ベランダの床や手すり、室外機の上に、白と黒・茶色が混じった糞が落ちている。
掃除しても数日後にはまた増えているなら、鳩などの鳥がベランダを休憩場所・ねぐら・営巣場所として利用している可能性があります。
ただし、白い部分がある糞だから鳩とは断定できません。
鳥の排泄物では、暗色の便と白い尿酸が一緒に排出されます。これは鳩だけではなく鳥類一般に見られる特徴です。
鳩かどうかを判断するときは、糞そのものだけではなく、
- 毎日同じ場所に増えるか
- 真上に手すり・庇・室外機など止まりやすい場所があるか
- 実際に鳩を繰り返し見かけるか
- 羽毛や巣材があるか
- 鳴き声が頻繁に聞こえるか
を組み合わせて確認します。
ベランダの鳩の糞を見分けるポイント
鳩の利用を疑う場合は、次の特徴を確認します。
| 確認項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 排泄物 | 白色部分と黒・茶・緑系の便が混ざる鳥類らしい排泄物 |
| 落ちる位置 | 手すり・室外機・庇・配管などの真下 |
| 増え方 | 掃除後も同じ場所へ繰り返し増える |
| 鳥の目撃 | 鳩が手すりや室外機の上へ繰り返し来る |
| 羽・巣材 | 羽毛、小枝、枯れ草などが増える |
| 営巣 | ベランダ隅・室外機裏などへ小枝を運ぶ |
白い部分は「鳩特有の糞」ではない
鳥の排泄物には、黒や茶色っぽい便と、白い部分が一緒に見えることがあります。
森林総合研究所は、鳥の排泄物の白色部分は尿酸であり、暗色部分が便であると説明しています。
そのため、車やベランダに残る白い跡は鳥の排泄物を疑う材料にはなります。
しかし、カラスやムクドリなど他の鳥でも同様です。
「白い部分がある=鳩」ではありません。
鳩らしいかどうかは「糞の真上」を見る
ベランダの床に糞を見つけたら、その真上を確認します。
鳩が止まりやすいのは、
- ベランダの手すり
- エアコン室外機の上
- 室外機裏・下
- 庇
- 配管
- 給湯器周辺
- 物干し設備
- 建物の出っ張り
などです。
糞が一直線に集中しているなら、その上の手すりや配管を継続的な止まり場としている可能性があります。
掃除しても毎日糞が増えるなら鳩が定着し始めている可能性がある
大阪市は、ドバトについて、糞が残っている場所を安全な場所と判断する傾向があり、糞を放置するとさらに集まりやすくなるとして、こまめな清掃を勧めています。
そのため、
- 朝になると毎日新しい糞がある
- 同じ手すりに何度も鳩が止まる
- 室外機の裏へ鳩が入り込む
- 日中だけでなく夕方・早朝にも滞在する
状態なら、偶然通過しただけではなく、ベランダを休憩場所やねぐらとして利用し始めている可能性があります。
鳩はベランダのどこに巣を作る?
大阪市は、ドバトについて雨が入りにくく乾いた場所を好み、人の出入りが少ないベランダの隅やエアコン室外機の下・裏などへ巣を作ることがあると案内しています。
特に確認したいのは、
- 室外機の裏
- 室外機の下
- 植木鉢の陰
- 収納物の裏
- ベランダの隅
- 雨が当たりにくい壁際
です。
小枝や枯れ草が数本集まり始めている段階なら、まだ卵・ヒナがいないか確認します。
鳩の糞を掃除するときは素手で触らない
東京都環境局は、野鳥にはさまざまな細菌や寄生虫が付着している可能性があるため、糞を清掃するときは使い捨てのビニール手袋やマスクを使用し、糞に直接触れないよう案内しています。
少量の糞を自分で清掃する場合でも、
- 使い捨て手袋
- マスク
- 汚れてもよい服
- 回収用の袋
を用意します。
乾燥した糞をそのまま掃き立てない
長期間放置された糞は乾燥し、崩すと細かな粉じんが舞うことがあります。
CDC/NIOSHも、大量の鳥やコウモリの糞を処理する際には、乾燥した状態で掃いたり、粉じんを舞い上げたりせず、湿らせてから回収するなど、空気中への飛散を減らす方法を勧めています。
一般家庭の少量の糞で過度に感染症を恐れる必要はありませんが、清掃時にわざわざ乾燥粉じんを吸い込む状況を作る必要もありません。
少量の鳩糞を掃除する流れ
手の届くベランダ床などに少量だけ付着している場合は、次のように進めます。
- 窓を閉め、室内へ粉じんや汚れが入りにくくする
- 手袋とマスクを着用する
- 糞を軽く湿らせる
- 使い捨てのペーパー等で静かに回収する
- 袋へ入れて密閉する
- 残った汚れを清掃する
- 使用した手袋等を処分し、手を洗う
乾いた糞をほうきで勢いよく掃く、エアブロー等で飛ばす方法は避けます。
水で全部流せばよい?
ベランダだからといって、大量の糞をそのまま水で排水口へ流す方法は避けた方がよいでしょう。
固形物は先に回収し、その後で付着汚れを洗浄します。
特にマンションでは、
- 下階への水漏れ
- 隣戸への汚水流出
- 排水口の詰まり
などにも注意が必要です。
賃貸・集合住宅では、管理規約やベランダの使用ルールも確認してください。
消毒剤を大量に使えばよいわけではない
鳩糞清掃では「強い消毒剤を大量に使えば安全」とは限りません。
住宅の床材や金属、室外機などは薬剤によって傷む場合があります。
まず糞そのものを安全に除去し、必要な洗浄を行います。
消毒剤を使用する場合は、製品の対象物・使用濃度・換気等の表示に従ってください。
複数の薬剤を自己流で混ぜる方法は行いません。
鳩の糞による健康被害はどこまで心配すべき?
鳩などの鳥の糞や、糞が多量に蓄積した環境は、衛生上適切に管理した方がよいものです。
一方、「鳩の糞を1個見つけたら危険な感染症になる」というものではありません。
CDCは、ヒストプラズマについて、大量の鳥やコウモリの糞がある環境や、それをかき乱して粉じんを吸入する作業で曝露リスクが高くなると説明しています。また、新鮮な鳥糞が少量表面に付着しているだけで、直ちに同じリスクになるとはしていません。
そのため、家庭では、
- 素手で触らない
- 乾燥糞を舞い上げない
- 清掃後に手洗いする
- 大量堆積なら無理に自分で処理しない
という基本的な衛生対策を優先します。
どの程度なら業者へ依頼した方がよい?
少量で、安全に手が届くベランダ床なら自分で清掃できる場合があります。
一方、次のような状態は専門業者を検討します。
- 長期間放置され大量に堆積している
- ベランダ全面が糞で汚れている
- 室外機の裏・内部まで汚れている
- 庇・屋根など高所に大量の糞がある
- 巣材や死骸もある
- 自分で清掃すると大量の粉じんが出そう
- 高齢者・子ども・体調面で不安がある家族がいる
- 清掃だけではなく防鳥ネット等も必要
業者へ依頼する場合は、糞清掃だけなのか、防鳥ネット・止まり防止施工まで含めるのかを分けて見積もります。
業者へ頼むと鳩糞清掃はいくらくらい?
鳩糞清掃の料金は、糞の量、ベランダの広さ、室外機等の障害物、高所作業、防鳥対策の有無によって変わります。
現在確認できる公開料金例では、ハウスクリーニングのオンが6帖までの鳩糞清掃を24,100円、一般的なベランダ清掃を12,700円としています。
別の専門事業者では、少量の糞清掃15,000円程度から、大量堆積では25,000〜30,000円程度とする例もあります。
ただし、これは個別企業の公開料金例です。
全国平均として一律に扱わず、
- 糞除去
- 洗浄
- 消毒
- 巣材処理
- ネット・剣山
- 高所作業
のどこまで含まれているかを比較してください。
掃除してもまた糞をされる場合は「止まり場対策」が必要
糞を掃除するだけでは、鳩が戻ってくる環境そのものは変わりません。
大阪市も、鳩がベランダへ降りる際に一度手すり等へ止まり、安全を確認する習性を踏まえ、手すりへテグス等を張る対策や防鳥ネットを案内しています。
ただし、鳩の利用段階によって対策は変えます。
| 状態 | 考える対策 |
|---|---|
| たまに手すりへ止まる | 清掃・止まりにくくする対策 |
| 毎日のように滞在する | 止まり場対策+侵入しにくい環境づくり |
| 室外機裏へ入り込む | 営巣前に入り込みにくくする |
| 巣作りを始めた | 卵・ヒナがいない段階なら早めに巣材を撤去 |
| 卵・ヒナがいる | 勝手に撤去せず法令確認 |
鳩の巣を見つけたら、まず卵・ヒナを確認する
ベランダの糞を掃除している途中で、室外機裏などに巣を見つけることがあります。
ここでは卵・ヒナの有無が重要です。
東京都環境局は、ドバトが巣を作り始めた段階では巣を取り除くことができますが、卵を産んだ後は許可なく撤去できないと案内しています。巣だけの撤去には特別な許可は不要です。
卵がある鳩の巣を勝手に捨てない
鳥獣保護管理法では、野生鳥獣や鳥類の卵について、許可等がある場合を除いて捕獲・殺傷・採取が原則禁止されています。
そのため、
- 卵ごと巣をゴミ袋へ入れて捨てる
- ヒナを別の場所へ移す
- 親鳩を捕獲する
といった対応は自己判断で行いません。
東京都は、卵やヒナがいる場合には、基本的には巣立つのを待ってから巣を撤去するよう案内しています。
巣だけなら撤去できる
卵やヒナがなく、単に小枝を集め始めた段階の巣であれば、巣そのものを撤去することに特別な捕獲許可は必要ありません。
鳩は一度安全と判断した場所を繰り返し利用するため、営巣前の段階で、
- 巣材を取り除く
- 糞を清掃する
- 物陰を減らす
- 室外機周辺へ入り込みにくくする
方が対策しやすくなります。
巣立った後は巣と糞をまとめて清掃する
卵・ヒナがいた巣を巣立ち後まで待った場合は、空になったことを確認してから、巣材と周辺の糞を清掃します。
そのままにしておくと、同じ場所が再び利用される可能性があります。
巣材や大量の糞を扱う場合も、手袋・マスクを使用し、乾燥物を舞い上げないようにします。
賃貸マンションなら管理会社へ先に連絡した方がよいケース
賃貸住宅では、ベランダが専用使用部分であっても、建物自体は共用部分に関係する場合があります。
特に、
- 防鳥ネットを固定したい
- 外壁へ金具を取り付けたい
- 庇・共用配管へ鳩が止まる
- 隣戸や上階から糞が落ちている
- 建物全体で鳩被害がある
場合は、自分で施工を始める前に管理会社・大家へ相談します。
費用負担についても、発生場所や契約内容によって異なるため一律には決められません。
室外機の上に糞が多い場合
エアコン室外機は、鳩にとって平らで止まりやすく、裏側は雨風を避けられるため、利用されることがあります。
確認するのは、
- 室外機の天板に糞が集中している
- 裏側に小枝がある
- 室外機と壁の隙間に羽毛がある
- 鳩が繰り返し出入りする
状態です。
室外機内部を分解して清掃する必要はありません。
内部や狭い裏側に巣があり、安全に確認できない場合は管理会社や専門業者へ相談します。
鳩を追い払うために傷つけてよいわけではない
糞害が深刻でも、野生のドバトを自由に捕まえたり傷つけたりできるわけではありません。
東京都はドバトを有害鳥獣捕獲の対象としていますが、これは必要な制度・許可に基づいて捕獲を行うという意味です。
家庭で優先するのは、
- 糞の清掃
- 餌になる物を置かない
- 止まりにくくする
- 巣を作らせない
- 必要なら防鳥ネット等で侵入を防ぐ
といった防除です。
こんな場合は専門業者を検討する
- 掃除しても毎日大量に糞が増える
- ベランダ一面に長期間堆積している
- 室外機・給湯器など設備周辺に巣がある
- 屋根・庇など高所作業が必要
- 複数羽がねぐらとして利用している
- 防鳥ネットを施工したい
- 卵・ヒナがあり、巣立ち前の対応が必要
- 管理物件・店舗など広い範囲の被害
専門業者へ依頼するときは、清掃だけなのか、再発防止まで依頼するのかを明確にします。
通常の駆除・防鳥費用については害獣・害虫対策の費用・相場、依頼先を比較するときは業者選びを確認してください。
よくある質問
ベランダの白と黒の糞は鳩ですか?
鳥の排泄物の可能性はありますが、白い部分は鳥類一般に見られる尿酸なので、鳩とは断定できません。真上の止まり場、鳩の目撃、羽毛、巣材なども確認してください。
鳩の糞を素手で掃除しても大丈夫ですか?
素手では触らないでください。東京都環境局も、使い捨て手袋とマスクを使用し、糞に直接触れないよう案内しています。
乾いた鳩の糞をほうきで掃いてよいですか?
粉じんを舞い上げるため避けた方がよいでしょう。軽く湿らせてから静かに回収します。大量に堆積している場合は専門清掃も検討してください。
鳩の糞には危険な病気がありますか?
鳥糞が多量に蓄積した環境では感染症原因となる微生物への曝露が問題になることがあります。一方、少量の新鮮な糞を見つけたことだけで深刻な感染症になると考える必要はありません。直接触れない、粉じんを吸わないという基本対策を行ってください。
鳩の糞を掃除したのに翌日またあります
鳩が手すり・室外機・庇などを継続利用している可能性があります。糞の真上を確認し、止まり場対策や営巣防止を検討してください。
ベランダの鳩の巣は自分で撤去できますか?
卵・ヒナがいない巣だけなら特別な捕獲許可は不要です。卵やヒナがいる場合は許可なく撤去・採取できないため、巣立ちを待つか自治体・許可を持つ専門業者へ相談します。
卵を別の場所へ移して巣だけ掃除してもよいですか?
自己判断では行わないでください。鳥類の卵の採取は鳥獣保護管理法の規制対象です。
賃貸マンションでも防鳥ネットを付けられますか?
建物や管理規約によります。外壁や手すりへ固定する施工では管理会社・大家の確認が必要になる場合があるため、先に相談してください。
鳩の糞は「掃除」と「再び来させない対策」をセットで考える
ベランダに鳩らしい糞がある場合は、排泄物の色だけで判断せず、
- 同じ場所に毎日増えるか
- 真上に鳩が止まれる場所があるか
- 鳩を繰り返し見かけるか
- 羽毛や巣材があるか
- 室外機裏などに巣がないか
を確認します。
少量の糞なら、手袋・マスクを使用し、乾燥粉じんを舞い上げないように清掃します。
一方、掃除だけを続けても鳩が毎日戻るなら、止まり場・ねぐら・営巣環境そのものへの対策が必要です。
そして巣がある場合は、卵・ヒナの有無を必ず確認してください。
卵・ヒナのいない空の巣と、卵・ヒナがいる活動中の巣では、法令上できることが異なります。
まだ鳩か別の鳥・動物か判断できない場合は症状・痕跡から探すページ、住宅の場所から原因を確認する場合は住宅の場所から探すページ、害獣・害鳥全般は住宅に侵入・定着する害獣の総合ページから確認できます。
