シロアリ駆除の流れは?何日かかるか・点検・施工・駆除後まで解説

シロアリ駆除を業者へ依頼すると、いきなり床下へ薬剤をまいて終わるわけではありません。

通常は、現在の被害状況を調べ、シロアリの種類や侵入経路、建物構造を確認したうえで施工方法を決めます。その後、見積もりと施工範囲を確認して契約し、施工当日は養生をして必要な防除処理を行い、最後に施工内容や保証を確認します。

また、「シロアリ駆除は何日かかるのか」を考えるときは、工事そのものにかかる時間と、シロアリの駆除完了までにかかる期間を分ける必要があります。

薬剤を散布する一般的な施工では工事日当日に主要な処理を行うことがありますが、建物条件によっては1日で終わらないこともあります。一方、ベイト工法では設置後に定期的な確認を行うため、駆除完了まで数か月単位になるケースがあります。

段階 主な内容 時間・期間の考え方
現地調査 床下・基礎・木部・外周等を確認 建物や調査範囲で異なる
見積もり・契約 工法・範囲・費用・保証を確認 施工日とは別日になることがある
薬剤による施工 木部処理・土壌処理等 1時間程度で終わる場合から1日を超える場合まで条件差が大きい
ベイト工法 ステーション設置・定期確認・ベイト管理 工事当日と駆除完了日は別。数か月を要する例もある
施工後 報告・保証・点検 保証や定期点検は施工後も継続
目次

シロアリ駆除は何日かかる?

全国共通で「シロアリ駆除は半日」「必ず1日」と決まっているわけではありません。

日本しろあり対策協会は、施工時間について、建物や施工条件によって大きく異なり、1時間で終わる場合もあれば、1日で終わらない場合もあるとしています。

所要時間が変わる主な要因は、

  • 住宅の広さ
  • 床下へ入れる範囲
  • 被害箇所の数
  • シロアリの種類
  • 使用する工法
  • 玄関・浴室など床下から施工できない場所の有無
  • 穿孔や注入処理の必要性
  • 被害木材の補修を同時に行うか

などです。

したがって、「3時間だったから短すぎる」「丸1日だから丁寧」と時間だけで施工品質を判断することもできません。

実際にどこを調査し、どこへどのような処理を行ったのかを施工報告や写真で確認する方が重要です。

「工事時間」と「駆除完了までの期間」は別

シロアリ駆除の日数で特に混同しやすい部分です。

薬剤散布による施工では、床下の木部・土壌などへの処理を施工日に行います。

一方、ベイト工法は、シロアリにベイト剤を摂食させ、巣全体へ作用させる方法です。

ステーションを設置した日に駆除作業がすべて完了するわけではなく、設置後も定期的な確認が必要です。

実際の事業者情報では、ベイト工法による駆除完了まで数か月程度を見込む例があります。ただし、

  • シロアリの種類
  • 季節
  • 活動量
  • 巣の規模
  • ベイトを発見するまでの時間

などで変わるため、「必ず3か月」など全国共通の期間としては扱えません。

見積もり時には、

「施工日は何日必要ですか?」

だけでなく、

「この工法では、駆除完了をどのように確認し、どの程度の期間を想定していますか?」

まで確認すると分かりやすくなります。

1.シロアリを見つけたら発生場所を記録する

羽アリや蟻道を見つけた場合は、業者が来る前に「どこで何を見つけたか」が分かるように記録しておきます。

  • 羽アリが出てきた場所
  • 発生した日と時間帯
  • 基礎や束石に蟻道がある場所
  • 木材が傷んでいる場所
  • 床が沈む、建具が動きにくいなどの変化
  • 砂粒のような糞が落ちている場所
  • 過去のシロアリ施工時期

可能であれば写真や動画を残します。

自分で床下へ潜ったり、蟻道をすべて壊したり、構造材へ穴を開けて薬剤を注入したりする必要はありません。

2.問い合わせ時に住宅と発見状況を伝える

業者へ相談するときは、分かる範囲で住宅と発見状況を伝えます。

  • 戸建てか集合住宅か
  • 木造・鉄骨造などの構造
  • 築年数
  • 羽アリ・蟻道・木部被害を見つけた場所
  • 発見時期
  • 床下点検口の有無
  • 過去のシロアリ施工歴
  • 雨漏りや水漏れの有無
  • リフォーム歴

過去の保証書や施工報告書が残っていれば、調査時に確認できるよう準備します。

3.現地調査で被害範囲と侵入経路を確認する

施工方法を決める前に現地調査を行います。

地中から侵入するヤマトシロアリやイエシロアリでは、床下や基礎周辺の確認が重要です。

主に、

  • 基礎や束石の蟻道
  • 土台や柱などの木部
  • 床下
  • 浴室・洗面所・キッチンなどの水回り
  • 玄関・勝手口
  • 配管貫通部
  • 建物外周
  • ウッドデッキや屋外木材

などを確認します。

住宅のどこで異常が起きているか整理したい場合は、住宅の場所から探すも参考にしてください。

4.シロアリの種類によって施工方法が変わる

住宅で問題になるシロアリは一種類ではありません。

ヤマトシロアリやイエシロアリでは、一般に地中から建物へ侵入するため、木部だけでなく土壌も防除対象になります。

一方、アメリカカンザイシロアリは乾燥した木材内部で生活し、地面を経由せず侵入します。

このため、「シロアリ駆除」という同じ名称でも、種類や被害場所によって調査方法・施工方法・必要期間が異なります。

シロアリ全般についてはシロアリ対策のページで整理しています。

5.見積もりでは施工範囲と日数を確認する

現地調査後は、施工方法と見積もりの説明を受けます。

金額だけでなく、

  • 施工対象面積
  • 駆除か予防か
  • 木部処理の範囲
  • 土壌処理の範囲
  • 穿孔・注入が必要な場所
  • 床下から作業できない場所への対応
  • 使用する工法
  • 施工予定時間・日数
  • ベイト工法なら管理期間の考え方
  • 床下点検口作成等の追加費用
  • 建築補修が含まれるか
  • 保証期間
  • 定期点検

を確認します。

「シロアリ施工一式」という表記だけではなく、何をどこまで行う見積もりなのかを見ることが重要です。

費用全般は害獣・害虫対策の費用、依頼先の確認項目は業者選びのページも参考にしてください。

6.契約前に施工方法と保証条件を確認する

見積もりに納得したら契約へ進みます。

この段階で確認しておきたいのは、薬剤による一般的な施工なのか、ベイト工法なのかという点です。

保証についても期間だけでなく、

  • どのシロアリが保証対象か
  • どの施工箇所が対象か
  • 再発時の再施工
  • 建物の修復補償の有無
  • 補償額の上限
  • 保証対象外条件
  • 定期点検が保証条件か

まで確認します。

7.施工当日は養生と作業内容を確認する

薬剤を用いる施工では、床下への出入口や室内の通路などを養生してから作業します。

作業前に、

  • どこから床下へ入るか
  • 室内のどこを養生するか
  • どこへ薬剤を使用するか
  • 床上から施工する場所があるか
  • 穴を開ける場所があるか
  • 施工後にどのように補修するか

を確認しておくと認識違いを減らせます。

8.薬剤による施工では木部処理と土壌処理を行う

日本しろあり対策協会の防除施工では、既存住宅に対する標準的な薬剤処理として木部処理と土壌処理が示されています。

木部処理

土台、束、柱などの木材へ薬剤を処理します。

必要な場所では、木材へ穴を開けて薬剤を注入する施工が用いられることもあります。

ただし、すべての木材へ無条件に穴を開けるわけではありません。

土壌処理

地中から侵入するシロアリへの対策として、基礎内側や束石周辺などの土壌を処理します。

木材だけを処理しても、地中側から再び侵入できる状態が残れば十分な対策にならない場合があります。

床下から施工できない場所

玄関、浴室、勝手口など、床下から直接施工できない場所では、住宅構造に応じて別の方法が必要になることがあります。

穿孔した部分は、施工後に木栓や補修材等で処理される場合があります。

9.ベイト工法は施工当日だけでは終わらない

ベイト工法では、建物の周囲等へステーションを設置してシロアリの活動を確認します。

基本的には、

  1. ステーションを設置する
  2. 定期的にシロアリの活動を確認する
  3. 活動を確認した場所でベイト剤を使用する
  4. その後も状態を確認する
  5. 活動がなくなったことを確認する

という流れになります。

したがって、ステーションを設置した日=駆除完了日ではありません。

実際の事業者では数か月程度を駆除期間の目安としている例がありますが、これは全国共通の固定期間ではありません。

見積もり時には「何か月で必ず終わるか」だけではなく、駆除完了を何によって判定するのか、何回程度点検を予定しているのかも確認してください。

工事が短時間だったら手抜き?

30分や1時間程度で終了すると、「作業が短すぎたのでは」と不安になることがあります。

しかし、日本しろあり対策協会は施工時間が条件によって大きく違うとしています。

時間だけでは施工品質を判断できません。

確認したいのは、

  • 調査した範囲
  • 実際に処理した場所
  • 木部・土壌処理の内容
  • 施工写真
  • 施工できなかった場所
  • 施工報告書

です。

逆に作業時間が長いから必ず優良施工とも限りません。

施工中に家にいてもよい?

在宅できるかどうかは、使用する薬剤、工法、施工場所、建物構造等によって異なります。

小さな子ども、妊娠中の人、ペット、薬剤に敏感な家族がいる場合は、事前に業者へ伝え、使用薬剤や施工中・施工後の注意事項を確認してください。

自己判断で「数時間外出すれば必ず大丈夫」「家にいても必ず問題ない」と決めず、採用する製品・工法の説明に従います。

10.作業後は施工報告を確認する

施工終了後は、養生を外し、施工場所周辺を清掃します。

その後、

  • 実際に処理した範囲
  • 発見された被害箇所
  • 侵入経路と考えられる場所
  • 木部処理
  • 土壌処理
  • 穿孔・注入した場所
  • 使用した薬剤・工法
  • 施工できなかった場所
  • 今後補修が必要な部材

を確認します。

施工前後の写真や報告書があれば保管しておきます。

11.保証書は年数だけではなく内容を確認する

日本しろあり対策協会では、認定薬剤について5年を目途に再処理する考え方を示しています。

そのため一般的な薬剤施工では、5年を一つの区切りとする保証が見られます。

ただし保証期間と保証内容は同じ意味ではありません。

  • 保証期間
  • 対象となるシロアリ
  • 対象となる施工場所
  • 再発時の再施工
  • 建物修繕の補償
  • 補償上限額
  • 保証対象外条件
  • 定期点検

まで確認します。

駆除後も点検が必要になることがある

施工が終わったからといって、住宅の条件が永久に同じとは限りません。

  • 雨漏り
  • 給排水からの漏水
  • 床下の湿気
  • 建物周囲に置かれた木材
  • 増築・リフォーム
  • 基礎や配管まわりの変化

などがあれば、以前とは侵入条件が変わる可能性があります。

ベイト工法の場合も、工法・契約内容によって継続的な点検・管理が含まれます。

DIYの駆除と業者施工は作業範囲が違う

室内に出てきた羽アリへ市販殺虫剤を使用すれば、目の前の個体を減らすことはできます。

しかし、それだけで建物内部や地中にいるシロアリの被害範囲、侵入経路、コロニーの状況まで確認できるわけではありません。

床下へ自分で入り、構造材へ穴を開けたり、自己流で広範囲へ薬剤を散布したりする方法は勧めません。

早めに調査した方がよい状態

  • 住宅内から羽アリが大量に出た
  • 基礎や束石に蟻道がある
  • 木材に食害がある
  • 床が沈む・ふわつく
  • 柱や敷居が傷んでいる
  • 砂粒状の糞が繰り返し落ちている
  • 過去の施工から長期間経過している
  • 中古住宅で施工歴が分からない

シロアリか分からない段階では、症状・痕跡から探すから他の原因も含めて確認できます。

シロアリ駆除は「何日」だけでなく工程全体を確認する

シロアリ駆除に必要な期間は、工法や住宅条件によって異なります。

薬剤施工の作業自体は1日以内に終わるケースもありますが、日本しろあり対策協会が示すように、1時間程度から1日を超えるケースまで幅があります。

一方、ベイト工法では設置後の確認を繰り返すため、工事当日と駆除完了までの期間を分けて考える必要があります。

業者へ依頼するときは、

  1. 現地調査
  2. 被害範囲・シロアリ種の確認
  3. 施工方法の提案
  4. 見積もり
  5. 施工予定時間・日数の確認
  6. 契約
  7. 施工
  8. 施工報告
  9. 保証・点検

までを一連の流れとして確認してください。

「何時間で終わるか」だけで業者を選ばず、どの範囲をどの方法で施工し、ベイト工法なら何をもって駆除完了とするのかまで確認することが重要です。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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