アライグマの侵入口はどこ?屋根・換気口・床下の見つけ方と塞ぐ順番

屋根裏から夜になると大きな足音がする。アライグマらしい姿を庭で見た。糞尿や天井のシミもありそうだ。

ここまで状況がそろうと、次に気になるのは「どこから家の中へ入っているのか」です。

アライグマは地面に近い床下だけでなく、換気口、軒下、屋根まわり、戸袋、増築部分の接続部など、住宅のさまざまな隙間を利用することがあります。木登りも得意で、庭木や電線を使って屋根付近へ到達することもあります。

侵入口を見つけることは再発防止に重要ですが、穴を見つけた直後に完全に塞げばよいわけではありません。

まだアライグマが建物の中にいる状態で出入口を塞ぐと、内部へ閉じ込める可能性があります。まず侵入口候補を探し、現在利用されているか確認し、建物内に個体が残っていないことを確かめてから封鎖する必要があります。

目次

アライグマの侵入口になりやすい場所

横浜市は、アライグマやハクビシンの侵入口候補として床下、換気口、軒下、戸袋などを挙げています。

さらに実際の住宅被害例では、次のような場所から侵入するケースが確認されています。

  • 床下・建物基礎の通風口
  • 換気口
  • 軒下・軒裏の隙間
  • 屋根と屋根が重なる部分
  • 雨戸の戸袋
  • 増築した建物との接続部分
  • 老朽化した外壁の穴・破損部分

一つずつ見ていきます。

1.床下・基礎の通風口

住宅の基礎部分にある通風口は、アライグマの侵入口候補の一つです。

古い住宅では、通風口に取り付けられている金網や格子が、

  • 錆びている
  • 外れている
  • 破損している
  • 周囲のモルタルが欠けている

といった状態になっていることがあります。

外から見ると小さな破損に見えても、実際にはその奥が床下へつながっている場合があります。

床下へ入って確認する必要はありません。まず建物外周を歩き、地上から見える基礎通風口に破損がないか確認します。

2.換気口・通風口

外壁や軒付近に設置された換気口も確認したい場所です。

換気口そのものに金網が付いていても、

  • 網が破れている
  • 固定部分が外れている
  • 枠と外壁の間に隙間がある
  • 経年劣化で周囲が崩れている

といった場合には侵入経路になり得ます。

アライグマは力が強く前足も器用なため、単に軽い板や物を置いただけでは動かされることがあります。

すでに侵入されている可能性がある場合は、換気口を外したり、中へ手を入れたりせず、写真で状態を記録する程度にします。

3.軒下・軒裏

屋根の下側にある軒裏は、高所にあるため普段は状態を確認しにくい場所です。

台風、雨、経年劣化などによって板材が外れたり、隙間が大きくなったりしている住宅では、その部分が侵入口になることがあります。

特に、

  • 板がめくれている
  • 穴が開いている
  • 外壁との接続部分が大きく開いている
  • 周辺に爪跡や汚れがある

場合は注意します。

高所を確認するために脚立や屋根へ上る必要はありません。地上からスマートフォンのズーム等を利用して確認し、必要なら専門家に点検を依頼します。

4.屋根と屋根が重なっている部分

少し見つけにくい侵入口として、屋根同士の接続部分があります。

鎌倉市や横浜市は、屋根と屋根が重なってできた空間から動物が入り込むケースを具体例として紹介しています。

増築や複雑な屋根形状の住宅では、外側からは塞がっているように見えても、奥が天井裏へ通じていることがあります。

このような場所は、一般の居住者が地上から完全に確認するのは難しいため、ほかに侵入口が見つからない場合は大工・工務店・害獣対策業者などによる確認が必要になることがあります。

5.雨戸の戸袋

雨戸を収納する戸袋も侵入口になる場合があります。

戸袋の内部は通常、壁の中へ直接入れない構造になっていますが、

  • 底板がなくなっている
  • ベニヤ板が腐食している
  • 老朽化で穴が開いている

場合には、その奥から壁内部や屋根裏へ移動できることがあります。

古い木造住宅では、戸袋の底や裏側も外観から確認しておきたい場所です。

6.増築部分と既存建物の接続部

後から部屋や設備を増築した住宅では、既存部分との接続箇所に隙間が残ることがあります。

横浜市や鎌倉市も、増築部との接続部分をアライグマ・ハクビシンの侵入口例として紹介しています。

外壁の材質が途中で変わっている場所や、屋根形状が変わっている場所などを地上から確認します。

7.劣化した外壁や破損箇所

古い住宅では、最初から存在する開口部だけでなく、建物の劣化によって後からできた穴も侵入口になります。

特に、

  • 外壁材が剥がれている
  • 木部が腐っている
  • 板が外れている
  • 雨漏り等で材質が弱くなっている

場所は確認しておきます。

町田市は、アライグマについて小さな穴をこじ開けて侵入することがあると案内しています。

したがって、「最初からアライグマが通れる大きな穴がなければ侵入されない」とは考えない方がよいでしょう。

アライグマは何cmの隙間から入る?

東京都環境局は、アライグマについて8cm四方の隙間にも入り込むと説明しています。

一方、自治体によっては「10cm程度の隙間から侵入できる」といった案内もあります。

この数字は、「8cm以上なら侵入する、7cmなら絶対に入らない」という境界線として使うものではありません。

隙間の形、周囲の材質、個体の大きさ、劣化部分を押し広げられるかによって条件が変わります。

住宅点検では、数字だけに頼らず、

  • 動物が通れそうな開口部
  • 壊れた換気口
  • めくれた外壁
  • 軒・屋根接続部の隙間

をまとめて確認する方が適切です。

庭木や電線から屋根へ上ることもある

アライグマの侵入経路を考えるときは、「穴」だけではなく、そこまでどうやって到達したのかも確認します。

東京都環境局は、アライグマについて木登りが得意で、柱に登ったり電線を伝ったりすると説明しています。

板橋区も、樹木や電線を伝って屋根裏へ侵入することがあるとして、屋根へ伸びる庭木の剪定を案内しています。

そのため、

  • 枝が屋根へ触れている
  • 塀から屋根へ移動しやすい
  • 物置が外壁のすぐ横にある
  • 庭木からベランダへ届く

といった環境も確認しておきます。

侵入口だけ塞いでも、別の弱い場所へ簡単に到達できる状態なら、別の侵入口を利用される可能性があります。

侵入口は1か所とは限らない

アライグマ対策で見落としやすいのが、「見つけた一つの穴が唯一の侵入口とは限らない」という点です。

八王子市も、侵入口は1か所とは限らないと明記しています。

例えば、

  • 床下通風口から入る経路
  • 軒下から屋根裏へ入る経路
  • 戸袋から壁内へ入る経路

が同じ住宅に複数存在する可能性があります。

一つの穴だけ補修したあとも屋根裏の音が続く場合、別の侵入口が残っている可能性も考えます。

侵入口を見つけるときは痕跡も確認する

隙間があるだけでは、実際にアライグマが利用しているかは分かりません。

侵入口候補の周辺では、安全に確認できる範囲で次の痕跡を探します。

  • 5本指の足跡
  • 泥や汚れの付着
  • 毛
  • 爪で引っかいたような傷
  • 周辺の糞尿
  • 夜間の出入り

ただし、穴へ手を入れたり、顔を近づけて内部をのぞいたりしないでください。

アライグマは野生動物で、追い詰められた場合には咬傷等の危険があります。

夜間の足音と侵入口の位置を照合する

屋根裏への侵入を疑っている場合は、室内で聞こえる音の位置も手掛かりになります。

町田市は、ネズミによる小さなカサカサ・カリカリ音に対し、アライグマやハクビシンが侵入した住宅では「ドスン」「バタン」といった比較的大きな音の相談例があるとしています。

もちろん、音だけでアライグマとは断定できません。

ただ、

  • 夜間に同じ場所で大きな足音がする
  • その外側に破損した換気口がある
  • 周囲に5本指の足跡がある

など複数の情報が一致する場合は、その場所を侵入経路候補として優先的に確認できます。

まだ動物種そのものが分からない場合は、症状・痕跡から原因を探すページも利用してください。

侵入口を見つけてもすぐ完全に塞がない

アライグマの侵入口らしい穴を見つけた場合でも、建物内に個体が残っている可能性があるなら、すぐに完全封鎖するのは避けます。

鎌倉市も、動物が天井裏に潜んでいる状態で侵入口を塞ぐと、出られなくなるため、塞ぐ前に動物が出たことを確認する必要があると案内しています。

基本的な順番は、

  1. 侵入している動物を確認する
  2. 侵入口候補を特定する
  3. 建物内部から適切に退出させる
  4. 内部に残っていないことを確認する
  5. 侵入口を塞ぐ
  6. 糞尿汚染や建材被害を確認する

となります。

特に繁殖・幼獣の可能性があるときは注意する

屋根裏をねぐらとして利用しているアライグマには、親だけでなく幼獣がいる場合があります。

親が外へ出たからといって、建物内が完全に空になったとは限りません。

複数の鳴き声がする、同じ場所への出入りが続いているなど、内部状況が分からない場合は、自己判断で完全封鎖せず専門調査を検討します。

侵入口は動かされにくい方法で補修する

アライグマは力が強く、前足も器用です。

大阪市は、侵入口へ単に障害物を置いただけでは、成獣に手で動かされる場合があると注意しています。

鎌倉市も、コンクリートブロックや石を置くだけでは動かされることがあるとして、金属製の網や柵などによる修繕を勧めています。

つまり、

  • 物を立てかけるだけ
  • 石を置くだけ
  • 簡単にはがれる材料を貼るだけ

では、再侵入防止として不十分な場合があります。

ただし、高所・屋根・建物構造部の修繕はDIYせず、工務店や専門業者へ依頼した方が安全です。

侵入口を塞ぐだけで終わらせない

アライグマが屋根裏へ侵入していた場合、侵入口を塞いだ後も建物内部に問題が残ることがあります。

確認したいのは、

  • 糞尿
  • 天井のシミ
  • 断熱材の汚染・損傷
  • 悪臭
  • 外壁や屋根材の破損

です。

横浜市の捕獲制度でも、捕獲後の家屋清掃、消毒、侵入口補修まで市が行うわけではないことが明示されています。

「動物を捕まえた=住宅被害まで解決した」ではありません。

侵入停止、封鎖、汚染の処理、必要な修繕までを別々に確認します。

アライグマを自分で捕獲して別の場所へ放してよい?

自己判断では行わないでください。

アライグマは特定外来生物です。

環境省は、特定外来生物について、飼養・保管・運搬や野外への放出等を原則として禁止しています。

また捕獲についても、地域の防除計画や鳥獣保護管理法上の手続きなどが関係します。

神奈川県も、アライグマの捕獲について市町村へ相談するよう案内しています。

したがって、

  • 自分で箱わなへ入れる
  • 生きたまま車で別の場所へ運ぶ
  • 山や河川敷へ放す

という対応を自己判断では行わず、お住まいの自治体の制度を確認してください。

自分で確認できる範囲

住宅の侵入口確認は、危険な場所へ入らなくてもある程度できます。

  1. 夜間の音がする位置を室内から記録する
  2. 家の外周を昼間に地上から見る
  3. 床下通風口・換気口の破損を確認する
  4. 軒下・戸袋・増築部を写真で確認する
  5. 庭木が屋根へ接していないか見る
  6. 侵入口候補周辺の足跡・汚れ・糞を記録する

この範囲を超えて、

  • 屋根へ上る
  • 高い脚立を使用する
  • 狭い床下へ入る
  • 天井裏で野生動物を探す
  • 穴へ手を入れる

必要はありません。

業者へ相談した方がよい状態

次のようなケースでは、侵入口の確認から専門家へ依頼した方がよいでしょう。

  • 侵入口が屋根・2階軒下など高所にある
  • 屋根裏へ毎晩のように侵入している
  • 侵入口候補が複数ある
  • どの穴を実際に利用しているか分からない
  • 外壁や屋根を壊している可能性がある
  • 幼獣がいる可能性がある
  • 糞尿汚染や天井シミが広がっている
  • 捕獲を含む対応が必要になっている

依頼する場合は、「アライグマを追い出す費用」だけではなく、侵入口調査、封鎖、清掃・消毒、建物補修、再発時の保証まで見積もりに含まれているか確認します。

費用については害獣・害虫駆除の費用・相場、依頼先を見るときは駆除業者の選び方も参考にしてください。

よくある質問

アライグマは8cmの隙間から入れますか?

東京都環境局は、8cm四方の隙間にも入り込むと説明しています。ただし、8cmを絶対的な境界として考えないでください。隙間の形状や個体差、周囲の材質をこじ開けられるかでも条件が変わります。

一番多い侵入口はどこですか?

住宅によって異なるため一つには決められません。自治体は床下通風口、換気口、軒下、戸袋、屋根の重なり、増築部分の接続箇所などを具体例として挙げています。

アライグマは屋根まで登れますか?

登れます。東京都環境局は木登り、柱登り、電線を伝う行動を案内しています。庭木が屋根へ触れている住宅などでは、建物上部への移動経路になります。

侵入口を見つけたら夜のうちに塞いでよいですか?

建物内部に個体が残っていないことを確認できていない場合は、完全封鎖を急がない方がよいでしょう。内部に親や幼獣を閉じ込める可能性があります。

一つの穴を塞げば再発しませんか?

侵入口が一つとは限りません。八王子市も複数の可能性を案内しています。建物外周を確認し、ほかに利用できる開口部が残っていないか確認します。

庭にアライグマが来るだけでも家の穴を塞ぐべきですか?

現在使用されていない建物の隙間については、侵入予防として補修することは有効です。ただし、すでに屋根裏などへ侵入している疑いがある場合は、内部に個体がいないことを確認してから完全封鎖します。

自分で捕獲して山へ放してよいですか?

行わないでください。アライグマは特定外来生物で、生体の飼養・保管・運搬・野外放出等には外来生物法の規制があります。捕獲を含め、お住まいの自治体の制度を確認してください。

侵入口は「場所・移動経路・現在の利用」の3つを見る

アライグマの侵入口探しでは、単に穴を一つ見つけるだけでは不十分です。

床下通風口、換気口、軒下、戸袋、屋根の接続部、増築部など、建物側の開口部を確認する。

そのうえで、庭木や電線など、アライグマがそこまで到達する経路を確認する。

さらに足跡、汚れ、夜間の音などから、その穴が現在も利用されているのかを判断します。

侵入口らしい場所を見つけても、建物内に個体が残っている段階では完全に塞ぎません。退出を確認してから堅牢に封鎖し、糞尿汚染や建材被害があれば別に対応します。

まだアライグマかどうか自体が分からない場合は、住宅に侵入する害獣の総合ページや症状・痕跡から探すページから候補を整理できます。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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