アライグマの足跡の見分け方|5本指・大きさとハクビシン・タヌキとの違い

庭やベランダ、屋根裏などで5本指の足跡を見つけると、アライグマが来ているのではないかと気になることがあります。

アライグマの足跡で特に特徴的なのは、前足・後ろ足とも5本指で、指が長く、人の手形のように見えることです。

ただし、5本指の動物はアライグマだけではありません。ハクビシンも前後とも5本指で、アナグマやテンなどにも5本指の足跡が見られます。

そのため、「5本指だった」という一点だけでは断定せず、指の長さ、大きさ、足跡全体の形、爪跡、見つかった場所、糞や夜間の物音、実際に見た動物の顔や尾などを組み合わせて確認します。

確認項目 アライグマの特徴
指の数 前足・後ろ足とも5本
指の形 長く、1本ずつ分かれて見えやすい
足跡の印象 人の手形のように見える
前足の大きさの代表例 長さ約5.5cm・幅約6.0cm
後足の大きさの代表例 長さ約6.5〜8.0cm・幅約5.0〜6.5cm
爪跡 指先に残ることがあるが、常に明瞭とは限らない
外見の補助サイン 目の周りの黒いマスク模様、縞のある尾
目次

アライグマの足跡は前後とも5本指

アライグマの足跡を見分けるうえで、最初に確認したいのが指の数です。

農林水産省の「野生鳥獣被害防止マニュアル 中型獣類編」では、足跡を分類するとき、まず4本指と5本指に分けています。

アライグマは5本指のグループに入り、その中でも指が長いことが重要な識別点になっています。

泥や雪などに鮮明な足跡が残ると、5本の細長い指がそれぞれ独立して見え、人の手を広げたような形になります。

ただし、地面が硬い、泥が浅い、足を斜めに着いたなどの条件では、5本すべてがきれいに残らないこともあります。

指が4本しか見えない足跡を1つ見つけただけで、アライグマを完全に除外するのも避けます。

「人の手のような足跡」が大きな特徴

アライグマの前足は非常に器用です。

農林水産省は、アライグマが前肢を手のように使い、木登りや採食などを行うことを特徴として挙げています。

足跡にもこの構造が表れ、5本の指が長く分かれて残ります。

ハクビシンも5本指ですが、ハクビシンの指跡はアライグマほど長くなく、全体として丸みを帯びる傾向があります。

そのため、5本指を確認した後は、

  • 指が細長く伸びているか
  • 人の手形に近く見えるか
  • それとも丸みのある5本指か

という順序で見ると候補を絞りやすくなります。

アライグマの足跡の大きさは何cm?

行田市は、農林水産省資料をもとにアライグマの足跡について次の寸法を示しています。

足 長さ 幅
前足 約5.5cm 約6.0cm
後足 約6.5〜8.0cm 約5.0〜6.5cm

東京都ペストコントロール協会も同程度の値を代表的な目安として掲載しています。

ただし、この寸法と一致しなければアライグマではない、という意味ではありません。

足跡は、

  • 泥の深さ
  • 地面の硬さ
  • 歩く速さ
  • 足を着いた角度
  • 後足のかかと部分までどこまで接地したか

によって長さや幅が変わって見えます。

大きさは種を絞るための目安として使い、指の形や周辺の痕跡も確認します。

前足と後ろ足では形が少し違う

アライグマの前足は、人の手に近い形が特に分かりやすく残ります。

後足は前足より長く残ることがあり、条件によっては縦長に見えます。

そのため、同じ場所に「小さめの手形」と「それより縦長の足跡」が組み合わさっていれば、判断材料になります。

一方、1個の足跡だけでは前足なのか後足なのか分かりにくい場合があります。

可能なら1つだけを見るのではなく、歩いた方向へ続く複数の足跡を確認してください。

足跡の並び方も補助材料になる

農林水産省の現行マニュアルでは、5本の長い指を持つ動物をさらに判別する際、足跡の並び方も確認項目になっています。

アライグマでは、前後の足跡が近い位置や横に並ぶような形で残る場合があります。

ただし、歩行速度や地面の状況によって足跡の並びは変化します。

「この歩き方だから絶対アライグマ」と判断するのではなく、5本の長い指と併せた補助材料として使います。

爪跡は付く?付かない?

アライグマの足跡には、指の先に爪跡が残ることがあります。

行田市も「指の先端に比較的短い爪跡が残ることもある」と説明しています。

一方、農林水産省の現行資料では、アライグマは通常、爪を補助的に使うとされています。滑りやすい場所を登るときなどには爪をより使います。

そのため、

  • 爪跡があるから必ずアライグマ
  • 爪跡がないからアライグマではない

という判断はできません。

爪跡よりも、5本の指の長さと形を優先して見ます。

アライグマとハクビシンの足跡の違い

住宅周辺では、最も混同しやすい組み合わせの一つです。

アライグマもハクビシンも前後とも5本指なので、指の本数だけでは区別できません。

比較項目 アライグマ ハクビシン
指の数 5本 5本
指の形 長く、はっきり分かれる 比較的短く、丸みがある
全体の印象 人の手形に似る 丸みのある足跡
代表的な前足サイズ 長さ約5.5cm・幅約6cm 長さ約5cm・幅約4cm程度
顔 目の周りが黒いマスク模様 鼻から額へ白い線
尾 黒いリング状の縞 細く長く、明瞭なリング模様はない

5本指であっても、指が長く大きく開いていればアライグマを疑う材料になります。

反対に、全体が丸くコンパクトであればハクビシンも候補になります。

足跡が不鮮明なら、夜間に見えた顔や尾の特徴が非常に有効です。

アライグマとタヌキの足跡の違い

アライグマとタヌキは見た目の顔つきが似ているため、目撃だけでは混同されることがあります。

足跡では比較的分かりやすい違いがあります。

タヌキの通常の足跡では、地面に残る指跡は4本です。

東京都ペストコントロール協会では、タヌキの代表的な足跡を長さ約3.5cm・幅約3cmとしています。

つまり、鮮明な足跡であれば、

  • 長い5本指で人の手形に近い → アライグマ候補
  • 4本指で犬に近い形 → タヌキ候補

という大きな分け方ができます。

ただし、アライグマの5本目の指がきれいに接地しない場合もあるため、1つの不完全な足跡だけで判断しません。

5本指なら全部アライグマではない

5本指は有力な情報ですが、それだけでは不十分です。

農林水産省の足跡判別フローでも、5本指からさらに、

  • 指が長いか
  • 指が丸いか
  • 足底部の形
  • 大きさ
  • 足跡の並び

を使って種を分けています。

ハクビシンやアナグマ、テンなども5本指なので、足跡が崩れている場合は種類を断定しないことが重要です。

庭にアライグマらしい足跡があっても、家に住みついているとは限らない

庭や通路にアライグマらしい足跡を見つけたとしても、その動物が屋根裏に住みついているとは限りません。

夜間の移動経路として敷地を通過しただけの可能性もあります。

家屋利用を疑うのは、足跡に加えて次のようなサインが重なった場合です。

  • 足跡が外壁・雨どい・屋根方向へ続いている
  • 夜に屋根裏から大きめの物音がする
  • 天井に尿によるシミが出ている
  • 屋根裏や床下に糞尿がある
  • 外壁や建物に破損・爪痕がある
  • 夜に縞模様の尾を持つ動物を見た
  • 果実や生ごみなどが繰り返し荒らされる

複数の症状から原因を確認したい場合は、症状・痕跡から探すも参考にしてください。

屋根裏や天井裏の足跡は有力だが、無理に入り込まない

アライグマは建物の屋根裏や壁の隙間を休息や子育てに利用することがあります。

ほこりの積もった屋根裏では、5本指の足跡が比較的残りやすい場合があります。

しかし、足跡を確認するためだけに天井裏の奥へ入る必要はありません。

天井裏では、

  • 天井板の踏み抜き
  • 転落
  • 電気配線への接触
  • 糞尿汚染
  • 野生動物との接近

など別の危険があります。

点検口から安全に見える範囲で写真を撮る程度にし、奥まで調査が必要な場合は専門対応を検討します。

住宅の場所別に原因を整理したい場合は、住宅の場所から探すも利用できます。

足跡を見つけたら消す前に写真を残す

足跡は時間がたつと乾燥したり、人や雨によって消えたりします。

比較的きれいな足跡が残っていれば、掃除や雨で消える前に記録しておきます。

撮影するときは、

  • 足跡全体を真上から撮る
  • 定規やメジャーを横に置く
  • 前後に続く複数の足跡も撮る
  • 歩いている方向が分かる写真を撮る
  • 足跡があった場所全体も撮る

ようにすると、後から比較しやすくなります。

手のひらや靴を横へ置くより、定規を使った方が実際の寸法を残せます。

足跡に直接触れる必要はない

足跡だけを確認するために、土や泥を手で触ったり、周囲の糞をつぶしたりする必要はありません。

特に糞が一緒に見つかった場合は、素手で触れず写真と場所を記録します。

正体不明の糞から動物を絞りたい場合は、症状・痕跡から探すから確認できます。

夜に姿を見たら「顔」と「尾」を見る

足跡だけでハクビシンとの区別が難しい場合、実際の姿は非常に有力な情報です。

アライグマでは、

  • 目の周囲に黒いマスク状の模様
  • 耳の縁が白く目立つ
  • 白いヒゲ
  • 太めの尾に複数の縞模様

が特徴です。

ハクビシンは、鼻から額へ伸びる白い筋と、細く長い尾が特徴です。

暗い場所で近づいて確認する必要はありません。室内や十分離れた場所から写真・動画を撮影できれば記録します。

柱や雨どいの爪痕も補助材料になる

アライグマは木登りが得意で、前足を器用に使って建物へ登ることがあります。

農林水産省によると、通常は爪を補助的に使いますが、滑りやすい場所や後肢を引き上げる場面では爪を利用します。

そのため、柱や建物周辺に爪痕が残る場合があります。

ただし、傷だけからアライグマと断定することはできません。

足跡や夜間の目撃などと組み合わせて確認します。

足跡を見つけても自分で捕まえない

アライグマは環境省が指定する特定外来生物です。

特定外来生物については、飼養・保管・運搬や野外への放出などが原則として規制されています。

また、アライグマは哺乳類であり、捕獲には鳥獣保護管理法上の手続きも関係します。

自治体によっては外来生物法に基づく防除計画の中で捕獲事業を行っているため、足跡を確認したからといって家庭で箱わなを設置し、捕まえた個体を持ち運んだり別の場所へ放したりする方法は避けてください。

アライグマらしい痕跡が継続する場合は、所在地の自治体に防除制度があるか確認します。

侵入口らしい穴を見つけても、すぐ完全封鎖しない

足跡が屋根や軒へ続いていて侵入口らしい隙間を見つけても、内部に個体が残っている可能性がある状態で完全に塞ぐのは避けます。

アライグマは家屋の屋根裏や壁の隙間を休息・子育て場所として利用することがあります。

特に春から初夏は子育て中の個体がいる可能性もありますが、季節だけで内部の在不在は判断できません。

基本的には、

  1. 現在利用しているか確認する
  2. 動物種を絞る
  3. 自治体制度や適法な対応方法を確認する
  4. 必要な追い出し・防除を行う
  5. 内部に個体が残っていないことを確認する
  6. 侵入口を封鎖する

という順序で考えます。

アライグマらしい足跡を見つけた後に確認したいこと

足跡だけではなく、建物周辺を安全な範囲で確認します。

確認するもの 見るポイント
足跡 5本指、長い指、大きさ、複数の歩行跡
目撃 黒いアイマスク、縞模様の尾
音 夜間に屋根裏・天井裏で大きめの移動音がないか
糞尿 屋根裏・床下・庭などに排泄物がないか
天井 尿等によるシミがないか
建物外周 屋根・軒・壁などに侵入口候補や破損がないか
庭 果実・生ごみ・飼料等への被害がないか

害獣全般から候補を整理したい場合は、害獣のページも参考にしてください。

専門調査を検討した方がよいケース

  • 5本指の足跡が繰り返し現れる
  • 足跡が屋根・軒・床下の侵入口まで続いている
  • 夜間に屋根裏から大きな足音がする
  • 天井にシミや強い臭いが出ている
  • 屋根裏・床下に糞尿がある
  • 建物が壊されている
  • 縞模様の尾を持つ動物を繰り返し見ている
  • 高所に侵入口があり自分では確認できない
  • ハクビシン等との区別がつかない
  • 子どもがいる可能性を否定できない

このような場合は足跡の同定だけでなく、現在の在不在、侵入口、糞尿汚染、建物被害まで含めて調査します。

依頼費用については害獣・害虫対策の費用、依頼先を比較するときは業者選びのページも参考にしてください。

アライグマの足跡は「長い5本指」を中心に見分ける

アライグマの足跡を見分ける最大の手掛かりは、前足・後ろ足ともに5本指で、指が長く、人の手のように見えることです。

代表的な目安では、前足が長さ約5.5cm・幅約6cm、後足が長さ約6.5〜8cm・幅約5〜6.5cmですが、実際の足跡は地面や歩き方によって変化します。

ハクビシンも5本指なので、5本指という情報だけで断定してはいけません。

長い指と人の手に近い形、大きさ、足跡の並び、黒いアイマスク、縞模様の尾、屋根裏の音や糞尿などを複数組み合わせることが重要です。

庭に足跡が1つあるだけなら通過した可能性もあります。住宅内部のサインが重なっている場合に、家屋への侵入・定着を疑います。

また、アライグマは特定外来生物です。自分で捕まえて移動させたり別の場所へ放したりせず、継続的な被害がある場合は自治体の防除制度や専門業者への相談を検討してください。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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