賃貸のベランダに鳩が来たら?管理会社への連絡・費用負担と防鳥ネットの注意点

賃貸マンションやアパートのベランダに鳩が来るようになり、糞が増えたり巣を作られたりすると、「自分で防鳥ネットを付けてもよいのか」「管理会社に連絡すれば対応してくれるのか」「費用は誰が払うのか」で迷うことがあります。

賃貸住宅の鳩対策では、一般的な鳩よけ方法だけでなく、賃貸借契約、マンションの管理規約、ベランダの管理区分、設備変更の承諾、避難経路、鳥獣保護管理法まで確認する必要があります。

特に、防鳥ネットや剣山などを建物へ固定する場合は、自分のベランダだから自由に施工できるとは限りません。

鳩の被害に気づいたら、先に写真を残し、賃貸借契約書や使用細則を確認したうえで管理会社・大家へ連絡するのが安全です。

目次

賃貸ベランダで鳩被害が出たら管理会社へ連絡する

鳩が一度手すりへ止まっただけなら、すぐ大規模な工事が必要とは限りません。

一方で、次のような状態なら管理会社・大家へ早めに連絡しておくと、その後の費用や施工方法を決めやすくなります。

  • 同じ場所へ毎日鳩が来る
  • 糞が繰り返し増える
  • 室外機の裏や植木鉢周辺へ長時間滞在する
  • 枝などの巣材を運び始めている
  • すでに巣がある
  • 卵・ヒナがいる
  • 防鳥ネット等を設置したい
  • 大量の糞を自分で清掃するのが難しい

連絡時には、鳩の数、来る場所、糞の範囲、巣の有無、卵・ヒナの有無を、安全な場所から撮影した写真と一緒に伝えると状況を共有しやすくなります。

賃貸のベランダは「自分専用」でも自由に工事できるとは限らない

集合住宅では、住戸に付属しているベランダをその部屋の入居者だけが使っていても、建物管理上は共用部分として扱われている場合があります。

マンション標準管理規約でも、バルコニーは共用部分のうち特定の住戸が排他的に使用できる「専用使用部分」の代表例として扱われています。

ただし、実際のルールは物件ごとに異なります。

そのため、防鳥ネット、ワイヤー、剣山などを付ける前に、

  • 賃貸借契約書
  • 管理規約
  • 使用細則
  • 管理会社の設置ルール

を確認します。

防鳥ネットを勝手に設置しない方がよい理由

防鳥ネットは、鳩がベランダ内部へ入れないよう物理的に遮断するため、鳩が繰り返し侵入する状態では有力な対策になります。

ただし、賃貸住宅では設置方法が問題になることがあります。

たとえば、

  • 外壁へアンカーを打つ
  • コンクリートへ穴を開ける
  • 手すりへ恒久的な固定金具を付ける
  • 建物外観を変える
  • 防水層を傷つける

ような施工は、無断で行わない方がよいでしょう。

国土交通省の賃貸住宅標準契約書でも、借主が貸主の承諾なく物件を改造したり工作物を設置したりすることを制限するモデルになっています。

貼るだけ・挟むだけの簡易器具であっても、物件独自のルールがある場合は管理会社へ確認してください。

防鳥ネットは避難経路を塞いではいけない

マンションのベランダには、火災時の避難経路として、

  • 隣の住戸へ抜ける避難隔板
  • 避難ハッチ
  • 避難はしご

などが設置されていることがあります。

防鳥ネットを設置するときは、これらを使用できなくする施工を避けなければなりません。

特に、避難隔板の前へネットや大型家具を固定したり、避難ハッチの上へ物を置いたりしないようにします。

ネット施工を専門業者へ頼む場合も、「鳩が入らないか」だけではなく「避難設備を妨げないか」を確認してください。

排水口を防鳥ネットや荷物で塞がない

ベランダの排水口や排水溝をネット、鉢植え、収納用品などで塞ぐと、大雨時の排水へ影響する可能性があります。

鳩の隠れ場所をなくすために整理整頓することは大切ですが、避難設備・排水設備の機能を残した状態で行います。

鳩の糞は誰が掃除する?

賃貸ベランダの日常的な清掃を入居者が行う契約になっている場合、少量の鳩糞は入居者側で清掃するケースがあります。

ただし、費用負担や管理範囲は全国共通ではありません。

大量の糞が長期間蓄積している、建物共用部分から継続して落ちてくる、上階設備や外壁構造が原因になっているなどの場合は、管理会社へ状況を伝えます。

糞を清掃するときは素手で触らず、マスクと使い捨て手袋を着用してください。

乾燥した糞をほうきで強く掃いたり、掃除機で吸ったりすると粉じんが舞うため、少量で自分で清掃できる場合も、先に湿らせて飛散を抑えてから拭き取ります。

鳩が巣材を運び始めた段階なら早めに対応する

鳩が枝や枯れ草を運び始めているだけで、まだ卵やヒナがいない場合は、早期に巣材を取り除き、営巣しにくい環境へ変えることが重要です。

東京都も、鳩が巣を作り始めた段階で取り除くか、巣を作らせないようにすることを案内しています。

賃貸では、巣材を安全に取り除ける状態でも、室外機裏など設備に関係する場所なら管理会社へ状況を伝えておくと安心です。

卵・ヒナがいる巣は勝手に撤去しない

巣に卵やヒナがいる場合は、通常の鳩よけとは扱いが変わります。

鳥獣保護管理法では、野鳥の捕獲・殺傷や鳥類の卵の採取・損傷が原則として禁止されています。

そのため、

  • 卵を捨てる
  • 卵を壊す
  • ヒナを別の場所へ移す
  • 卵・ヒナごと巣を撤去する

といった行為を自己判断で行わないでください。

賃貸住宅だから管理会社が自由に撤去できるわけでもありません。

管理会社へ連絡し、巣立ちまで待つか、生活環境上どうしても撤去が必要な場合は所在地自治体の捕獲許可窓口や、法令対応のできる専門業者へ確認します。

卵・ヒナがいない空の巣なら撤去できる

卵やヒナがいない空の巣そのものを撤去することには、鳥獣保護管理法上の特別な許可は通常必要ありません。

ただし、賃貸住宅では法律上撤去できることと、建物管理上自分で作業してよいことは別です。

高所、室外機外側、手すり外側など危険な場所に巣がある場合は、無理に作業しないでください。

「管理会社へ連絡すれば無料」とは限らない

管理会社へ連絡したからといって、鳩対策費用が必ず貸主負担になるわけではありません。

また、ベランダが共用部分だからといって、日常的な糞清掃や空巣撤去まで必ず管理会社負担になるとも限りません。

確認する必要があるのは、

  • 賃貸借契約の内容
  • 特約
  • マンションの管理規約
  • 日常管理を誰が担当するか
  • 建物側に修繕が必要か
  • 鳩被害が入居前から存在したか
  • 発見後に早く管理会社へ通知したか

です。

JKK東京では空の鳩巣撤去を入居者負担としている例がある

東京都住宅供給公社の一般賃貸住宅では、ベランダの鳩巣について、ヒナ・卵がなく巣だけを撤去する場合は入居者負担と案内しています。

一方、卵・ヒナがいる場合は捕獲・殺傷できず、巣立ちまで待つよう案内しています。

これはJKK住宅のルールの一例です。

一般の民間賃貸住宅すべてで同じ負担になるわけではありません。

入居直後から鳩被害がある場合

入居直後から、すでに大量の糞がある、長期間使われた巣跡がある、防鳥ネットが壊れているなどの場合は、入居前からの問題だった可能性があります。

その場合は自分で清掃・工事を始める前に、

  • 入居日
  • 鳩被害を確認した日
  • 入居時から存在した糞・巣跡
  • 既設ネットの破損

を写真に残し、管理会社へ報告してください。

建物側の修繕が必要なケース

鳩が頻繁に侵入する原因が、

  • 既設防鳥ネットの破損
  • 外壁設備の破損
  • 共用部の開口
  • 建物全体の防鳥設備の不具合

などにある場合は、単なる入居者の日常清掃ではなく、建物側の修繕問題になる可能性があります。

国土交通省の賃貸住宅標準契約書では、住宅を使用するために必要な修繕は原則として貸主が行い、借主の故意・過失によって必要になった費用は借主が負担するモデルになっています。

ただし、防鳥ネット設置や鳩対策そのものが必ずこの修繕条項へ該当するわけではないため、契約内容を確認します。

自分で業者を呼ぶ前に管理会社へ確認する

鳩対策業者へ依頼すると、防鳥ネット、剣山、ワイヤー、糞清掃など複数の施工方法があります。

賃貸の場合は、自分で高額な施工を契約する前に、管理会社へ次の内容を確認してください。

  • 入居者が業者を手配してよいか
  • 指定業者があるか
  • 費用は誰が負担するか
  • 防鳥ネットを固定してよい場所
  • 外壁への穴あけが可能か
  • 退去時に撤去する必要があるか
  • 施工後の原状回復条件

口頭だけでなく、メールや管理アプリなど記録が残る方法で確認しておくと、後の費用トラブルを避けやすくなります。

防鳥ネットは原状回復が必要になる?

入居者が自費で設置したネットや金具は、契約終了時に撤去を求められる場合があります。

特に、外壁・手すり等へ固定した部材や穴が残る施工では、原状回復が問題になりやすくなります。

国土交通省の原状回復ガイドラインでは、借主の故意・過失や通常の使用を超える使用によって生じた損耗・毀損は借主負担という考え方が示されています。

設置前に、

  • 退去時に撤去するか
  • 固定金具を残してよいか
  • 穴を開けてもよいか
  • 管理会社指定の工法があるか

を確認してください。

管理会社が対応してくれない場合

管理会社へ連絡しても「入居者側で対応してください」と案内される場合があります。

その場合も、施工前に、

  • 何を自分で行ってよいか
  • ネット設置は可能か
  • 業者施工をしてよいか
  • 費用負担はどうなるか
  • 退去時の撤去条件

を確認してから進めます。

「自費対応してください」という回答と、「どのような施工でも自由にしてよい」という許可は同じではありません。

鳩被害が隣の住戸・上階から来ている場合

自室ベランダを清掃しても、上階や隣の共用設備に鳩が営巣し、糞が落ちてくることがあります。

この場合、自室だけの対策では解決しにくいため、管理会社へ発生場所を伝えます。

共用部や別住戸の施工を、入居者が勝手に行うことはできません。

少量の鳩糞を自分で掃除する場合

自分で対応できる少量の糞なら、飛散を防ぎながら清掃します。

  1. マスクと使い捨て手袋を着用する
  2. 乾燥した糞をそのまま掃かない
  3. 水などで軽く湿らせる
  4. 紙や使い捨て布で拭き取る
  5. 使用した物を袋へ密閉する
  6. 最後に手洗いする

大量に乾燥した糞がある場合、高所作業が必要な場合、体調面に不安がある場合は専門清掃を検討してください。

鳩を寄せ付けにくくするためにできること

固定工事を伴わない範囲でも、ベランダを鳩が滞在しにくい状態へ整えることはできます。

  • 段ボールや不要物を放置しない
  • 植木鉢などの死角を減らす
  • 室外機の裏・下を定期的に確認する
  • 少量の糞を長期間放置しない
  • 餌になるものを置かない

鳩が頻繁に入り込む段階では、防鳥ネット等の物理的対策が必要になることがあります。

一般的なベランダの鳩対策は、管理会社の承諾を確認したうえで被害段階に応じて選びます。

賃貸ベランダの鳩対策を行う順番

  1. 鳩・糞・巣の状態を写真に残す
  2. 卵・ヒナの有無を確認する
  3. 賃貸借契約書・使用細則を確認する
  4. 管理会社・大家へ連絡する
  5. ベランダの管理区分を確認する
  6. 自分でできる清掃・対策範囲を確認する
  7. 卵・ヒナありなら無許可撤去しない
  8. 防鳥ネット等は設置許可を確認する
  9. 避難隔板・避難ハッチ・排水を妨げない施工にする
  10. 業者を使う場合は手配主体と費用負担を確認する
  11. 退去時の原状回復条件を確認する

よくある質問

賃貸のベランダに鳩が来たら管理会社へ連絡した方がよいですか?

繰り返し飛来する、糞が増えている、巣作りを始めている、防鳥ネットを設置したい場合は、早めに連絡しておく方がよいでしょう。

ベランダは自分の部屋なので自由に鳩よけを付けてもよいですか?

自由に施工できるとは限りません。マンションではバルコニーが共用部分の専用使用部分として扱われる例があります。契約書・管理規約・管理会社のルールを確認してください。

防鳥ネットを自分で取り付けてもよいですか?

固定方法によります。建物へ穴を開ける、金具を固定する施工は管理会社の承諾を得てから行います。避難設備・排水設備も妨げないようにしてください。

鳩の糞掃除は大家負担ですか?

一律には決まりません。日常的なベランダ清掃を入居者が担当する契約もあります。一方、共用設備・建物構造が原因の継続被害などでは管理会社対応になる可能性があります。

鳩の巣撤去費用は誰が払いますか?

契約・物件によって異なります。JKK東京では一般賃貸住宅の空の鳩巣撤去を入居者負担としていますが、これはJKK固有のルールであり、すべての民間賃貸に当てはまるわけではありません。

巣に卵があります。管理会社に頼めばすぐ撤去できますか?

管理会社でも自由に撤去できるわけではありません。鳥獣保護管理法上、卵の採取・損傷等は原則禁止されています。巣立ちを待つか、必要なら許可手続について自治体へ確認します。

ヒナがいる巣を別の場所へ移してもよいですか?

自己判断で移動しないでください。ヒナの捕獲等に当たる可能性があります。

空の巣なら撤去してよいですか?

卵・ヒナがいない巣そのものは鳥獣保護管理法上の特別な許可なく撤去できます。ただし賃貸では管理会社・管理規約と作業安全を確認してください。

防鳥ネットで避難ハッチを覆ってもよいですか?

避けてください。避難ハッチや隔板など、火災時の避難設備を使用できなくする施工は行わないでください。

自分で業者を呼んで後から大家へ請求できますか?

事前承諾なしでは費用負担をめぐってトラブルになる可能性があります。緊急事情がない限り、先に管理会社・大家へ業者手配と費用負担を確認してください。

入居したときから大量の鳩糞がありました。

入居時から存在した可能性があるため、清掃前に写真を残して管理会社へ連絡してください。入居後に発生したものと区別できる記録が重要です。

参考情報

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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