アライグマの糞の見分け方|ハクビシン・タヌキとの違いと足跡の確認

庭や屋根裏、ベランダ周辺に中型動物の糞を見つけ、「アライグマではないか」と気になることがあります。

ただし、アライグマの糞は「この形ならアライグマ」「何cmならアライグマ」と単純には判断できません。

農林水産省の中型獣対策資料では、アライグマの糞は食べた餌によって泥状から固形状まで形や色が変化するとされています。

そのため、アライグマを見分けるときは、糞そのものだけでなく、

  • 人の手形のような5本指の足跡
  • 爪跡
  • 食べ物を前足で扱った痕跡
  • 夜間の目撃
  • 尾のリング状の縞模様
  • 屋根裏の大きな物音
  • 建物の破損

などを組み合わせます。

目次

アライグマの糞は形が一定ではない

野生動物の糞は、食べた物、水分量、季節などによって見え方が変わります。

特にアライグマは雑食性で、

  • 果実
  • 農作物
  • 昆虫
  • 魚
  • 小動物
  • 人の生活圏にある食べ物

などさまざまな物を食べます。

そのため、糞も、

  • 泥状
  • 柔らかい塊状
  • ある程度まとまった固形状

などに変化します。

「アライグマの糞は必ず太い棒状」などと固定して判断するのは避けます。

アライグマは「ため糞」を代表的な特徴としない

中型害獣の糞を見分けるうえで重要なのが、同じ場所へ繰り返し排泄する「ため糞」です。

農林水産省の資料では、アライグマについて「ため糞はしない」と整理されています。

一方、

  • ハクビシン
  • タヌキ
  • アナグマ

には、程度や場所の違いはあるものの、ため糞をする習性があります。

まとまった糞があればアライグマではない?

そこまで単純には判断できません。

東京都も、アライグマやハクビシンの侵入サインとして、雨どいやベランダの一角にまとまった糞がある状態を挙げています。

つまり、住宅で糞が複数まとまって見つかったからといって、それだけでアライグマを除外することはできません。

重要なのは、同じ排泄場所を繰り返し使い、大きな糞だまりが形成されているかという行動です。

長期間同じ場所へ大量に蓄積する典型的なため糞なら、ハクビシンやタヌキをより強く疑います。

ハクビシンの糞との違い

農林水産省の資料では、ハクビシンの典型的な糞は棒状で、ねぐらなどにため糞をするとされています。

比較すると、

特徴 アライグマ ハクビシン
糞の形 食べ物により泥状〜固形状まで変化 典型的には棒状
ため糞 代表的な習性ではない ねぐら等にため糞
足跡 長い5本指・人の手形に似る 5本指だが指が短め
尾 リング状の縞模様 長いがリング状の縞はない
顔 目の周りに黒いマスク模様 鼻から額に白い線

「果実の種が入っているからハクビシン」「固形だからアライグマ」のような単一判定は避けてください。

タヌキの糞との違い

タヌキも雑食性なので、糞の形は食べた物によって変化します。

農林水産省では、タヌキは、

  • 比較的黒い糞
  • 屋外の畑
  • 竹林
  • 庭

などへ比較的大きなため糞をするとしています。

庭の決まった場所に、長期間にわたり大きな糞だまりができている場合は、タヌキも重要な候補です。

アライグマの足跡は重要な見分けポイント

糞だけで判断しにくいアライグマでは、足跡が有力な補助情報になります。

アライグマの足跡は、

  • 5本指
  • 指が長い
  • 指がはっきり分かれる
  • 人の手形に似る
  • 指先に爪跡が残ることがある

という特徴があります。

特に柔らかい土、泥、水辺、庭、雨どい周辺などでは足跡を確認しやすい場合があります。

「5本指ならアライグマ」とは限らない

ハクビシンやアナグマも5本指です。

違いを見るときは、

  • アライグマ:指が長く人の手形に近い
  • ハクビシン:丸い掌に比較的短い5本指
  • アナグマ:5本指だが指は短く、長い爪跡が出ることがある

という傾向を利用します。

足跡も自然条件によって崩れるため、単独では確定しません。

食べ跡もアライグマ判定に役立つ

アライグマは前足を器用に使うため、農作物や果実の食べ跡にも特徴が出ることがあります。

農林水産省は、袋掛けした果実について、袋が破られ、その周囲が前足の泥で汚れることがあるとしています。

またスイカでは、比較的小さな穴を開け、前足を使って内部をくり抜くように食べる特徴例を挙げています。

庭や家庭菜園で、

  • 糞
  • 長い5本指の足跡
  • 果実の食害
  • 前足を使った痕跡

が同時に見つかるなら、アライグマを疑う材料が増えます。

池の魚がいなくなった場合も確認する

東京都は、アライグマ・ハクビシンの侵入を疑うサインとして、池の金魚がいなくなったことも挙げています。

アライグマは水辺の生物も利用するため、

  • 庭池
  • ビオトープ
  • 水路

などの周辺に5本指の足跡や糞がないか確認します。

屋根裏の糞がアライグマの場合

アライグマは家屋へ侵入し、屋根裏などを利用することがあります。

屋根裏で糞を見つけた場合は、糞だけではなく、

  • 夜間の重量感のある足音
  • 天井のシミ
  • 糞尿の臭い
  • 建材の破損
  • 5本指の足跡・爪跡

などを確認します。

東京都も、屋根裏で大きな音がする、天井にシミができる、夜に庭や屋根の上で見慣れない動物を見る、といった状態を要注意サインとして挙げています。

アライグマは建物を傷めることがある

アライグマは木登りや登攀が得意で、前足と爪を使います。

住宅侵入時には、

  • 柱・外壁の爪跡
  • 軒下等の破損
  • 侵入口周辺の傷

などが確認材料になります。

糞と同じ場所に爪跡・破損があるなら、種を絞る材料になります。

尾を見られたら縞模様を確認する

アライグマの外見で特徴的なのは、尾のリング状の縞模様です。

夜間に庭や屋根で動物を見た場合は、無理に近づかず、

  • 尾にリング状の縞があるか
  • 目の周りが黒いか
  • 中型犬程度の大きさか

を安全な位置から確認します。

スマートフォンや防犯カメラの映像があると判断しやすくなります。

糞だけなら写真を撮って記録する

中型動物の糞を見つけたときは、すぐに触って調べる必要はありません。

最初に、

  • 糞全体の写真
  • 見つかった場所
  • 量
  • 複数地点に散らばっているか
  • 同じ地点へ繰り返し増えているか
  • 近くの足跡
  • 爪跡
  • 食害

を記録します。

大きさを記録する場合も、直接触らず、定規などを近くに置いて撮影すれば十分です。

糞を割る・潰す・臭いを嗅ぐ必要はない

内容物を見るために糞を割ったり、指で潰したりする必要はありません。

また、種類を見分けるために排泄物へ顔を近づけて臭いを確認することも避けてください。

野生動物の排泄物では、種類の判定よりも安全に記録することを優先します。

乾燥した糞を舞い上げない

厚生労働省は、動物の糞尿が乾燥すると、排泄された病原体が空気中を漂い、吸い込む可能性があるため、糞尿に直接触れたり吸い込んだりしないよう注意し、速やかに処理するよう案内しています。

そのため、乾いた野生動物の糞を、

  • ほうきで勢いよく掃く
  • 未処理のまま掃除機で吸う
  • エアブローで飛ばす

ような方法は避けます。

少量の糞を安全に処理できる範囲

庭やベランダなど、安全に手が届く場所へ少量だけある場合は、

  • 使い捨て手袋
  • 必要に応じてマスク
  • ペーパー等
  • 密閉できる袋

を使い、粉じんを立てないように回収します。

処理後は手洗いを行います。

屋根裏の大量の糞尿は無理に自分で清掃しない

次のような場合は、少量の屋外清掃とは別に考えます。

  • 屋根裏へ大量の糞尿がある
  • 断熱材まで汚染されている
  • 天井にシミがある
  • 強い悪臭がある
  • 安全に屋根裏へ入れない
  • 動物が現在も出入りしている

この状態では、糞を拾うだけではなく、動物の対応、侵入口、汚染箇所の清掃・修繕を考える必要があります。

糞を片付けても再び出る場合

清掃後に同じ場所へ新しい糞が出るなら、現在も何らかの動物が利用している可能性が高まります。

アライグマを疑う場合は、

  • 夜の屋根裏音
  • 5本指の足跡
  • 爪跡
  • 夜間目撃
  • 侵入口候補

を改めて確認します。

糞を見つけてもすぐ穴を全部塞がない

屋根裏等に個体が残っている状態で侵入口を完全に塞ぐと、内部へ閉じ込める可能性があります。

まず、現在利用中か、個体が中に残っていないかを確認します。

侵入口を塞ぐ場合は、適切な防除・不在確認の後に行います。

アライグマを自分で捕まえて遠くへ逃がしてよい?

アライグマは外来生物法の特定外来生物に指定されています。

特定外来生物には、飼養・保管・運搬・野外への放出などに法的な規制があります。

そのため、

  • 自分で箱わなを置く
  • 捕まえた個体を車へ乗せる
  • 遠くの山へ運ぶ
  • 別の場所へ放す

という対応を自己判断で行わないでください。

自治体のアライグマ防除制度や、適法に対応できる専門業者へ相談します。

自治体の防除制度を最初に確認する

東京都では、区市町と連携してアライグマ・ハクビシンの防除を行っています。

被害を受けた場合は、まず居住自治体の環境担当部署等へ問い合わせるよう案内しています。

地域によって、

  • 現地確認
  • 箱わなの設置
  • 捕獲
  • 個体回収

などの制度がある場合があります。

ただし、自治体による捕獲制度を利用しても、侵入口封鎖・糞尿清掃・建物修繕まで含まれるとは限りません。

アライグマを寄せ付けない環境にする

東京都はアライグマ・ハクビシン対策として、

  • 庭木の果実を放置しない
  • ペットの餌の食べ残しを屋外へ置かない
  • 生ごみを放置しない
  • 池の魚等を金網で守る
  • 家屋への移動経路になる枝を管理する
  • 建物の破損箇所を修繕する

などを挙げています。

糞を見つけた後も、誘引物をなくすことが再発防止につながります。

アライグマを疑うチェック項目

  • 糞は泥状〜固形状で一定しない
  • 典型的な大規模ため糞ではない
  • 長い5本指の足跡がある
  • 爪跡も確認できる
  • 袋掛果実などに前足の泥汚れがある
  • 庭の果実・農作物が荒らされている
  • 池の魚がいなくなった
  • 夜に屋根や庭で縞模様の尾を持つ動物を見た
  • 屋根裏で重量感のある音がする
  • 建物に爪跡・破損がある

複数が一致するほど、アライグマを疑う根拠が増えます。

よくある質問

アライグマの糞は何cmですか?

食べた物や状態によって形・大きさが大きく変わるため、固定した長さだけで判定することは勧められません。農林水産省も、糞の形は食餌や時期で変化し、糞だけの識別は難しいとしています。

アライグマの糞は棒状ですか?

固形状になる場合はありますが、泥状になる場合もあります。「棒状ならアライグマ」とは判断できません。典型的な棒状糞として示されるのはハクビシンです。

アライグマはため糞をしますか?

農林水産省の中型獣対策資料では、アライグマは「ため糞はしない」と整理されています。典型的な大規模ため糞ならハクビシンやタヌキも確認してください。

庭にため糞があります。アライグマではないですか?

ため糞の存在だけならタヌキ等も重要な候補です。ただし住宅周辺では複数の糞がまとまることもあるため、それだけでアライグマを完全に除外せず、足跡・食害・目撃情報を組み合わせます。

5本指の足跡ならアライグマですか?

ハクビシン・アナグマも5本指です。アライグマでは指が長く、人の手形のように見え、爪跡が付く場合があることが特徴です。

ハクビシンとの一番分かりやすい違いは?

糞だけなら、ハクビシンの方が典型的には棒状で、ねぐらなどへため糞をします。さらに足跡、尾、顔、食害、目撃情報を組み合わせてください。

アライグマの糞を素手で触ってもよいですか?

触らないでください。野生動物の排泄物は種類にかかわらず、手袋等を使用して直接接触を避けます。

乾いた糞を掃除機で吸ってよいですか?

未処理の乾燥糞をそのまま吸うことは避けます。厚生労働省も、乾燥した糞尿由来の病原体が空気中へ舞う場合があるため、直接触れたり吸い込んだりしないよう注意を促しています。

アライグマを捕まえたら山へ逃がせますか?

自己判断では行わないでください。アライグマは特定外来生物であり、保管・運搬・放出等に外来生物法上の規制があります。自治体の防除制度等を確認してください。

アライグマの糞は「糞だけ」ではなく5本指の足跡・食害と合わせて見分ける

アライグマの糞は食べた物によって泥状から固形状まで変化するため、形・色・大きさだけでは判定しにくい痕跡です。

見分けるときは、

  • ため糞をしているか
  • 長い5本指の足跡があるか
  • 爪跡があるか
  • 前足を使った食害があるか
  • 縞模様の尾を持つ動物を見たか
  • 屋根裏で大きな音がするか
  • 建物が傷付いていないか

を合わせて確認してください。

ハクビシンは典型的に棒状の糞をねぐらなどへため、タヌキも屋外へ比較的大きなため糞をするため、ため糞はアライグマとの比較で重要な情報です。

糞を見つけても素手で触らず、乾燥した排泄物を舞い上げないようにしてください。

屋根裏へ大量の糞尿がある、清掃後も新しい糞が出る、5本指の足跡や建物破損もある場合は、自治体のアライグマ防除制度や専門調査を検討します。

まだ何の動物の糞か分からない場合は症状・痕跡から探すページ、害獣全般を比較する場合は住宅に侵入する害獣・害鳥の総合ページ、発生場所から調べる場合は住宅の場所から探すページから確認できます。

専門業者への依頼を検討する場合は害獣・害虫駆除の費用・相場と駆除業者の選び方も確認してください。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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