庭木に蜂の巣があるときは?アシナガバチ・スズメバチの見分け方と安全な対処

庭木を剪定しているときや、庭へ出たときに、枝の間に蜂の巣を見つけることがあります。

葉に隠れていると巣へかなり近づくまで気づかないこともあり、庭木の蜂の巣では「何蜂なのかを詳しく見るために近づく」こと自体が危険になる場合があります。

庭木や生垣には、

  • アシナガバチ
  • スズメバチ
  • ミツバチ
  • 単独性のハチ

などが見られます。

特に注意したいのは、庭木だからアシナガバチとは限らないことです。

スズメバチも木の枝・生垣・樹木の洞などへ巣を作ります。

巣を見つけたら枝を動かしたり剪定を続けたりせず、まず距離を取ってください。

目次

庭木に蜂の巣を見つけたときの確認順序

安全な範囲で確認するなら、次の順序で十分です。

  1. 剪定や枝を動かす作業を止める
  2. 巣から距離を取る
  3. 巣の外側が覆われているか確認する
  4. 六角形の巣穴がむき出しか確認する
  5. 蜂が何匹くらい出入りしているか見る
  6. 玄関・通路・駐車場・子どもの遊び場などとの位置関係を見る

蜂の種類を確定するために、巣の真下へ入ったり、葉をかき分けたりする必要はありません。

庭木にはスズメバチもアシナガバチも巣を作る

松戸市は、蜂が巣を作る場所として庭木・木の枝・木の洞を挙げています。

スズメバチでは、

  • 庭木
  • 生垣
  • 樹木の枝
  • 樹木の洞
  • 木の根元

などが営巣場所になります。

アシナガバチも、

  • 庭木
  • 生垣
  • 軒下
  • 窓枠
  • 室外機周辺

などを利用します。

そのため、巣が庭木にあるという情報だけでは種類を決められません。

アシナガバチの巣を疑う形

アシナガバチの巣は、外側を紙状の外皮で覆われていません。

下から見たときに、六角形の巣房がそのまま見えます。

形は、

  • シャワーヘッド
  • ハスの実
  • 茶碗を逆さにしたような半球

に例えられることがあります。

巣の下側へ六角形の穴が多数見えているなら、アシナガバチが有力候補です。

アシナガバチでも巣を刺激すれば刺される

アシナガバチはスズメバチより比較的おとなしい種類ですが、巣を刺激すると防衛行動を取ります。

庭木では、

  • 剪定ばさみで枝を切る
  • 枝を揺らす
  • 生垣を刈り込む
  • 植木へ水を強くかける

といった行動が、結果として巣への刺激になることがあります。

巣を見つけた後は、その周辺の剪定を続けないでください。

スズメバチの巣を疑う形

スズメバチの巣は、成長すると巣房の外側が紙状の外皮で覆われます。

代表的な特徴は、

  • 茶色〜灰褐色
  • マーブル状・しま状の模様
  • 球形や楕円形
  • 出入口が通常1か所

です。

庭木の枝の間に、マーブル模様のボールのような巣がある場合は、スズメバチを強く疑います。

春先のスズメバチの巣はボール型とは限らない

巣を作り始めたばかりのスズメバチでは、成熟巣のような大きな球形になっていないことがあります。

初期には、

  • 逆さにした徳利
  • 一輪挿し

のような形になる種類があります。

そのため、「丸いボール型ではないからスズメバチではない」とは判断できません。

コガタスズメバチは庭木にも巣を作る

住宅地の庭木で注意したいスズメバチの一つがコガタスズメバチです。

木の枝や生垣など、比較的開けた場所にも営巣します。

巣が成長すると外皮に覆われた球形・楕円形になります。

葉の中に隠れていると、庭木の剪定中に初めて気づく場合があります。

木の洞や根元へ蜂が出入りしている場合

蜂が木の穴へ繰り返し出入りしていても、外から巣全体が見えない場合があります。

この状態では、巣の形による識別ができません。

特に、

  • 樹洞
  • 木の根元
  • 地面の穴
  • 植え込みの奥

へ大型の蜂が繰り返し出入りしている場合は、近づいて確認しないでください。

スズメバチ類の可能性を残したまま、安全を優先します。

蜂が木に大量に集まっているだけならミツバチの分蜂もある

春から初夏に、木の枝へ大量のミツバチが塊になって止まることがあります。

これは「分蜂」と呼ばれる行動の場合があります。

新しい巣を作る場所を探している途中で、女王蜂を中心に多数の働き蜂が一時的に木などへ集まります。

この場合、目の前に見えている蜂の塊そのものは完成した巣ではありません。

ミツバチの分蜂を刺激しない

分蜂中のミツバチは比較的おとなしいことがありますが、蜂の塊へ触れたり、枝を揺らしたりする必要はありません。

生活に支障がない場所なら、離れて様子を見る選択肢があります。

通路や玄関など生活に支障がある場所なら、自治体や養蜂関係者、専門業者等へ相談します。

「巣が見えない=巣がない」ではない

庭木では葉や枝が巣を隠すため、蜂だけが出入りしているように見えることがあります。

このとき、巣を探すために枝をかき分けるのは避けてください。

巣へ急接近する結果になる可能性があります。

同じ位置から蜂が繰り返し出入りしているなら、その場所に巣がある可能性を考えます。

庭木の剪定中に蜂の巣を見つけたら

剪定作業をいったん止めます。

特に電動バリカンやヘッジトリマーを使用している場合、枝の振動が巣へ伝わることがあります。

蜂が飛び始めている状態で巣を確認しようとせず、道具を持ったまま巣から離れます。

枝を切って巣ごと落とさない

巣が小枝についていると、「枝を切れば落とせる」と考えることがあります。

しかし、巣を切り落とせば蜂を強く刺激することになります。

種類が分からない状態、複数の働き蜂がいる状態、スズメバチが疑われる状態では行わないでください。

棒でつつく・水をかける方法も避ける

巣を、

  • 棒で落とす
  • ホースで水をかける
  • 石を投げる
  • 枝を激しく揺らす

といった方法は、蜂の防衛行動を誘発する可能性があります。

安全な確認方法ではありません。

巣が高い位置にある場合

高さがある庭木の巣を確認するために、脚立やはしごへ上ることは勧めません。

蜂への対応中は、急に蜂が飛んでくれば反射的に体を動かしてしまいます。

高所作業では、蜂の刺傷だけでなく転落事故も問題になります。

地上から判断できない高さなら、専門業者等へ確認を依頼してください。

生活動線から離れていれば必ず駆除が必要とは限らない

すべての蜂の巣を見つけ次第駆除しなければならないわけではありません。

自治体によっては、アシナガバチなど比較的おとなしい蜂について、生活に支障がない場所なら自然のまま様子を見ることも選択肢としています。

蜂は毛虫などを捕食するため、自然環境では害虫の個体数を抑える役割もあります。

静観を考えられる条件

例えば、

  • アシナガバチと安全に判断できる
  • 庭の奥など人がほとんど近づかない
  • 子ども・ペットが近づかない
  • 玄関・駐車場・物干し等の動線から離れている
  • 剪定等で巣へ触れる予定がない

場合は、距離を保ったまま様子を見る選択肢があります。

一方、種類を確定できないなら静観前提にしません。

駆除・相談を優先した方がよい状態

  • スズメバチと思われる巣
  • 蜂の種類が分からない
  • 巣が大きい
  • 働き蜂が多数出入りしている
  • 木の洞・地面など巣全体が見えない
  • 玄関や通路の近く
  • 駐車場や自転車置場の近く
  • 子どもの遊び場の近く
  • ペットが近づく
  • 庭の剪定を続ける必要がある
  • 高所で脚立等が必要
  • 過去に蜂で強いアレルギー反応を起こした人がいる

夏〜秋は特に慎重に判断する

蜂の巣は春に女王蜂が作り始め、働き蜂が増えるにつれて大きくなります。

松戸市は、蜂による被害が主に7〜10月に多いと案内しています。

夏から秋は蜂の数が多くなるため、春と同じ大きさ感覚でDIY可能とは考えないでください。

小さい巣でも安全とは限らない

数cm程度の小さな巣でも、

  • スズメバチの初期巣
  • 働き蜂が増え始めた巣

の場合があります。

「小さいから素手で取れる」と判断するのは避けます。

庭木の巣を安全に撮影するには

巣へ近づいて写真を撮る必要はありません。

すでに安全な位置から見えている場合だけ、スマートフォンのズームなどを利用します。

撮影のために、

  • 枝を動かす
  • 巣の真下へ入る
  • 脚立に乗る

ことは避けます。

写真で確認したいポイント

安全な位置から撮影できた場合は、

  • 巣全体の形
  • 紙状の外皮の有無
  • 六角形の巣穴が露出しているか
  • 出入口が1か所に見えるか
  • 巣の大きさ
  • 蜂の数

が分かれば、相談時の判断材料になります。

自治体が蜂の巣へ対応する場合もある

蜂の巣への自治体対応は全国一律ではありません。

自治体によって、

  • スズメバチのみ駆除する
  • 条件付きで無料対応する
  • 防護服を貸し出す
  • 専門業者を案内する
  • 相談のみ対応する

など制度が異なります。

民間業者へ依頼する前に、居住自治体の公式サイトを確認する価値があります。

蜂に刺された場合

まず蜂がいる場所から離れ、安全を確保します。

日本赤十字社は、蜂刺傷では痛みや腫れが起こり、蜂毒に過敏な人では1匹に刺されただけでもショック状態や呼吸障害を起こす場合があると案内しています。

針が残っている場合は早めに除去し、患部を冷やします。

症状が強い場合は医療機関へ相談してください。

アナフィラキシーを疑う症状は緊急対応

蜂に刺された後に、

  • 呼吸が苦しい
  • 喉が締まる感じがする
  • 全身にじんましんが出る
  • 急激にぐったりする
  • 意識がおかしい
  • 血圧低下を疑う状態

などがある場合は、アナフィラキシーの可能性があります。

蜂の種類を確認することより、119番通報など緊急の医療対応を優先してください。

専門業者へ相談するときに伝えること

可能な範囲で、

  • 巣の場所
  • 地面からのおおよその高さ
  • 巣の形
  • おおよその大きさ
  • 蜂の数
  • 庭木・生垣・木の洞などの状況
  • 玄関など生活動線との距離

を伝えます。

無理に正確なサイズを測る必要はありません。

駆除費用は場所・蜂種・巣の大きさで変わる

庭木の巣でも、

  • アシナガバチかスズメバチか
  • 地上から作業可能か
  • 高所作業が必要か
  • 枝を処理する必要があるか
  • 巣が露出しているか
  • 樹洞内か

などで費用が変わります。

料金を調べる場合は害獣・害虫駆除の費用・相場、依頼先の比較は駆除業者の選び方を確認できます。

庭木に蜂の巣を作られにくくするには

完全に蜂の営巣を防ぐ方法はありませんが、庭木を極端に繁茂させず、巣を早期に発見しやすい状態にすることはできます。

松戸市も、庭木について春先に剪定し、うっそうとした空間を作らないことを予防策の一つとして案内しています。

ただし、蜂がすでに活動している季節に剪定するときは、作業前に巣がないか安全な範囲で確認します。

剪定前に見る場所

  • 葉が密集した内側
  • 枝分かれ部分
  • 生垣の内部
  • 木の洞
  • 根元付近

ただし、確認のために手や顔を茂みへ入れません。

蜂が同じ場所へ出入りしている場合は、剪定を始めずに確認します。

よくある質問

庭木の蜂の巣は何蜂ですか?

庭木という場所だけでは判断できません。アシナガバチもスズメバチも庭木・生垣へ営巣します。六角形の巣房がむき出しならアシナガバチ、外皮に覆われたマーブル模様の球形巣ならスズメバチが有力候補です。

庭木に丸い蜂の巣があります

紙状のマーブル模様の外皮に覆われ、出入口が1つに見える球形・楕円形の巣ならスズメバチを疑います。近づかず相談してください。

シャワーヘッドのような巣は何蜂ですか?

外皮がなく、六角形の巣穴が多数露出しているならアシナガバチが有力です。ただし近づいて確認する必要はありません。

庭木に蜂が大量に固まっています

春〜初夏ならミツバチの分蜂の場合もあります。枝に蜂の塊があるだけで巣材が見えない場合は、刺激せず離れて様子を見るか自治体等へ相談します。

蜂の巣がある枝を切ってもよいですか?

勧めません。枝を切る行為自体が巣への大きな刺激になります。種類不明、スズメバチ疑い、複数の働き蜂がいる場合は特に避けてください。

庭木の奥に巣があるようですが見えません

巣を探すため枝をかき分けないでください。同じ場所へ蜂が繰り返し出入りしているなら、巣がある可能性を考えて安全距離を取ります。

アシナガバチなら放置してもよいですか?

人がほとんど近づかず生活に支障がない場所なら、静観できる場合があります。ただし子ども・ペット・通路・剪定場所に近い場合は対応を検討してください。

小さい蜂の巣なら自分で取れますか?

自治体によっては初期の小さい巣について自己対応可能と案内する例がありますが、小さいことだけでは種類・安全性を判断できません。本記事では、スズメバチ疑い、種類不明、複数蜂、高所、庭木の奥などではDIYを勧めません。

脚立に乗れば届く高さです

蜂が飛んできた際にバランスを崩す危険があるため、蜂の巣対応で脚立・はしごを使うことは勧めません。

蜂に刺されたらどうすればよいですか?

まず蜂から離れます。針が残っていれば早めに取り除き、患部を冷やします。呼吸困難、意識障害、全身じんましんなどがある場合は緊急の医療対応を優先してください。

庭木の蜂の巣は「場所」ではなく「巣の形と危険度」で判断する

庭木や生垣は、アシナガバチだけでなくスズメバチも利用します。

安全な位置から確認するときは、

  • 六角形の巣房が露出しているか
  • 紙状の外皮で覆われているか
  • マーブル模様の球形か
  • 出入口が1つか
  • 蜂が何匹出入りしているか
  • 木の洞・地面など見えない場所へ出入りしていないか

を判断材料にします。

アシナガバチの巣なら生活環境によって静観できる場合もあります。

一方、スズメバチが疑われる、種類が分からない、働き蜂が多い、庭木の奥や木の洞で巣が見えない、生活動線に近いといった場合は、巣を確認するために近づかず自治体や専門業者へ相談してください。

蜂・蜂の巣全般については蜂対策の総合ページ、まだ原因が分からない場合は症状・痕跡から探すページから確認できます。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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