シロアリの悪徳業者を避けるには?無料点検・高額請求・追加工事の見分け方

シロアリ業者を探していると、「悪徳業者に高額請求された」「無料点検から何十万円もの工事を勧められた」といった情報を目にすることがあります。

実際に、シロアリの無料点検を入口として住宅へ入り、不安をあおって高額な床下工事やリフォーム工事を勧める点検商法は公的機関からも注意喚起されています。

ただし、無料点検を行う会社、高額な見積もりを出す会社、当日施工できる会社がすべて悪質という意味ではありません。

シロアリ被害の範囲、建物面積、工法、被害を受けた木材の修繕などによって施工総額は変わります。

業者選びでは金額だけではなく、どのように点検へ入ったのか、被害を何で確認したのか、施工内容と金額を説明しているか、他社と比較する時間を与えているかを見ることが重要です。

シロアリの生態や被害そのものについては、シロアリ対策の総合ガイドを確認してください。

目次

シロアリ業者は「高い・安い」だけでは悪徳か判断できない

悪質な業者を避けるうえで注意したいのは、「○万円だったから悪徳」「無料だったから怪しい」という判断です。

同じ住宅でも、

  • 予防施工だけなのか
  • 現在シロアリが活動しているのか
  • 施工面積が何㎡あるのか
  • 床下から施工できない場所があるか
  • 木材や建物の修繕が必要か
  • 保証・定期点検が含まれるか

によって料金は変わります。

見るべきなのは金額単独ではなく、その金額になった根拠です。

シロアリ駆除そのものの料金を確認したい場合は、シロアリ駆除の費用で施工面積や料金体系を確認してください。

注意したいシロアリ業者の特徴

次の項目に一つ当てはまっただけで悪質業者とは断定できません。

ただし、複数が重なり、質問しても納得できる説明が得られない場合は、その場で契約せず別の会社にも相談した方が安全です。

突然「無料で床下を点検します」と訪問してくる

自分で公式サイト等を調べて申し込んだ無料点検と、依頼していない事業者が突然訪問してくる無料点検は分けて考えます。

国民生活センターは、無料または格安の点検を持ちかけ、点検後に「このままでは大変なことになる」などと不安をあおって契約させる手口を「点検商法」として注意喚起しています。

東京都でも、「シロアリの無料点検」を口実に消費者宅を訪問し、床下などを点検した後にリフォーム工事を勧誘していた事業者への行政処分例があります。

依頼していない訪問であれば、その場で床下へ入れてもらう必要はありません。

点検が必要だと感じた場合は、訪問してきた会社にそのまま頼むのではなく、自分で会社名や所在地を確認したうえで、別の専門業者も含めて検討できます。

以前依頼した会社や公的機関との関係をにおわせる

東京都が公表した相談事例には、「10年前にシロアリ駆除をしたことがある業者です」と電話し、消費者が覚えがないと答えても繰り返し電話して訪問につなげた例があります。

訪問者が、

  • 以前施工した会社
  • 住宅メーカーの関係会社
  • 自治体の委託先
  • 近所で工事をしている会社

などとの関係を示唆した場合は、相手が示した電話番号だけではなく、元の会社や自治体へ自分で確認してください。

床下を見た直後に「このままだと家が壊れる」と強く不安をあおる

シロアリ被害は放置すべき問題ではありませんが、「今日工事をしなければ家が倒れる」といった説明を受けたからといって、その場で契約しなければならないとは限りません。

東京都の行政処分事例でも、「このままにしておくと家が壊れる」などと不安をあおる勧誘が問題となりました。

本当に緊急性の高い被害であれば、

  • どの木材がどの程度被害を受けているか
  • 現在シロアリが活動している証拠
  • どの部分に構造上の問題があるのか
  • なぜ即日の施工が必要なのか

を具体的に説明してもらいます。

床下写真を見せるが、自宅のどこなのか分からない

床下の写真や動画は、本来は点検結果を理解するために有用です。

しかし、国民生活センターの点検商法の相談事例には、業者から床下映像を見せられたものの、後から「本当に自宅の床下だったのか」と疑問を持ったケースがあります。

写真を見せてもらう場合は、

  • どの部屋の下なのか
  • 基礎や配管など場所を特定できるものが写っているか
  • 被害箇所の遠景と近接写真があるか
  • 蟻道・シロアリ本体・食害のどれを示しているのか
  • 写真や調査報告書を持ち帰れるか

を確認します。

可能であれば、点検口から床下へ入る場面から連続して撮影してもらう方法もあります。

「今日契約すれば安くする」と即決を求める

期間限定の割引そのものが不適切とは限りません。

ただし、点検直後に、

  • 今日だけ値引きできる
  • 今決めなければこの価格ではできない
  • 今日薬剤を入れれば安くなる
  • 他社へ聞く必要はない

などと言い、比較する時間を与えない場合は慎重に判断してください。

床下の状態を写真・見積書で持ち帰り、翌日以降に契約しても対応できるのかを聞きます。

シロアリ工事から別の床下工事が次々増える

床下では、シロアリだけでなく湿気、木材腐朽、配管、基礎など別の問題が見つかることがあります。

したがって、床下換気扇や調湿材、木部補強などの提案自体を悪質と判断することはできません。

一方、国民生活センターが公表した点検商法の相談事例では、床下点検を入口として、

  • 木部補強
  • 基礎補強
  • カビ処理
  • 防虫・防蟻処理
  • 調湿材
  • 水道管工事
  • トイレ工事

などの契約が次々に追加され、総額が大きく膨らんだ例があります。

シロアリ施工とは別の工事を提案されたら、一度切り分けて考えてください。

床下換気扇・調湿材・基礎補強を勧められたら確認すること

追加工事を提案された場合は、「シロアリがいるから必要」という説明だけで契約しないようにします。

それぞれについて、

  • 現在何が問題なのか
  • 測定値や写真などの根拠があるか
  • シロアリ駆除と同時に行う必要があるのか
  • 行わなかった場合にどのような問題が予想されるか
  • 別の工法はないか
  • シロアリ工事と分けた見積もりを出せるか

を確認します。

「床下換気扇一式」「基礎補強一式」ではなく、台数、施工箇所、数量、単価が分かる見積もりにしてもらうと比較しやすくなります。

シロアリの見積書で確認したい項目

シロアリ工事の見積もりでは、総額だけでなく内訳を確認します。

確認項目 確認する内容
施工目的 現在の駆除なのか、予防なのか
シロアリの種類 何を根拠に種類を判断したか
施工面積 何㎡・何坪が対象か
単価 1㎡・1坪あたりの料金
工法 薬剤処理、ベイト工法など何を使うか
施工場所 床下、玄関、浴室などどこを処理するか
追加工事 床下換気扇、調湿材、補強等を分けて記載しているか
保証 期間・対象・再施工条件
追加料金 契約後に料金が増える条件
税込総額 最終的に支払う予定金額

シロアリ駆除の価格自体を比較したい場合は、シロアリ駆除の費用を確認してください。

無料点検を利用するなら「自分から選んだ会社」へ依頼する

無料点検そのものは珍しいサービスではありません。

シロアリ専門会社の中にも、公式サイトから申し込める無料床下診断や無料見積もりを提供する会社があります。

そのため「無料=悪徳」と判断する必要はありません。

違いは、自分で調べて依頼したのか、突然訪問してきた相手にその場で床下へ入ってもらったのかという点にもあります。

無料点検を使う場合は、

  1. 自分で会社を調べる
  2. 公式の電話番号・フォームから申し込む
  3. 点検だけでも問題ないか確認する
  4. 点検結果を写真・報告書でもらう
  5. 施工はその場で決めない

という方法が比較しやすくなります。

無料点検そのものの利用方法は、シロアリ無料点検は本当に無料かで詳しく整理しています。

2〜3社の見積もりを同じ条件で比較する

シロアリ被害が確認されても、緊急性が極めて高い場合を除いて、複数社から見積もりを取る余地があります。

相見積もりするときは、総額だけを比較しません。

  • 施工対象面積
  • 1㎡または1坪あたりの料金
  • 駆除・予防の別
  • 工法
  • 薬剤
  • 施工範囲
  • 追加工事
  • 保証期間
  • 保証内容
  • 定期点検

をそろえます。

同じ住宅なのに、一社だけ施工面積が大幅に広い、追加工事が大量に含まれるなどの違いがあれば、その理由を確認できます。

資格や業界団体への登録も確認材料になる

公益社団法人日本しろあり対策協会には、「しろあり防除施工士」という資格制度があります。

同協会の公式サイトでは施工士を検索でき、登録施工業者会員の名簿も公開されています。

依頼先を確認するときに、

  • 会社情報が実在するか
  • しろあり防除施工士が在籍しているか
  • 協会の登録施工業者か

を見ることは、一つの判断材料になります。

ただし、資格を持つ人がいる、協会の会員であるという事実だけで、料金や施工品質、営業方法のすべてが保証されるわけではありません。

見積もり・説明・保証などと合わせて判断してください。

「大手だから安心」「地元業者だから安心」とも限らない

会社規模だけで良し悪しを決める必要もありません。

大手には施工体制や保証制度が整っている場合がある一方、地域の専門業者が住宅構造や地域のシロアリ事情に詳しいこともあります。

確認したいのは、

  • 会社名・所在地が確認できる
  • 施工する会社が事前に分かる
  • 見積もり内容が明確
  • 施工方法を説明できる
  • 保証を書面で確認できる
  • 即決を強要しない

といった点です。

紹介サイトを使う場合は実際の契約相手を確認する

インターネット上には、全国から相談を受け、地域の加盟店・提携会社を紹介するサービスもあります。

紹介型サービスを利用すること自体に問題はありません。

ただし、契約前には、

  • 実際に点検する会社
  • 契約相手となる会社
  • 施工する会社
  • 代金を支払う会社
  • 保証を行う会社
  • 再発時の問い合わせ先

を確認します。

ウェブサイトのサービス名と、実際に住宅へ来る会社名が違うことがあります。

契約してしまった後でもクーリング・オフできる場合がある

突然訪問してきた業者や、点検を目的として住宅へ来た業者からその場でシロアリ工事を勧められて契約した場合、特定商取引法上の訪問販売に該当することがあります。

訪問販売に該当する場合は、原則として法律で定められた書面を受け取った日を1日目として8日以内であれば、書面または電磁的記録によってクーリング・オフできます。

また、事業者がクーリング・オフについて事実と異なる説明をしたり、威迫によって手続きを妨げたりした場合には、期間を過ぎていてもクーリング・オフできる場合があります。

契約経緯によって扱いが異なるため、「8日を過ぎたから絶対に無理」と自己判断しないでください。

工事が始まっていても相談する

訪問販売に該当する契約では、工事が開始・提供済みであることだけを理由にクーリング・オフできなくなるとは限りません。

国民生活センターも、訪問販売等に該当する住宅修理契約について、8日以内であれば施工済み部分の代金を支払う必要がない場合があると案内しています。

「もう薬剤をまいたので解約できない」「資材を注文したからキャンセルできない」と言われても、それだけで判断せず相談してください。

自分からインターネットで呼んだ業者でも相談対象になる場合がある

自分から業者へ電話したから、訪問販売に絶対該当しないとも限りません。

国民生活センターは害虫・害獣駆除について、

  • 見積もりのために呼んだ事業者とその場で契約した
  • 広告表示と実際の請求額が大きく異なる

といった場合には、訪問販売としてクーリング・オフ等が適用される可能性があると案内しています。

シロアリ点検でも、契約までの経緯によって判断が変わります。

契約トラブルになったら残しておきたい資料

不安な契約をしてしまった場合は、資料を捨てずに保管します。

  • 訪問者の名刺
  • 点検報告書
  • 床下写真・動画
  • 見積書
  • 契約書
  • 保証書
  • 請求書・領収書
  • メール・SMS・LINE等のやり取り
  • 電話を受けた日時
  • 広告ページのスクリーンショット
  • 工事箇所の写真

訪問時にどのような説明を受けたかも、忘れないうちにメモしておくと相談しやすくなります。

困ったら消費者ホットライン188へ

高額な工事を契約してしまった、クーリング・オフを断られた、不安をあおられて契約した、契約書の内容がよく分からないといった場合は、消費者ホットライン「188」へ相談できます。

最寄りの消費生活センター等につながります。

事業者と直接やり取りを続けてから相談するのではなく、不安を感じた段階で早めに相談する方法があります。

シロアリの悪徳業者についてよくある疑問

シロアリ無料点検は全部怪しいですか?

いいえ。無料点検を通常サービスとして提供する専門会社もあります。自分で会社を調べて公式窓口から依頼する無料点検と、突然訪問してくる無料点検営業は分けて考えてください。

訪問してくるシロアリ業者はすべて悪徳ですか?

訪問営業というだけで悪徳とは断定できません。ただし、公的機関も無料点検を入口とした点検商法を注意喚起しています。依頼していない訪問なら、その場で点検や契約を受け入れず、自分で会社情報を確認する方が安全です。

床下写真を見せられたら信じていいですか?

写真は重要な証拠ですが、自宅のどこの写真なのか確認します。遠景、配管・基礎など位置が分かる画像、被害部位の近接写真を組み合わせて説明してもらい、報告書を受け取ると比較しやすくなります。

今日契約すれば安くなると言われました

即日割引だけで悪質とは判断できません。ただし、他社と比較する時間を与えず契約を急がせる場合は注意してください。被害状況と見積書を持ち帰り、本当に今日契約する必要があるのか確認します。

床下換気扇や調湿材も必要と言われました

住宅によって必要になることはありますが、シロアリ駆除とは別の目的の工事です。なぜ必要なのか、測定値や写真などの根拠、施工数量、価格を確認し、シロアリ施工とは分けた見積もりを依頼してください。

シロアリ業者の相場より高ければ悪徳ですか?

金額だけでは判断できません。施工面積、シロアリの種類、工法、被害状況、修繕、保証などによって料金が変わります。施工内容をそろえた見積もりで比較してください。

しろあり防除施工士がいれば安心ですか?

専門性を確認する一つの材料です。日本しろあり対策協会では施工士検索と登録施工業者名簿を公開しています。ただし資格・登録だけで営業方法や施工品質のすべてが保証されるわけではありません。

契約して工事が始まってしまいました。もう解約できませんか?

訪問販売に該当する場合などは、工事が始まった後でもクーリング・オフできる可能性があります。契約書類を保管し、早めに188へ相談してください。

8日を過ぎたら何もできませんか?

必ずしもそうとは限りません。法定書面が交付されていない場合や、事実と異なる説明などがあった場合は、8日を過ぎても対応できる可能性があります。契約経緯を含めて消費生活センターへ相談してください。

シロアリ業者は「恐怖で即決させるか」「根拠を示して比較させるか」で見る

シロアリ被害は住宅に実害を生じさせるため、必要な駆除や予防まで避ける必要はありません。

一方で、床下は住宅所有者が直接確認しにくく、専門家と消費者の情報差が大きい場所です。

業者を選ぶときは、

  1. 突然の訪問点検はその場で家に入れない
  2. 自分で公式窓口から点検を依頼する
  3. 床下写真・動画が自宅のどこか確認する
  4. 現在のシロアリ被害を具体的に説明してもらう
  5. 施工面積・単価・工法を見積書で確認する
  6. 床下換気扇・調湿材・補強などは別工事として判断する
  7. 即日契約を避け、2〜3社を同じ条件で比較する
  8. 保証内容を書面で確認する
  9. 契約トラブルがあれば188へ早めに相談する

という流れで確認すると、不安だけで契約を決めるリスクを下げられます。

これから無料点検を依頼する段階ならシロアリ無料点検の確認ポイント、すでに見積もりを受け取って料金を比較したい場合はシロアリ駆除の費用、業者選び全般は害獣・害虫駆除業者の選び方へ進んでください。


主な参考情報(2026年9月14日確認)

  • 国民生活センター「『シロアリがいる』と写真を見せられ、訪問した業者に駆除を依頼した。解約したい。」
  • 国民生活センター「『このままだと大変だ』と言われて高額な修理を契約したがウソだった。解約したい。」
  • 国民生活センター「害虫・害獣駆除で高額請求された。払いたくない。」
  • 国民生活センター「自宅の不具合を指摘して不安をあおる『点検商法』」
  • 東京都「『シロアリの無料点検に伺います』などと無料点検を口実に訪問し、リフォーム工事を勧誘する事業者への行政処分」
  • 消費者庁 特定商取引法ガイド「訪問販売」
  • 公益社団法人 日本しろあり対策協会「しろあり防除施工士」
  • 公益社団法人 日本しろあり対策協会「登録施工業者会員名簿」

※契約解除やクーリング・オフの可否は、契約方法・勧誘経緯・書面交付状況等によって異なります。個別の契約トラブルは消費生活センター等へ相談してください。

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この記事を書いた人

住宅で発生する害獣・害虫トラブルについて、公的機関・自治体・専門団体・学術情報などを確認しながら情報を整理しています。症状から原因を考え、安全な対処や専門業者へ相談する判断材料を提供することを目的としています。

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