屋根裏から「チューチュー」「キーキー」のような鳴き声がする。朝になると「ピヨピヨ」と聞こえる。鳴き声と一緒にバサバサ・ドタドタという音もする。
こうした状況では、ネズミ、コウモリ、ハクビシン、アライグマ、イタチ、鳥などが住宅を利用している可能性があります。
ただし、鳴き声だけから動物の種類を断定するのは難しいです。
同じような高い声を複数の動物が出す場合があり、屋根や天井の構造によって実際より音が大きく、近く聞こえることもあります。
確認するときは、
- 鳴く時間帯
- 鳴き声と一緒に聞こえる足音・羽音
- 糞の形と大きさ
- 獣臭・尿臭
- 侵入口
- 実際に見かけた動物
を組み合わせます。
この記事では「鳴き声がする」という症状に絞って、候補となる動物と安全な確認方法を整理します。
鳴き声ではなく夜間の物音全般が気になる場合は、天井裏から夜に音がする原因も確認してください。
屋根裏の鳴き声は声だけで動物を特定しない
屋根裏から聞こえる声は、同じ「キーキー」「キューキュー」のように感じても、発生源が同じとは限りません。
さらに、動物の鳴き声だと思っていた音が、
- 羽ばたき
- 木をかじる音
- 建材を引っかく音
- 配管や設備の音
だったということもあります。
最初は「何と鳴いているか」より、次の4点を記録すると候補を絞りやすくなります。
- 何時ごろ聞こえるか
- 鳴き声と同時にどんな物音がするか
- どこから聞こえるか
- 糞・臭いなど別の痕跡があるか
屋根裏の鳴き声から考えられる主な動物
| 候補 | 鳴き声・音の確認ポイント | 一緒に確認したい痕跡 |
|---|---|---|
| ネズミ | チューチュー・キーキー等。軽い走行音やかじる音も出る | 小さな糞、かじり跡、食品被害 |
| コウモリ | 主要な定位音は超音波。夕暮れの出入りや羽音の方が分かりやすい | 黒い小粒の糞、換気口・軒下の出入り |
| ハクビシン | 自治体では大きな足音・鳴き声の相談例あり。声だけでアライグマと区別しにくい | ため糞、尿臭、天井シミ、大きな足音 |
| アライグマ | 大きな足音・鳴き声の相談例あり。声だけでは判別しにくい | 5本指の足跡、糞尿、しま模様の尾 |
| イタチ | 屋根裏へ住みつくことがある。鳴き声より走行音・臭いなどを合わせる | 糞尿臭、素早い走行音、約3cmの侵入口候補 |
| 鳥 | 朝のさえずり・ヒナらしい声・羽音など | 巣材、白を含む糞、軒下・屋根の隙間 |
この表は候補を絞るためのもので、鳴き声だけで種類を確定するものではありません。
「チューチュー」「キーキー」ならネズミが候補
鳴き声について最も明確な公的情報があるのがネズミです。
中野区は、住宅内のネズミについて、
- 木をかじる「カリカリ・ガリガリ」
- 天井裏を走る音
- 断熱材上を動く「カサカサ」
- 鳴き声の「チューチュー・キーキー」
を例として挙げています。
そのため屋根裏から小さく高い声が聞こえ、同時に、
- 軽い走行音がする
- カリカリとかじる音がする
- 米粒状など小さな黒い糞がある
- 食品袋や建材にかじり跡がある
場合は、ネズミを優先して確認します。
ネズミの侵入サインについては、ネズミが家にいるサインで詳しく整理しています。
複数の小さな鳴き声がする場合もネズミを確認する
中野区は、ネズミの鳴き声が聞こえる場合について「複数いる可能性が高い」と案内しています。
特に、同じ場所から断続的に小さな声が続き、軽い走行音も聞こえる場合は、ネズミの活動場所になっていないか確認する価値があります。
ただし、複数の声が聞こえたからといって、すべての動物で「繁殖している」と断定することはできません。
大きな足音と鳴き声がセットならハクビシン・アライグマも候補
ハクビシンやアライグマでは、鳴き声そのものより「足音の重さ」が識別材料になります。
足立区は両種による住宅被害として、
天井裏から大きな足音や鳴き声がする
という相談例を掲載しています。
また町田市は、実際の相談・現地調査から、
- カサカサ・カリカリという小さい音はネズミが原因であることが多い
- アライグマ・ハクビシンでは夜中にドスン・バタンとかなり大きな音がすることがある
と案内しています。
そのため、鳴き声と同時に人が歩くような重い音がする場合は、中型の野生動物も候補に入れます。
鳴き声だけでハクビシンとアライグマを分けない
インターネット上には、「この鳴き方ならハクビシン」「この声ならアライグマ」と擬音だけで分類する情報もあります。
しかし、公的な住宅被害情報では両種を「大きな足音や鳴き声」としてまとめている例が多く、鳴き声だけで簡単に識別できるとは扱われていません。
両者を分ける場合は、声より、
- 糞のたまり方
- 足跡
- 実際の姿
- 天井のシミ・尿臭
を重視します。
ハクビシンはねぐらなどにため糞をすることがあり、アライグマでは長い5本指の人の手形に似た足跡が手がかりになります。
それぞれ詳しく確認する場合は、ハクビシン対策とアライグマ対策へ進んでください。
ドスン・バタンと大きな音なら鳴き声より足音を優先する
屋根裏では、実際には鳴いている時間より動き回っている時間の方が長いこともあります。
「何か鳴いている気がする」という情報に加え、
- 天井が振動するほどの移動音
- 一歩ずつ分かるような重い足音
- 天井シミ
- 強い糞尿臭
があるなら、中型動物が継続的に屋根裏を利用している可能性を確認します。
素早い走行音・糞尿臭があるならイタチも候補
大阪市では、イタチが住宅の天井裏へ住みつき、「天井裏を走っている音がする」「糞尿がある」といった相談が寄せられています。
イタチは約3cmの隙間も通過でき、雨どい等を利用して高所へ侵入することがあります。
鳴き声の表現だけでイタチと決めるのではなく、
- 天井裏を素早く走る音
- 糞尿臭
- 細長い体の動物を見た
- 3cm程度の侵入口候補がある
といった別の情報を合わせてください。
侵入口についてはイタチの侵入口で詳しく整理しています。
コウモリは「鳴き声が聞こえないからいない」とは判断できない
コウモリについては少し考え方が違います。
前橋市は、住宅に入ることのあるアブラコウモリが、周囲の環境や餌を把握するため超音波によるエコーロケーションを行うと説明しています。
つまり、人間が屋根裏から明確な鳴き声を聞き取れなくても、コウモリがいないとは判断できません。
コウモリを疑う場合は、鳴き声より、
- 夕暮れ時に換気口・軒下等から飛び出す
- バサバサ・パタパタという羽音がする
- 換気口・ベランダ付近に黒い小さな糞が落ちる
- 屋根裏・戸袋・換気口等に出入りする
といった情報の方が役立ちます。
ベランダに糞がある場合は、ベランダのコウモリの糞も確認してください。
夕方から夜にバサバサ音がするならコウモリの出入りを確認する
前橋市によると、アブラコウモリは夜行性で、春から秋には夕暮れから活動します。
そのため日没前後に、屋根裏の高い位置や換気口付近から羽音が集中する場合は、安全な場所から建物外側の出入りを観察すると手がかりになります。
確認のために屋根へ上ったり、換気口へ顔を近づけたりする必要はありません。
朝に「ピヨピヨ」「チュンチュン」と聞こえるなら鳥も候補
朝になると屋根や天井付近から鳥らしい声が聞こえる場合は、軒下・庇・瓦の隙間などで野鳥が営巣している可能性も考えます。
環境省のアクティブ・レンジャー記録では、スズメが建物の庇の隙間へ巣材を運び込み営巣する例が確認されています。
別の環境省記録では、天井側から複数のスズメの鳴き声が聞こえ、瓦屋根の屋根裏に巣またはねぐらがある可能性が紹介されています。
鳥を疑う場合は、
- 朝に声が集中する
- 羽ばたき音がする
- 屋根・軒下へ鳥が繰り返し出入りする
- 巣材を運んでいる
- 白を含む鳥の糞が周囲にある
か確認してください。
鳥の巣に卵やヒナがいる場合は勝手に撤去しない
野鳥の場合は、巣を見つけた後の対応にも注意が必要です。
環境省によると、鳥獣保護管理法では野生鳥獣の捕獲・殺傷と鳥類の卵の採取は原則禁止されています。
そのため、巣の中に卵やヒナがいる状態で自己判断によって取り除くことは避け、自治体へ確認してください。
「鳴き声がうるさいから」と、卵・ヒナの存在を確認せず入口を塞ぐことも避けます。
夜に鳴く=必ず害獣とは限らない
鳴き声のように聞こえても、生き物ではない場合があります。
たとえば、
- 風で部材が擦れる
- 換気設備や給湯設備が作動する
- 配管から周期的な音がする
- 木材の伸縮で音がする
場合があります。
動物の可能性を判断するときは、音が毎回同じ場所から一定間隔で発生するのか、不規則に移動するのかを見ると参考になります。
糞・臭い・かじり跡・足跡など生物の痕跡が全くない場合は、住宅設備側も候補にしてください。
鳴き声の時間帯を記録する
| 聞こえるタイミング | 確認したい候補 |
|---|---|
| 夜間+小さな声・軽い走行音 | ネズミ |
| 夜間+重い足音・鳴き声 | ハクビシン・アライグマ等 |
| 夜間+素早い走行音・獣臭 | イタチ等 |
| 夕暮れ+羽音・小さな黒い糞 | コウモリ |
| 早朝+鳥らしい声・羽音 | 鳥類 |
| 設備使用時など一定条件のみ | 配管・設備・建材等 |
時間帯だけでも確定はできませんが、音の種類・糞・臭いとの組み合わせで候補を減らせます。
スマートフォンで鳴き声を録音しておく
鳴き声は、業者や管理会社が訪問したときに都合よく再現されるとは限りません。
可能なら室内から録音してください。
同時に、
- 録音した日時
- 聞こえた部屋
- 何分くらい続いたか
- 鳴き声の前後に足音・羽音があったか
をメモしておくと、原因を説明しやすくなります。
録音のために天井裏へ入る必要はありません。
鳴き声の位置が移動するか確認する
屋根裏の一か所で声がするのか、壁の方へ移動するのかも手がかりです。
ネズミなどは壁内・天井裏を移動するため、音の位置が変化する場合があります。
一方、巣・ねぐらにいる幼獣や鳥のヒナなどであれば、特定位置から声が繰り返し聞こえる場合があります。
ただし位置が固定しているからといって、天井を自分で開けないでください。
屋根裏へ入って正体を確認しない
正体が気になっても、一般の居住者が狭い屋根裏へ奥深く入る必要はありません。
屋根裏には、
- 踏み抜きや転落
- 電気配線
- 大量の糞尿
- ダニ・ノミ
- 野生動物との接触
などの危険があります。
室内から音を録音し、安全な場所にある糞や天井シミ、建物外から確認できる侵入口候補を記録する程度にします。
鳴き声がしている状態で侵入口をすぐ塞がない
屋根や軒下に隙間を見つけても、鳴き声が続いている状態で入口を塞ぐのは避けてください。
内部に動物が残っている可能性があります。
特に子育て中の場合は、親だけが外へ出て幼獣・ヒナが内部に残ることがあります。
基本は、
- 動物の候補を絞る
- 現在も内部にいるか確認する
- 適法な方法で追い出し・必要な対応を行う
- 内部に残っていないことを確認する
- 侵入口を塞ぐ
という順番です。
野生動物は種類を確認せず捕獲しない
環境省によると、鳥獣保護管理法では、野生鳥獣の捕獲・殺傷や鳥類の卵の採取は原則禁止されています。
住宅に入ったハクビシン、アライグマ、イタチ、コウモリや野鳥などについても、種類・地域・制度を確認せず自己判断で捕まえないでください。
被害が生じている場合には許可捕獲等の制度があるため、自治体または対応できる専門業者へ相談します。
ネズミとそれ以外では法律上の扱いも同じではない
住宅の動物対策をすべて「ネズミ駆除」と同じ方法で考えるのは避けた方がよいでしょう。
ハクビシン、アライグマ、イタチ、コウモリ、鳥などは、それぞれ法令や自治体制度を確認する必要があります。
まず正体を絞り、それから対処方法を選ぶことが重要です。
賃貸住宅なら管理会社・大家へ録音を送る
賃貸住宅で屋根裏・天井裏から鳴き声がする場合は、入居者が天井を開けたり、外壁の穴を塞いだりする前に管理会社・大家へ連絡してください。
連絡するときは、
- いつから聞こえるか
- 何時ごろ鳴くか
- どの部屋から聞こえるか
- 録音
- 糞・天井シミ・臭いの有無
を伝えると状況を共有しやすくなります。
専門調査を検討した方がよいケース
- 何日も繰り返し鳴き声がする
- 足音・羽音も続いている
- 糞が見つかった
- 天井に尿シミがある
- 強い獣臭がする
- 配線をかじる音・跡がある
- 複数個体がいる可能性がある
- 巣・幼獣・ヒナがいる可能性がある
- 高所に侵入口がある
- 動物種を判断できない
最初から「○○駆除」と決めて依頼するより、何がいるか調査し、その根拠を写真や痕跡で説明してもらう方がよいでしょう。
業者全般の確認ポイントは害獣・害虫駆除業者の選び方で整理しています。
屋根裏の鳴き声についてよくある疑問
屋根裏からチューチュー鳴き声がします。ネズミですか?
ネズミは有力な候補です。中野区も住宅内のネズミの鳴き声として「チューチュー・キーキー」を挙げています。軽い走行音、かじる音、小さな糞などもあれば可能性が高まります。
屋根裏からキーキー聞こえます。何の動物ですか?
キーキーという表現だけでは特定できません。ネズミを含め複数の動物が高い声を出す場合があります。足音の重さ、糞、時間帯、臭いを合わせて確認してください。
夜にドタドタ音と鳴き声がします
ハクビシン・アライグマなど中型の野生動物も候補です。町田市でも実際の侵入相談で「ドスン・バタン」と大きな音がするケースを案内しています。天井シミ、糞尿臭、足跡も確認します。
夕方にバサバサ音がします。コウモリですか?
コウモリは候補の一つです。アブラコウモリは夜行性で夕暮れから活動し、屋根裏・換気口・軒下等を利用します。人に聞こえる鳴き声だけより、夕暮れの出入りと小さな黒い糞を確認する方が役立ちます。
朝だけピヨピヨ聞こえます
屋根・軒下・庇の隙間などに鳥が巣を作っている可能性があります。建物外から鳥が同じ場所へ出入りしていないか確認してください。卵・ヒナがいる場合は自己判断で巣を撤去せず自治体へ確認します。
鳴き声がする穴を塞いでもいいですか?
内部に動物が残っている可能性があるため、そのまま塞ぐのは避けてください。個体・幼獣・ヒナがいないことを確認してから侵入口を施工します。
自分で屋根裏を見に行った方が早いですか?
狭い屋根裏には踏み抜き、配線、糞尿、野生動物との接触などの危険があります。室内から録音・記録し、必要なら専門調査を利用する方が安全です。
鳴き声だけで駆除業者は種類を判断できますか?
録音は参考になりますが、鳴き声だけでは十分ではありません。糞、足跡、侵入口、カメラ映像、臭いなどを現地で確認してもらう方が適切です。
屋根裏の鳴き声は「声+時間帯+足音+糞」で絞り込む
屋根裏から鳴き声が聞こえても、擬音だけで動物を決める必要はありません。
確認するときは、
- 室内から鳴き声を録音する
- 聞こえる時間帯を記録する
- 軽い足音か重い足音か確認する
- 羽音の有無を見る
- 安全な場所にある糞・足跡・シミを記録する
- 建物外から出入りを確認する
という順で情報を集めます。
ネズミならネズミが家にいるサイン、コウモリならコウモリ対策、中型獣が疑われる場合はハクビシン・アライグマ・イタチの各ガイドへ進んでください。
正体が分からない場合は、害獣・害虫の症状・痕跡ガイドから別の痕跡と照合できます。
主な参考情報(2026年9月14日確認)
- 中野区「ネズミの被害にご注意を」
- 足立区「ハクビシン・アライグマによる被害を防ぐために」
- 町田市「アライグマ・ハクビシン防除事業 捕獲状況」
- 大阪市東成区「イタチでお困りの方へ」
- 前橋市「コウモリについて 市街地にも姿を現します」
- 環境省「捕獲許可制度の概要」
- 環境省東北地方環境事務所「スズメの鳴き声」
※鳴き声だけで動物種を100%特定することはできません。野生鳥獣や鳥類の卵には捕獲・採取の規制があるため、自己判断で捕獲・巣の撤去をせず、必要に応じて自治体または専門業者へ確認してください。
