シロアリ点検はどこを見る?基礎・床下・水回りのチェック箇所

シロアリ点検では、床下だけを見るのではありません。

建物の外周・基礎から始め、室内の水回りや玄関、床の状態を確認し、専門点検では床下の基礎・束石・土台・床束・配管まわりなどを順に調べます。

公益社団法人日本しろあり対策協会は、シロアリ発見の手掛かりとして、蟻道、蟻土、食痕、木材の空洞音、建物の変状、羽アリなどを挙げています。

一方、点検口から床下を少し見ただけで「シロアリはいない」と建物全体を判断するのは難しい場合があります。

自分で確認するときは、外周や室内など安全に見られる範囲までにして、狭い床下へ無理に入ったり、木材を壊して確かめたりする必要はありません。

シロアリ点検で見る場所
  1. 家の外周・基礎
  2. 玄関・勝手口
  3. 浴室・洗面所・トイレ・キッチン
  4. 床・柱・木製枠など室内木部
  5. 床下の基礎・束石・土台・床束・大引など
  6. 給排水管・配管貫通部
  7. 湿気・漏水・通風状態
  8. 蟻道・蟻土・食痕・羽アリなどの痕跡
目次

シロアリ点検は「外周→室内→床下」の順で考える

自宅の状態を確認するときは、いきなり床下へ潜る必要はありません。

まず建物の外側を一周し、次に室内で異変がないかを確認します。そのうえで床下や壁内など、見えない部分を専門点検してもらうと整理しやすくなります。

点検範囲 主に確認するもの 自分での確認
建物外周 基礎の蟻道、木材と土の接触、湿気・漏水、木材の放置 安全に確認しやすい
室内 床の沈み、木部の異常、羽アリ、水回り、玄関 安全に確認しやすい
床下 基礎・束石・土台・床束・大引・蟻道・食害・湿気 点検口から見える範囲まで
狭い床下・隠蔽部 死角の蟻道、木材内部の被害、配管周辺、漏水等 専門点検を推奨

1.家の外周では基礎を一周して確認する

外から確認するときに最初に見るのが基礎です。

日本しろあり対策協会は、シロアリは地中から蟻道を作って建物へ侵入することが多いため、基礎・束石・土台などに蟻道が付いていないか確認するよう案内しています。

蟻道は、土や泥を固めて作られた筋状・トンネル状のものです。

特に確認したいのは、

  • 基礎の立ち上がり
  • 基礎と外壁の境目
  • 基礎の角
  • 配管が基礎を貫通している周辺
  • 勝手口や玄関周辺
  • 地面から木部へつながっている場所

です。

泥の筋を見つけても、シロアリかどうか確認する前に全部壊してしまわず、まず位置と形を写真に残しておくと点検時の手掛かりになります。

基礎がベタ基礎でも点検は必要

ベタ基礎だからシロアリ点検が不要になるわけではありません。

日本しろあり対策協会の研究では、欠陥のない一体打ちコンクリート自体はシロアリが簡単に貫通するものではない一方、実際の建物では配管まわり、コンクリートの打ち継ぎ、玄関周辺など、構造上の隙間が侵入経路になる場合があります。

そのため「コンクリートだから安心」とせず、基礎と木部の取り合いや配管周辺まで確認します。

2.庭・建物周辺では木材と土の接触を見る

家そのものだけでなく、基礎の周囲も確認します。

たとえば、

  • 木材や廃材を地面へ直接置いている
  • 切り株や枕木が建物近くにある
  • ウッドデッキなどの木部が土と接している
  • 基礎の換気を物や植物で塞いでいる
  • 雨水が基礎周辺へたまりやすい

といった状態がないかを見ます。

これらがあるだけでシロアリ被害と断定することはできませんが、点検時に確認しておきたい環境要因です。

3.玄関・勝手口も確認する

シロアリ点検というと浴室や床下を想像しやすいですが、玄関まわりも確認対象です。

次のような場所を見ます。

  • 玄関框
  • 木製ドア枠の下部
  • 玄関の巾木
  • 玄関付近の床
  • 土間と木部の境界
  • 勝手口まわり

木部を軽く触っただけで崩れる、表面は残っているのに内部が空洞状になっている、泥のようなものが付着している場合は点検を検討します。

ただし、木材の腐朽などでも似た症状が起こります。

「柔らかい=シロアリ」と自己判断せず、原因を切り分けます。

4.浴室・洗面所・トイレ・キッチンを見る

ヤマトシロアリは、湿気が多く比較的暖かい場所で被害が見つかることがあります。

日本しろあり対策協会は、台所、洗面所、トイレ、風呂場などを被害が多く見られる場所として挙げ、換気の悪い床下では土台や床束に被害が発生しやすいと説明しています。

室内からは、

  • 浴室入口の木部
  • 洗面所の床
  • トイレの床・巾木
  • キッチンの流し台周辺
  • 給排水管の近く

を確認します。

シロアリだけでなく水漏れも確認する

水回りで床や木部が傷んでいても、原因が必ずシロアリとは限りません。

日本しろあり対策協会も、風呂場の敷居が柔らかくなったケースについて、水分による腐朽とシロアリの両方が考えられ、現場確認が必要としています。

点検では、

  • 水漏れ
  • 木材の腐朽
  • カビ
  • 湿気
  • シロアリ食害

を分けて確認することが重要です。

5.床の沈み・ふわふわ・建具の異常も見る

室内では床や建具の変化も確認します。

  • 以前より床が沈む
  • 一部だけふわふわする
  • 床がたわむ
  • 柱の下部が傷んでいる
  • ふすまやドアの立て付けが変わった

といった変化です。

日本しろあり対策協会は、シロアリ被害が進行した建物では、柱の沈下や建具の立て付け悪化などが起こる場合があるとしています。

ただし、床の沈みは漏水・腐朽・床材や下地の劣化などでも起こります。

床症状だけでシロアリと断定するのではなく、蟻道・羽アリ・水漏れなど他のサインと合わせて判断します。

6.床下ではどこを見る?

シロアリの専門点検で重要になるのが床下です。

主な確認場所は次の通りです。

床下の場所 主な確認内容
基礎 蟻道、ひび、隙間、侵入痕
束石・床束 蟻道、木部の食害、腐朽
土台 蟻道、蟻土、食痕、木材の異常
大引・根太など 食害、腐朽、たわみ等
浴室・洗面所の下 湿気、漏水、蟻道、木部被害
給排水管まわり 隙間、漏水、蟻道
床下地盤 湿気、水たまり、木材・残材
床下全体 通風、カビ、腐朽、湿気状態

シロアリの有無だけでなく、シロアリが侵入・生息しやすい環境になっていないかも確認します。

7.蟻道・蟻土・食痕を確認する

蟻道

地面や基礎から木部へ伸びる、土でできた筋状の通路です。

シロアリ点検では代表的な手掛かりです。

蟻土

シロアリは光や乾燥を避けるため、木材の割れ目や継ぎ目などに土砂や排出物を詰めることがあります。

これを蟻土と呼びます。

食痕

シロアリに食害された木材には内部に特徴的な食痕が生じます。

表面が一見正常でも内部に被害が進んでいる場合があるため、専門点検では目視だけでなく打診・触診なども組み合わせます。

8.木を叩いて空洞音がするかも手掛かりになる

日本しろあり対策協会は、被害が進んだ木材では叩くと空洞音がする場合があるとしています。

ただし、音だけでシロアリ被害を確定することはできません。

また、自分でドライバーなどを強く差し込み、正常な木材まで傷つける必要はありません。

自宅では目視や軽い確認までとし、異常があれば専門点検へ進む方が安全です。

9.羽アリや大量の羽も確認する

室内や住宅のすぐ近くで羽アリを見た場合も、点検を検討するサインです。

日本しろあり対策協会は、住宅周辺でシロアリの羽アリが群飛していないかを発見の手掛かりとして挙げています。

羽アリを見たからといって、必ず住宅内部に巣があるとは限りません。

一方、

  • 室内からまとまって出てきた
  • 窓際に大量の羽が落ちている
  • 同じ場所から毎年出る
  • 蟻道や木部被害もある

といった場合は、早めに点検を検討します。

10.湿気・カビ・通風状態も点検する

専門的なシロアリ点検は、虫を探すだけではありません。

日本しろあり対策協会の「蟻害・腐朽検査制度」では、シロアリだけでなく、

  • 腐朽
  • カビ
  • 変色
  • 床下の湿気
  • 通風状態
  • 床下地盤面の含水状態
  • 木材の含水率

なども診断対象としています。

目に見えるシロアリがいない場合でも、木材が傷みやすい環境や水漏れが見つかれば、今後の補修・予防を考える材料になります。

点検口から見るだけでは十分でない場合がある

床下収納などの点検口を開けると、その周辺は確認できます。

ただし、そこから住宅の床下全体が見えるとは限りません。

基礎によって区画が分かれていたり、水回りの奥が見えなかったりすると、点検口からの目視だけでは死角ができます。

日本しろあり対策協会も、床下の蟻害や腐朽は点検口から見るだけでは見逃す可能性があるとして、専門検査の必要性を案内しています。

したがって、自分で点検口を開けて何も見えなかったからといって、「シロアリ被害なし」と断定しないようにします。

自分で床下へ潜った方がよい?

自宅点検のために、狭い床下へ無理に潜る必要はありません。

床下では、

  • 狭い場所で身動きが取れなくなる
  • 釘や金物へ接触する
  • 配管や設備を破損する
  • カビ・ほこり・害虫などに接触する
  • 奥まで行っても被害を正確に判断できない

といった問題があります。

自分では、

  • 家の外周
  • 室内
  • 点検口から安全に見える範囲

を確認し、それ以上は専門点検へ任せる方法が現実的です。

業者の点検では何を確認してもらう?

シロアリ点検を依頼したら、「シロアリはいませんでした」という一言だけでなく、どこまで確認したかを聞きます。

確認しておきたいのは次の項目です。

  • 建物外周を確認したか
  • 床下のどこまで入れたか
  • 入れなかった区画はあるか
  • 蟻道・蟻土・食痕はあったか
  • 活動中のシロアリは確認されたか
  • 腐朽・カビはあったか
  • 水漏れはないか
  • 床下の湿気・通風に問題はないか
  • 木材の含水状態を確認したか
  • 写真を撮った位置が分かるか

日本しろあり対策協会の蟻害・腐朽検査では、目視、打診、触診などの非破壊検査に加えて、床下温湿度や木材含水率などを現場用計測器で確認する仕組みがあります。

点検写真は「何の写真か」を確認する

床下写真を何枚も見せてもらっても、撮影場所が分からなければ判断しにくくなります。

点検後は、

  • どの部屋の下か
  • どの方角か
  • どの部材を撮ったか
  • 正常部分なのか異常部分なのか
  • 異常なら何が問題なのか

を説明してもらいます。

被害箇所だけでなく、問題がなかった場所の写真もあると、点検範囲を確認しやすくなります。

点検報告書で確認したい項目

確認項目 見るポイント
点検範囲 床下全体か、一部しか見られていないか
シロアリ 活動中の個体・蟻道・食痕等の有無
被害範囲 どの部屋・部材まで確認されたか
腐朽・カビ シロアリ以外の木材劣化がないか
水漏れ・湿気 原因となる設備不具合がないか
施工提案 駆除・予防・修繕を分けて説明しているか
写真 撮影場所と異常内容が対応しているか

「無料点検」でその場で契約する必要はない

無料点検を利用した場合でも、結果を聞いたその場で必ず施工契約をする必要はありません。

点検後は、

  • シロアリが実際に確認されたのか
  • 古い蟻道だけなのか
  • どこまで被害があるのか
  • 腐朽や漏水と区別されているか
  • どの施工が必要なのか
  • 建物修繕と防蟻施工が分けられているか

を確認します。

費用が大きい場合は、写真と報告書を手元に残し、必要に応じて複数社で比較してもよいでしょう。

料金の見方は害獣・害虫駆除の費用・相場、業者比較は業者選びも参考にしてください。

こんなサインがあれば専門点検を検討する

  • 基礎や木部に土の筋・蟻道らしいものがある
  • 木部に蟻土が付いている
  • 家の中から羽アリが出た
  • 窓際などに大量の羽が落ちている
  • 床が局所的に沈む・柔らかい
  • 玄関框やドア枠下部が傷んでいる
  • 浴室・洗面所などで木部の傷みがある
  • 床下に水漏れ・湿気がある
  • 木材に食痕らしい内部被害がある
  • 中古住宅購入前で施工履歴や床下状態が分からない

特に複数のサインが重なっている場合は、見える範囲だけで判断せず専門点検を検討します。

よくある質問

シロアリ点検で一番重要なのはどこですか?

床下は重要ですが、床下だけではありません。まず外周の基礎・配管まわり、室内の水回り・玄関・床を確認し、専門点検では基礎、束石、土台、床束などを床下全体で確認します。

自分でシロアリ点検できますか?

外周の基礎、室内の床、水回り、羽アリ、点検口から見える範囲などは確認できます。ただし、床下全体の点検や木材内部の被害判断は専門知識が必要です。無理に狭い床下へ潜る必要はありません。

床下点検口から見て何もなければ大丈夫ですか?

断定できません。点検口から見える範囲は床下の一部に限られる場合があります。基礎で区切られた奥の区画や水回り周辺などが死角になることがあります。

ベタ基礎ならシロアリ点検はいりませんか?

不要とはいえません。コンクリートそのものだけでなく、基礎の打ち継ぎ、配管貫通部、玄関などの隙間を利用する侵入例があります。

シロアリ点検では湿気も測りますか?

専門的な蟻害・腐朽検査では、床下の温湿度、通風状態、地盤面や木材の含水状態などを確認する方法があります。シロアリだけでなく、腐朽やカビが起きやすい環境も含めて確認します。

木を叩いて空洞音がしたらシロアリですか?

空洞音は手掛かりの一つですが、それだけでは断定できません。木材の劣化・腐朽などでも状態が変わることがあります。他のサインと合わせて確認します。

羽アリを数匹見ただけでも点検した方がよいですか?

屋外から飛来しただけの場合もありますが、住宅の近くや室内でシロアリらしい羽アリを確認した場合、日本しろあり対策協会も念のため点検を受けることを勧めています。

まとめ

シロアリ点検は、床下だけを覗いて終わるものではありません。

  • 外周では基礎・配管周辺・木材と土の接触を確認する
  • 室内では玄関・水回り・床・木部の異常を見る
  • 蟻道・蟻土・食痕・羽アリを手掛かりにする
  • 専門点検では基礎・束石・土台・床束・大引など床下全体を確認する
  • 湿気・漏水・カビ・腐朽・通風も合わせて見る
  • 点検口から見えない範囲があることを理解する
  • 自分で狭い床下へ無理に入らない
  • 点検後は写真・確認範囲・報告書を確認する

自分で行う確認は、「シロアリがいるかを確定する検査」ではなく、専門点検が必要なサインを見つけるためのチェックと考えるとよいでしょう。

シロアリの基本情報はシロアリ、異変から原因を探したい場合は症状・痕跡、場所別に確認したい場合は住宅の場所から探すも参考にしてください。

参考にした公的・公式情報

※住宅の構造や点検可能範囲によって確認方法は異なります。床下・隠蔽部に異常が疑われる場合は、無理に自分で侵入・破壊確認せず専門点検を検討してください。確認日:2026年9月20日。

この記事を共有する
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

目次