コウモリの侵入口はどこ?1cm前後の隙間・換気口・屋根の見つけ方と塞ぐ順番

ベランダの同じ場所に黒い糞が繰り返し落ちる。夕方になると換気口付近から小さなコウモリが飛び出す。夜になると壁の中や屋根裏から物音がする。

こうした状態なら、住宅のどこかにコウモリの侵入口がある可能性があります。

住宅周辺でよく見られるアブラコウモリは体が小さく、人が「これくらいなら入れないだろう」と感じる細い隙間でも利用することがあります。

侵入口として確認したいのは、換気口、通気口、エアコン配管まわり、戸袋、窓・ドア、軒下、ひさし、屋根と外壁の境目などです。

ただし、侵入口らしい隙間を見つけても、その場ですぐ完全に塞いではいけません。

内部にコウモリが残っていれば閉じ込める可能性があり、幼獣がいる時期には親だけが外へ出て子が取り残されることも考えられます。

この記事では、コウモリが入りやすい場所、侵入口を見つける方法、閉じ込めずに封鎖する順番まで整理します。

コウモリの住宅被害全体については、コウモリ対策の総合ガイドも確認してください。

目次

コウモリは何cmの隙間から入る?

コウモリの侵入口については、公的機関・専門団体でも数値に幅があります。

鳥取県は、住宅に住み着いたコウモリについて「1cm程の隙間があれば出入り可能」と案内しています。

一方、公益社団法人東京都ペストコントロール協会は、コウモリは「6mmほどのわずかな隙間」からも出入り可能としています。

この違いからも、

「1cmを超えているかどうか」だけで侵入可否を判断しない

ことが重要です。

個体の大きさ、開口部の形、周辺構造によって利用しやすさは変わります。

住宅では、1cm前後、さらにそれより細く見える連続した隙間も候補として確認してください。

住宅で確認したいコウモリの主な侵入口

場所 確認したい状態
換気口・通気口 カバーや金網の破損、外壁との隙間
エアコン配管周囲 壁貫通部のパテ脱落・隙間
窓・ドア周辺 サッシ、網戸、上部・側面の隙間
戸袋・シャッターボックス 内部へ続く開口、糞の堆積
軒下・ひさし 部材の継ぎ目・破損
屋根と壁の境目 屋根材・板金・外壁との細い隙間
瓦・屋根材 ずれ・浮き・破損
外壁 設備撤去跡・劣化箇所・継ぎ目

侵入口が一つとは限りません。

一か所を塞いでも、別の隙間を利用できる状態なら再び侵入される可能性があります。

1. 換気口・通気口

コウモリの侵入口として優先して確認したい場所の一つが、換気口・通気口です。

前橋市も、住宅への侵入ポイントとして換気口・通気口を挙げています。

確認するのは、

  • 外側のカバーが割れていないか
  • 防虫網・金網が破れていないか
  • カバーと外壁の間に隙間がないか
  • 換気口の真下に黒い小さな糞が落ちていないか
  • 夕方に同じ場所からコウモリが出てこないか

です。

東京都ペストコントロール協会も、実際の侵入口例として通風口を写真付きで紹介しています。

換気口は完全に埋めない

換気口は住宅の換気機能を担う設備です。

コウモリ対策だからといって、開口そのものを完全に埋めて空気の流れまで止めてはいけません。

必要な換気性能を維持しながら、コウモリが通れない構造へ修繕する必要があります。

設備の構造が分からない場合は、専門業者や住宅施工業者へ確認してください。

2. エアコン配管が壁を通る部分

前橋市は、エアコンと室外機をつなぐ配管用の隙間もコウモリの侵入ポイントとして明記しています。

住宅では、室内機と室外機をつなぐ冷媒管やドレンホースなどを外壁へ通すための穴があります。

通常はパテや部材で塞がれていますが、

  • パテがひび割れている
  • 経年で脱落している
  • 化粧カバーの内側に開口が残っている
  • 配管よりかなり大きな穴が開いている

場合は侵入口候補になります。

ベランダの室外機付近へコウモリの糞が落ちているときは、室外機本体だけではなく配管が外壁を貫通する場所も確認してください。

3. 窓・ドアまわり

前橋市は窓やドアの隙間も侵入ポイントとして挙げています。

窓を開けた際に偶然室内へ入ってきた一頭と、住宅へ継続的に住み着いているケースは分けて考えます。

一度だけ室内へ飛び込んできただけなら、開いていた窓・ドアからの偶発的な侵入も考えられます。

一方、窓を閉めているのに、

  • 繰り返しコウモリを室内で見る
  • 窓付近に糞がたまる
  • サッシ上部から羽音がする

のであれば、サッシや周辺部材の隙間を確認します。

4. 戸袋・シャッターボックス

雨戸を収納する戸袋やシャッターボックスも、コウモリが利用しやすい狭く暗い空間です。

アブラコウモリは鳥のように枝で巣を作るというより、建物の隙間や空洞を「ねぐら」として利用します。

次のような状態があれば確認してください。

  • 戸袋の下に黒い糞が落ちる
  • 雨戸を動かすと糞が出てくる
  • 夕方に戸袋周辺から飛び出す
  • 内部から小さな物音がする

コウモリが現在入っている可能性がある状態で、戸袋の開口をそのまま塞ぐのは避けます。

5. 軒下・ひさしの隙間

東京都ペストコントロール協会は、ひさし下の隙間も実際のコウモリ侵入口として紹介しています。

軒下・ひさしでは、

  • 軒天材の継ぎ目
  • 外壁との境目
  • 部材が外れた箇所
  • 経年劣化で広がった隙間

を確認します。

これらは高い位置にあることが多いため、自分で脚立や屋根へ上る必要はありません。

地上からスマートフォンのズーム等で確認できる範囲までにしてください。

6. 屋根と外壁の隙間

前橋市は、屋根と壁の隙間もコウモリの住宅侵入ポイントとして挙げています。

特に、

  • 屋根材と外壁の接合部
  • 破風・鼻隠し周辺
  • 板金の継ぎ目
  • 屋根を増改築した接合部分

などは、地上から開口が見えにくいことがあります。

屋根裏に糞が大量にあり、換気口等に明らかな侵入口がない場合は、高所側に侵入口がないか専門調査を検討します。

7. 瓦や屋根材のずれ

コウモリは建造物の空間をねぐらとして利用します。

国立環境研究所も、アブラコウモリの生息環境として建造物を挙げています。

屋根材に、

  • 瓦の浮き
  • 台風や劣化によるずれ
  • 板金の隙間
  • 屋根下地につながる開口

があると、屋根裏へ入る経路になる場合があります。

屋根は転落リスクが高いため、確認・補修を自分で行う必要はありません。

ベランダの糞は「真上」を見る

コウモリの侵入口を探すときに非常に役立つのが、糞の落下位置です。

東京都ペストコントロール協会は、コウモリが出入りする穴には糞が堆積し、夜間の出入りから侵入口を確認できると案内しています。

ベランダに黒い小さな糞がある場合は、床だけを掃除するのではなく、真上に、

  • 換気口
  • 戸袋
  • ひさし
  • 軒下
  • 外壁の継ぎ目

がないか確認してください。

コウモリの糞自体の見分け方はベランダに落ちるコウモリの糞で詳しく整理しています。

掃除後に同じ位置へまた糞が落ちるか確認する

一度だけ数粒の糞が落ちている場合は、一時的に建物へ止まったコウモリによるものかもしれません。

一方、

  • 掃除しても翌日また増える
  • 毎回ほぼ同じ場所に落ちる
  • 量が徐々に増えている

場合は、その真上を継続的に利用している可能性が高まります。

糞の位置を写真で記録しておくと、侵入口調査を依頼するときにも役立ちます。

夕方に安全な場所から出入りを見る

アブラコウモリは夜行性です。

侵入口を確認するときは、日没前後に地上・室内など安全な場所から住宅外周を見る方法があります。

確認するのは、

  • どの位置から飛び出したか
  • 何頭程度出入りしているか
  • 同じ穴を繰り返し利用しているか

です。

一瞬で飛び出すこともあるため、一度見ただけで分からなければ数日記録しても構いません。

侵入口を確認するために屋根へ上ったり、穴へ顔を近づけたりする必要はありません。

出入口は1か所とは限らない

コウモリ対策で見落としやすいのが、侵入口を一つだけと考えることです。

住宅に、

  • 換気口の破損
  • 屋根の隙間
  • 配管周囲の隙間
  • 戸袋

などが複数あれば、現在使っている穴を塞いでも別の場所を利用される可能性があります。

専門業者へ依頼する場合も、「今使っている穴」だけではなく「今後侵入可能な開口」をどこまで確認するか聞いてください。

侵入口を見つけてもすぐ塞がない

コウモリ対策で特に避けたいのが、内部確認をせずに侵入口を完全封鎖することです。

鳥取県は、封鎖時に住宅内へコウモリを取り残さないよう注意しています。

内部に残したまま塞ぐと、

  • 建物内へ閉じ込める
  • 別の隙間から室内へ出てくる
  • 内部で死亡し臭気の原因になる
  • 死体に虫が発生する

可能性があります。

穴を見つけた瞬間に塞ぐのではなく、内部の個体が外へ出たことを確認した後に施工します。

幼獣が飛べない時期の封鎖にも注意する

親コウモリが夕方に外へ飛び出したからといって、内部が完全に空になったとは限りません。

子育て中であれば、まだ飛べない幼獣が屋根裏や壁内へ残っている場合があります。

鳥取県は、封鎖について、まだ飛べない幼獣のいる時期として6〜8月や、冬眠前後の時期を避けるよう案内しています。

地域・気候・個体群によって活動時期は変わり得るため、繁殖や越冬が疑われる場合は専門業者へ相談した方が安全です。

侵入口封鎖は「確認→退出→不在確認→封鎖」の順

再侵入防止は、次の順番で考えます。

  1. 糞・物音・夕方の出入りからコウモリか確認する
  2. 侵入口候補を探す
  3. 実際の出入口を確認する
  4. 内部のコウモリが外へ出られる状態を確保する
  5. 幼獣を含め内部に残っていないことを確認する
  6. 使用中だった侵入口を塞ぐ
  7. ほかの侵入可能な隙間も確認する
  8. 残った糞を安全に清掃する

侵入口が高所にある、複数ある、内部の状態が確認できない場合は、自力で完全封鎖しようとしない方がよいでしょう。

金網・ネットを使う場合も通気機能を残す

侵入口対策では金網・ネット等を利用する場合があります。

重要なのは、

  • コウモリが通れない隙間にする
  • 簡単に外れないよう固定する
  • 換気口の通気を妨げない
  • 雨水の排水を妨げない
  • 住宅部材を傷めない

ことです。

換気口、屋根、外壁、配管周囲では、それぞれ適切な施工方法が異なります。

ガムテープだけを恒久対策にはしない

一時的な確認目的で開口を覆う方法が自治体資料で案内されることもありますが、住宅の恒久的な侵入防止を粘着テープだけで済ませるのは適していません。

紫外線、雨、温度変化で劣化するためです。

再侵入防止では、建物部位に合った耐久性のある施工を検討してください。

コウモリを自分で捕獲しない

コウモリは野生鳥獣です。

鳥獣保護管理法では、野生鳥獣の捕獲・殺傷は原則として禁止されています。

被害防止など一定の理由がある場合は、環境大臣または都道府県知事等の許可を受けて捕獲できる制度があります。

そのため、

  • 粘着物で捕まえる
  • ネットで捕獲する
  • 罠を置く
  • 捕まえた個体を処分する

といった行為を自己判断で行わないでください。

住宅では、捕獲よりも追い出しと再侵入防止を中心として扱うケースが一般的です。

自治体がコウモリを捕獲してくれるとは限らない

自治体の対応は地域によって異なります。

横浜市は2026年9月更新の案内で、市によるコウモリの捕獲・駆除は行っておらず、自力で難しい場合は専門業者へ相談するよう案内しています。

捕獲許可については県担当部署への問い合わせを案内しています。

居住地域でも、

「自治体名 コウモリ」

で公式情報を確認してください。

大量の糞がある場合は侵入口封鎖だけで終わらない

長期間屋根裏等を利用されていた場合、侵入口を塞いでも、内部に大量の糞が残ることがあります。

東京都ペストコントロール協会も、長期間屋根裏等に定着している場合は、糞の除去、消毒等が必要となり、個人で対処することが困難な場合があるとしています。

大量の乾燥糞を自分で掃き上げたり、掃除機で粉じんを舞い上げたりする必要はありません。

糞が少量なのか、屋根裏全体へ堆積しているのかも調査してもらいます。

侵入口が分からない場合に業者へ確認すること

コウモリ駆除・対策業者へ依頼する場合は、「コウモリを追い出す」だけでなく侵入口調査の内容を確認します。

  • 実際に使用している侵入口はどこか
  • 何を根拠に侵入口と判断したか
  • 侵入口はいくつあるか
  • 夕方の出入り確認を行うか
  • 高所や屋根まで確認するか
  • ほかに侵入できる隙間はあるか
  • 内部に個体・幼獣が残っていないことをどう確認するか
  • どの材料で封鎖するか
  • 通気・排水機能を維持できるか
  • 施工前後の写真をもらえるか
  • 再侵入時の保証があるか

費用についてはコウモリ駆除の費用、業者比較はコウモリ駆除業者の選び方で整理しています。

賃貸・マンションでは管理会社へ先に連絡する

集合住宅では、換気口、外壁、屋根、軒下などが共用部分と関係する場合があります。

入居者が自己判断で、

  • 換気口へ金網を固定する
  • 外壁の隙間へ充填材を入れる
  • シャッターボックスを加工する
  • 屋根・軒下へ施工する

前に、管理会社・大家・管理組合へ連絡してください。

ベランダの糞、出入りの時間、侵入口候補の写真や動画を共有すると状況を伝えやすくなります。

コウモリの侵入口についてよくある疑問

コウモリは1cmの隙間から入れますか?

鳥取県は1cm程度の隙間から出入り可能と案内しています。東京都ペストコントロール協会は6mm程度の隙間から出入り可能としています。数値を固定的な限界と考えず、1cm前後以下の細い開口も確認してください。

一番多い侵入口はどこですか?

住宅構造によって異なりますが、換気口・通気口、エアコン配管周囲、屋根と外壁の隙間、軒下、戸袋などが代表的な候補です。

ベランダに糞があります。侵入口は近くですか?

同じ場所へ繰り返し糞が落ちる場合、その真上に換気口、戸袋、軒下等の利用場所がある可能性があります。夕方の出入りも安全な距離から確認してください。

エアコン室外機の横に糞があります

室外機本体だけでなく、配管が外壁を通る場所、化粧カバーの周辺、近くの換気口・軒下も確認します。前橋市もエアコン配管用の隙間を侵入ポイントとして挙げています。

侵入口を見つけたらすぐ塞いでもいいですか?

コウモリが内部に残っている可能性がある場合は避けてください。内部に個体・幼獣が残っていないことを確認してから封鎖します。

夏でも穴を塞いでいいですか?

子育て時期にはまだ飛べない幼獣が内部に残る可能性があります。鳥取県は6〜8月の幼獣がいる時期を封鎖回避の目安として案内しています。不明なら専門家へ確認してください。

冬なら塞いでもいいですか?

冬眠中の個体が建物内部に残る可能性があるため、鳥取県は冬眠前後の封鎖にも注意を促しています。地域や気候によって状況が変わるため、不在確認が重要です。

戸袋にいる場合はどうしますか?

現在利用中かを確認し、内部へコウモリを残したまま入口を完全封鎖しないようにします。高所・複雑な構造の場合は専門業者へ相談してください。

コウモリを捕まえて外へ逃がしてもいいですか?

自己判断で捕獲しないでください。コウモリは鳥獣保護管理法の対象で、捕獲は原則禁止され、必要な場合には許可制度があります。

穴を全部塞げば解決しますか?

現在のコウモリが外へ出たことを確認したうえで、実際の侵入口と他の侵入可能箇所を適切に塞ぐことが重要です。大量の糞等が残っている場合は、封鎖後の清掃も必要になります。

コウモリの侵入口は「糞の真上」と「夕方の出入り」から絞る

コウモリは換気口、配管周囲、戸袋、軒下、屋根と壁の隙間など、人には見落としやすい細い開口を利用します。

確認するときは、

  1. 糞が落ちている位置を記録する
  2. その真上の設備・隙間を見る
  3. 夕方に安全な場所から出入りを確認する
  4. 使用中の侵入口を特定する
  5. ほかの侵入可能な隙間も確認する
  6. 内部に個体・幼獣が残っていない状態を確認する
  7. 通気等の住宅機能を維持して封鎖する

という流れで考えると分かりやすくなります。

特に重要なのは、「穴を見つけたら即封鎖」ではないことです。

コウモリを内部へ閉じ込めないこと、鳥獣保護管理法に反する捕獲をしないこと、高所へ無理に上らないことを優先してください。

ベランダの糞から確認したい場合はコウモリの糞の見分け方、施工費用はコウモリ駆除の費用、高所や複数の侵入口を含めて依頼する場合はコウモリ駆除業者の選び方へ進んでください。


主な参考情報(2026年9月14日確認)

  • 鳥取県「野生鳥獣の捕獲等に係るよくある質問」
  • 前橋市「コウモリについて 市街地にも姿を現します」
  • 横浜市「家にコウモリが住み着いている。」
  • 公益社団法人東京都ペストコントロール協会「コウモリでお困りの方へ/防除方法」
  • 公益社団法人東京都ペストコントロール協会「コウモリなどの侵入口・通風口」
  • 公益社団法人東京都ペストコントロール協会「コウモリなどの侵入口・ひさし下の隙間」
  • 環境省「捕獲許可制度の概要」
  • 国立環境研究所「アブラコウモリ」

※コウモリが通過できる隙間の大きさには資料・個体・開口形状による差があります。1cmという数値だけで侵入可否を断定しないでください。また、捕獲・殺傷は自己判断で行わず、高所・屋根・壁内などの作業は必要に応じて自治体や専門業者へ相談してください。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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