追加料金 現場で増額する条件

通常の鳩対策費用を確認する場合は害獣・害虫駆除の費用・相場、業者を比較する場合は業者選びを参考にしてください。

18.「鳩の巣を撤去しただけ」で駆除完了とは限らない

空巣を取り除いても、その場所に鳩が再び入れるなら、また巣を作られる可能性があります。

そのため、巣を撤去した後は、

  • 止まり場をなくす
  • 物陰を減らす
  • 室外機周辺の隙間を使えなくする
  • 必要に応じ防鳥ネットを張る

といった再営巣防止まで行います。

19.ドバトは春だけ巣を作るわけではない

横浜市は、ドバトの繁殖期を1年中とし、年に数回産卵すると案内しています。

そのため、

「秋だから卵はいない」

「冬だから巣は空だろう」

と季節だけで判断して撤去しないようにします。

施工前に実際の巣の状態を確認してください。

20.自分でできる範囲と業者へ任せる範囲

作業 DIYの目安
地上から飛来場所を確認 可能
写真・動画を撮る 安全な範囲なら可能
少量の糞清掃 手袋・マスク等を使用し安全な場所なら可能
卵・ヒナのいない巣の撤去 所有・管理権限と安全を確認したうえで可能
卵・ヒナのいる巣の撤去 自己判断で行わない
鳩の捕獲・殺傷 無許可で行わない
屋根・庇の施工 専門業者推奨
太陽光パネル周辺 専門業者推奨
大量の糞清掃 専門業者を検討
ベランダ全面ネット施工 管理規約・避難設備を確認し、複雑なら専門施工

よくある質問

鳩駆除業者は鳩を捕まえるのですか?

住宅対策では、必ずしも捕獲しません。鳩を退出させ、糞・空巣を清掃し、防鳥ネットやワイヤー等で再飛来を防ぐ方法が中心です。捕獲・殺傷が必要な場合は法令上の許可を確認します。

鳩の巣に卵があっても業者ならすぐ撤去できますか?

業者だから無許可で撤去できるわけではありません。卵の採取やヒナの捕獲等を伴う場合は許可制度を確認する必要があります。

卵もヒナもいない巣なら撤去できますか?

鳥獣保護管理法上、卵・ヒナのいない巣そのものを撤去するための特別な捕獲許可は不要です。ただし、賃貸・集合住宅では管理者の承諾、安全面、高所作業の有無も確認してください。

巣だけ撤去してもらえば鳩は来なくなりますか?

巣を置ける環境が残っていれば再営巣する可能性があります。巣の撤去とあわせて、ネット・ワイヤー・剣山等による物理的な再発防止を検討します。

糞清掃と防鳥ネットはどちらを先にしますか?

通常は施工場所の糞・巣材を処理し、必要な下地確認をしたうえで防鳥施工へ進みます。被害状況や施工方法によって順序が変わることもあります。

防鳥ネットを張れば完全に防げますか?

適切に空間を遮断できれば有効な方法ですが、壁・配管・固定部分などに隙間が残ると侵入されることがあります。施工後の隙間確認が重要です。

鳩駆除は何日かかりますか?

現場によります。単純な清掃・ネット施工なら短期間で終わる場合がありますが、卵・ヒナ、許可、高所作業、足場、大量糞などがある場合は複数日に分かれることがあります。

賃貸マンションでも勝手に防鳥ネットを付けてよいですか?

管理会社・大家へ確認してください。ベランダの壁・天井などへ固定する施工や、避難設備に関係する施工は管理規約上の制限がある場合があります。

施工後にまた鳩が来たら?

ネットの隙間・破損、ワイヤーや剣山の設置範囲、施工対象外の別の止まり場などを再確認します。施工時に再点検・再施工・保証の条件も確認しておくとよいでしょう。

まとめ

鳩駆除を専門業者へ依頼した場合は、単に鳩や巣を取り除くだけではありません。

基本的な流れは、

相談 → 現地調査 → 飛来・ねぐら・営巣状況の確認 → 卵・ヒナと法令の確認 → 見積もり → 退出・清掃 → 防鳥施工 → 最終確認 → 再点検

です。

  • 鳩の捕獲・殺傷を前提にしない
  • 巣に卵・ヒナがいるかを必ず確認する
  • 卵・ヒナの無許可撤去はしない
  • 空巣と糞を処理してから再飛来防止を行う
  • 手すりにはワイヤー・剣山、空間侵入には防鳥ネットなど場所に応じて使い分ける
  • ネットは隙間が残らない施工が重要
  • 屋根・庇・太陽光パネル等の高所DIYは避ける
  • 賃貸・マンションは管理会社へ確認する
  • 施工後に別の場所へ移っていないか確認する

鳩被害では、「今いる鳩をどうするか」より、「今後その場所を鳩が利用できない状態にできるか」が再発防止では重要です。

害鳥対策全体は害獣、被害箇所から確認する場合は住宅の場所から探す、専門業者を比較する場合は業者選びを参考にしてください。

参考にした公的・公式情報

※鳥獣保護管理法上の捕獲・卵の採取等に関する許可窓口は地域によって異なります。卵・ヒナのいる巣を巣立ち前に撤去する必要がある場合は、所在地の行政機関または適切な許可手続きに対応できる専門業者へ確認してください。確認日:2026年9月20日。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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