コウモリを追い出し、侵入口も塞いだはずなのに、数日後や翌年にまた糞が落ちている、夕方に同じ場所から飛び出している、天井裏から音がする――。
こうした状態は「コウモリが同じ場所へ必ず戻ってくる習性だから」と単純には説明できません。
再発には、見落としていた別の侵入口、封鎖材の破損、施工後にできた新しい隙間、内部に残っていた個体や飛べない幼獣、冬眠・低活動期に不在と判断してしまったケースなど、複数の原因があります。
特に住宅へ入り込むコウモリは非常に小さな隙間を利用します。
浜松市や鳥取県は、約1cm程度の隙間でもコウモリが出入りできると案内しています。
再発した場合は、再び忌避剤を使う前に、「どこから・いつ・何が再び入ったのか」を整理することが重要です。
コウモリ以外の可能性も含めて確認したい場合は症状・痕跡から原因を確認する、住宅の場所ごとの侵入リスクは家の場所別の害獣・害虫トラブルも参考にしてください。
コウモリ駆除後に再発する主な6つの原因
| 原因 | 起こりやすい状態 |
|---|---|
| 1.見落とした侵入口 | 主要な穴を塞いだが別の1cm前後の隙間が残っている |
| 2.新しい隙間・封鎖材の破損 | 施工後にシーリングや外蓋等が劣化・破損した |
| 3.個体・幼獣が内部に残っていた | 追い出し確認が不十分な状態で塞いだ |
| 4.冬眠・低活動期に不在と判断した | 外へ出ていないだけなのに空になったと判断した |
| 5.忌避剤・追い出しだけで終えた | 一度離れたが侵入口が残っている |
| 6.別個体・別の群れが利用した | 住宅内の利用可能な隙間が残っている |
1.別の侵入口を見落としている
コウモリ再発でまず確認したいのが、侵入口が本当に一つだけだったかです。
前橋市は住宅での代表的な侵入ポイントとして、
- 窓・ドアの隙間
- 換気口・通気口
- エアコン配管周辺
- 屋根と壁の隙間
を挙げています。
一つの換気口を塞いでも、屋根と外壁の継ぎ目、別の通気口、戸袋などに小さな隙間が残っていれば、そこを利用される可能性があります。
コウモリは約1cmの隙間から出入りできる
浜松市と鳥取県は、約1cmの隙間があればコウモリが出入り可能と案内しています。
そのため、人から見ると「これは穴とは呼べない」と感じるほどの隙間でも侵入口候補になります。
再発時は、以前塞いだ大きな穴だけを見るのではなく、建物全体の小さな継ぎ目を再確認する必要があります。
2.施工後に新しい隙間ができた
初回施工時には存在しなかった隙間が、後からできることもあります。
例えば、
- シーリング材の劣化
- 換気口カバーの破損
- 防鳥ネット・金網の外れ
- 外壁材のずれ
- 屋根材のずれ
- 配管工事後の隙間
- 台風などによる破損
です。
「前回は完全に塞いだはず」という場合でも、数か月〜数年後の住宅状態まで同じとは限りません。
以前塞いだ場所が開いていないか確認する
地上から安全に見える範囲で、以前の施工箇所を確認します。
- ネットが外れていないか
- パテが剥がれていないか
- シーリング材に割れがないか
- 換気口の外蓋が破損していないか
- 周囲に新しい糞がないか
屋根や2階軒下へ上って確認する必要はありません。
高所なら施工業者へ写真付きで再点検を依頼します。
3.コウモリが内部に残ったまま封鎖した
追い出し後の不在確認が不十分な状態で侵入口を塞ぐと、コウモリが建物内へ残ることがあります。
浜松市は、封鎖時にコウモリが家の中へ取り残されないよう注意するよう明記しています。
内部に残った状態で閉じ込めると、
- 壁内・天井裏で動き続ける
- 別の出口を探す
- 室内側へ出てくる
- 死亡して臭気や害虫の原因になる
可能性があります。
施工直後から音が続く場合は追加で塞がない
封鎖した当日〜数日以内から、以前と同じ場所で鳴き声・羽音・物音が続く場合は、すぐ別の穴を塞いでいくのではなく、内部残存を疑います。
特に、
- 施工直前まで複数匹出入りしていた
- 幼獣の有無を確認していない
- 夕方の飛び出し確認をしていない
- 複数侵入口の一部だけ塞いだ
場合は注意が必要です。
元施工業者へ連絡し、状況を再確認してもらいます。
4.6〜8月の飛べない幼獣を閉じ込めた可能性
コウモリ対策では時期が重要です。
浜松市・鳥取県は、まだ飛べない幼獣がいる6〜8月の侵入口封鎖を避けるよう案内しています。
親コウモリだけが夜に外へ出たタイミングで穴を塞ぐと、飛べない幼獣が内部へ残る可能性があります。
その結果、施工後も鳴き声や物音が続き、「追い出したのにまたいる」と感じることがあります。
親だけ外へ出たことを「全個体不在」と判断しない
夕方にコウモリが飛び出したことだけでは、内部に飛べない幼獣が残っていないことまでは確認できません。
6〜8月頃にコウモリの利用が確認されている住宅では、自己判断で全面封鎖せず、時期を含めて専門業者へ相談した方が安全です。
5.冬眠・低活動期に不在だと判断した
冬になるとコウモリの出入りが減るため、「最近飛んでいないからもういない」と判断しやすくなります。
しかし浜松市・鳥取県は、冬眠前後の侵入口封鎖も避けるよう案内しています。
北九州市も、冬眠時期は追い出しが難しいとしています。
冬季や低温時に夕方の飛び出しが確認できなかったからといって、必ず建物内が空になっているとは限りません。
暖かくなってから「再発した」ように見えることもある
冬に内部へ残った個体が春になって活動を再開すると、
- 糞が急に増える
- 夕方の出入りが再開する
- 天井裏から再び音がする
ことがあります。
この場合、春に新しく侵入したとは限らず、冬の封鎖時点から内部に残っていた可能性も考えます。
6.忌避剤で追い出しただけで侵入口が残っている
市販の忌避剤は、コウモリを一時的にその場所から離れさせるための補助手段です。
川越市は、忌避剤や忌避スプレーによる対策だけでなく、出入口となる穴・隙間の封鎖が必要と案内しています。
北九州市も、追い出した後に侵入口を塞ぐことを対策として示しています。
つまり、
追い出す → 穴を残す → 臭いが弱まる → また利用される
という状態になれば、忌避剤を何度使っても再発しやすくなります。
忌避剤が効かなかったのではなく「次工程が不足」している場合がある
忌避剤を使った直後はいなくなったのに数日〜数週間後に戻った場合は、
- 侵入口が未封鎖
- 別の侵入口が残っている
- 追い出し時期が適切でなかった
などを確認します。
「もっと強い忌避剤を使う」ことだけで解決しない場合があります。
7.別のコウモリが同じ住宅を利用した可能性
再発した個体が、以前追い出したコウモリと同じ個体とは限りません。
住宅に、
- 侵入可能な隙間
- 風雨を避けられる空間
- 外敵から隠れられる場所
が残っていれば、別の個体が利用する可能性もあります。
そのため、再発対策の目的は「前にいた個体を追い払う」ことではなく、住宅へ入り込める状態そのものをなくすことです。
毎年同じ時期に来る場合
「毎年春〜夏だけコウモリが来る」という場合は、その時期だけ忌避剤を使い続けるより、利用されている侵入口を確認します。
毎年同じ位置に糞が落ちる場合は、その真上や近くに、
- 換気口
- 軒下
- シャッターボックス
- 屋根と壁の継ぎ目
- 配管周辺
などがないか確認します。
コウモリが戻ったか確認するときの5つのサイン
1.新しい糞
以前の糞が残っているだけでは、現在も利用されているか分かりません。
一度安全に清掃した後、新しい糞が同じ場所へ増えるか確認します。
2.夕方の出入り
活動期には、日没前後に安全な地上から出入りを確認できる場合があります。
屋根や梯子へ上る必要はありません。
3.羽音・鳴き声・引っかくような音
天井裏や壁内で音が続く場合、コウモリだけでなく別の動物の可能性も含めて確認します。
4.封鎖箇所の破損
金網、ネット、パテ、シーリング等が剥がれていないか確認します。
5.別の場所の糞
以前と違う位置へ糞が増えている場合、別の侵入口を利用している可能性があります。
再発時は「同じ穴」だけを見ない
初回施工で一か所の換気口を封鎖していても、再発時には建物全体を見直します。
前橋市が挙げているような、
- 換気口
- 通気口
- エアコン配管周辺
- 屋根と壁の隙間
などを中心に、地上から安全に見える範囲で確認します。
高所や屋根は専門業者へ任せます。
再施工の基本は「もう一度追い出す」だけではない
再発時の施工では、原因に応じて工程をやり直します。
- 現在利用している場所を確認する
- 侵入口を再調査する
- 時期・幼獣・冬眠状況を確認する
- 適切な時期に追い出す
- 全個体の不在を確認する
- 既存・新規の侵入口を封鎖する
- 糞・汚染箇所を確認する
- その後、新しい糞・音・出入りがないか確認する
再発防止では、追い出しよりも「全個体不在確認」と「複数の隙間の再封鎖」が重要になる場合があります。
封鎖材を自分で剥がして確認しない
施工後に内部音がするからといって、業者が設置した金網やネット、シーリング材を自分で剥がすのは避けます。
内部にコウモリがいる状態で開放すると再び出入りを許す可能性があります。
また、保証期間中であれば施工状態を変更することで保証判断が難しくなる場合があります。
コウモリを捕まえて外へ出せばよい?
自己判断で捕獲しないでください。
環境省によると、鳥獣保護管理法では、狩猟など法令上認められる場合を除き、野生鳥獣の捕獲・殺傷は原則禁止されています。
被害防止等を目的として捕獲する場合には、原則として許可制度の確認が必要です。
コウモリ対策では、捕獲よりも、適切な時期に追い出し、内部へ残っていないことを確認して侵入口を塞ぐ方法が中心になります。
室内に1匹入った場合と「再発」は分けて考える
窓やドアから偶然1匹だけ室内へ入った場合は、住宅へ定着しているとは限りません。
一方、
- 同じ換気口から毎夕出入りする
- 同じ場所へ糞が繰り返し落ちる
- 天井裏や壁内で継続的に音がする
場合は、住宅内をねぐらとして利用している可能性が高まります。
「一匹迷い込んだ」ケースと、「施工後にねぐら利用が再開した」ケースは分けて判断してください。
再発時に業者へ伝えたい情報
- 前回施工日
- どの場所を封鎖したか
- 再び気づいた日
- 新しい糞の位置
- 物音がする位置・時間帯
- 夕方に飛び出す場所
- 封鎖材の破損が見えるか
- 初回施工時の写真
施工前後の写真があると、新しい侵入口か既施工箇所かを比較しやすくなります。
施工後すぐ再発した場合
数か月後ではなく、施工当日〜数日以内に音が続く場合は、別個体の再侵入だけではなく、内部残存を優先して確認します。
追加封鎖を自分で行わず、施工業者へ早めに連絡してください。
数か月〜翌年に再発した場合
時間が経ってから再発した場合は、
- 新しい隙間
- 封鎖材の劣化
- 見落としていた別侵入口
- 別個体による利用
なども含めて再確認します。
費用が再度かかるかは保証書を確認する
再施工が無料になるかは業者の保証条件によって異なります。
確認したいのは、
- 再発保証期間
- 施工保証の対象箇所
- 新しい侵入口が対象か
- 再封鎖の材料費
- 高所作業費
- 再追い出し費
- 清掃・消毒の再施工
です。
コウモリ固有の保証条件はAR-200で詳しく分けて扱います。
専門業者へ再調査を依頼したい状態
- 屋根・2階軒下など高所から再侵入している
- 封鎖後も内部音が続く
- 侵入口が複数ありそう
- 6〜8月で幼獣が残っている可能性がある
- 冬眠前後で不在確認ができない
- 壁内・屋根裏奥の状況が分からない
- 毎年同じ場所で再発する
- 大量の糞が再び増えている
再依頼時は害獣・害虫駆除業者の選び方、費用比較は害獣・害虫駆除の費用と見積もりも参考にしてください。
よくある質問
コウモリは一度追い出しても戻ってきますか?
戻る可能性はあります。ただし、必ず同じ個体が戻るという意味ではありません。侵入口が残っていれば、以前の個体または別の個体が利用する可能性があります。
侵入口を塞いだのにまた糞があります
以前の糞が残っている可能性と、新しい糞が増えている可能性を分けます。清掃後に新しい糞が出続ける場合は、別の侵入口や封鎖不良を確認します。
忌避剤を使ったのにまた戻ってきました
忌避剤は追い出し補助であり、侵入口が残っていれば再利用される可能性があります。追い出し後の不在確認と封鎖まで行われているか確認してください。
1cmくらいの隙間でも入れますか?
はい。浜松市・鳥取県は、約1cm程度の隙間からコウモリが出入り可能と案内しています。
駆除した翌日も天井裏で音がします
内部に個体や幼獣が残っている可能性があります。追加で穴を塞がず、施工業者へ再点検を依頼してください。
夏に封鎖したらまた音がします
6〜8月は飛べない幼獣が内部へ残る可能性があります。親だけ外へ出た状態で封鎖していないか確認してください。
冬に塞いだのに春になってまた出ました
冬眠・低活動中の個体を不在と判断していた可能性があります。春の新規侵入と決めつけず、施工時期と不在確認方法を見直します。
毎年同じ時期にコウモリが来ます
住宅に利用できる侵入口・ねぐら環境が残っている可能性があります。季節ごとに忌避剤を使うだけでなく、侵入口の再調査を行います。
再発したコウモリを捕まえて外へ出してもよいですか?
自己判断で捕獲・殺傷しないでください。野生鳥獣の捕獲等は鳥獣保護管理法により原則禁止され、許可制度があります。
再発したら業者施工の失敗ですか?
必ずしもそうとは限りません。未発見の侵入口、新しくできた隙間、時期による不在確認の失敗、別個体の利用など複数原因があります。
保証期間中なら自分で直さない方がよいですか?
先に元施工業者へ相談する方がよいでしょう。DIYで封鎖箇所を変更すると、原因確認や保証適用判断が難しくなることがあります。
コウモリ再発は「同じ個体が戻った」と決めつけず原因を分ける
コウモリ駆除後に再び糞・音・出入りが出ても、原因は一つではありません。
確認したいのは、
- 見落とした別の侵入口
- 施工後にできた新しい隙間
- 封鎖材の破損
- 内部に残っていた個体・幼獣
- 冬眠・低活動による不在確認の誤り
- 追い出しだけで封鎖不足
- 別個体の新規利用
です。
コウモリは約1cm程度の隙間から出入りできるため、一か所を塞いだだけで建物全体の対策が完了したとは限りません。
また、6〜8月の幼獣期や冬眠前後では、コウモリが外へ出ていないことを「家の中にいない」と誤認しやすくなります。
再発時は、再び忌避剤を使う前に、侵入口・時期・内部残存の可能性を再確認することが重要です。
施工直後から内部音が続く場合は追加封鎖を避け、元施工業者へ再点検を依頼してください。
