シロアリ駆除や予防施工をしたあとに、再び羽アリや蟻道、生きたシロアリを見つけることはあります。
ただし、再びシロアリが確認されたからといって、すぐに「前回の施工が失敗だった」とは断定できません。施工した範囲に残っていた可能性だけでなく、施工対象外だった場所からの侵入、別のシロアリ集団による再侵入、建物の水漏れや改修による条件変化など、複数の可能性があります。
過去の施工に保証が付いている場合は、自己判断で薬剤を追加する前に、保証書と施工内容を確認することが重要です。保証期間中であれば、再施工が無償になる場合もあります。
シロアリは駆除後でも再発することがある
シロアリ防除は、一度施工すればその住宅に永久にシロアリが入らなくなる仕組みではありません。
日本しろあり対策協会も、予防施工から1年後にシロアリが確認された場合について、保証書を確認し、まず施工業者へ相談するよう案内しています。
「また出た」という現象には、少なくとも次のようなケースがあります。
| 考えられる状況 | 確認したいこと |
|---|---|
| 前回の施工範囲外から侵入した | 施工図、施工範囲、保証対象範囲 |
| 部分施工だった | 家全体を処理したのか、一部だけだったのか |
| 処理できなかった場所がある | 床下に入れない場所、壁内、水回りなど |
| 別のシロアリが再侵入した | 新しい蟻道、発生位置、侵入経路 |
| 雨漏り・水漏れなど建物条件が変化した | 浴室、洗面所、配管、雨漏り、床下の水分 |
| 前回施工から年数が経過した | 施工日、使用薬剤、工法、保証期間 |
| 前回とは異なる種類のシロアリ | 羽アリや糞などから種類を再確認 |
再発時には、単に「前回の薬剤が効かなかった」と考えるのではなく、どこから、どの種類が、どの範囲に再び現れたのかを確認する必要があります。
駆除後にまたシロアリが出たら最初にすること
- 羽アリ・蟻道・生きたシロアリの写真を撮る
- 発見した日時と場所を記録する
- 保証書・施工報告書・見積書を確認する
- 保証期間内なら、施工した業者へ先に連絡する
- 再点検が終わるまで、むやみに薬剤を追加したり蟻道を壊したりしない
特に保証期間内の場合、先に別業者へ施工を依頼したり、自分で大量の薬剤処理をしたりすると、元の状態を確認しにくくなります。保証条件によっては対応範囲にも影響する可能性があるため、契約内容を確認してから動く方が安全です。
羽アリが出た場合は発生場所を残しておく
施工後に羽アリが出ると、すぐに殺虫スプレーを大量に使いたくなるかもしれません。
日本しろあり対策協会は、羽アリが発生した場合、可能であれば殺虫剤を使わず、発生した場所を記録し、出てきた虫を袋などに保管して業者へ見せるよう案内しています。
目の前の羽アリを減らしても、建物内部の発生場所や侵入経路まで解決したことにはなりません。
再発の原因1|一部だけ施工していた
過去にシロアリが見つかった部屋や浴室だけを処理していた場合、別の場所からシロアリが侵入する可能性があります。
日本しろあり対策協会は、部分的な施工だけで家全体を守ることは難しく、原則として建物全体の対策を勧めています。
前回の工事が部分施工だった場合は、次の点を確認します。
- どこまで薬剤処理したか
- 土壌処理と木部処理の両方を行ったか
- 床下に入れず処理できなかった場所がなかったか
- 浴室・玄関・増築部などが施工対象外になっていなかったか
「再発した場所だけをその都度処理する」という対応を繰り返している場合は、住宅全体の侵入経路を改めて点検した方がよいことがあります。
再発の原因2|別のシロアリが再侵入した
駆除後に再びシロアリが確認されても、それが以前とまったく同じ巣や集団とは限りません。
地下シロアリを対象とした研究では、処理によって元のコロニーが消失したあと、別のコロニーがその場所へ再侵入した例が遺伝解析によって確認されています。
ただし、一般住宅で羽アリや蟻道を見ただけでは、「以前の巣が残っていたのか」「別の巣から新たに侵入したのか」を見分けることはできません。
そのため、再発したという事実だけから前回の施工不良を断定するのではなく、施工範囲と現在の侵入経路を改めて調べます。
再発の原因3|雨漏り・水漏れなど住宅側の条件が変わった
ヤマトシロアリは、湿気が多い場所や水回り付近で被害が見つかることが多いシロアリです。
施工後に次のような変化が起きている場合は、防蟻処理だけでなく住宅側の問題も確認します。
- 浴室や洗面所で水漏れが起きた
- 給排水管から漏水している
- 屋根や外壁から雨漏りしている
- 床下に水がたまるようになった
- 増改築で新しい木部や基礎が加わった
- ウッドデッキや木材を建物周辺に設置した
日本しろあり対策協会も、シロアリ被害を受けやすい場所と木材腐朽が起こりやすい場所には、水分条件など共通する要因があると説明しています。
再施工だけでなく、漏水や雨漏りがある場合は、その原因を修理しなければ同じ場所で問題が続く可能性があります。
再発の原因4|薬剤の効果期間を過ぎている
日本しろあり対策協会が認定する一般的な防蟻薬剤は、5年間を効果期間の目安としています。
そのため、標準的な薬剤処理では5年ごとの再処理が一つの目安になります。
ただし、「施工から5年を過ぎた瞬間にシロアリが侵入する」という意味ではありません。協会も、5年を過ぎたからすぐ被害が出るわけではないと説明しています。
反対に、保証期間中だから絶対にシロアリが出ないという意味でもありません。実際に発生した場合に、再施工などをどこまで保証するかが保証制度の役割です。
駆除後に羽アリが出たら施工失敗なのか
駆除後に羽アリが出た場合も、発生時期や工法、発生場所を確認せずに施工失敗とは判断できません。
確認したいのは、次のような情報です。
- 施工から何日・何か月経過しているか
- 施工前と同じ場所から出ているか
- 室内から大量に出ているか
- 屋外の照明付近に飛来しただけか
- ヤマトシロアリ、イエシロアリなど種類を確認できるか
- 新しい蟻道ができていないか
家の中や壁・床の隙間などからまとまって羽アリが出ている場合は、施工業者へ連絡し、再点検を受けるのが適切です。
保証期間内なら同じ業者へ連絡する
シロアリ工事後に再発した場合、最初に確認したいのが保証書です。
日本しろあり対策協会は、施工後1年でシロアリが出たケースについて、一般的には5年保証が付いていることが多いため、まず施工業者へ相談するよう案内しています。
保証書では、少なくとも次の項目を確認します。
| 確認項目 | 見る内容 |
|---|---|
| 保証期間 | 施工日から何年間か |
| 対象となるシロアリ | ヤマトシロアリ・イエシロアリなど |
| 保証範囲 | 建物全体か、施工した部分だけか |
| 再施工 | 無料か、条件付きか |
| 建物修復 | 修復費まで対象か、上限はいくらか |
| 免責条件 | 漏水、増改築、災害、未施工箇所など |
| 定期点検 | 保証継続に点検が必要か |
「5年保証」と書かれていても、どの会社でも同じ内容ではありません。
再施工は無料になるのか
保証期間内の再発では無料再施工を行う業者がありますが、すべてのケースが無条件で無料になるわけではありません。
日本しろあり対策協会も、再発時にどこまで責任を負うかは保証書の内容によると説明しています。
たとえば、保証内容が「再発したシロアリの再駆除」までであれば、食害された根太や土台などの修復費用は別になることがあります。
一方、修復補償付きの保証では、一定額まで建物の修復費用が対象になる場合があります。
無料か有料かを判断するときは、「再施工費」と「被害部分の修復費」を分けて確認してください。
シロアリ駆除と建物補修は別に考える
シロアリを駆除しても、すでに食害された木材の強度が元に戻るわけではありません。
土台、柱、根太、床組みなどに大きな被害がある場合は、シロアリ施工とは別に補修や交換が必要になることがあります。
リフォーム中にシロアリ被害が見つかった場合、日本しろあり対策協会は、部材交換後に防蟻処理した方がよい場合もあれば、リフォーム後には施工できなくなる場所を先に処理した方がよい場合もあるため、リフォーム業者とシロアリ業者で打ち合わせるよう案内しています。
床の沈み、柱の大きな食害、建具の異常などがある場合は、シロアリの再施工だけでなく建物側の確認も行います。
バリア工法とベイト工法では再発時の確認方法が違う
薬剤散布・バリア工法
一般的な薬剤施工では、土壌処理や木部処理によってシロアリを駆除し、地中からの侵入を防ぐ層を形成します。
再発時には、どこを処理したか、処理できなかった場所がなかったか、新しい侵入経路ができていないかを再確認します。
ベイト工法
ベイト工法は、住宅周囲などにステーションを設置し、シロアリの活動を定期的に確認する方式です。
シロアリの活動を確認した場合にベイト剤を使用し、駆除後もモニタリングを続けます。
そのため、ベイト工法を利用している場合は、自己判断で別の薬剤を追加する前に、契約している管理会社へ連絡し、ステーションの活動状況を確認してもらう方が合理的です。
再発したときにDIY薬剤を追加する前に確認すること
過去に専門施工を受けている住宅では、再発サインを見つけてすぐ市販薬を追加するよりも、前回の施工内容を確認する方が先です。
特に保証期間内では、次の情報を残しておきます。
- 羽アリやシロアリの写真
- 発生した場所
- 発生日時
- 蟻道の位置
- 前回施工日
- 前回施工した範囲
- 保証書
- 施工報告書
床下へ無理に入り、自分で全面散布や構造材への穿孔・薬剤注入を行うことは勧められません。
自宅で確認できる範囲と専門施工の境界については、シロアリ対策の総合ページも参考にしてください。
定期点検は再発の早期発見に役立つ
シロアリは木材内部や床下など、普段見えない場所で活動することがあります。
日本しろあり対策協会も、被害をできるだけ早く発見するため、定期的な調査を重要としています。
点検の頻度は施工業者や工法、保証条件によって異なります。「毎年点検しなければならない」「5年間は何もしなくてよい」と一律には決められません。
保証書や契約内容に定期点検の規定がある場合は、その条件に従います。
施工業者の説明に納得できない場合
まず前回施工した業者に再点検を依頼し、次の点を説明してもらいます。
- 今回の発生場所
- 前回の施工範囲
- 再発したと考えられる理由
- 保証対象かどうか
- 再施工する範囲
- 再施工費の有無
- 建物補修が必要か
説明と保証書の内容が一致しない、施工範囲について説明が不十分、追加工事の必要性に納得できないといった場合は、別の業者へ点検や見積もりを依頼して比較する方法もあります。
依頼先を比較するときは、害獣・害虫駆除業者の選び方や駆除費用・相場の情報も確認してください。
よくある質問
シロアリ駆除後にまた出たら施工ミスですか?
再発だけでは施工ミスとは断定できません。部分施工や未処理箇所、別経路からの再侵入、建物条件の変化なども考えられます。保証書と施工範囲を確認し、まず施工業者へ再点検を依頼します。
施工後すぐに羽アリが出たらどうすればよいですか?
発生場所を記録し、可能なら個体を一部保管します。再点検前に大量の殺虫剤を使用すると発生状況を確認しにくくなるため、施工業者へ連絡して指示を受ける方がよいでしょう。
5年保証中なら再施工は無料ですか?
無料再施工を含む保証は多くありますが、保証範囲や免責条件は業者ごとに異なります。施工箇所のみ対象、特定のシロアリだけ対象、修復費は別といった条件もあるため、保証書を確認してください。
5年以内に再発したら薬剤が効いていなかったということですか?
必ずしもそうとは限りません。前回の施工範囲外や新しい侵入経路から入った可能性もあります。5年という数字は一般的な認定薬剤の効果期間・保証期間の目安であり、5年間絶対に発生しないことを意味するものではありません。
以前と同じ巣のシロアリか分かりますか?
一般住宅で見つかった羽アリや蟻道だけから、以前と同一のコロニーか別のコロニーかを判断することは困難です。研究では遺伝解析によってコロニーを識別しています。
再発したら別の業者に頼んでもよいですか?
保証期間中であれば、先に元の施工業者へ連絡した方がよいでしょう。再施工や補償の対象になる可能性があるためです。説明に納得できない場合は、その後に別業者の点検や見積もりを取って比較できます。
