蜂の巣はどこにできる?軒下・屋根裏・庭木など作られやすい場所

蜂の巣は、目につきやすい軒下や庭木だけにできるわけではありません。

ベランダ、エアコン室外機の周辺、植え込みの中に作る蜂もいれば、屋根裏、壁の中、床下、戸袋、木の洞、地中など、外から巣が見えない場所を利用する種類もいます。

さらに、スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチでは巣を作りやすい場所が異なります。

家の周囲で蜂を見かけたときは、「蜂が飛んでいた場所」だけを見るのではなく、同じ場所へ繰り返し出入りしていないかを安全な位置から確認することが、巣の場所を絞る手がかりになります。

ただし、巣を探すために植え込みへ手を入れたり、脚立や屋根へ上ったり、屋根裏・床下へ入り込んだりする必要はありません。

目次

蜂の巣が作られやすい場所

住宅周辺では、次のような場所が営巣場所になります。

場所 考えられる蜂 確認するときの注意
軒下・ひさし アシナガバチ、コガタスズメバチ、キイロスズメバチなど 高所なら脚立で近づかない
ベランダ・物干し周辺 アシナガバチなど 洗濯物や窓開閉など生活動線との距離を確認
室外機の裏・下・内部周辺 アシナガバチなど カバーを外したり内部へ殺虫剤を噴射したりしない
庭木・生垣・植え込み アシナガバチ、スズメバチ類 枝を揺らす・かき分ける・剪定する前に確認
屋根裏・天井裏 スズメバチ類、ミツバチなど 巣が見えなくても同じ隙間への反復出入りに注意
壁の中・換気口 スズメバチ類、ミツバチなど 活動中の出入口を先に塞がない
床下・戸袋 スズメバチ類、ミツバチなど 内部へ入って確認しない
木の洞 スズメバチ類、ミツバチなど 穴へ顔や手を近づけない
土の中 オオスズメバチなど一部の蜂 巣穴へ近づいたり塞いだりしない

「蜂の巣は軒下にできるもの」と考えていると、屋根裏や地中などの見えない巣を見落とすことがあります。

軒下・ひさしは蜂の巣を見つけやすい場所

家の外から確認しやすい代表的な場所が、軒下やひさしです。

練馬区は、スズメバチが春の巣作り開始時に樹木の枝や家屋の軒下へ巣を作ること、アシナガバチも軒先など住宅周辺のさまざまな場所を利用することを案内しています。

軒下に露出した巣がある場合は、形も蜂種を絞る手がかりになります。

  • 六角形の巣房がむき出しになった、おわん・シャワーヘッド状の巣:アシナガバチの候補
  • 初期は逆さのとっくり状、成長すると外皮で覆われた球形・ボール状:スズメバチの候補

ただし、形を確認するために巣へ近づく必要はありません。

高い軒下や屋根周辺にある場合は、地上から見える範囲に留めます。

ベランダ・室外機周辺にもアシナガバチは巣を作る

アシナガバチは住宅のかなり身近な場所に営巣します。

練馬区は、軒下、樹木、生垣、外壁のほか、ベランダの洗濯機の裏やエアコン室外機なども営巣場所として挙げています。

神戸市も、複数のアシナガバチ類について、軒下、庭木、室外機内部、換気扇フードなどへ巣を作ると案内しています。

ベランダでは、次の場所を安全な範囲から確認します。

  • 室外機の裏・下
  • 物干し金具の周辺
  • 窓枠・サッシ周辺
  • ベランダ天井やひさし
  • 収納物や植木鉢の陰

室外機へ蜂が出入りしている場合は、カバーを外して確認したり、機器内部へ薬剤を噴射したりしないでください。

住宅の場所ごとに被害を確認する場合は、住宅の場所から害獣・害虫を探すページも参考になります。

庭木・生垣・植え込みは巣が隠れやすい

庭木や生垣にも、アシナガバチやスズメバチ類が巣を作ります。

葉が茂っていると、巣があることに気づかず剪定作業で近づいてしまうことがあります。

庭木を確認するときは、巣を探すために枝へ手を入れたり、葉をかき分けたりするのではなく、離れた位置から蜂の出入りを観察します。

特定の茂みへ何匹もの蜂が繰り返し出入りしている場合は、その内部に巣がある可能性を考えます。

巣がありそうな状態で剪定を続けると、枝の振動によって蜂を刺激するおそれがあります。

屋根裏・壁の中は巣が見えなくても注意する

スズメバチの中には、屋根裏や壁の中など閉鎖された空間へ巣を作る種類があります。

横浜市は、住宅で巣を作られやすい場所として、天井裏・壁の中、床下・戸袋の中、木の洞などを挙げています。

川崎市によると、キイロスズメバチは樹木の枝や軒下だけでなく、屋根裏や土中などさまざまな場所に巣を作ります。

巣そのものが見えなくても、次のような状態は手がかりになります。

  • 同じ換気口へ何匹もの蜂が繰り返し入る
  • 軒天や外壁の同じ隙間へ蜂が出入りする
  • 室内側の壁や天井付近から羽音が聞こえる
  • 室内へ蜂が繰り返し入ってくる

この状態で、出入口と思われる穴を先に塞ぐのは避けます。

巣が内部で活動している場合、外へ出られなくなった蜂が別の隙間を探し、室内側へ移動する可能性があるためです。

蜂の種類が分からない場合は、蜂・蜂の巣対策の総合ページから安全な確認方法を整理してください。

床下・戸袋にもスズメバチが巣を作ることがある

蜂の巣を探すときに見落としやすいのが、床下や雨戸の戸袋です。

横浜市は、床下・戸袋の中をスズメバチが巣を作る場所として案内しています。

戸袋へ蜂が繰り返し入っている場合は、雨戸を急に動かしたり、手を内部へ入れて確認したりしないでください。

床下も同様に、蜂の巣を探す目的で自分で潜り込むことは勧めません。

土の中に巣を作るスズメバチもいる

すべてのスズメバチが木や建物へ巣を作るわけではありません。

神奈川県衛生研究所は、オオスズメバチについて、主に地下の既存空洞へ巣を作り、まれに屋根裏へ営巣することもあると説明しています。

川崎市の情報でも、スズメバチの種類によって土中など閉鎖空間を利用することが確認できます。

庭や山林の近くで、地面の小さな穴へ大型の蜂が何度も出入りしている場合は、穴の近くへ行ってのぞき込んだり、土・石・水などで塞いだりしないでください。

地中巣は巣全体が見えず、蜂の数も把握できません。

スズメバチは種類によって巣を作る場所がかなり違う

「スズメバチならこの場所」と一つに決めることはできません。

川崎市の資料では、代表的な種類だけでも営巣場所に違いがあります。

種類の例 営巣場所の傾向
コガタスズメバチ 木の枝や家屋の軒下など、開放された場所
キイロスズメバチ 木の枝・軒下のほか、屋根裏・土中など幅広い場所
モンスズメバチなど 屋根裏、土中、樹洞など閉鎖空間を利用する種類がある
オオスズメバチ 主に地中の空洞

そのため、ボール状の巣が軒下に見えないからといって、スズメバチの巣が住宅周囲にないとは限りません。

アシナガバチは住宅周辺の多様な場所に営巣する

アシナガバチは、比較的露出した場所に巣を作ることが多い蜂です。

自治体が例として挙げている場所には、

  • 軒下
  • 庭木・生垣
  • 外壁周辺
  • ベランダ
  • 洗濯機の裏
  • エアコン室外機
  • 換気扇フード周辺

などがあります。

六角形の育房が露出した巣が見える場合はアシナガバチの候補になりますが、種類を確定するために近づく必要はありません。

ミツバチは屋根裏・床下・木の洞など閉鎖空間を利用する

ミツバチは、スズメバチやアシナガバチとは巣の作り方が異なります。

川崎市は、ミツバチが巣を作る場所として、樹木の穴、屋根裏、床下などの閉鎖空間を挙げています。

その一方、春に庭木や軒下へ大量のミツバチが塊になっている場合があります。

これは必ずしも、その場所へ巣を作っているとは限りません。

ミツバチは「分蜂」と呼ばれる巣分かれの際、一時的に木や軒下などへ群れで集まり、その後、巣に適した場所へ移動することがあります。

蜂の大きな塊=巨大な蜂の巣と即断しないことが重要です。

蜂の巣のように見えるものでも別の蜂の場合がある

府中市は、住宅周辺で見られる蜂について、スズメバチ・アシナガバチ・ミツバチ以外にも複数の営巣方法を紹介しています。

たとえば、クマバチは木や竹へ穴を掘って巣を作り、ドロバチは泥を固めたような巣を壁面などに作ります。地中を利用する蜂もいます。

家の周りで穴や泥の塊を見つけたからといって、すべてをスズメバチの巣と判断する必要はありません。

蜂や巣の形を安全な距離から確認できる場合は、複数の特徴から判断します。

蜂を見かけるのに巣が見つからないとき

蜂を1匹見ただけでは、家に巣があるとは限りません。

花や樹液、餌を探して飛来している場合もあります。

巣を疑う材料になるのは、同じ位置へ複数の蜂が繰り返し出入りしていることです。

安全な場所から、

  • どこから来るか
  • どこへ入っていくか
  • 同じ穴を使っているか
  • 何匹程度が往来しているか
  • 何時ごろ活動が多いか

を観察し、写真や動画に残します。

蜂を追いかけて庭木の中へ入ったり、建物の隙間へ顔を近づけたりする必要はありません。

春4〜6月は家の周りを点検しやすい時期

横浜市は、4〜6月に家の周りを確認するよう案内しています。

春は越冬した女王蜂が巣作りを始め、夏以降に働き蜂が増えて巣も大きくなります。

この時期には、安全な場所から次の箇所を確認しておくと早期発見につながります。

  • 軒下・ひさし
  • ベランダ
  • 庭木・生垣
  • 室外機周辺
  • 換気口
  • 戸袋
  • 物置周辺
  • 外壁・軒天の破損や隙間

ただし、春の小さい巣だから安全という意味ではありません。

スズメバチが疑われる場合や、巣が高所・閉鎖空間にある場合は、自分で近づいて確認する必要はありません。

蜂の巣を探すためにやらない方がよいこと

  • 脚立やはしごで巣へ近づく
  • 屋根へ上る
  • 屋根裏や床下へ巣を探しに入る
  • 植え込みへ手を入れたり枝を揺らしたりする
  • 巣らしい場所を棒でつつく
  • 地面の穴へ顔を近づける
  • 蜂が出入りしている換気口・壁穴を先に塞ぐ
  • 巣の有無を確かめるために壁や天井を叩く

巣を見つけることより、自分や家族が刺されないことを優先してください。

巣を見つけたら「場所」と「蜂の種類」で危険度を考える

蜂の巣を見つけても、すべての巣で同じ対応になるわけではありません。

特に確認したいのは、

  • スズメバチが疑われるか
  • 玄関・通路・物干しなど生活動線に近いか
  • 高所か
  • 屋根裏・壁内・床下など閉鎖空間か
  • 地中巣か
  • 蜂の出入りが多いか
  • 種類を安全に判断できるか

です。

スズメバチが疑われる、巣が見えない、地中・高所・建物内部にある、蜂が多数出入りしている場合は、無理にDIYで確認・駆除せず、自治体の相談制度や専門業者を確認します。

業者へ依頼する場合は、害獣・害虫駆除の費用・相場や害獣・害虫駆除業者の選び方も参考にしてください。

蜂の巣ができる場所を整理すると

巣の位置 確認の考え方
軒下・庭木など巣が見える 安全な距離から形・蜂の出入りを見る
ベランダ・室外機 生活動線・設備への影響も確認する
屋根裏・壁内 巣を直接探さず、反復出入りを記録する
床下・戸袋 中へ入らず、出入りを確認する
木の洞・地中 穴へ近づかず、スズメバチ類を想定して慎重に扱う
木や軒下にミツバチの塊 分蜂の一時滞在も候補にする

よくある質問

蜂の巣は家のどこに一番できやすいですか?

一か所には決められません。アシナガバチでは軒下・庭木・ベランダ・室外機など、スズメバチでは軒下・庭木に加えて屋根裏・壁内・床下・木の洞・地中なども候補になります。蜂種によって営巣場所が異なります。

蜂を毎日見るなら近くに巣がありますか?

可能性はありますが、毎日見るというだけでは断定できません。同じ軒下、換気口、庭木などへ複数の蜂が繰り返し出入りしているかを安全な場所から確認すると、巣の位置を絞りやすくなります。

スズメバチは軒下にしか巣を作りませんか?

いいえ。種類によっては屋根裏、壁の中、土中、木の洞などにも営巣します。特に巣が見えない場所へ蜂が何度も出入りしている場合は注意してください。

アシナガバチは室外機にも巣を作りますか?

作ることがあります。自治体もアシナガバチの営巣場所として室外機周辺・内部を挙げています。巣を確認するために室外機を分解したり、内部へ薬剤を噴射したりしないでください。

土の中にも蜂の巣はありますか?

あります。オオスズメバチなど、地中の空洞へ巣を作る種類があります。蜂が出入りする地面の穴を見つけても、近づいてのぞき込んだり、穴を塞いだりしないでください。

木に大量のミツバチが固まっています。巣ですか?

春には分蜂によってミツバチの群れが一時的に木や軒下へ集まることがあります。この段階では巣ではない場合があります。殺虫剤をかけたり刺激したりせず、安全な距離を保ちます。

蜂の巣を探すために屋根裏へ入ってもよいですか?

勧めません。屋根裏には蜂の巣だけでなく、転落・踏み抜き・電気配線などの危険もあります。外から蜂の出入り場所を確認し、巣が内部にある可能性が高い場合は専門調査を検討してください。

巣が見えない換気口を塞いでもよいですか?

蜂が活動中であれば先に塞がないでください。内部に巣がある状態で出口を塞ぐと、別の経路を探して建物内部側へ移動する可能性があります。

参考情報

  • 横浜市「ハチについて」
  • 川崎市「ハチの見分け方・駆除方法」
  • 川崎市「ハチの巣の種類と見分け方」
  • 練馬区「スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの習性と見分け方」
  • 神戸市「アシナガバチと上手につき合おう」
  • 府中市「ハチの相談」
  • 川崎市「ミツバチの分蜂について」
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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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