シロアリ駆除後に再発したら?原因・保証・再施工の確認ポイント

過去にシロアリ駆除や予防工事をした家で、再び羽アリが出た、蟻道ができた、木材の食害が見つかった。このような状態になると、「前回の駆除が失敗だったのでは」と考えたくなります。

ただし、シロアリが再び確認された理由は一つではありません。

前回の施工範囲が部分的だった、構造上処理しにくい場所が残っていた、施工から時間が経過している、雨漏りや水漏れなど住宅環境が変わった、以前とは別の場所から侵入した、といった複数の可能性があります。

再発を見つけたら、先に大量の殺虫剤を使うのではなく、発生場所を記録し、前回の保証書と施工内容を確認してから再調査につなげることが重要です。

状況 最初に確認すること
施工から1〜5年以内に再び出た 保証期間・施工範囲・保証対象種を確認し、原施工業者へ連絡
同じ場所から再発した 前回その場所をどのように施工したか再確認
別の場所から発生した 家全体の施工だったか、未処理部・新しい侵入経路がないか確認
部分施工しかしていない 施工していない範囲を含め家全体を再調査
5年以上経過している 保証だけでなく防蟻効果の更新時期として再点検・再施工を検討
雨漏り・水漏れがある シロアリ対策と同時に水分問題も修理
床が沈む・構造材が傷んでいる 駆除だけでなく建築側の補修・安全確認も検討
目次

シロアリ駆除後にまた出たら「施工失敗」とは限らない

駆除後にシロアリが確認されれば、施工が十分だったのか確認する必要はあります。

一方で、再発という結果だけから、すぐに「前回の業者が手抜きをした」と断定することはできません。

確認すべきなのは、

  • 前回どこまで施工したか
  • 家全体か部分施工か
  • どの工法だったか
  • 今回どこから発生したか
  • 前回と同じ種類のシロアリか
  • 施工後に雨漏り・水漏れ・リフォーム等がなかったか
  • 施工から何年経過しているか

です。

この情報を整理してから、再施工が必要なのか、保証対象なのかを判断します。

再発を見つけたら最初に写真を撮る

羽アリ、蟻道、食害などを見つけたら、掃除・破壊・殺虫剤処理をする前に記録します。

写真では、

  • 発生場所全体
  • 虫体の拡大
  • 蟻道の位置
  • 被害木材
  • 床・柱・壁との位置関係

が分かるように残します。

日付と発見時刻も記録してください。

羽アリが出ている場合は、安全にできるなら一部を袋や容器に入れて保管しておくと、種類確認の材料になります。

羽アリには、できればすぐ殺虫剤をかけない

日本しろあり対策協会は、羽アリが発生して業者を呼ぶ場合、できれば殺虫剤を使用せず、そのままにしておくよう案内しています。

殺虫剤によって虫が逃げる可能性があるためです。

どうしても使用する場合でも、

  • どこから出てきたか記録する
  • 出てきた個体を一部保管する

ことが推奨されています。

目の前の羽アリを殺すことと、建物内部のシロアリ被害を再駆除することは別です。

保証書・施工報告書を探す

再発を見つけたら、前回施工時の書類を確認します。

探したいのは、

  • 保証書
  • 施工証明書
  • 契約書
  • 見積書
  • 施工報告書
  • 施工写真

などです。

最低限、

  • 施工日
  • 施工した会社
  • 施工範囲
  • 施工方法
  • 保証期間
  • 保証対象となるシロアリ
  • 無料再施工の条件
  • 修復補償の有無

を確認します。

1年後でもシロアリが出ることはある?

日本しろあり対策協会には、「予防工事をしてから1年後にシロアリが出た」という相談事例があります。

同協会は、この場合はまず保証書を確認し、施工業者へ相談するよう案内しています。

つまり、

「5年保証だから5年間はシロアリが絶対に出ない」

という意味ではありません。

保証は、一定期間内に再発した場合の対応条件を定めているものです。

1年しか経っていないから自己負担で別業者を呼ぶ、あるいは自分で追加施工する前に、前回の契約内容を確認してください。

保証期間内なら、まず前回の施工業者へ連絡する

施工から5年以内など保証期間中であれば、まず原施工業者へ連絡するのが基本です。

連絡するときは、

  • 施工日
  • 契約者名
  • 発生した場所
  • 発生日
  • 羽アリ・蟻道・食害等の種類
  • 写真があること

を伝えます。

この時点では、

「無料で全部直してほしい」

と内容を先に決めるより、まず保証書に基づいて現地を再確認してもらいます。

保証期間内なら必ず無料で全部直る?

そうとは限りません。

日本しろあり対策協会は、保証内容を協会として統一していないとしています。

業者によって、

  • 再発したシロアリの無料再施工まで
  • 一定条件で建物修復費も補償
  • 修復補償に上限金額がある
  • 対象となる施工範囲が限定されている
  • 特定のシロアリだけが保証対象

など内容が異なります。

「5年保証」という年数だけを見ず、何を5年間保証しているのか確認してください。

無料再施工と修理代の補償は別

日本しろあり対策協会には、施工2年後に再発し、被害を受けた根太の交換まで求めたいという相談事例があります。

協会は、どこまで責任を負うかは保証書の記載内容によるとしています。

保証によっては、

再発したシロアリを再施工するところまで

が対象で、木材交換などの修復費は含まれない場合があります。

修復補償がある場合も、上限金額・対象部位・条件を確認します。

現在の業者保証でも適用条件がある

現在の大手サービスでも、5年保証や再発時の再施工を用意している例があります。

たとえばダスキンのバリア工法では、5年間の保証期間中に新たなシロアリが発生した場合の再サービスを案内していますが、適用条件があります。

アサンテも5年間保証と、保証期間中にシロアリが再発した場合の無償再処理を案内しています。

ただし、これは各社のサービス例です。

全国共通で、どの業者も同じ保証内容という意味ではありません。

部分施工だった場合は再発原因を詳しく確認する

前回、シロアリが出た部屋だけ、浴室だけ、玄関だけなど部分的に施工していた場合は、施工していない場所も含めて再調査する必要があります。

日本しろあり対策協会は、同じ部屋へ部分施工を繰り返しても再発するという相談に対し、基本的に部分施工で家全体を守ることは難しいと案内しています。

したがって、

  • 今回も同じ場所だけ処理するのか
  • 建物全体へ侵入がないか確認したか
  • ほかの基礎・土台・水回りを見たか

を確認します。

前回「出た場所だけ」に薬剤を使っていなかったか

目に見える被害箇所だけを処理しても、シロアリが利用している経路全体へ対応できていない場合があります。

日本しろあり対策協会は、床下だけの処理では駆除が不完全になる可能性があるケースも示しています。

建物の構造や被害場所によっては、柱や床上側など別の処理が必要になる場合があります。

再発時の調査では、前回、

  • どの木部を処理したか
  • 土壌処理をしたか
  • 穿孔・注入処理をした場所
  • 施工できなかった場所

を確認します。

施工から5年以上経っている場合

日本しろあり対策協会は、認定薬剤の有効期間を5年としています。

5年を過ぎた瞬間にシロアリ被害が発生するという意味ではありませんが、確実に予防を続けるためには再施工を勧めています。

そのため、前回施工から、

  • 6年
  • 8年
  • 10年

など経過してから再び発生した場合は、単純に「保証期間後に前回施工が失敗した」と考えるより、現在の防蟻状態をあらためて調査します。

前回の薬剤処理から長期間経過していれば、再施工時期そのものに達している可能性があります。

5年以内の再発と5年超の再発では確認順序が少し違う

5年以内なら、まず保証条件を確認します。

5年を超えている場合は、保証終了後である可能性が高いため、

  • 現在どこまで被害があるか
  • 再処理する範囲
  • 現在の工法
  • 今後の保証

を改めて見積もります。

ただし、5年以外の保証・工法もあるため、実際の契約書を優先してください。

雨漏り・水漏れが起きていないか確認する

施工後に住宅環境が変化している場合があります。

東京都保健医療局は、シロアリ予防として床下の湿気を減らし、雨漏り・水漏れを放置しないことを案内しています。

国土交通省も、雨水、結露、地面からの湿気による木材の腐朽や蟻害を軽減するため、湿気への対策が重要としています。

再発した場所の近くで、

  • 雨漏り
  • 浴室からの漏水
  • 洗面・キッチン配管からの水漏れ
  • 結露
  • 床下の排水不良

などが発生していないか確認します。

シロアリだけを再処理しても、水分問題が残っていれば住宅側の劣化原因は解消されません。

湿気があれば必ず再発するわけではない

湿気は重要な確認項目ですが、

「床下が湿っている=シロアリ再発の原因が確定」

とは言えません。

シロアリの種類によって生態が異なります。

特にイエシロアリは水を運ぶ能力があるため、単に床下を乾燥させればすべてのシロアリ問題が解決するわけではありません。

湿気対策は住宅環境改善の一部として行い、防蟻施工の代わりにはしません。

リフォーム・増改築をした場合も施工範囲を確認する

前回のシロアリ工事後に、

  • 増築
  • 浴室リフォーム
  • 床の張り替え
  • 玄関工事
  • 基礎・配管工事

などを行っている場合は、その部分と前回の防蟻施工の関係を確認します。

日本しろあり対策協会も、リフォームとシロアリ施工の順序について、施工できなくなる部分が生じる場合にはシロアリ業者とリフォーム業者が立ち会って打ち合わせることを勧めています。

新しく施工した部分や、工事によって状態が変わった場所が前回の保証・施工範囲に含まれるとは限りません。

前回と同じ種類のシロアリか確認する

再発時には、シロアリの種類も確認します。

住宅で問題になるシロアリには、

  • ヤマトシロアリ
  • イエシロアリ
  • アメリカカンザイシロアリ

などがあります。

生態や被害場所、防除方法は同じではありません。

日本しろあり対策協会は、保証内容について協会が統一基準を定めているわけではないとしており、保証書に特定の種類だけが記載されているケースもあります。

羽アリや糞などを再び見つけたら、「前回と同じシロアリ」と決めず種類を確認します。

アメリカカンザイシロアリでは施工方法が違うことがある

アメリカカンザイシロアリは、地中から蟻道を作って侵入するヤマトシロアリ等とは生態が異なります。

現在の専門サービスでも、アメリカカンザイシロアリは通常のバリア工法とは施工方法が異なるとして別見積もりにしている例があります。

以前の施工対象種と今回の種類が異なれば、同じ「再発」という言葉でも必要な施工は変わります。

以前の食害跡だけなら現在活動中とは限らない

駆除前にできた木材の食害跡は、木材を交換しない限り施工後も残ります。

そのため、古い食害跡を再び見つけただけでは、現在シロアリが活動しているかまでは判断できません。

現在の活動を確認するには、

  • 生きたシロアリ
  • 新しい羽アリ
  • 新しく形成された蟻道
  • 新しい糞
  • 被害範囲の拡大

などを確認します。

古い跡か新しい活動か分からない場合は、自分で木材を削り広げず、施工業者に確認してもらいます。

蟻道を見つけても全部壊さない

蟻道はシロアリが移動するための重要な痕跡です。

再調査前にすべて破壊すると、

  • どこから侵入していたか
  • どこまで続いているか
  • 現在活動しているか

を確認しにくくなる場合があります。

まず写真に残し、場所を業者へ見せます。

床が沈む・柱が大きく傷んでいる場合は駆除だけで終わらない

シロアリ駆除は虫を止める工事です。

すでに構造材が大きく食害されている場合、薬剤を使っても失われた木材の強度が元に戻るわけではありません。

次の状態があれば、建築側の確認も検討します。

  • 床が大きく沈む
  • 床がふわつく
  • 柱・土台が大きく空洞化している
  • 建具が急に動きにくくなった
  • 木材の断面が大きく失われている

シロアリ業者による再施工と、工務店等による補修は分けて見積もる場合があります。

再調査で業者に確認したいこと

再発時の現地調査では、次を質問します。

  • 今回、生きたシロアリは確認できたか
  • 種類は何か
  • 前回施工した場所から出ているか
  • 前回未処理だった場所から出ているか
  • 施工範囲は家全体だったか
  • 現在の被害範囲はどこまでか
  • 雨漏り・漏水等の原因があるか
  • 再施工は保証対象か
  • 保証外になる部分はどこか
  • 木部補修が必要か

「また薬剤をまけばいい」だけで再施工を決めない

同じ場所で繰り返し発生している場合は、原因を確認せず、その都度同じ場所だけを処理する方法でよいか見直します。

特に部分施工後に繰り返している場合は、家全体の侵入状況を確認した方がよいでしょう。

再施工前には、

  • なぜ再発したと考えるのか
  • 前回施工との違いは何か
  • 今回はどこまで処理するのか
  • 再施工後の保証はどうなるか

を説明してもらいます。

再施工方法は住人が一方的に指定するものではない

「前回は一部しか穴を開けなかったから、今回は全部の柱へ穴を開けてほしい」と考えることもあります。

ただし、日本しろあり対策協会は、再発時にどの方法で再施工するかは業者の判断になるとしています。

必要な処理は、被害位置、構造、種類、使用する工法で異なります。

納得できない場合は、なぜその再施工方法なのか説明を求めたり、別の専門業者へセカンドオピニオンを求める方法があります。

保証内の再施工でも新しい保証が5年付くとは限らない

保証期間中に無料再施工を受けた場合、そこから新たに5年間保証が延長されるかどうかは契約内容次第です。

元の施工日からの保証期間がそのまま続く場合も考えられます。

再施工前に、

  • 再施工後の保証終了日はいつか
  • 保証が延長されるか
  • 再施工部分だけ保証されるか

を確認してください。

定期点検を受けているかも確認する

保証制度によっては、保証期間中の定期点検を条件にしている場合があります。

現在のサービス例では、ダスキンは保証期間中に毎年1回のハウジングチェックを実施し、一定の保証では点検を受けることが保証条件になっています。

アサンテも5年間保証と定期点検を案内しています。

これも各社の契約条件なので、自分の保証書を確認してください。

前の業者の説明に納得できない場合

保証範囲や再施工方法について説明を受けても、

  • なぜ保証対象外なのか分からない
  • 施工範囲の説明と実際が違うように思える
  • 同じ場所で何度も再発している
  • 再施工の方法に納得できない

場合は、別のシロアリ業者へ現在の状態を調査してもらう方法があります。

その際は、前業者の施工報告書や保証書も見せます。

ただし、保証期間中に別業者へ先に施工を依頼すると、元の保証との関係が複雑になる可能性があります。

調査と施工を分け、先に保証条件を確認してください。

契約・保証をめぐるトラブルになった場合

再発時の保証内容や修繕費用をめぐり、施工業者との話し合いで解決できない場合があります。

日本しろあり対策協会は、契約に関するトラブルについて住宅リフォーム・紛争処理支援センターを案内しています。

同センターの「住まいるダイヤル」は、国土交通大臣指定の住宅相談窓口で、建築士等による相談を受け付けています。

契約書、保証書、施工写真、今回の被害写真などを整理してから相談すると状況を説明しやすくなります。

再発後に自分でできること

再発を疑った時点で自分でできるのは、主に証拠と情報の整理です。

  1. 発生場所を写真に残す
  2. 日付・時間を記録する
  3. 羽アリなら一部の個体を保管する
  4. 蟻道をむやみに全面破壊しない
  5. 保証書・施工報告書を確認する
  6. 施工日と施工範囲を確認する
  7. 保証期間内なら原施工業者へ連絡する
  8. 再調査で再発原因と施工範囲を確認する

既存被害を自分で完全駆除しようとして、床下へ無理に入り、構造材へ穴を開けたり薬剤を注入したりすることは避けます。

再発時に確認する順番

  1. 本当に現在活動しているシロアリか確認する
    羽アリ、生体、新しい蟻道などを記録します。
  2. 保証書を確認する
    期間、対象種、施工範囲、無料再施工、修復補償を見ます。
  3. 前回の施工内容を確認する
    全体施工か部分施工か、施工できなかった場所がないか確認します。
  4. 原施工業者へ連絡する
    保証期間中ならDIYや別業者施工より先に連絡します。
  5. 家全体を再調査する
    今回出た場所だけでなく、基礎・土台・水回りなどを確認します。
  6. 住宅環境の変化を確認する
    雨漏り、水漏れ、湿気、増改築等を確認します。
  7. 再施工内容を確認する
    なぜその方法・範囲なのか説明を受けます。
  8. 建物補修が必要か確認する
  9. 再施工後の保証条件を確認する

シロアリ再発では「何が原因か」を調べてから再施工する

シロアリ駆除後に再び羽アリや蟻道を見つけても、原因は一つとは限りません。

確認したいのは、

  • 部分施工・未処理部が残っていなかったか
  • 建物構造上、処理できなかった場所がないか
  • 施工から何年経っているか
  • 雨漏り・水漏れなど住宅環境が変化していないか
  • リフォーム・増改築がなかったか
  • 前回と今回のシロアリ種が同じか
  • 保証がどこまで適用されるか

です。

再発=前回施工失敗、保証=修理代まで全部無料、と単純には考えず、前回の契約と現在の建物状態を照らし合わせることが重要です。

保証期間内なら、まず写真・虫体・施工書類を残して原施工業者へ連絡してください。

同じ場所へ部分処理を繰り返している、説明に納得できない、保証対象外と言われた理由が分からない場合は、別業者による調査や住宅相談窓口を利用する方法もあります。

シロアリ全般の確認はシロアリ対策、症状から原因を確認する場合は症状・痕跡から探す、再施工費用を比較する場合は費用・相場、依頼先を比較する場合は業者選びも参考にしてください。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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