小さい蜂の巣を見つけたら?初期のスズメバチ・アシナガバチの見分け方

軒下に数cmほどの小さな蜂の巣がある。巣のそばには大きな蜂が1匹だけいる。ベランダを見ると、まだ巣穴が数個しかない小さな巣ができている。

4月から6月頃にこうした巣を見つけた場合、スズメバチやアシナガバチが作り始めた「初期巣」の可能性があります。

この時期は、越冬した女王蜂が単独で巣作りと産卵をしている段階であることがあります。

ただし、巣が小さい=安全ではありません。

特にスズメバチの可能性がある場合は、小さいからといって手で取ったり、棒で落としたり、至近距離から確認したりしないでください。

初期のスズメバチとアシナガバチでは巣の形が違うため、まず安全な距離から形・蜂の数・場所を確認します。

蜂の巣全般の種類を比べたい場合は、蜂の巣の見分け方も確認してください。

目次

小さい蜂の巣は春〜初夏の「初期巣」の可能性がある

スズメバチやアシナガバチでは、前年の働きバチや旧女王が冬を越して同じ巣を使い続けるわけではありません。

越冬した新しい女王蜂が春になると活動を始め、新しい場所で巣を作ります。

そのため4月〜6月頃は、

  • 巣がまだ数cm程度
  • 蜂が女王蜂1匹しか見えない
  • 働きバチがまだほとんどいない

という初期段階が見つかることがあります。

夏から秋になると働きバチが増え、巣も大きくなるため、春の小さい巣とは状況が変わります。

小さい蜂の巣はまず形を見る

確認項目 初期のスズメバチ 初期のアシナガバチ
形 とっくり・一輪挿しを逆さにしたような形 小さなおわん・シャワーヘッド・ハスの実状
外側 巣房が外皮で覆われる 六角形の巣房がむき出し
穴 細長い出入口が見えることがある 複数の六角形の巣穴が見える
大きさの例 初期に直径約7cm程度の例 初期に約3〜5cm程度の例
蜂の数 女王蜂1匹の時期がある 女王蜂1匹の時期がある

一番分かりやすい違いは、六角形の育房が外から見えているかです。

とっくり・一輪挿しのような小さい巣はスズメバチを疑う

春に見つかるコガタスズメバチなどの初期巣では、巣の下側へ細長い筒状の出入口が伸び、

  • とっくりを逆さにした形
  • 一輪挿しを逆さにした形
  • フラスコのような形

に見えることがあります。

横浜市では4〜7月頃の初期巣について、直径約7cm程度の例を案内しています。

巣が成長して約10cm程度になると、最初の働きバチが羽化し始め、形も次第に丸いボール状へ変わっていきます。

したがって、

「小さなとっくり型+大きな蜂が1匹」

という組み合わせなら、スズメバチの初期巣を疑います。

スズメバチの初期巣は女王蜂1匹で作られている時期がある

横浜市は、4〜6月頃の最初の働きバチが羽化するまで、女王蜂1匹が巣作りを行うと案内しています。

この時期の女王蜂は、

  • 巣材を集める
  • 巣を作る
  • 産卵する
  • 幼虫を育てる

といった作業を単独で行います。

女王蜂が餌や巣材を集めに離れている時間もあるため、巣だけが残って蜂が見えないこともあります。

「蜂が今いないから空の巣」とは決めつけないでください。

女王蜂1匹しかいなくても触らない

働きバチが大量にいる夏〜秋と比べれば、初期巣は蜂の数が少ないため、自治体も「比較的対処しやすい時期」と案内しています。

ただし、これは「刺されない」という意味ではありません。

巣を、

  • 手で触る
  • 棒でつつく
  • 枝を揺らす
  • 至近距離で撮影する

などして女王蜂を刺激すれば、刺される可能性があります。

特にスズメバチが疑われる場合は、小さい巣でも近づいて確認する必要はありません。

六角形の穴がむき出しならアシナガバチの初期巣が候補

アシナガバチでは、初期から六角形の育房が外から見えます。

スズメバチのように巣全体を覆う外皮がありません。

見た目は、

  • 小さなおわん
  • シャワーヘッド
  • 逆さにしたハスの実

のように見えます。

色は灰色〜茶褐色系で、数個〜十数個程度の六角形の穴から始まることがあります。

アシナガバチの初期巣は3〜5cm程度の例がある

練馬区では、アシナガバチの作り始めの時期の巣を4〜5cm程度としています。

立川市では、初期巣の例として3cm程度の写真を掲載しています。

初夏には10cm程度、その後さらに大きくなることがあります。

したがって、軒下などに、

  • 数cm程度
  • 六角形の穴が外から見える
  • 外側を丸い紙状の殻で覆われていない

巣がある場合は、アシナガバチを候補にします。

「小さい蜂の巣=スズメバチ」ではない

小さいというだけでは種類を判断できません。

特に春は、スズメバチもアシナガバチも女王蜂が単独で巣を作り始めるため、どちらも小さい状態で見つかります。

大きさより、

  1. 外皮で覆われているか
  2. 六角形の穴がむき出しか
  3. とっくり型か
  4. シャワーヘッド型か

を確認してください。

さらに詳しい比較はスズメバチ・アシナガバチ・ミツバチの巣の見分け方で整理しています。

蜂が2匹、3匹と増えているなら働きバチが出始めている可能性がある

初期巣の最初は女王蜂単独でも、その状態がずっと続くわけではありません。

最初の働きバチが羽化すると、働きバチが、

  • 餌集め
  • 巣材集め
  • 幼虫の世話
  • 巣の防衛

を担うようになり、巣の成長が進みます。

巣の周囲を複数の蜂が頻繁に出入りしているなら、「女王蜂1匹だけの初期段階」とは考えない方がよいでしょう。

小さい巣を放置するとどうなる?

現在活動中の巣であれば、働きバチが羽化するにつれて巣が大きくなる可能性があります。

スズメバチでは、春の数cm程度の巣から、夏〜秋には20〜30cm程度のボール状になる例が自治体から示されています。

アシナガバチも、初期の3〜5cm程度から初夏には10cm程度、その後さらに拡大します。

したがって、

生活動線上にある活動中の巣を「まだ小さいから」と数か月放置すると、後から蜂の数も巣の大きさも増える可能性があります。

ただし、すべての蜂の巣を必ず撤去する必要があるわけではない

蜂は毛虫などを捕食する益虫としての側面もあります。

大田区は、生活に支障がない場所にある巣については、自然のまま様子を見る選択も案内しています。

特にアシナガバチは、通常は巣を刺激しなければ積極的に人を攻撃する種類ではありません。

一方で、

  • 玄関のすぐ横
  • ベランダ
  • 物干し場
  • 子どもの通る場所
  • 庭木の剪定時に触れる場所
  • 駐車場

など、人が頻繁に近づく場所では刺傷リスクを考えて早めの対応を検討します。

去年の小さい巣が残っているだけの場合もある

スズメバチ・アシナガバチの巣は基本的に1年限りです。

冬になると旧女王・働きバチ等は死に、新女王だけが巣とは別の場所で越冬します。

翌年に同じ古い巣を再利用するわけではありません。

そのため、春に小さい巣を見つけても、

  • 蜂が全く出入りしない
  • 古く乾燥している
  • 前年から同じ位置に残っている

なら、前年の空巣である可能性もあります。

ただし、本当に活動していないか分からない場合は近づいて確認せず、安全な位置から出入りを観察してください。

小さい巣を見つけたらサイズと形を写真で記録する

安全な距離から撮影できる場合は、

  • 巣全体
  • 周囲の場所
  • おおよそのサイズ
  • 蜂の数

を記録すると、自治体や業者へ相談するときに役立ちます。

スマートフォンのズームで撮れない距離なら、写真のために近づく必要はありません。

春に点検したい場所

横浜市などでは、春のうちに蜂の巣が作られやすい場所を点検するよう案内しています。

代表的なのは、

  • 軒下
  • 天井裏
  • 壁の中
  • 戸袋
  • 植え込み
  • 垣根
  • 木の洞

などです。

また、アシナガバチは開放された軒下・ベランダ・庭木等にも巣を作ります。

剪定・草刈り・物置整理を始める前に、小さい巣がないか目視すると、不意に巣を刺激する事故を避けやすくなります。

エアコン室外機・ベランダの小さい巣も人との距離で判断する

ベランダやエアコン室外機付近は、人が日常的に近づく場所です。

数cmのアシナガバチ巣でも、洗濯物を干すたびに数十cmまで近づく位置なら、そのまま放置するのは現実的ではない場合があります。

反対に、人がほぼ近づかない高い場所にあるアシナガバチ巣なら、自治体によってはそのまま見守る選択を案内しています。

種類だけでなく、人との距離も判断材料にしてください。

「春なら自分で駆除できる」と一律には考えない

自治体には、春の小さい巣は比較的駆除しやすいと案内するところがあります。

しかし、住宅ごとの条件は異なります。

次の場合は、自分での撤去を避けて自治体・専門業者へ相談する方が安全です。

  • スズメバチの可能性がある
  • 蜂の種類を判断できない
  • すでに複数の蜂が出入りしている
  • 高所にある
  • 脚立が必要
  • 天井裏・壁内・戸袋など閉鎖空間にある
  • 植え込みの奥で逃げ道が確保しにくい
  • 玄関・通路等で人の往来が多い
  • 過去に蜂に刺され強い症状が出たことがある
  • 作業に不安がある

特にスズメバチについて、横浜市港南区などは専門業者への依頼を勧めています。

小さいスズメバチの巣でも「棒で落とす」は避ける

巣が小さいと、棒やホウキで落とせそうに見えることがあります。

しかし、巣に振動を加える行為そのものが蜂を刺激します。

大田区も、蜂を振り払う、巣を触る、壊す、振動を与える行為で攻撃される可能性を案内しています。

巣の種類を確認するために突いたり、落としたりしないでください。

女王蜂が外出中でも勝手に触らない

巣だけあって蜂が見えない場合、女王蜂が餌や巣材を集めるため一時的に離れている可能性があります。

蜂が見えない短時間だけを見て「無人」と判断するのは避けます。

特に種類不明の巣では、巣へ触れず自治体等へ写真を見せて確認する方が安全です。

市区町村によって蜂の巣への対応が違う

蜂の巣駆除への行政対応は全国共通ではありません。

たとえば、

  • スズメバチのみ自治体が撤去
  • 業者を紹介
  • 駆除費用を助成
  • 防護服を貸し出す
  • 私有地は所有者負担

など自治体によって制度が異なります。

小さい巣を見つけた段階で、

「自治体名 蜂の巣」

で公式情報を確認しておくとよいでしょう。

小さい蜂の巣の駆除費用は大きくなった巣と同じとは限らない

春の初期巣は蜂の数が少なく、巣も小さいため、自治体は夏〜秋の大きな巣と比べて、比較的低い費用で対応できる場合があると案内しています。

ただし実際の費用は、

  • 蜂の種類
  • 巣の場所
  • 高さ
  • 壁内・屋根裏か
  • 作業車や高所作業が必要か

などで変わります。

料金を確認する場合は蜂の巣駆除の費用へ進んでください。

蜂の巣が小さいときによくある疑問

蜂の巣が5cmくらいしかありません。初期巣ですか?

春〜初夏であれば初期巣の可能性があります。スズメバチでは直径約7cm程度のとっくり型、アシナガバチでは3〜5cm程度の巣の例が自治体から示されています。大きさだけでなく形を確認してください。

蜂の巣に女王蜂1匹しかいません

4〜6月頃であれば、働きバチが羽化する前の初期段階である可能性があります。女王蜂が単独で巣作り・産卵している時期があります。

小さいとっくり型の巣は何ですか?

コガタスズメバチなどの初期巣で見られる代表的な形です。小さくてもスズメバチが疑われるため、近づいたり刺激したりせず、自治体・専門業者への相談を検討してください。

小さなシャワーヘッド型の巣は何ですか?

六角形の巣穴が外から複数見えるなら、アシナガバチの初期巣が候補です。外皮で覆われたスズメバチ巣との大きな違いです。

5月の蜂の巣は女王蜂だけですか?

女王蜂単独の可能性が高い時期ですが、種類・地域・気候・巣作り開始時期によって進み方は異なります。すでに働きバチが羽化している場合もあるため、「5月なら必ず1匹」とは考えないでください。

6月ならまだ小さい巣ですか?

初期巣のこともありますが、早く巣作りを始めた群れでは働きバチがすでに増えている可能性があります。蜂の数と巣の形も合わせて確認します。

小さい蜂の巣を放置すると大きくなりますか?

活動中の巣なら、働きバチの羽化後に成長する可能性があります。夏〜秋には蜂の数も増えるため、生活動線上の巣は早めに対応を判断する方がよいでしょう。

古い蜂の巣は翌年また使われますか?

スズメバチ・アシナガバチは基本的に前年の巣を翌年再利用しません。蜂が全く出入りせず、前年から残っている空巣であれば活動中の新しい巣とは状況が異なります。

小さいうちなら自分で取っても大丈夫ですか?

一律には言えません。春の初期巣は蜂が少なく相対的に対処しやすいものの、スズメバチ、種類不明、高所、閉鎖空間、複数蜂、アレルギー不安などがある場合はDIYを避けてください。

蜂がいない瞬間に巣を取れば安全ですか?

女王蜂が一時的に外出している可能性があります。蜂が見えないことだけで無人と判断せず、種類と活動状況を確認してください。

小さい蜂の巣は「大きさ」より形・蜂の数・場所で判断する

春〜初夏に見つかる数cm程度の蜂の巣では、まず次の順番で確認してください。

  1. 安全な距離から形を見る
    とっくり・一輪挿し型ならスズメバチ、六角形の巣房が露出していればアシナガバチを疑います。
  2. 蜂の数を見る
    女王蜂1匹なら初期段階の可能性があります。複数出入りしていれば働きバチが羽化している可能性があります。
  3. 人との距離を見る
    玄関、ベランダ、通路など生活動線上なら早めに対応を検討します。
  4. 巣を刺激しない
    小さくても触る・突く・揺らすことは避けます。
  5. 危険条件なら相談する
    スズメバチ疑い、種類不明、高所・閉鎖空間等では自治体・専門業者へ相談します。

「まだ小さいから大丈夫」と放置するのではなく、今がどの種類のどの段階なのかを確認することが重要です。

種類をさらに比べたい場合は蜂の巣の見分け方、実際に家にできた巣へどう対応するかは家に蜂の巣があるときの対応、料金は蜂の巣駆除の費用、依頼先は蜂の巣駆除業者の比較へ進んでください。


主な参考情報(2026年9月14日確認)

  • 横浜市「ハチについて」
  • 横浜市港北区「ハチの巣を見つけたら」
  • 横浜市旭区「ハチの相談」
  • 大田区「スズメバチとアシナガバチ」
  • 練馬区「スズメバチ、アシナガバチ、ミツバチの習性と見分け方」
  • 立川市「スズメバチにご注意ください」

※春の小さい巣は夏〜秋の成熟巣より蜂の数が少ない場合がありますが、安全を保証するものではありません。種類を確認するために巣へ近づいたり刺激したりせず、スズメバチ疑い・種類不明・高所・閉鎖空間などでは自治体または専門業者へ相談してください。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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